映画『レッド・サイレン』の概要:2002年のフランス映画(原題:La Sirene rouge)。1993年に発売されたモーリス・G・ダンテックの同名小説を原作としている映画で、心に傷を持つ男と12歳の処女が逃避行するアクション映画。
映画『レッド・サイレン』 作品情報
- 製作年:2002年
- 上映時間:118分
- ジャンル:アクション
- 監督:オリヴィエ・メガトン
- キャスト:ジャン=マルク・バール、アーシア・アルジェント、フランシス・バーバー、アレクサンドラ・ネグラオ etc
映画『レッド・サイレン』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『レッド・サイレン』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『レッド・サイレン』のあらすじを紹介します。
12歳の少女アリスがある日一人で警察を訪れた。
アニータ警部補指名で会いたいと言ってきた少女の目的は、自分の母親のエバがメイドを惨殺したという証拠が写っているDVDだった。
映像が本物であると確信したものの、アニータは上司からエバの家庭には深入りするなと忠告される。
エバは政治家にも顔が利く大富豪であり、武器商人としても仕事をしていたからだ。
しかしアニータ警部補はこの上司の忠告を無視し、エバの家の家宅捜査をする。
このことでエバは娘が警察にいることを知り、引取りにやってくる。
しかし母親を恐れているアリスはトイレの窓から逃げ出し、ヒューゴーという男の車に身を隠した。
そして彼に事情を話街から逃げてくれと説得する。
彼がボスニア紛争時誤って子供を殺してしまった傷を持つ反ファシストの傭兵だった。
彼は必死に説得するアリスを連れて、彼女の父親トラビスがいるというポルトガルに向かうことに。
到着して待っていたのは殺し屋。
ヒューゴーは窮地を何とか逃れるも向かうとこと向かうところ殺し屋がやってくる。
そんな時腕を怪我したアニータ警部補と再会。
エバが怪しいと追っていた警部補もまたポルトガルに来ていたのだ。
そして3人でに逃げるもやはりエバの追っては迫ってきた。
ある日の朝置き手紙を残して消えたアリスは父親と再会を果たしていた。
そしてそこにエバの部下とアニータ警部補、ヒューゴーもまたやってきた。
アリスを連れ出したエバは残りの3人を倉庫に閉じ込め火を点け、始末するように言い放つ。
しかし3人は無事脱出し、アリスは母に銃を向けるのだった。
映画『レッド・サイレン』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『レッド・サイレン』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
監督のセンスが新しい作品
フランス映画で前編英語という世界向けの作品。
心に傷を持った男と12歳の少女というどこかで見たことのある設定のようなきがしないでもないが、フランス制作ということもあってレオンに敬意を評している人の仕業なのかもしれない。
冒頭のシーンの迫力から殺人を犯してしまう母親の姿など、少々目にびっくりするシーンも多いが決してそのまま進んでいくわけでもなく良い仕上がりとなっている。
何より銃撃戦のシーンは怖さや迫力感ももちろん十分であるが、何より映像全体が非常に美しい。
美的センスの高い監督が撮ったからこその出来上がりといって良いだろう。
登場人物の設定のうまさと美しいキャラクター
上記でも書いたが、美しさということに重点を置いた監督である。
それゆえ映画本編に留まらず、登場人物全員が非常に美しい。
そしてキャラクター設定も様々で、誰かには感情移入できるようになっている周到さ。
普通これだけワラワラ人がいるとゴチャゴチャしそうなものだが、それは出てきた最初だけ。
物語が展開していくうちに線と線がつながり、クリアになっていく。
そして誰かに自分の感情を重ねられるようになっているので、途中からは非常に面白く映画を鑑賞できるのが不思議である。
銃撃戦は見もの
レオンのファンなのか、ベッソン監督が好きなのか。
銃撃戦ではもろレオン風の演出になっているが、それとは別にこのシーンは一見の価値アリである。
迫力はあり人間模様も見ることができる銃撃戦で中身が濃厚。
この映画の最大の見所といっても良いかもしれない。
ラストシーンでアリスが母親に銃を向けるシーンも格好よく、この映画の魅力あるシーンの1つであるといっても良いだろう。
映画『レッド・サイレン』 まとめ
フランス映画と聞くとお洒落でハイセンスな感じがするのは自分だけだろうか?
どうしても渋谷や新宿のミニシアターで上映するイメージがつきまとう。
本作も全体的にスタイリッシュで格好がよく、フランスらしい美しさへのこだわりが伺える作品である。
監督の美への追求がどれほどのものなのかは知らないが、俳優や演出、撮影技法においてまで素人目に見ても美しいと感じることができるのだから本人は相当こだわっているのであろう。
リュック・ベッソン監督がそうであったように、フランス人監督はアメリカ映画にはない詳細への美しさは独特である。
しかし、だからこそ繊細な映画が撮れるし、センスがある映画が制作できるのかもしれない。
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