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映画『クワイエットルームにようこそ』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『クワイエットルームにようこそ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『クワイエットルームにようこそ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『クワイエットルームにようこそ』の結末までのストーリー
  • 『クワイエットルームにようこそ』を見た感想・レビュー
  • 『クワイエットルームにようこそ』を見た人におすすめの映画5選

映画『クワイエットルームにようこそ』の作品情報

クワイエットルームにようこそ

製作年:2007年
上映時間:118分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:松尾スズキ
キャスト:内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、りょう etc

映画『クワイエットルームにようこそ』の登場人物(キャスト)

佐倉明日香(内田有紀)
雑誌のライター。バツイチ。風俗で働いていた過去がある。不眠症での通院歴がある。お笑いや面白いことが大好き。睡眠薬の飲みすぎで自殺未遂を起こし、オーバードーズ(OD)で、精神科病院の閉鎖病棟に入院する。嫌なことが限界を超えると、じんましんが出る。
鉄雄(宮藤官九郎)
明日香の同棲中の恋人。テレビ番組の作家。基本的には、言われるがままの性格。違法薬物を使うことがあり、マトリョーシカの中に隠している。番組の罰ゲームで入った風俗店で明日香と出会い、そのまま付き合い始めた。
ミキ(蒼井優)
拒食症で入院している患者のひとり。栗田と一緒にサエのパズルを手伝っている。黒づくめの服を好んで着ている。明日香が人気者になるのは好まないようだが、明日香に対して悪意は持っていない。
栗田(中村優子)
明日香と同室の女性。夫は医者。同類のにおいがすると言い、明日香と親しくなる。穏やかで物腰が柔らかいが、西野の事は嫌っている。退院の際、渡された連絡先は捨てるものだと明日香に忠告するが、明日香にだけはアドレスを教える。
サエ(高橋真唯)
お金がかかる、通称ブルジョア部屋の入院患者。入院歴は5年と一番長い。ミキと同じ拒食症患者のひとり。ピアノの腕前はかなりのもの。サザエさんも読めないが、両親は難しい本を何冊も差し入れしている。
西野(大竹しのぶ)
過食症で入院している患者。ヤクザの彼氏と付き合っている娘がいるが、関わりを拒絶されているらしい。タバコやテレホンカードを売りつけてくる。新しい患者に付きまとい、感情を爆発させて喜ぶという悪癖がある。
江口(りょう)
無表情で感情を表に出さない看護師。明日香の担当。ルールや規則を一番に考える。患者にボールペンで首を刺された事があるが、それでも看護師を続けている。
山岸(平岩紙)
表情豊かで明るい看護師。江口と同じ明日香の担当。鉄雄のファン。
コモノ(妻夫木聡)
鉄雄の弟子で元チーマー。眉毛がつながりかけている。明日香を怒らせることが多い。

映画『クワイエットルームにようこそ』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『クワイエットルームにようこそ』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『クワイエットルームにようこそ』のあらすじ【起】

雑誌のライターをしている明日香が目覚めると、そこは真っ白な部屋で、手足は拘束されていた。
記憶のない明日香に、看護師の江口が事情を説明する。
2日前、明日香は睡眠薬の飲みすぎで病院に運ばれ、自殺と判断されて精神科病院の閉鎖病棟に強制入院させられた。

同棲中の恋人、鉄雄が面会に来る。
内科で胃洗浄した時、出てきた薬の量が多く、自殺は繰り返すと言われて怖かったという鉄雄。

部屋から出た明日香は、他の患者たちを見て困惑する。
そしてトイレで鏡を見て、自分のひどい恰好に涙を流す。

これから外泊だという栗田は、明日香にブラシを貸した。
そのブラシが取れなくなった明日香を見かねたミキが、頭を梳かすのを手伝う。
ミキは明日香に、クワイエットルームにようこそ、と言った。
他人に迷惑をかけ、命を粗末にする人を閉じ込める保護室を、クワイエットルームと呼んでいるらしい。

夕食の見た目が最悪で、明日香はまた泣いた。

翌朝、仕事の電話をしたい明日香は、江口に買い物をしたいと相談する。
しかし江口は、ルールと規則を盾に明日香を黙らせる。

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映画『クワイエットルームにようこそ』のあらすじ【承】

髪の毛を燃やした患者が暴れ、入れ替わりに明日香はクワイエットルームから出た。
ブラシを貸した栗田と同室だった。

鉄雄が差し入れた漫画を、タバコを交換してほしいと西野が声をかけてくる。
西野に入院したきっかけを聞かれ、明日香は話し始める。

5年前、真面目な元旦那と出会い結婚した明日香。
面白いことが好きな明日香は、元旦那をつまらなく思うようになる。
旅行先で、旅館で元旦那の口からコップが取れなくなり、それがきっかけで離婚。

元旦那が買ってくれた銀色のローファーと、お笑いの知識しかない明日香は、風俗で働き始めた。
そこで鉄雄に出会い、一緒に暮らし始めた。
鉄雄の紹介でライターの仕事を始めるが、風俗仕事を知った両親からは勘当。

やがて明日香のもとに、元旦那の自殺の知らせと遺書が届く。
そして明日香は不眠症になり、アルコールに溺れるようになった。
鉄雄との関係もギクシャクし始める。
だが鉄雄との子供がほしくなり、睡眠薬を飲まなくなった。

父の死の知らせが届き、勘当されている明日香は仏壇を送る。
しかしそれは返された。

映画『クワイエットルームにようこそ』のあらすじ【転】

返ってきた仏壇を捨てるのも出来ず、鉄雄の部屋にしまうことに。
だが、コモノを呼び出してドラッグでハイになり、騒いだことで明日香と鉄雄は大喧嘩。
薬とお酒を一緒に飲んでいるうちに意識を失い、気づくとクワイエットルームにいた。

栗田が病院に戻り、退院が決まったと告げる。
明日香は鉄雄と連絡がつかず、困り果てていた。

栗田に誘われ、ブルジョア部屋のサエに会いに行く。
ミキと栗田は、サエのパズルを手伝っていて、完成したらサエは食事を完食する約束だった。
自分のできなかった分を明日香にやって欲しいと頼み、栗田は退院した。

鉄雄の代わりにコモノが面会に来る。
鉄雄は番組の罰ゲームで、ミャンマーに飛ばされていた。
コモノは明日香のコラムを代わりに書いたと言うが、それを読んだ明日香にはじんましんが出る。
江口は再びルールを持ち出すが、最初にルールを伝えるべきだと訴えた。
江口を黙らせたと有名になった明日香。

その日、サエのパズルは完成し、初めて食事を完食。

しかし気づくと、再びクワイエットルームにいた。
明日香は自分の記憶を探る。

映画『クワイエットルームにようこそ』の結末・ラスト(ネタバレ)

明日香の部屋は、西野によって荒らされていた。
タバコとテレカ代を返さないからだと言う。
そして鉄雄からの手紙を見つけたと言い、読み始める。

逃げるためにミャンマーへ行った鉄雄。
喧嘩の後、薬を飲んでフラフラだった明日香は、仕事に行き詰まり、元旦那との間にできた子供を堕胎したことも思い出す。
情緒不安定になっていた明日香に、鉄雄は別れを切り出した。
そして胃洗浄中には、死なせてほしいとつぶやいた。

西野と言い争いになり、感情的になった明日香は、思わずミキを殴ってしまった。

ミキの強い希望で、すぐにクワイエットルームを出られた明日香。
西野は明日香や他の患者たちから私物を盗んでいたため、医療刑務所に送られた。
脱走の機会をうかがっていた患者の金原は、とうとう病院から逃げた。

医者から退院許可が出た明日香。
面会に来た鉄雄から本音を聞き、別れる代わりに退院の申請を出してもらう。
そして明日香の14日間の入院生活は終わった。

江口は退院祝いに、珍しいたばこを渡してきた。
ミキからのメッセージ通り、退院祝いの色紙を捨てた。

明日香と入れ替わりに、自殺未遂した栗田が夫に付き添われて運ばれてきた。

映画『クワイエットルームにようこそ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

今でも拒食症のミキを演じた蒼井優の細さが衝撃的で、印象に残っている。問題を抱える女性が集まっており、暴れる姿には狂気を感じた。一見普通に見える明日香も物語が進むにつれて様々な問題を抱えていることが明らかになっていくため、衝撃を受けた。特に亡くなった父親のために送った仏壇が返されてきたところは、驚きと同時に悲しさも感じた。物語の最後で栗田が再び病院に運ばれてきたのを見て、心の闇の深さを感じた。(女性 30代)


まず、拒食症患者役で出ていた蒼井優さんが本当にハマり役で、かわいいです!それが観れるだけでも、この映画を見る価値ありです!笑 内容も「あれ?」と感じた部分が最後には見事に伏線回収されて、観た後に頭の中が丸ごとリセットされるようなすっきり感が味わえます。「正常」と「異常」の違いとは何だろうと深く考えさせられた作品です。(女性 20代)


本作は、睡眠薬大量摂取で自殺未遂を図ったことにより、精神科病院の隔離病棟に強制入院させられた女性が再生していくまでをコミカルに描いたコメディーヒューマンドラマ作品。
重くない雰囲気で観やすかった。
役作りの為、36キロまで減量した蒼井優の華奢な体つきが心配になるレベルだが、彼女の美しさがより一層引き立って見えた。
そして、ゆるっとした雰囲気ながらも正常と異常の間を彷徨い、最後には再び登場人物たちの心の闇の深さを感じた。(女性 20代)


精神を病んでしまったり、普通の生活を送ることが出来ない「異常」と判断された人達が暮らす施設の中で起こる物語。登場人物が本当に個性豊かで、実際の施設でもこう言ったトラブルは日常茶飯事なのかと思うとゾッとしました。拒食症の女を演じた蒼井優や、いつも喧嘩腰の大竹しのぶなど他の作品では見ることの出来ない「女優魂」を感じる作品で、想像以上に面白かったです。邦画はあまり得意ではありませんが、この作品は他の方にもオススメできます。(女性 30代)


映画『クワイエットルームにようこそ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

精神病棟に入院するという異色の設定に最初は驚きましたが、明日香の心の傷や葛藤に強く共感しました。患者たちとの奇妙な交流が、ただのコメディではない深い人間ドラマを生んでいて、ラストの「生きる選択」に胸を打たれました。リアルで鋭い作品です。(20代 男性)


最初はコメディタッチかと思ったけど、進むごとに心に突き刺さるリアルな描写に引き込まれました。精神病棟で出会う人たちはどこか自分にも重なって見えて、考えさせられました。明日香が現実に向き合い、一歩踏み出すラストは涙が出ました。(30代 女性)


入院のきっかけが自殺未遂という重いテーマなのに、どこかブラックユーモアを交えた語り口が絶妙。精神病棟の患者たちの描き方も偏見がなく、すごく人間味があって良かった。明日香が再び外の世界を目指すエンディングが、とても希望を感じさせて印象に残りました。(40代 男性)


明日香をはじめ、登場人物たちがみんな不器用で愛おしかったです。特に、明日香が自分の過去と向き合い、少しずつ立ち直っていく過程がリアルで、感情移入せずにはいられませんでした。静かにでも確実に希望へと向かうラストが、本当に素敵でした。(20代 女性)


現代社会の生きづらさを、ユーモラスかつ真剣に描いた力作でした。精神病棟を舞台にしながらも、患者たちは「異常」ではなく、誰もが抱える弱さの象徴として描かれている点が素晴らしい。明日香の「もう一度やり直す」決意に、自分も勇気をもらいました。(50代 男性)


自分を見失った明日香が、他者と関わることで再び自分を取り戻していく過程がとても感動的でした。精神病棟という閉鎖的な空間で描かれる小さなドラマたちが、実はとても普遍的で、ぐっと胸にきます。エンドロールで流れる音楽も最高でした。(30代 女性)

映画『クワイエットルームにようこそ』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『クワイエットルームにようこそ』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

リリィ・シュシュのすべて

この映画を一言で表すと?

痛みを抱えた少年たちの、心の叫びを美しく描いた青春群像劇。

どんな話?

ネット上でつながる少年たちが、それぞれの孤独や苦しみと向き合いながら成長していく様子を描いた物語。現実の苛酷さと、心の救いを求める想いが交錯する、繊細で重い作品です。

ここがおすすめ!

リアルな痛みと向き合いながらも、どこか幻想的な映像美で包み込むこの映画は、『クワイエットルームにようこそ』に惹かれた人にぴったり。心にじわじわと響く深い感動を味わえます。

誰も知らない

この映画を一言で表すと?

誰にも頼れない子供たちが紡ぐ、静かで切ない生存の物語。

どんな話?

母親に置き去りにされた兄弟たちが、社会から孤立しながらも必死に生き抜こうとする姿を描く実話を基にした作品。淡々とした語り口が、逆に心に深く突き刺さります。

ここがおすすめ!

孤独と向き合いながら、静かに立ち上がろうとする姿が胸を打ちます。『クワイエットルームにようこそ』のような、痛みと希望の両方を感じさせる作品を求める方におすすめです。

ぼくたちの家族

この映画を一言で表すと?

突然訪れる「家族の危機」をリアルに描いた、静かな感動作。

どんな話?

母親の病をきっかけに、それまでバラバラだった家族がそれぞれ葛藤しながら支え合っていく様子を描いた物語。小さな家族の再生の軌跡を、繊細に描き出しています。

ここがおすすめ!

誰かのために必死になることの痛みと温かさが、胸に沁みわたる作品です。『クワイエットルームにようこそ』で感じたリアルな人間ドラマを、さらに深く味わいたい方にぴったり。

勝手にふるえてろ

この映画を一言で表すと?

妄想と現実を行き来するヒロインが贈る、痛快で切ない青春劇。

どんな話?

恋愛経験ゼロのOLが、理想と現実の狭間で奮闘する姿をコミカルかつシリアスに描いた作品。内面の葛藤をユーモアたっぷりに表現しつつ、誰もが抱える孤独を鋭く突きます。

ここがおすすめ!

笑いながらも胸が痛くなるような、リアルな心情描写が光ります。精神的な孤独やもどかしさを描いた『クワイエットルームにようこそ』が好きな方には、きっと刺さる作品です。

彼女がその名を知らない鳥たち

この映画を一言で表すと?

醜さも弱さも隠さない、痛みだらけのラブストーリー。

どんな話?

最低な男と共依存関係に陥りながらも、本当の愛を求め続ける女性の姿を描いた物語。人間の弱さや不器用さがむき出しに描かれ、観る者の心をざらつかせます。

ここがおすすめ!

きれいごとでは終わらない、泥臭くてリアルな人間模様が魅力。『クワイエットルームにようこそ』のような、苦くて美しい感情に共鳴した方に強くおすすめします。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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