映画『レッドクリフ1』の概要:2008年公開の中国映画(原題:赤壁)。ジョン・ウー監督の作品で中国文学の古典小説「三国志演義」を基に赤壁の戦いまでの前半部分を描いている。豪華俳優陣が出演したことでも話題。
映画『レッドクリフ1』 作品情報
- 製作年:2008年
- 上映時間:145分
- ジャンル:アクション
- 監督:ジョン・ウー
- キャスト:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、チャン・チェン etc
映画『レッドクリフ1』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『レッドクリフ1』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『レッドクリフ1』のあらすじを紹介します。
およそ1800年前、中国の漢王朝は乱世に突入。
その時の帝国の事実上の支配は曹操がしていた。
しかし各場所で我こそがとこぞって旗揚げをしはじめていた時代でもある。
武力で統一を目指していた曹操に対し、人情味が厚く周囲の人に助けられるタイプの劉備。
まだ微力であったがそれに驚異を覚えた曹操は劉備を襲う。
劉備の天才軍師・諸葛亮孔明(金城武)のおかげで難を逃れた劉備軍は孔明に提案をされる。
それは敵軍である孫権と手を組み、曹操を倒すということであった。
単身で話し合いに向かう孔明は孫権が信頼する軍師・周瑜(トニー・レオン)と出会う。
最初は警戒をしていた周瑜であったが、孔明の知的で聡明なところに惹かれ次第にお互い心を許していく。
かくして劉備軍と孫権軍は同盟を結び、いざ曹操軍に挑む計画を練る。
しかし2つの軍を合わせても10万、対して曹操軍は80万の大軍であった。
また曹操にはもう1つの目的があった。
それは周瑜の妻・小喬(リン・チーリン)に近づくこと。
この2つの目的を防ぐためいざ闘いの幕が開かれる。
映画『レッドクリフ1』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『レッドクリフ1』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
三国志と思わなければ非常にクオリティーが高い作品
三国志ファンは世界中にいるだろう。
その最大の魅力と言えばやはり登場人物の多さと、それを統率する幹部軍団のやりとり。
また、それぞれの国が独立を目指していくための知恵の絞り合いだ。
軍師が好きという人が多いのもこの理由からかもしれない。
しかしそれは好きだから詳しいというだけであって、映画を鑑賞する人が皆歴史に詳しいとは限らない。
そして限られた時間の中で史実通り登場人物を描いていたら、とりとめのないものになり作品として劣化してしまう。
そのために本作もかなり原題映画アレンジがされている三国志となっている。
三国志ファンというよりも、あまり知識がなく見る人向けに作られているのでそれも仕方ない。
歴史としてはツッコミたくなるシーンが数多いが、映画としては見事にまとめられている。
三国志初心者での話もわかりやすく製作されているのではないだろうか。
冒頭にきちんとナレーターの簡単な説明もついており親切丁寧。
アクションシーンも派手で迫力があり、男女問わず楽しむことができる。
この壮大なスケールの歴史を陳腐なものに感じさせず、最後まで作り上げた根性は立派である。
好き嫌いはさておき見て損はしない作品である。
中村獅童の演技が凄い
本作にはオリジナルのキャラクターを中村獅童が演じている。
歌舞伎役者ということもあり演技に定評がある彼であるが、あまりに演技がオーバーで少々恥ずかしい場面も。
肩に力が入ったのかトニー・レオンなどと比べてしまうとやはり見劣りしてしまうのは仕方のないことなのか。
俳優が豪華
金城武とトニー・レオンの掛け合いが最高である。
何とも演技がナチュラルで入り混みやすい。
ファンの多い作品なのにあまり敵を作りにくいキャスティングであっただろう。
監督が孫権好きなのかな?と感じるシーンが多い、孫権寄りに描かれた作品です。メインが周瑜で描かれているので仕方ない部分もあるでしょうが、日本人だと劉備寄りになることが多いのでこれはこれで面白いです。
登場人物が極力少なくしてうまく描かれていて、三国志に詳しくない人向けにもナレーションが入るなど歴史ものにしてはとても親切な作品です。
周瑜と諸葛亮がもっとバチバチやり合うのかと思ったらそうでもなく、悪役は曹操だけという分かりやすい構成になっています。(女性 30代)
映画『レッドクリフ1』 まとめ
中国という国は国土が広すぎる。
そのため歴史的な物語も壮大であり、作品にしづらいというのが現実的ではないだろうか。
しかし誰もが待っていたのがこの三国志である。
さすがに映画で流れを全部作ることは不可能であるが、名場面「赤壁の戦い」だけであれば確かに見やすい。
また、登場人物を大幅に削り、まるで大将だけが戦っているように演出したことで理解しやすい作りにしたのも見事である。
ドラマではないからこのくらいの手頃さで制作するのが妥当だろう。
詳しい人からすると全く別物であるが、これはエンターテインメントとして成立した作品としては良質な映画でありオススメしたい作品でもある。
これをとっかかりとして三国の魅力に気が付く人が増えれば良い。
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