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映画『隣人13号』あらすじネタバレ結末と感想

映画『隣人13号』の概要:2005年公開の日本映画。井上三太の原作漫画の実写化で、いじめられた過去に苦しむ主人公が大人になって復讐をしようとするも二重人格者であるという衝撃的な題材を扱った作品である。

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映画『隣人13号』 作品情報

隣人13号

  • 製作年:2004年
  • 上映時間:115分
  • ジャンル:サスペンス
  • 監督:井上靖雄
  • キャスト:中村獅童、小栗旬、新井浩文、吉村由美 etc

映画『隣人13号』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

映画『隣人13号』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『隣人13号』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『隣人13号』 あらすじ【起・承】

小学生の頃、赤井トールに虐められていた村崎十三(小栗旬)。
そのいじめが行き過ぎて、赤井は十三の顔に硫酸をかけた。
赤井はすぐさま逃げ出した。

10年後。
十三は2階建ての古いアパートに引っ越しをした。
ちょうど上の階にも家族で引っ越してきた一家がいる。
それがあの赤井だった。
高校時代は暴走族に走り、散々悪いことをした赤井だったが所帯を構え家族で越してきたのだった。
十三はあの一件以来、自分の中に芽生えるもう一人の凶暴な自分を13号と名乗り、赤井に対する復讐心を忘れられず暮らして来た。

十三は復讐の機会を狙い、赤井が働く土木建築会社に入る。
しかし赤井は十三には全く気がつかず、相変わらず会社の新人の関という男を虐めていた。
関は十三に親切で、それを気に入らない赤井は十三にも手を出した。
しかしやられっぱなしになっていない十三に、赤井と関は13号の姿を目にする。

自宅に戻り赤井の妻であるのぞみ(吉村由美)と会話をする十三は、その後堂々と赤井の自宅に忍び込み盗聴器を仕掛ける。

その後、関が昼間のことを心配し訪ねてきた。
十三は昔のことを思い切って話すことに。
そして自分の中に潜む13号の存在も話した。

関が帰宅すると十三は、13号の人格が出てきてトランス状態に陥り絶叫する。
すると隣に住んでいる男が苦情を言いに来た。
13号の人格になっている十三は、その男の家へ押しかけ包丁で滅多刺しにする。

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映画『隣人13号』 結末・ラスト(ネタバレ)

翌日、関は赤井に十三のことを教えてあげようとする。
しかし十三がそれに気がつき関を殺害し、建築現場に埋めてしまう。
このとき既に13号は十三の人格を飲み込もうとしていた。

赤井の妻が十三の元に食べ物のお裾分けに来た。
そこで十三は映画のペアチケットをのぞみに渡し、子供を見ていてあげるから夫婦で行くよう薦める。

翌日、赤井は夫婦で映画に行き、十三は子守役として息子を遊園地に連れて行った。
十三の後をつけた赤井の暴走族時代の仲間は、十三が13号に変身し息子を殺害しようとしているところに遭遇。
しかし13号に殺されてしまう。

映画から帰宅した赤井夫婦。
息子の帰りが遅いのが気になり、十三の家に行く。
そこには誰の姿も無かったが、部屋には血痕とビデオテープが残されていた。
それを見てみると十三が息子を拉致したことがわかった。
そして卒業アルバムで、十三がかつて虐めた同級生だったことも同時に知る。
赤井は仲間から銃をもらい、すぐさま十三がいる学校で向かった。

赤井が教室に着くとスーツケースが渡される。
咄嗟に撃った赤井。
鞄の中身が息子だと言うことを知り、絶望する。
そして謝罪するのだった。

時は小学校時代の二人に戻る。
硫酸をかけられる前である。
十三は教壇においてある花瓶で反撃し、この時点で謝罪をさせその後は赤井達の仲間になっている。
そして帰宅途中、取り壊されかかるアパートの前を通り中で笑っている13号と目を合わす。
作りかけた13号の人格は、アパートと共に消えた。

映画『隣人13号』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『隣人13号』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

結末の理解

本作品のラストはよくわからない。
硫酸をかけられる前の十三が赤井に攻撃をし、そのあと無事に卒業して一緒に帰っているのだ。
そして事件が起こったアパートが取り壊されて、中に13号が笑ってみている。
これはどういうことなのか。

冒頭から行われていた復讐は、パラレルワールドで実際には小学校の時に解決されていて13号を作り出す前に決別していたか。
はたまた最後のシーンが「もしこうだったらそうならなかったのに」なのか。
いまいちはっきりしない内容が不気味さを強調させて印象づけられているだけのような気がする。

特に最後アパートの中で、笑っている13号は気味が悪い。
はっきりいってこのイメージだけで映画が終わってしまうような感じである。

意外な共演

小栗旬と中村獅童。
共演のイメージが全く無い。
しかも自分の精神と身体というような、構成で非常に気持ちが悪い。
あまりにジャンルが同じだと逆に気味の悪さが出なかったろうと思うので、監督のキャスティングは成功である。
二人の演技派俳優の演技のうまさが上手に引き出された作品である。

後味の悪さは天下一品

この映画は非常に後味が悪い。
二度と見たくないと思うほどである。
漫画が原作のようだが、この漫画を読んでいない人でもこの気持ち悪さを肌で感じることが出来るということは監督の演出や脚本が相当良かったのだろう。
日本の映画の良いところを前面に押し出した作品であり、日本の映画の嫌いな心理描写が多い作品でもある。
あまり同じジャンルの映画は存在しないので、オリジナリティーに溢れている。

映画『隣人13号』 まとめ

三池崇史監督の作品は苦手だ。
この意見は女性に多いのでは無いだろうか?
暴力的で変態的。
見ていて不愉快になるくらい、人間の心理描写を見せつけてくる。
もう結構だと言いたくなるのだ。

だが中毒性があるこの作風が不思議である。
もう見たくないのに、また見たい。
このせめぎ合いの映画を作ることが出来るのは、やっぱりこの監督は凄い監督である。

似ても似つかない俳優の共演もよく、そこに不気味なエッセンスを入れられたといっても良い。
旬の俳優の小栗旬もそうだが、中村獅童の怪演技にはトリハダが立ったほどである。

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