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映画『レベッカ(1940)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『レベッカ(1940)』の概要:サスペンス映画の巨匠・ヒッチコック監督のアメリカデビュー作。ジュディス・アンダーソンが不気味な家政婦長を怪演。貴族の後妻として迎えられた無垢な若妻が、屋敷に残る完璧な前妻レベッカの気配に追い詰められていく。

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映画『レベッカ』の作品情報

レベッカ

製作年:1940年
上映時間:130分
ジャンル:サスペンス
監督:アルフレッド・ヒッチコック
キャスト:ローレンス・オリヴィエ、ジョーン・フォンテイン、ジョージ・サンダース、ジュディス・アンダーソン etc

映画『レベッカ』の登場人物(キャスト)

マリアン(ジョーン・フォンテイン)
親を亡くし、金持ちの付き人として生計を立てている若い女性。画家だった父の影響で、趣味はスケッチ。無垢で素直な気性だが、人見知りで不安げな印象も。
マキシム・ド・ウィンター(ローレンス・オリヴィエ)
イギリスのマンダレーを治める地方領主。妻のレベッカを亡くして一年が経つ。優雅で洗練された魅力的な男性だが、時にカッとなり声を荒らげる事がある。
ダンヴァース夫人(ジュディス・アンダーソン)
マンダレーの家政婦長。元はレベッカの使用人で、主人の結婚と共にマンダレーに移り住んだ。レベッカの死後も、彼女を崇拝している。常に無表情で、音もなく移動する。
ジャック・ファヴエル(ジョージ・サンダース)
レベッカの従兄。カーディーラー。社交的だが、狡猾で抜け目がない。マキシムとは折り合いが悪く、レベッカの死について疑いを持っている。

映画『レベッカ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『レベッカ(1940)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『レベッカ』のあらすじ【起】

庶民の女性マリアンは、金持ちのホッパー夫人の付き人として南仏モンテカルロに滞在していた。そこで出会ったのが、同じホテルに滞在する英国貴族のマキシム・ド・ウィンターだ。一年前に妻を亡くしたマキシムはまだ若い美丈夫で、図々しいホッパー夫人は彼と近づきたがる。しかし、彼の興味をそそったのは口やかましい中年のホッパー夫人ではなく、若く控えめなマリアンだった。二人の仲は次第に縮まり、ホッパー夫人が風邪で寝込んでいる間にドライブへ出かける程になる。

マキシムがマリアンに惹かれている事をはっきり伝えた頃、ホッパー夫人に帰国の急用が出来た。娘の婚約だ。マキシムに別れを告げる間もなく、ホテルを発たなければならなくなったマリアン。思わずホッパー夫人に嘘をつき、マキシムの部屋まで押しかける。

別れを前に、マキシムは決断した。マリアンにプロポーズし、共にマンダレーの屋敷へ帰ろうと誘う。あまりに階級の違う相手に、マリアンは躊躇する。しかし、マキシムの魅力と自らへの想いに動かされ、マリアンはド・ウィンター夫人としてマンダレーに君臨する決意を固めた。

マンダレーで待っていたのは、広大な敷地に豪勢な城、そして大勢の使用人達だった。戸惑うマリアン。執事は親切に彼女をサポートするが、家政婦長のダンヴァース夫人は明らかに新しい女主人を嫌っていた。冷たい態度で彼女をバカにし、何かにつけて前妻のレベッカと比較する。マリアンの部屋は古い客室を改装したもので、一番眺めの良い西側の部屋は、未だにレベッカが使っていた頃のまま保たれていた。

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映画『レベッカ』のあらすじ【承】

突然の貴族暮らしで所在無げなマリアンにも、対等に話せそうな相手が出来た。マンダレーの財産管理をしている、フランクだ。独身の中年男だが感じが良く、マキシムにとっても良き友だった。彼らは仕事のため連れ立って出かける事が多く、マリアンは一人屋敷に残されることが多かった。あちこちにレベッカのイニシャルが残る屋敷で、居心地の悪い日々を過ごすマリアン。

他にも、知り合う者達がいた。マキシムの姉夫妻が、新妻を見にやって来たのだ。南仏で見初められた新妻は軽い女だろうと思われていたが、初々しく清楚なマリアンの様子に、姉も親身に話しかけてやる。マリアンを褒め、励まし、弟や屋敷の人々についての情報を教えてくれる。しかし、レベッカや彼女を崇拝しているダンヴァース夫人についての話を聞き、マリアンは余計に不安を覚えてしまうのだった。

マリアンにとっての幸いは、マキシムとの仲が順調な事だ。それなのに、海辺を二人で散歩中、マリアンは夫を怒らせてしまう。逃げた犬を追い、マキシムが止めるのも聞かずに海岸に立つ小屋へ行った事が原因だった。その小屋は何年も使われてないようだったが、レベッカの私物が散らかっている。さらに、少し様子のおかしい男が住み着いていた。彼は、奥様は海に消えて戻ってこない、と繰り返していた。後日フランクに確認すると、男の名はベン、そしてその小屋は、レベッカが転覆事故を起こしたボートの置き場だった。

マリアンは、夫がまだレベッカを深く愛していると感じていた。美しいレベッカに対抗する為、美容やファッションを気にし始めるマリアン。しかし、マリアンの変化はマキシムを困らせるだけだった。彼は、無垢で飾らないマリアンを愛していたのだ。マキシムは、着飾るよりも女主人としての威厳を身につけるよう窘めた。

映画『レベッカ』のあらすじ【転】

ある日、マキシムの留守中に、こっそりとダンヴァース夫人を訪ねて来る男がいた。レベッカの従兄だというこの独身男は、ファヴエルと名乗る。気安くマリアンに接するが、ダンヴァース夫人はファヴエルを早く追い出したがっているし、自分の訪問をマキシムへ伝えるなという。窓から去っていくファヴエルをあっけにとられて見送り、ダンヴァース夫人を問いただそうとマリアンが振り返ると、既に家政婦長の姿は無かった。

マリアンは、狐につままれたような気分でレベッカの部屋へ向かう。ファヴエルと出くわす前に、この部屋の窓が開いているのを見かけたのだ。明るくゴージャスな部屋に驚き、中を見て回るマリアン。いつの間にか、後ろにダンヴァース夫人が立っている。怒られるかと思えば、彼女はマリアンに部屋のしつらえを一つ一つ見せて回った。どれも、前の奥様との想い出がたっぷりだ。豪華な毛皮や繊細なレースの肌着の感触を、うっとりと指先で楽しむダンヴァース夫人。この家政婦長は、レベッカの魂はまだ屋敷に留まっていると信じていた。マリアンは、ダンヴァース夫人の不気味な迫力に恐れをなして、部屋から逃げ出した。

マリアンは、女主人として認められたいと切望していた。ダンヴァース夫人に、居間にあるレベッカの私物を処分するよう命じ、屋敷でマンダレー恒例行事の仮面舞踏会を開くという。自分ひとりの力で成功させようとする若妻にマキシムも根負けし、マリアンは早速自分の仮装衣装のスケッチに取り掛かるのだった。張り切るマリアンに、意外にもダンヴァース夫人が助言をする。祖先の肖像画から衣装を選んだらどうか。中でも、キャロライン嬢の肖像画は旦那様のお気に入りだ。マリアンは一目で気に入り、採用した。当日までマキシムには秘密にして、驚かせよう。

舞踏会当日、会場のセッティングは順調に進んでいた。徐々に客も集まり、マリアンは満を持して衣装を夫に披露する。しかし、その衣装は、一年前にレベッカが身に纏った物と同じ衣装だった。言葉を失うマキシムや姉達。マキシムは怒って妻を怒鳴り付け、マリアンは部屋へこもって泣く羽目になってしまう。彼女を陥れたダンヴァース夫人は、同じ衣装を着てもレベッカには敵わない、と追い打ちをかけた。さらに、傷ついたマリアンを窓から飛び降りさせようとけしかけるが、突然の難破事故の知らせで我に返るマリアン。

港は、転覆した船を救う人や野次馬で大騒ぎだった。さらに、その船の下から朽ちたボートが見つかり、そこに女性の死体があったというのだ。発見された死体は、レベッカその人だった。

映画『レベッカ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ボート小屋で、マリアンは夫からレベッカの死の真相を聞く。美しく誰からも称賛されるレベッカは、実は優しさも愛情も持ち合わせていない利己的な人間だった。家柄を重んじ離婚が出来ないマキシムを利用し、完璧な妻を演じる裏で好き勝手に男達と遊びまわっていたのだ。フランクも誘惑された一人で、従兄のファヴエルとの間には子まで身ごもったという。ド・ウィンター家の跡取りとして産み育てる気のレベッカにマキシムは手をあげるが、その直後、転倒した彼女は頭を打ち死んでしまう。死体をボートと共に沈めた後、全く見も知らない女の死体が妻として見つかり、マキシム自身も検死でレベッカだと認めてしまったのだ。

マキシムがレベッカを愛していたのではないと知り、マリアンは生涯夫の側で彼を愛すと心に決める。妻やフランクにも支えられ、マキシムもこの騒ぎを乗り切ろうと決意した。幸い、州警察のジュリアン大佐はマキシムに好意的な男だ。一年前の検死では、気が動転していて間違えてしまったという言い訳を信用してくれた。レベッカの死の真相は、事故か自殺だろう。

しかし、体裁上行われた取り調べで、マキシムに不利な証言が出てしまった。見つかったボートを調べた船大工が、底に人工的な穴が開いていた事や水抜き栓が閉められていた事に気づいたのだ。これにつけこんだのが、ファヴエルだった。彼は、レベッカが死んだとされる日に書いた手紙を持っていた。自殺する人間が書いたものには思えない。彼の狙いは、金だった。ファヴエルはマキシムを脅し、仲裁に入ったジュリアン大佐とフランクと共に、レベッカが隠れて通っていたロンドンの医者を訪ねる事となる。

ロンドンの病院に残されたカルテの名は、ダンヴァースとなっていた。これは全て、自分の子を妊娠したからだとファヴエルは信じていた。しかし、医師にはレベッカが自殺をする動機があったと断言する。レベッカは、妊娠などしていなかったのだ。彼女の本当の通院理由は、ガンだった。さらに、ガンと告知を受けた日、レベッカは気になる事を言っていたらしい。自分は余命いっぱい生きない、もっと早く死ぬだろうと。彼女は、自らの病を知り、夫の手で自分を殺させようとしていたのだ。

ジュリアン大佐は、レベッカの死を自殺と判断した。そして、ファヴエルには脅迫が罪になると強く警告する。晴れて殺人容疑から解放されたマキシムは急いでマンダレーに戻るが、屋敷に近づくと、深夜にもかかわらず空が妙に明るい事に気が付いた。屋敷が、猛烈な炎を巻き上げ、燃えていた。

レベッカの死の真相をファヴエルから電話で聞いたダンヴァース夫人が、屋敷に火をつけたのだ。レベッカは、ダンヴァース夫人にもガンの事を知らせていなかった。夫人は、レベッカと過ごしたマンダレーの屋敷で、マキシムとマリアンのハッピーエンドを見るのが許せなかった。何とか屋敷から逃げ出したマリアンは夫と再会し、燃え盛る屋敷を見つめる。天井の崩れ落ちるレベッカの部屋では、恍惚としたダンヴァース夫人が崩れ落ちる屋敷にのみ込まれていくのだった。

映画『レベッカ』の感想・評価・レビュー

庶民の主人公マリアンが、貴族でハンサムなマキシムと出会い恋に落ちていく。短い時間ではあったが二人の距離は縮まり、別れを告げに行ったマリアンにマキシムがプロポーズの後に結婚をし、二人はマキシムの屋敷、マンダレーへと向かう。前半はおとぎ話のような展開で、これで物語が終わりそうだが、ここからが悪夢の始まり。
マンダレーには、マキシムの前妻レベッカの名残がいたるところに感じられる。死後そのまま残された彼女の部屋、屋敷のあらゆるものに刺繍されているレベッカの名前、そしてレベッカを崇拝する使用人。名前しか出てこないのにタイトルロールであり、作中で一番印象強い人物である。
また、彼女を崇拝するダンバース夫人の静かなる狂気には背筋が凍る。最後、マリアンとマキシムの幸せが許せなかったダンバース夫人が屋敷に火をつけ、自身もその中で焼死する。レベッカの面影を追って、かつて彼女が生活した空間の中での死は彼女にとってはハッピーエンドだったのかもしれない。(女性 20代)


アルファベット・ヒッチコック作品。白黒映画ですが、最初から最後までどのように物語が進んでいくのか予測不可能な面白い作品です。最初は、レベッカの存在が超えられない高い女性像として描かれていますが、途中でその理想像はガタガタと崩れていきます。
先にこの作品を知ったのは舞台でした。映画を観て舞台を観たり、原作を読んだり、作品の楽しみ方は本当に様々あるなということを感じました。
今まで観たヒッチコック作品の中では一番好きな作品かもしれません。(女性 40代)

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みんなの感想・レビュー

  1. 獅子舞子 より:

    3回目観終わりました。最後まで目を離せない内容でしたが、一つ大きな不満が。
    マキシムが新妻に、実際のレベッカと彼女を殴って死なせてしまった経由を告白するくだり。マキシムが延々と話していますが、あそこの状況は再現ドラマが適切でしょう。時間の関係と予算の関係、何より、プロデューサーの意向でしょう。もっとヒッチコックの思い通りにできてたら、内容ある再現ドラマを挿入できたと思います。