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映画『ノーボーイズ,ノークライ』あらすじネタバレ結末と感想

映画『ノーボーイズ,ノークライ』の概要:2009年の日韓合作映画。ただ荷物を運ぶだけの仕事上手を組んだ二人。今回の荷物は借金の肩に誘拐された韓国人の少女であり、この少女の父親をゆするために協力して金をもうけようとするサスペンスドラマ。

映画『ノーボーイズ,ノークライ』 作品情報

ノーボーイズ,ノークライ

  • 製作年:2009年
  • 上映時間:114分
  • ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
  • 監督:キム・ヨンナム
  • キャスト:妻夫木聡、ハ・ジョンウ、貫地谷しほり、チャ・スヨン etc

映画『ノーボーイズ,ノークライ』 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

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映画『ノーボーイズ,ノークライ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『ノーボーイズ,ノークライ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『ノーボーイズ,ノークライ』 あらすじ【起・承】

韓国人の青年ヒョングは幼い頃母を亡くし、ボギョンに育てられた。
ボギョンには隆という息子がいたが、それなりに大事にしてくれている。
その代わりにヒョングは、ボギョンの仕事の手伝いをしていた。
仕事とは、本当に危なっかしいボロい船で頼まれた荷物を日本に運ぶことだ。
着くと亨(妻夫木聡)がその荷物を受け取るのである。
日本に行くとボギョンは必ず女を買ってくれて可愛がってくれていた。

その荷物と一緒に入っているのが、ボギョンの姉が作るキムチだった。
ボギョンはこのキムチに目が無い。
しかしボギョンの姉のところにキムチを取りにいったとき「彼を信用しすぎるな」と忠告される。

ある日、そのキムチを水に濡らしダメにしてしまった。
ヒョングはボギョンが好きなキムチをダメにしたことで怒られると恐怖を隠せない。
しかし亨はキムチをどこかから買い、詰め替える。
「ばれたらまずい」と言うヒョングをよそに、壺の中に白い粉を入れ、その上にキムチを詰めたのだ。
ヒョングはその白い粉の正体を推測し、自分がどれだけ危ない物を運ばされていたのか思い知った。

今度の荷物は白い粉でもキムチでもない。
韓国人のジスという少女だった。
ジスの父親がボギョンと組み、会社の金を持ち逃げしたがそのまま父親が逃走したため娘を誘拐したのだ。

日本に着くと、ジスを狙っているものが他にもいることに気がつくヒョング。
父親の会社の人物達である。
亨に助けを求めるため電話をするヒョングの目を盗み、袋からでたジスは交換条件をつきつける。
自分を助けたら一人5000万円ずつあげると。
金に目がくらんだ亨はその条件を飲んだ。

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映画『ノーボーイズ,ノークライ』 結末・ラスト(ネタバレ)

その頃、ボギョンは激怒しヒョングの居場所を捜していた。
亨はヒョング一人が裏切ったと嘘の報告をし、ボギョン側についてヒョングが乗っている船を壊した。
さらに亨はヒョングに「日本でおまえが寝ていたのは、俺の妹の奈美だ」と信じられない事実を告げた。
ボギョンから渡されているヒョングのための3万円を貯金するため、妹に寝るように言っていたのだ。
そしてその奈美とのツーショット写真をボギョンに送ったという。
何と奈美はボギョンの実息子の嫁なのだ。
これに激怒したボギョンはヒョングを殺そうとしていると亨は言う。
何でそんなことをしたのか疑問に思うヒョングを、亨は自宅に連れて行った。
そこには認知症の祖母、奈美、奈美の子供が3人いて生活は苦しかった。
そのうちどれがボギョンの息子の子供なのかもわからないという。

そんな時、隆が韓国から奈美に会いにやってきた。
このことで全てがばれてしまった二人は、亨の家族を連れて逃げ出した。

そしてボギョンからヒョングに電話がかかってくる。
日本について最初に奈美を捜していた男達は、亨が根回ししていた会社の人物であると言うのだ。
全てをヒョングのせいにして金を持ちもらい、彼らにジウを渡そうとしていたのだ。
亨はヒョングを裏切ったのだと。
今ジウを自分に返せば無かったことにしてやる、そして実は生きている母親を殺すと言うのだ。
しかし亨には家族がいる。
悩み苦しむヒョング。

しかしヒョングは亨に真相を確かめた。
すると失敗に終わり金は貰ってないという。
腹が立って亨をなぐり、母親が殺されそうなのだと告げる。
またジウが父親を連れて戻ってきた。

亨は悩んだ末、ジウを自分が殺したことにしてボギョンのところに連れていくよう指示する。
しかし貰った金は家族の元に持っていくようにと。
約束をして車に乗り込んだ二人。
しかしヒョングは亨を車から放り出し、一人で向かった。

ボギョンと対面したヒョングは、酷い暴力をうける。
そして決定的な一撃をくらい、体に重りをつけて海に沈められた。
母親なんて生きていなかった。
すでにボギョンによって殺されていたのである。

亨は海のなかに沈むヒョングを必死の思いで助け出すが、息を吹き返さなかった。

映画『ノーボーイズ,ノークライ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ノーボーイズ,ノークライ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

韓国映画よりの作品

合作とはいえ、本作品はほとんど韓国映画である。
韓国映画は家族に対する思いが強く、それを逆手にとって展開していく内容のサスペンスなどが多い。
本作品日本の映画だと思って鑑賞するとあまりに違う雰囲気の作風に驚く人もいることだろう。

日本映画にはあまり見られないような暴力描写もポイントで、女子うけはしないことが予想される。
若者が二人出演している作品で出てくるような生易しい描写ではなく、子供にもおすすめはしない。

家族のために苦悩していく亨。
自分の幸せを全て捨て、家族のためだけに尽くすのだ。
一方で育ての親に恩を感じ、義理を返すため必死になって、らしくないことを繰り返すヒョングの姿もまた痛々しくて見ていられない。

悪事を働いているのだが、主題は恐らく家族。
どのような形であれ家族のために自分を圧し殺して生きるというのは本当に悲惨な最後である。

悲哀に満ちたそれぞれの人生

この作品の登場人物は、リアルな人間の醜い部分や美しい部分をリアルに綴っている。
それぞれの人生は皆悲しく切ない。
命の弱さも、自分の無力さも、嫌ってほどに痛感してしまう。
長く生きている亨の祖母は認知症。
何と人間の無情さを考えさせる作品であろうか。

毎日生きているだけの亨には、本当の意味の幸せなんてこない。
それでも生きることに何も意味も無い。
見ていて絶望感さえ感じる残酷な映画であった。


家族を知らないヒョングと家族のために頑張る亨。対照的な二人だが、似ているところもあった。始めは反発し合っていた二人が、次第に仲を深めていく様子にグッときた。だからこそ、ラストは切なくて悲しくてたまらなかった。幸せになって欲しいと願わずにはいられない二人だった。
ヒョングと亨が危ない橋をギリギリのところで渡っているため、終始ヒリヒリとした物語であった。あまり万人受けはしないかもしれないが、心に深く残る作品だった。(女性 30代)

映画『ノーボーイズ,ノークライ』 まとめ

韓国映画は残酷であまり好きじゃ無いものも多い。
日本人と同じような映画を作るのに何故なのだろう。
復讐心や恨みを映像化するのが上手すぎるのだ。
人を憎み、家族のために生きるその姿は美しくも無く、悲しみしか生まない。
本当はそれを描きたいのかもしれないが、そこは文化の違いが見る目を曇らせてしまう。

本作品も合作映画とは言え、日本風ではなく韓国風である。
ほのぼのとした作風を期待して見ると、予想を大きく崩されるので注意したい。

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