映画『最後まで行く』の概要:コ・ゴンス刑事は母の葬儀中に突然監査が入ることになったと連絡を受けて、警察署に戻ろうと急いで車を走らせていた。実は、ゴンスは会社から賄賂を受け取っており、その証拠を隠す必要があったのだ。だが、途中でひき逃げ事故を起こしてしまう。
映画『最後まで行く』の作品情報
上映時間:111分
ジャンル:アクション、コメディ
監督:キム・ソンフン
キャスト:イ・ソンギュン、チョ・ジヌン、チョン・マンシク、シン・ジョングン etc
映画『最後まで行く』の登場人物(キャスト)
- コ・ゴンス(イ・ソンギュン)
- 西部警察署・殺人課の刑事。会社から賄賂を受け取ったり、交通違反を刑事だからと逃れようとしたり、典型的な悪徳警官。妻とは離婚しており、シングルファザーとして娘を育てている。妹夫婦と一緒に暮らしている。
- パク・チャンミン(チョ・ジヌン)
- 警部補。麻薬課にいたときに、大量の麻薬をくすねている。その麻薬を販売したり、経営するクラブの客達に振る舞ったりして、個人資産を貯めていた。
- チェ・サンホ(チョン・マンシク)
- ゴンスの同僚の刑事。仲が良い友人でもある。お互い困ったことがあれば、助け合う仲。
映画『最後まで行く』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『最後まで行く』のあらすじ【起】
雨が降る夜、突然監査が入ることになり、刑事のコ・ゴンスは母の葬儀を抜け出して警察署に向かっていた。しかし、犬を避けるのに気を取られ、人を撥ねてしまう。撥ねてしまった男の様子を確認しに行くと、息をしていなかった。ゴンスが警察に連絡を入れようとしていると、娘から電話が掛かってきた。ゴンスは気が動転しながらも、何とか娘と会話した。その時、パトカーが近づいてくるのが見た。ゴンスは思わず遺体ごと自分も隠れてしまう。その後、ゴンスは遺体をトランクに入れて走り去った。その姿を、犬が見ていた
ゴンスは検問に引っ掛かってしまい、飲酒検査を受けることになる。ゴンスはお酒を飲んでいたため、自分が刑事であることを伝えて見逃してもらおうとした。しかし、あまりも挙動不審だったため、刑事だと信じてもらえず車を調べられそうになる。ゴンスはトランクを調べられないようにするため、暴れて抵抗した。その間に、ゴンスが刑事であることが確認できたため、見逃してもらえることになった。
監査官はゴンスの机に隠されている札束を発見する。課長は監査官の調査を止めようとするが、聞く耳を持ってもらえなかった。監査官は地元企業から賄賂を受け取った人物のリストを持っていた。そこには、ト・ヒチョル刑事100万、チェ・サンホ刑事350万、コ・ゴンス刑事350万、課長1000万と書かれていた。
ゴンスは妹に叱られ、葬儀場に戻った。納棺を行っていると、監査部が車を調べるために向かったと同僚から連絡をもらう。ゴンスは葬儀社に賄賂を渡し、最後の時間を母と過ごさせてくれと頼んだ。葬儀社が許可してくれたため、ゴンスは母の棺の中に男性の遺体を入れることにした。子供のおもちゃを利用して遺体を通気口から運びこもうとするが、おもちゃが大きな音を立てたせいで、警備員に怪しまれてしまう。ゴンスは警備員が部屋の鍵を取りに行っている間に、急いで棺の中に男性の遺体を納めた。その後、男性の遺体を入れたまま、母の棺は埋葬された。
サンホ達は監査部の秘密を探り、逆に脅しをかけて賄賂の一件から手を引かせた。ゴンスはわざとパトカーに追突し、車の修理を行った。
映画『最後まで行く』のあらすじ【承】
ゴンスはサンホ達と共に、殺人を犯した指名手配犯の捜査を行うことになった。ゴンスはその犯人の顔を見て密かに驚く。その男は自分が轢き殺してしまった男だった。指名手配犯のイ・グァンミンは風俗店を経営していたが、商売敵を2人殺していた。
ゴンス達はイのアジトのタレ込みを受け、寂れた倉庫に踏み込んだ。そこには、イの所持品があった。課長達は倉庫内の捜索を行った。ゴンスは何とも複雑な気持ちを抱えながら、捜査に加わっていた。すると、事故のときに傍にいた犬の姿が見えた。後を追って行くと、ゴンスが事故を起こした現場に辿り着いた。ゴンスが事故現場を確認していると、そこに中部署のイ刑事が現れる。ひき逃げ事故の通報を受け、調査に来たのだ。通報者は匿名だったため誰かは分からなかったが、被害者がトランクに乗せられたのを見ていたらしい。
事故現場の近くにある監視カメラの映像を確認することになった。黒色のロッツェ(車種)が急ブレーキを踏んでいることが確認できたため、ひき逃げ事故に関わっている可能性が高いと判断された。ナンバープレートの最初が8であることは分かったが、それ以上は画像が荒すぎて判別できなかった。ゴンスはどうやって誤魔化せばいいか分からず、表情を曇らせた。
映画『最後まで行く』のあらすじ【転】
ゴンスはイ・グァンミンを見たとの通報を受ける。悪戯だと思って電話を切るが、その電話の相手は、ゴンスがひき逃げ事件を起こしたことを知っていた。しかも、なぜかゴンスの携帯の番号を知っており、電話を掛けてきた。ゴンスが戸惑いながら電話を受けると、自分の近くで聞こえている物音と全く同じ物音が聞こえてきた。ゴンスは辺りを見回し、公衆電話を使っている男を発見する。ゴンスは慌てて追いかけるが、逃げられてしまう。
ゴンスは再び男から電話を受けるが、男が死体の遺棄現場を知らないことに気づき、電話を切って無視した。すると、男が現れ、殴られてしまう。その男はパク・チャンミン警部補で、監査部からゴンス達を救ってくれた人物だった。他の刑事の手前、パク警部補は人違いで殴ってしまったと弁明するが、その男がゴンスを脅していた人物に違いなかった。
パク警部補の要求は、今夜中にイを引き渡すことだった。ゴンスは拒むが、殺されそうになったため、仕方なく要求を呑むことにした。ゴンスはなぜパクが遺体を欲しがっているのか悩みながら、墓を掘り起こしてイの遺体を確認した。すると、イの遺体には銃創があった。ゴンスが轢く前に、イは既に亡くなっていたのだ。
イの携帯を充電すると、男から電話が掛かってきた。その男は「パクにヤられたと思った」と話した。ゴンスはその男のことを調べた。名前はチョ・ヌンヒョン、年齢は38歳、前科3犯でイと同郷だった。ゴンスはチョを脅し、パクがイを探している理由を聞き出した。イがパクの個人金庫の鍵を盗んだからだった。金庫の中には、パクが麻薬課に在籍していたときにネコババした麻薬が入っていた。パクは一部を売り、麻薬を使ったクラブを経営していた。その店はヤクザが手を組みたいというほど繁盛していた。パクがヤクザとの契約を結ぶ直前、イは金と麻薬を持って逃げたのだ。イは体内に金庫の鍵を隠し持っていた。
映画『最後まで行く』の結末・ラスト(ネタバレ)
ゴンスがイの遺体を調べ直していると、サンホが現れる。ゴンスが事故を起こしたことを知って追いかけて来たのだ。サンホは一度ゴンスを逮捕したものの、仲間を連行することができず解放した。ゴンスはそんなサンホに今までのことを全て打ち明けた。すると、パクから電話が掛かってきた。ゴンスはパクに指示されるまま、サンホの元を離れた。すると、電話が切れて、サンホの乗っている車の上に鉄骨が落ちてきた。ビルの上を見ると、人影が見えた。ゴンスは仲間を殺されたことを悲しみ、パクを道連れにして自首しようとした。しかし、パクはゴンスの家を訪れ、脅しをかけてきた。ゴンスは急いで自宅に戻るが、そこには既にパクの姿はなかった。
ゴンスはイの遺体をパクに渡した。パクはイの遺体を乗せて走り去るが、突然爆発を起こして道路の横にあった湖の中に落ちてしまう。実は、ゴンスがイの遺体に爆薬をセットしておいたのだ。ゴンスはパクが浮かんでこないのを確認し、自宅へと帰った。
ゴンスの自宅にパクが現れる。ゴンスは驚きが隠せなかった。パクはゴンスを殴り、本棚を倒して攻撃した。ゴンスは本棚の中にあった銃を取ろうとするが、その前にパクに引き摺り出されてしまう。ゴンスは別の部屋に移動して隠れた。すると、パクはドアを突き破って攻撃してきた。それから、2人は揉み合いになりながら戦った。しかし、パクに銃の存在がバレてしまう。2人は銃を取りに行こうとして揉み合いになった。銃の引き金部分にはネジが入り込んでおり、暴発してしまう。その弾に当たって、パクは死亡した。
今回の事件は現職警官が起こした事件のため、世間に発表されることなく隠ぺいされることが決まった。ゴンスは課長が止めるのも聞かず、辞職することを決意する。退職金はサンホの親に渡すことを決めた。だが、課長は辞職のことは保留にしておくと、ゴンスに声を掛けた。
ゴンスはボストンバックを持って、パクの個人金庫を訪れた。全額引き出すことを伝えると、店主は怪訝な表情をした。鍵を開けて部屋の中に入ると、大量の札束が置いてあった。
映画『最後まで行く』の感想・評価・レビュー
本作は、母親の葬儀中に署内内部捜査が行われるため職場に戻る途中で轢き逃げ事故を起こし、隠ぺい工作を図ろうとする殺人課の刑事ゴンスが追い込まれていく様子を描いたアクションコメディー作品。
邦題やパッケージからあまり期待はしていなかったが、追い詰められていく腰抜けの刑事、そして要所要所で笑い所があり、いっその事最後まで行ってしまおうというテンポの良さに乗せられて一気に鑑賞し終えた。
終始ハラハラドキドキが止まらない作品。(女性 20代)
悪徳警察官しか出てこない今作。皆が裏で明るみにして欲しくない悪事を働いているから何かあっても隠蔽しようとするし、自分のことは棚に上げて他人のあらを探して陥れようとするやり方は呆れてしまうほどでした。
1度嘘をつくとその嘘を隠すために何度も何度も嘘をつかなければいけなくなるゴンスが本当に哀れでした。
最後の最後まで悪事や嘘を貫き通したのは潔かったですが、可哀想な人だなと感じてしまいました。(女性 30代)
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