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映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ』の概要:物から残留思念を読み取ることができる主人公。人捜しの依頼に渋々、協力することにしたが、やがて失踪が殺人事件へと繋がっていく。切なくも悲しい事件に関わりつつ、立ち直っていく主人公を描いた作品。笑いあり涙ありのサスペンス。

映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ』の作品情報

スキャナー 記憶のカケラをよむ

製作年:2015年
上映時間:109分
ジャンル:コメディ、サスペンス
監督:金子修介
キャスト:野村萬斎、宮迫博之、安田章大、杉咲花 etc

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映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ』の登場人物(キャスト)

仙石和彦(野村萬斎)
素手で触ると物に蓄積された残留思念を読み取ることができる。引き篭もりだが、知的で育ちが良い。普段はマンションの管理人をしている。丸山とは過去にコンビを組んで、お笑い芸人をしていた。
丸山竜司(宮迫博之)
崖っぷちのお笑い芸人。粗野で下品だが、根は良い奴。借金返済のため、事件解決に協力するが、やがて正義感に目覚める。仙石の元相方。
佐々部悟(安田章大)
事件の首謀者。亡くなった病弱な妹の無念を晴らすために女装して殺人を犯す。刑事。
秋山亜美(杉咲花)
音楽学校の女子学生。18歳。雪絵の教え子で才能溢れるピアニスト。依頼人。
沢村雪絵(木村文乃)
音楽学校の講師。亜美にピアノを教えていた。前向きで聡明な女性。亜美を守るために自らの命を犠牲にする。

映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ』のあらすじ【起】

音楽学校生の秋山亜美はピアニストを目指している。音楽講師の沢村雪絵は才能ある亜美と二人三脚で指導していた。
そんなある日、雪絵が忽然と姿を消す。心配した亜美は以前、彼女が好きだと言っていた芸人が所属している事務所を訪ねた。

丸山竜司は芸人である。だが、短気で粗野な丸山はトラブルを重ね、事務所でも持て余されている存在だった。
そんな折、事務所に秋山亜美が訪ねて来る。彼女は失踪した雪絵の捜索をマイティーズに依頼しようとしていた。

マイティーズとは丸山ともう1人の相方、仙石和彦とのコンビ芸人だった。仙石は物から残留思念を読み取る特殊能力を持っており、それをネタにしたマイティーズは爆発的な人気を博していたのだった。
しかし、仙石は病んでしまい結果的に、マイティーズは解散となったのである。

依頼料の30万円に釣られた事務所社長と丸山は、引き篭もってしまった仙石をどうにか復帰させようと依頼を受けた。
丸山と亜美は早速仙石を訪ねたが、しかし仙石は無碍もなく断る。丸山と仙石は口論になり反目してしまった。

丸山と亜美が帰った後、仙石は亜美が忘れていった爪ヤスリを発見。つい素手で拾ってしまい、雪絵の残留思念を読み取ってしまう。彼は雪絵が気になって不眠症になってしまい結局、亜美と丸山に協力することにする。

仙石は信じてくれた雪絵のため、真摯になって思念を読み取った。
長い髪で白い服を着た女が、雪絵に何らかの薬物を注射し、昏倒したところを車で連れ去った映像が見える。
美術部員に犯人の似顔絵を描いてもらい、それを亜美が警察へ持って行った。
しかし、警察はまともに受け合ってはくれず相談した結果、丸山の勧めで似顔絵を警視庁に送ることにした。

映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ』のあらすじ【承】

仙石の元に、警視庁の刑事が訪ねて来る。任意での同行を頼まれ、渋々ついて行くと、警視庁には丸山も連れて来られていた。
個々に聴取を受ける。そこで、事件が連続殺人事件であることが分かった。犯人はいずれも、白い服に長い髪の女であるらしい。

夜になり、ようやく解放。丸山が以前にあった2つの事件を調べてきた。仙石と丸山は独自に調査を開始。1件目は残念ながら追い返されたが、2件目ではすんなりと自宅へ通される。

被害者の母親は捜査資料を持ち出して、犯人逮捕の協力をしてくれる。箱の中には血塗れのシャツが入っており、仙石は悲鳴を上げながら思念を読み取る。
レインボーブリッジ付近、海辺の倉庫へ向かった2人。扉に触れた仙石は、女が3人の被害者をいたぶる様を見る。思念の中で女はエリカと名乗った。

ふらふらになった仙石を抱え、丸山は車へ乗り込む。今後の相談をしていると、車の後部から大型トラックに押し出され、逃げ遅れた2人はそのまま海へと落ちた。
その後、倉庫は何者かによって爆発される。

命からがら逃げ延び、病院へ運ばれた丸山と仙石。やって来た警視庁の刑事に、犯人がエリカという名前であることを教えた。仙石は未だ意識不明であり、面会謝絶となっている。
帰りがけに若い刑事、佐々部が名刺を置いていった。

仙石には11歳以前の記憶が無く、無意識に読み取ってしまう思念のせいで、人間関係が上手く築けない。故に職も転々とせざるを得なかった。ある日彼は、事務所社長に拾われる。そうしてマイティーズが生まれたが、嫌な記憶ばかりを読み取る毎日に、彼は増々人間嫌いとなってしまったのである。
丸山は仙石の辛さと、命の危険を感じて依頼をここで終わりとした。

ピアノを弾く亜美の元に、回復した仙石が訪ねて来る。彼は雪絵の爪ヤスリを返却。そこで会話をした仙石は、再び爪ヤスリを借り受けて燃え尽きた海辺の倉庫へ向かった。

映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ』のあらすじ【転】

爪ヤスリを触媒として、倉庫の思念を読み取る。仙石はそこで、雪絵がまだ生きていることを確信。
犯人は4人の人間に復讐しようとしていた。雪絵で3人目だが、あと1人がまだ見つかっていない。4人の共通点は霞高原。すぐさま丸山へ話をして、2人で調査しようとするが、丸山は手を引くと言い去ってしまった。

翌日、仙石は佐々部に連絡して情報提供をした。佐々部はネット上の霞高原の掲示板でエリカの投稿を見せる。それに返事をしたのが、1人目の被害者だった。そこから雪絵にまで繋がったと思われる。佐々部が調べたところによると、霞高原には木戸エリカという女が1人いるらしい。

佐々部と仙石は霞高原へ向かった。木戸エリカの屋敷へ入るが、彼女が暮らしていたのは12年も前のことらしい。エリカは病弱で保養のために、この屋敷へ一家で越して来たが、10歳で亡くなって以来、屋敷はずっと空き家とのこと。仙石は残されていた手描きの絵から思念を読み取った。

絵を描いたのはエリカという少女。倉庫でも見た子である。そこで仙石は、4人目が亜美であることを知った。
エリカは10歳の若さで病死している。では、犯人はエリカに成り代わった誰かである。亜美が危ない。仙石は急いで戻ろうとするが、無意識に持った絵から思念を読み取ってしまい、気を失ってしまう。

仙石が目を覚ますと、待機していた警官が亜美を無事、保護したと教えてくれる。しかし、仙石は別の誰か、夜の森を何かを背負って進んで行く思念を読み取っていた。
彼はすぐさま、丸山を呼び寄せる。エリカの絵を持って、目的の山へ向かった。

2人で走りつつ先へ進み、人が入った寝袋を発見。開いてみると中には、既に息を引き取った雪絵が入れられていた。仙石は泣き叫び、彼女の体を抱き寄せる。そして、死体に残された思念を読み取った。雪絵は仙石の胸ポケットにあるハンカチを示唆。彼はハンカチから思念を読み取る。それは犯人の物であり、佐々部の物だった。

映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ』の結末・ラスト(ネタバレ)

その頃、警察に保護されていたはずの亜美が、行方不明になっていることが分かる。
連れ去られた亜美はどこかの部屋の椅子に、結束バンドで拘束されていた。腕には注射の痕が幾つもある。少女が現れて遊ぼうと笑う。しかし、少女は佐々部が女装した姿だった。

病弱なエリカは外で遊ぶことを禁じられていた。傍には常に兄が付き添い、妹を献身的に看病していた。
そんなある日、屋敷の庭で遊ぶ子供4人を見つけるエリカ。兄が目を離した隙にエリカは外へ出て、彼らが遊んでいたボールを拾って来る。明日、ボールを返しに行くと言う妹を、兄は強く引き止めた。
翌日は雨。激しい雨の中、少女はボールを持って近くのホテルへ向かっていたが、力尽きてしまう。兄は意識を失くした妹を抱き締め、泣き叫んだ。

佐々部がナイフで怯える亜美を殺そうとした時、窓を破って丸山が突入。続いて仙石が入る。その勢いで佐々部を拘束した。

あの後、更に雪絵から思念を読み取っていた仙石。彼女の思念から、佐々部の部屋へ辿り着いたのだった。
雪絵は佐々部に拘束されながらも、最後まで亜美の名を明かさず、脅しにも屈しなかった。ナイフを突きつけられた時、彼女は咄嗟に自分の胸にナイフを突き刺したのだった。

仙石は佐々部の境遇を明かす。佐々部は両親から冷遇されていた。エリカの死後、彼は両親から酷く責められる。故に女装してエリカとして生きようとした。だが、両親は更に気味悪がり、彼を虐待。佐々部の心は深い闇に落ちた。親類の警察官僚の家に引き取られた後に刑事となったが、エリカのことを忘れたことはなかった。

一瞬の隙を突いた佐々部が拘束から逃れる。仙石と丸山は突き飛ばされた。佐々部は隠し持っていた銃を亜美に向ける。約束を破ったお前らが悪いと、亜美を責め立てた。そこへ、少女の声が佐々部を呼ぶ。その瞬間を狙って丸山が佐々部と揉み合いになるが、丸山は足を撃たれてしまう。

仙石は少女が残したボールから、思念を読み取っていた。少女が言う。本当は遊ぶ約束などしていないし、一緒に遊んでもいない。だから、子供達がエリカのことを覚えていないのは当然のことだ。少女は死期を悟っており、死ぬ前に大好きな兄と外で遊びたかっただけなのだ。
佐々部はボールを抱え、涙を流す。そこへ警視庁の隊が突入。追い詰められた佐々部は自らの胸を撃った。死の間際、仙石は彼にエリカと楽しく遊ぶ思念を送った。

数日後、仙石と丸山は亜美のピアノを聞いた後、仲良く会話しながら歩く。事務所社長からしつこく電話がかかっていたが、2人は笑って電話には出ず、互いを労り合って別々の道に別れた。

映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ』の感想・評価・レビュー

残留思念を読み取る特殊能力を持つ主人公を狂言師の野村萬斎が好演し、連続殺人事件の謎を明かしていく作品。
相方役に宮迫博之が演じ、シリアスになりがちなストーリーに笑いを加えている。素手で触ってしまうと、物に残された記憶を無意識に見てしまうというのは、とても大変な能力だろうと思う。主人公が人嫌いになってしまうのも頷ける。事件の謎を追うことで、記憶を見てしまう恐怖に立ち向かい主人公が立ち直る様子が丁寧に描かれ、事件の裏に隠された悲しくも切ない真実に心を打たれる。個人的に野村萬斎の演技は、濃厚で独特なイメージがあるのだが、今作での演技は彼の独特さはあるものの爽やかな印象がある。加えて、刑事及び主犯役の安田章大が豹変する演技もなかなか良かった。(女性 40代)


始め、元芸人の仙石和彦役を野村萬斎さんが務めることに少しだけ違和感があった。野村萬斎さんのオーラが凄すぎて、元芸人という設定に違和感を抱いたのだと思う。でも、ストーリーがしっかり作り込まれていることもあり、物語を見始めると気にならなくなった。
殺人事件の犯人は一体誰なのかという推理要素だけでなく、仙石和彦や丸山竜司が事件を通してどのような成長を遂げるのかという人間ドラマもおもしろかった。演技力が高いキャストが勢揃いしていたこともあり、見応えがある作品だった。(女性 30代)


邦画が苦手なので、こういう特殊な能力を持つ人が登場する作品はどうも萎えてしまって、洋画なら楽しめたのにと思うことが多いのですが今作も、その域を超えてくることはありませんでした。
野村萬斎の出演している映画はどれも個性の強いキャラクターでありながら、それが彼の雰囲気にマッチしていてとても面白く出来上がっているので好きなんです。しかし、今作で野村萬斎が演じていたのは元芸人で特殊能力を持つ男。設定は普通ではありませんが、野村萬斎が演じるのだからもっと「変人」でも良かったと思います。
笑いパートであろう宮迫とのバランスもあまり良くなくて、全体的に微妙な作品でした。(女性 30代)

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