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映画『セルフレス 覚醒した記憶』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『セルフレス 覚醒した記憶』の概要:末期癌で大富豪のダミアンは、自分の意識を新しい身体へと移植し、新しい人生をやり直すことにした。若さを謳歌するダミアンだったが、服薬を怠ってしまい幻覚を見る。これがきっかけとなり、驚くべきラボの真実を知った彼は、証拠隠滅のために命を狙われることになる。

映画『セルフレス 覚醒した記憶』の作品情報

セルフレス 覚醒した記憶

製作年:2015年
上映時間:117分
ジャンル:SF、アクション、サスペンス
監督:ターセム・シン
キャスト:ライアン・レイノルズ、ベン・キングズレー、ナタリー・マルティネス、マシュー・グード etc

映画『セルフレス 覚醒した記憶』の登場人物(キャスト)

マーク(ライアン・レイノルズ)
凄腕の元兵士で36歳。病気の娘を救うために、フェニックス社へと自分の身体を売った。子煩悩で愛情溢れる男性。
ダミアン(ベン・キングスレー)
68歳の男性。末期癌にて半年の余命宣告を受けている。建築会社の大企業CEOで傲慢な面もありつつ、娘との距離を縮めることができない不器用さもある。死が間近であることを感じ、新しい肉体へと意識を移植。エドワード・キドナーとして新しい人生を始める。
マデリーン(ナタリー・マルティネス)
マークの妻。黒髪のラテン系。夫は溺死したと聞かされていた。真実を知りダミアンとも和解する。カリブ海に家族で住むことが夢。
オルブライト(マシュー・グード)
フェニックス社社長。中身は不老不死の研究をしていた博士で、身体は博士の元助手。目的のためなら人殺しも厭わない。
マーティン(ヴィクター・ガーバー)
ダミアンの仕事上のパートナーで、家族付き合いもある。2年前に最愛の息子を亡くし、フェニックス社により息子の移植を行う。密かにダミアンへもフェニックス社の存在を知らせるも、真実を知ってからはダミアンの協力者となる。誠実な人物。

映画『セルフレス 覚醒した記憶』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『セルフレス 覚醒した記憶』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『セルフレス 覚醒した記憶』のあらすじ【起】

NYの建築王と呼ばれ、1代で財を成したダミアンは68歳。気持ちはまだ若いが、老いた身体は癌に侵され、余命あと半年と宣告を受けていた。仕事一筋で生きてきたため、たった1人の家族である娘とは疎遠で、もう何年も会っていない。
この機会に娘と接触を試みようとしたダミアンだったが、そもそも家族としての交流もほとんどないため、娘は父親に酷く冷たかった。

ダミアンはおもむろに財布から名刺を取り出す。名刺の会社フェニックスでは意識の移植を行い、新しい肉体で新しい人生を送ることを目的とした事業を行っていた。だが、それは公の話ではなく全てが内密に行われており、移植には2億5千万ドルという大金が必要だった。

会社のオフィスで発作をおこし、吐血して倒れたダミアン。すぐさま病院へ搬送されたが、いよいよ人生の終わりを感じて決心する。フェニックス社のオルブライトへ電話すると、ニューオーリンズのとあるレストランでランチを摂れと指示された。コーヒーがお薦めだと言う。

彼は早速、自家用ジェットでニューオーリンズへ。親友のマーティンとレストランへ入った。出されたコーヒーを飲めば、ダミアンとしての人生が終わる。彼は震える手でコーヒーを一息に飲み干した。

倒れたダミアンはフェニックス社へと搬送され、すぐさま移植が行われる。巨大な装置に入り、気づいたら新しい身体へと転移していた。
隣を見ると息を引き取った自分の身体があった。

新しい肉体を鍛える日々が始まった。移植後、安定するまでは拒絶反応のため、不調が起こりやすい。偏頭痛に吐き気、現実感覚の喪失などだ。安定させるには拒絶反応抑制剤を1日1錠、服用しなければならない。肉体改造に加えて新しい経歴をも覚える日々。
そうして、ダミアンはエドワード・キドナーとしての人生をスタートさせた。

36歳のエドワードは未婚で独身。会社を売った金で豪邸に住み、スポーツカーを乗り回す。彼は近所のストリートバスケに参加し、アントンと出会う。友人アントンと遊び歩き、何人もの若い女性と関係を持って若さを謳歌。
そんなある日、ダミアンは抑制剤の服用を忘れ、酷い幻覚に襲われる。戦場と病気の幼い娘、そして子供の母親の幻覚を見た。

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映画『セルフレス 覚醒した記憶』のあらすじ【承】

幻覚を見たとオルブライトへ報告したダミアン。しかし、幻覚の原因は過去の記憶と感情の混乱によるものだと言われる。オルブライトはハワイにバカンスへ行くようダミアンに勧める。薬も倍の量をくれた。

しかし、幻覚の内容が気になるダミアン。ネットでその場所を検索。空港では行き先を密かにセントルイスへと変更した。

目印はカボチャの形をした給水塔。近くの家を訪ねる。家主は不在だったが、家のドアは開いていた。中へ入り娘と母親、そして自分と同じ相貌をした男との家族写真を見る。
衝撃的な光景に茫然とするダミアン。銃を突きつけられる。相手は家主の女性だった。彼女は自分をマークと呼ぶ。だが、フェニックス社の追手に見つかり、女性とダミアンは拘束される。

そこへ、アントンが姿を現す。彼はフェニックス社の手先で、ダミアンを見張っていたのだ。拘束が解かれた後、友人から事情を聞いた。
大金が必要だったマークは娘の命を救うために、身体をフェニックス社へと売ったと言う。そして、購入者がダミアンだった。マークが犠牲となったことで、娘のアナは元気に暮らしている。だが、ダミアンはそう簡単には納得できない。これは他人の身体を乗っ取ったということだ。彼は平静を装い、素直に応じるふりをした。

外では女性の車が焼かれている。不審を募らせたダミアンは抵抗を示し、アントンと乱闘。怒った友人は家をも焼き尽くし、ダミアンと女性を亡き者にしようとする。ダミアンは女性と共に、家の軒下へと避難し外の手下どもを銃殺した。元軍人であるマークの身体は、危機に対してダミアンを自然と動かした。

マークの妻マデリーンはダミアンを夫だと思っている。そして、元気になったアナは、他人のダミアンを父と呼ぶのだ。

ダミアンは母子を連れてドライブインホテルへ。荷物を探るも薬がない。彼はPCで不老不死を提唱していた博士の動画を見た。その博士の横にはオルブライトがいる。恐らく、オルブライトの中身は博士だ。そう確信した時、再び幻覚が彼を襲う。いや、これは幻覚ではなくマークの記憶なのだろう。
心配するマデリーンに事情を説明できるはずもない。ダミアンは博士の妻に会うべく、ニューオーリンズへ行くことにした。

映画『セルフレス 覚醒した記憶』のあらすじ【転】

博士の妻からオルブライトの電話番号を聞き出して、奴を誘き寄せた。そこで、薬が元の身体の持ち主であるマークの記憶と人格を抑えるものだと判明。薬を飲まなければ、マークの存在が大きくなりやがて、ダミアンは消えてしまうと言う。

オルブライトの手下に捕まり車へと向かう途中で再び、記憶の覚醒が始まる。ダミアンは手下を打ちのめして、薬を奪取。マデリーンと脱出した。道中、事情を聞きかじったマデリーンに強く責められる。彼は仕方なく事情を話した。身体はマークだが、中身がダミアンであることを。

親友のマーティンを訪ねたダミアン。彼に事情を説明し、中身がダミアンであることを証明、信用させることに成功。そして、マデリーンと娘の安全を確保するべく、手配してもらった。

服薬のために洗面所へ来たダミアンだったが、洗面所の鏡がなぜか全て隠されていた。このことに不審を感じた彼は、邸の奥の隠し部屋へ向かう。そこには2年前、死んだはずのマーティンの子供がいた。彼もフェニックス社で息子の移植をしていたのだ。
ダミアンは何も聞かず、マーティンに時間の猶予を聞いた。追手はじきに到着するらしい。彼は親友にフェニックス社の真実を明かす。するとマーティンは愕然とし、マデリーンとアナの逃亡に手を貸してくれた。

ダミアンは囮となって邸を出る。突然の発砲を合図にカーチェイス開始。合間に銃撃戦を挟みつつ激しく争う。1台は破壊。2台は正面衝突の罠を仕掛けて倒した。
その頃、森を抜けて脱出を図っていたマデリーンとアナは、別の追手に捕縛されていた。

満身創痍となりながらも、待ち合わせのカフェで待っていたダミアンだったが、やって来たのはマーティン1人だけ。彼から2人が捕まったことを知らされる。そこで更に、フェニックス社の名刺をくれたのが親友だったと知り、複雑な心境に陥る。
親友はオルブライトから渡された薬を密かに分析して、独自に生産していた。彼から薬を分けてもらうが、もしかしたらマークの記憶にラボの場所が残っているかもしれないと思い、ダミアンは服薬しないと決める。

映画『セルフレス 覚醒した記憶』の結末・ラスト(ネタバレ)

記憶の覚醒には酷く苦痛が伴う。12時間、苦痛に耐える。
翌朝、ダミアンはラボの場所を記憶から見つけ出す。そこは廃墟となった倉庫だった。ダミアンは単身、ラボへと乗り込んだ。

倉庫の見張りを倒して中へ。シートで作られた通路を進み、検体のある部屋へ入った。そこには瀕死のアントンが横たわっている。厚い防弾ガラスの向こうに、姿を現したオルブライト。捕まえたマデリーンとアナを、そしてダミアンが入っているマークの身体までもを、検体にするつもりらしい。抵抗も虚しく囲まれ、スタンガンで気絶するダミアン。

アントンの移植が開始されるも、ダミアンは金属を身に着けて装置へ入ったため、移植は失敗していた。だが、アントンに成りすましてマデリーンとアナを救助。再び、装置のある部屋へ戻る。そこで、オルブライトと会話するも、奴を火炎放射器で燃やし尽くした。
無事にラボから脱出した3人。ダミアンにはまだやり残したことがあったため、マデリーンとアナだけを先にカリブ海へと逃がした。

NYに舞い戻ったダミアンは、エドワードとして娘の元へ向かう。ダミアンからの手紙を渡し、娘の仕事を応援した。手紙を読む彼女を最後に一目見て、静かに立ち去るダミアン。
数日後、見知らぬ部屋で目覚めたマーク。ダミアンからの最後のメッセージ動画を見て涙する。そうして彼は、カリブ海にて愛する家族との再会を心から喜んだ。

映画『セルフレス 覚醒した記憶』の感想・評価・レビュー

意識を他人の体に移植するというSFスリラー映画。『デッドプール』で一世を風靡したライアン・レイノルズが主人公を演じている。おちゃらけた演技やコメディ色が強い印象のあるライアン・レイノルズだが、実は非常に鍛えられた肉体を持ち、アクションはお手のものだしシリアスな演技もしっかりできるというマルチな俳優だ。
今作の主人公は老齢な大企業の元CEOで仕事人間だったために娘とは関係が良くない。本人は富豪であるため、傲慢な面があるのは否めないが、元の体の持ち主の家族と接することで次第に娘への愛情を思い出す。ストーリー展開に無理がなく情の深い主人公の行動に胸を打たれる。娘に手紙を届けた後、去って行くシーンがとても印象的で泣けてしまう。(女性 40代)


もしも、もう一度人生をやり直せたら。著名な大富豪だが、性格は傲慢で人を寄せつけず、たった一人の娘とも上手くいっていない。そんな時にガンで余命半年を宣告される。お金があればもう一度人生をやり直せると言われたら?しかし今とは「違う人間として」。なんとも不思議なお話でした。まだやり残したことがあるから死にたくない、お金ならあるから違う人間として生きたい。というのはどうも都合が良すぎる気がして設定から、あまり好きになれませんでした。
新しい人生。頭脳は残るが、身体は別人というのは少し興味がありますが…。(女性 30代)


病気になっても新しい肉体で人生を謳歌できるのは、夢のような話だと思う。でも、甘い話の裏には、やはり危険な秘密が隠されている。個人的には他人の体を乗っ取ってまで、生きたくはないなと思った。
二つの人格の狭間で苦しむライアン・レイノルズの演技がとてもリアルで凄かった。ダミアンが善人だったからこそ、マークとその家族はハッピーエンドを迎えられたのだと思う。ダミアンのことを思うと、少しだけ寂しい気持ちが残る結末だった。(女性 30代)

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