映画『リトル・ランナー』の概要:2004年のカナダ映画(原題:Saint Ralph)。入院中の母の病気が治るという奇跡を信じて、ボストンマラソンで優勝しようと奮闘する思春期の少年を描いた作品。
映画『リトル・ランナー』 作品情報
- 製作年:2004年
- 上映時間:98分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:マイケル・マッゴーワン
- キャスト:アダム・ブッチャー、キャンベル・スコット、ゴードン・ピンセント、ジェニファー・ティリー etc
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映画『リトル・ランナー』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『リトル・ランナー』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『リトル・ランナー』のあらすじを紹介します。
1954年のカナダのハミルトンが物語の舞台。
14歳のラルフは思春期真っ只中。
Hなことに興味があり、いたずらもする。
そんな彼は中学校に通っていた。
彼の父親は戦死、唯一の肉親で最愛の母親は末期ガンの為入院中。
母はラルフが友人の家で世話になっていると思っているし、周囲の人々は祖父母に面倒を見てもらっていると思っているが実際には孤独に自宅で暮らしている。
そんなある日、ラルフの母親が昏睡状態に陥ってしまった。
母親が目を覚ますのは奇跡的なことだと知ったラルフだったが、偶然学校で教師が話している話を立ち聞きしてしまう。
それは「ボストンマラソンで優勝するのは奇跡だ」という内容だった。
そのマラソン大会で優勝すれば母親が目覚めると勝手に決めつけ、目標を持ったラルフは大会に出ることを志願する。
周りにバカにされながらも特訓を始めるラルフ。
それを見ていたかつてオリンピック選手だった神父がコーチをしてくれることに。
ひたすら練習をし、ついに大会の日を迎える。
全力で闘いぬいたラルフは敗れたが、その姿は美しかった。
そしてベッドで目覚めた母の姿があった。
映画『リトル・ランナー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『リトル・ランナー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
原題の意味
邦題はリトルダンサーのぱくりか!?ともとれるリトルランナー。
でも原題にはカトリックともとれるSaintの表記。
映画を見た人は納得するだろう。
この映画はまさにカトリックの教えを中心として描いている。
例えば最後のボストン大会の前には懺悔するシーンなどがあり、映画自体も全体を通してみても宗教色が強い。
無宗教者が多い日本人にとっては、ピンと来ない設定で多くを共感出来なかった。
今まではHなことに興味が強い14歳の少年だったが、最後の大会では奇跡を起こしたという意味なのかもしれない。
光のあるラスト
例えば優勝して、お母さんが目を覚ますそんなオチだったら本当に奇跡。
しかしそんなラストだったら逆に面白くない。
本作の良いところは未来を描いているところだ。
ラストシーンは再び練習する少年とコーチを描く。
お母さんの病気はもちろん治って欲しいが、そんなことではなく少年のこの先を思わせる終わり方が素晴らしかった。
元々の目的はお母さんの奇跡。
しかし今となってはお母さんの奇跡よりも、自分の今後のランナーとしての活躍が気になっている。
そのことをうまく演出したラストは、感動的である。
泣かせる演技
この映画は少年の演技ありきだ。
嘘をついて誰かと暮らしているように見せながらも孤独だったり、お母さんの奇跡を願うためにマラソンの特訓をしたりなど心の描写を幼いながらしっかりと演じている。
最初こそ淡々としているが、次第に作品の世界観に、どっぷりとはまりこみまんまと涙してしまう。
カナダ映画の独特な雰囲気に何の違和感も覚えず楽しめるのは、この少年がいたからこその感動だ。
映画『リトル・ランナー』 まとめ
カナダ映画というのは中々見たことがない。
しかし数は少ないが、鑑賞済みのカナダ映画はどれも淡々としていながらコメディ要素を含んだ作品が多い。
登場人物が等身大で描かれ、本当に身近に起こりそうな事件ばかりである。
ハリウッド映画のようにお金をかけて派手なCGというわけではないが、素朴なのに内容重視な作風が心地よく見やすい。
こんなことあるかも、こんなことあったら面白いなあと思い浮かべやすいのも特徴的である。
カナダの美しい自然がそれとなく登場するのも素敵だ。
歳をとるとこんな静かで力強い映画が良いと思うようになるから不思議。
まだまだ慣れないカナダ映画。
もう少し日本にも入ってくると良いと思う。
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