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映画『セルビアン・フィルム』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『セルビアン・フィルム』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『セルビアン・フィルム』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『セルビアン・フィルム』の結末までのストーリー
  • 『セルビアン・フィルム』を見た感想・レビュー
  • 『セルビアン・フィルム』を見た人におすすめの映画5選

映画『セルビアン・フィルム』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2010年
上映時間 104分
ジャンル ホラー
監督 スルジャン・スパソイェヴィッチ
キャスト スルジャン・トドロヴィッチ
セルゲイ・トリフノヴィッチ
イェレナ・ガヴリロヴィッチ
製作国 セルビア

映画『セルビアン・フィルム』の登場人物(キャスト)

ミロシュ(スルジャン・トドロヴィッチ)
元売れっ子ポルノスター。必ず女優をイカせるテクニシャンで、彼と寝た女優は皆落ちて結婚したがる程だったとか。今は結婚し、妻子持ち。幸せな家庭を持っておりポルノ業界からも身を引いている。
ヴックミル(セルゲイ・トリフュノヴィッチ)
謎の多い映画監督。金持ちのクライアントがいて、彼を満足させるような芸術的なポルノ映画を撮りたいとの理由でミロシュを雇おうとする。
マリア(エレナ・ガブリロヴィッチ)
ミロシュの妻。スタイルのいい美人。ミロシュの職業については受け入れているのでその辺りは大らか。ペタルという名の息子がいる。
マイク(スルディアン・スパソイエビッチ)
ミロシュの兄で警察官。ミロシュの妻であるマリアに性的欲求を感じており、彼女に下心を持つ。弟と比べあまり精力がないことを密かに悩んでいる。

映画『セルビアン・フィルム』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『セルビアン・フィルム』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『セルビアン・フィルム』のあらすじ【起】

元・ポルノ男優のミロシュ。当時は、抱いた女を雌犬のように扱いながらも女はその味を覚え彼の虜となり、そして恋に落ちてしまうという半ばスターのような存在だった。そんな彼も今は引退し、美しい妻マリアと幼い息子ペタルに囲まれ幸せな家庭を築いていた。ある日、かつての仕事仲間でポルノ女優のレイラから、高額のギャラの仕事を紹介される。内容はヴックミルという映画監督が「金持ちのクライアントのために、芸術的なポルノ映画を撮影したい。そこでポルノ界のアーティストであったミロシュを是非とも出演させたい」と、どこか詳細のハッキリとしない出演依頼だ。ミロシュは一度はそれを断ろうとしたものの、兄で警察官のマイクのようにしっかりと稼ぎたいという思いや、家族を養ってあげたいという思いから出演を承諾してしまう。

出演を承諾すると、毎朝彼の家へとヴックミルが用意した車が迎えに来るようになる。ヴックミルが招き入れた家にはレイラの姿もある。どういう作品なのか尋ねると、台本はなく昔のようにただ性行為をすればいいだけだという。詳細がどうにも分からないので同意書へのサインを一旦保留にし、その日はそのまま家へと帰るミロシュ。妻マリアにも相談した結果、やはり息子が大きくなるまで不自由にならない程の金額が手に入るのならばと同意書にサインしてしまう。

ミロシュが撮影に向けて禁酒したり外でランニングをしている間、マイクが家を訪ねてくる。料理中のマリアに向かい、書類の翻訳を頼みにきたようだがその目つきはどこか怪しげだ。内心、マイクはマリアを性的な目で見ていた。終いにはミロシュ家のトイレで自慰行為まで始める始末であった。

映画『セルビアン・フィルム』のあらすじ【承】

ヴックミルと再会し、撮影が開始されるが相変わらず詳細は謎のまま。撮影場所は廃孤児院。耳にインカムを付けその指示に従うよう言われるミロシュ。扉を開けると中にいたのは一人の女性。彼女に無言で手を引かれつつ歩いていくと、見知らぬ少女が座り込んでいる。突然現れた少女の母親らしき女性が、「悪い人に捕まっては駄目!」と怒鳴りながら少女をどこかへ連れて行く。状況が飲み込めないままその日の撮影はOKであった。翌日の撮影では、少女の母親が男たちにどこかへ連れ去られていく場面を撮っていた。やはり呆然としたままのミロシュの手を引くのは昨日の女性だ。女性は薄暗い部屋にミロシュを連れ込むと誘惑し、股間に顔をうずめた。すると目の前のスクリーンに映し出されるのは、昨日の座り込んでいた少女が煽情的にアイスを舐める表情のアップだった。異様な光景の中で射精するミロシュ。

帰宅するとマリアが不在だったので、ミロシュはマリアにヴックミルについて調べて欲しいと連絡する。電話の向こうでは、ペタルの誕生日パーティーのホームビデオを見ながらデリヘル嬢に口で奉仕してもらっているマイクの姿が。マイクはミロシュの頼みを受け入れた。ミロシュはレイラにも撮影中の映画について尋ねかけるが、レイラはヴックミルを信じていれば大丈夫だからと完全に彼を信用しきっている様子。

次の日の撮影、目隠しをされたままどこかへ連れていかれるミロシュ。それが解放されると、黒服の男が女を「お前がこんなアバズレだと知っていたらお前も娘も殺していただろうな」など物騒な言葉をかけられている場面に遭遇する。女は撮影当初、少女の手を引いていたあの母親だ。頬を殴られた後、女性は這いながらミロシュの元へとやってくる。泣き崩れながら口で処理を始める母親の背後では、その娘である少女が椅子に座って微笑んでいる。「こんな状況でできるわけないだろう!」と怒るミロシュ。背後から黒服の男がやってきてミロシュを羽交い絞めにする。「アバズレを殴れ」と楽しそうに指示を出すと、母親もミロシュの男性器に齧りつき反射的に彼女を殴ることに。満足そうに微笑む娘。ミロシュが射精した後拍手しながら「素晴らしい」と現れるヴックミル。しかしミロシュは「もうこんな撮影降りる。子どもの前で女を殴ったりできるわけがないだろう」と撮影を断る。

それから、ミロシュはマイクからヴックミルの経歴について聞く。彼の名はヴックミル・ヴックミルと名字も名前も同じで、心理学者として孤児院に勤めた後はTVで子供番組の制作などに携わり、日本に派遣されて以来行方不明だったとのこと。

その翌日もヴックミルの車が迎えに来ていたので、直接ヴックミルに断ろうと自分の車で彼の家へと向かうミロシュ。出演を断ると言う彼に、ヴックミルは怒り出し「この国の経済を動かしているのは自分たちだ」と言い出す。更には自分が撮影しているのはポルノではなく「犠牲者の人生だ」とも。ヴックミルは過去に作った作品として「犠牲者の力を見ろ」と一つの映像を見せる。それは今にも出産しそうな妊婦から、屈強な男が赤ちゃんを取り上げると、そのまま生まれたての赤ちゃんをレイプし始める映像だった。「これは新生児ポルノだ!」と笑うヴックミルにいよいよ気分が悪くなり部屋を退出するミロシュ。その帰り際、車の中で眩暈を覚え異常な性欲が沸き上がってくるミロシュ。やがて意識を失う。

映画『セルビアン・フィルム』のあらすじ【転】

再び目を覚ますと、血まみれでベッドの上で眠っていたらしい。時刻を見ると既に三日の時が過ぎていた。家族の姿はなく、マリアの車が停めてあったのでそれに乗って外へ出るミロシュ。意識を失った交差点辺りで徐々に記憶を取り戻していくミロシュ、自分はこの交差点で謎の女に誘惑され激しく求めようとした。女の運転でどこかへ向かった。そのフラッシュバックしてきた記憶を頼りに撮影現場へと向かうと、血まみれのベッドが置かれており、彼は少しずつ記憶を取り戻す。ヴックミルに性欲促進剤をウィスキーに入れて飲まされていたミロシュ、やがて彼の前には裸でベッドに縛られた女が運ばれてきて興奮が抑えられなくなる。女はいつかのあの母親のようだ。ミロシュは手錠を外されると女に襲い掛かる。ミロシュは女を殴りながら背後から犯し、更にはインカムから聞こえる「アバズレを殺せ!」の声に操られるよう渡された鉈で女の首を斬り落としてしまう。殺害後も尚腰を振り続けるミロシュを黒服の男たちが引き剥がし、その一部の記憶を取り戻した彼はその場で嘔吐する。

ミロシュは少しでも手掛かりになるものがないかと家の中に遭ったテープをかき集め再生してみる。ドラッグで朦朧とした自分が男に犯されている映像であったり、中にはミロシュを助けようとヴックミルに意見したレイラが全裸で拘束され、更には歯を全て抜かれた状態にされている映像があった。吊るされたレイラの元にやってくる覆面姿の男は、レイラに無理矢理口で処理させ、挙句窒息死させてしまう。他のビデオでは、ミロシュは例の娘の家を訪問していた。娘の祖母から、この子は孤児で、私は自分の父親から犯され女になった。自分がそうされたようにあんたがこの娘を犯してくれと頼み込む。ミロシュを誘惑しようとする娘を振り切り、残っていた良心で彼はキッチンにあった包丁で己の男性器を切り取ると言い出す。止めに入ろうとした一同の隙をついて窓から逃げ出すも、薬の効果で性欲が消えないミロシュは街で見かけた若い女性に発情し自慰行為を始める。それを見つけ、からかい半分にミロシュを暴行する若者たち。しかし、すぐに追いついてきたヴックミルのボディーガード達の手によって若者らは始末されミロシュは車へ戻される。拉致されたミロシュは倉庫へと連れてこられていた。

同時に記憶を取り戻しつつあったミロシュも、倉庫へと辿り着いていた。倉庫に拉致されたミロシュは、女に注射器で刺されそうになるが彼はそこにあった別の注射器を女の首に刺した。泡を吹いて倒れる女。逃げ出そうとするとすぐに捕まり、全裸のままどこかへ引っ張られていくことに。記憶を頼りにミロシュは連れていかれた倉庫の奥へと足を踏み入れた。そこには――ヴックミル達の死体が転がっていた。

映画『セルビアン・フィルム』の結末・ラスト(ネタバレ)

それを見てミロシュは完全に記憶を取り戻す。ここには顔に袋を被せられた子どもと女がベッドに縛られており、ミロシュは性欲が赴くまま子どもの方を激しく犯したのだった。何度も何度も子どもを犯すミロシュの隣には、覆面の男がやってきて隣の女を犯し始める。ヴックミルが覆面を剥がすと、そこから現れたのは兄のマイクだった。更に犯されている人物の袋を取ると、ミロシュが犯していたのは息子のペタル。マイクが犯していた女の正体は妻のマリア。兄に妻を犯され、自身は実の息子を犯していたのだ。ヴックミルは「素晴らしい!これこそセルビアの幸せな家族だ!」と拍手大喝采であったがミロシュは怒り、彼に掴みかかる。首を絞め彼の頭を何度も床にぶつけ血が出るまで殴り続ける。止めに入ってきたボディーガードから拳銃を奪い、乱射して残る黒服たちも殺していく。マリアもマリアで、マイクに飛び掛かると首に齧りついて喉を噛み切ってしまう。更には置いてあった重たそうなオブジェでマイクの顔面を潰し、殺害する。ミロシュは廃人のように目を剥いたまま呆然としているペタルと、マリアを抱きかかえ車に乗り自宅へ帰還する。母子を鍵のある部屋に閉じ込め、力尽きてベッドに倒れ込むミロシュ――、ここまでが彼が気を失うまでの記憶だった。全てを思い出した彼は絶望し、ある決意をする。

母子のいる部屋を開けると、怯えたような表情で廃人同様のペタルを抱きしめるマリアの姿があった。そんな彼女を抱きしめ涙を流すミロシュ。心の傷が癒えるわけもなかった。

感情を失った一家は、全てを諦めきった表情で食事を終えた。ミロシュが拳銃を用意しており、マリアが薄く微笑みを浮かべてその手を取った。一家三人でベッドに横に寝ると、ミロシュは皆を抱きしめる。それから、マリアの背中に押し当てている引き金を引いて……。

発砲音の後、謎の三人の黒服たちが一家の室内に侵入してくる。カメラを構えながら、別の男が指示をする。「よし、まずはガキからやれ」――恐らく部下に屍姦を指示したところで終了。

映画『セルビアン・フィルム』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

衝撃の連続でした。観ている間ずっと胸が締め付けられ、終わった後もしばらく立ち上がれませんでした。芸術というよりも、極限のショックを与えることを目的とした作品のように感じました。とくに赤ん坊に関するシーンは人間性の限界を問うもので、観るに耐えないほど。倫理観が破壊されるような内容で、トラウマ級です。ただ、暴力の向こうにある社会風刺やメッセージ性を読み取れた部分もあり、安易に「悪趣味」と切り捨てるべきではないと感じました。(20代 男性)


この映画を観た後、しばらく何も食べられませんでした。あまりにもグロテスクで、特に性的暴力の描写があまりにリアルで、女性としては到底耐えられない部分が多くありました。それでも「なぜこんな映画が作られたのか」という点について考えさせられたことは事実です。セルビア社会の腐敗や暴力の象徴として描いているのかもしれませんが、やりすぎです。エンタメとしてではなく、問題提起のための“告発”として見るべきかもしれません。(30代 女性)


私はホラーやスリラーが大好きですが、この映画は別格でした。怖いとか気持ち悪いでは済まされない、深い絶望感に支配されました。子どもが巻き込まれるシーンには怒りすら覚えました。倫理観が完全にぶち壊されたような気分になりますが、映像の完成度や役者の演技力は本物。観る者の精神を試すような、ある意味で“究極の映画体験”です。二度と観たくないけど、忘れることもできません。(40代 男性)


完全に後悔しています。映画が好きで多少過激なものも平気ですが、これは次元が違います。性暴力や家族を巻き込んだ恐怖の演出が生々しすぎて、本当に吐き気がしました。主人公が知らずに巻き込まれていく構図自体はサスペンスとして秀逸なのに、それが許されないレベルの内容で台無しになってしまっています。観ない方がいい、と心から言いたいです。(20代 女性)


この映画を観るべきか、かなり悩みました。レビューでも「精神が崩壊する」とあったので…。正直、その通りでした。映像の暴力性が尋常ではなく、観たことを後悔しないと言えば嘘になります。ただし、表現の自由や社会批評の観点から考えると、一概に否定すべきではないとも感じました。これは映画というより、精神的拷問に近い体験。ある意味で芸術です。(50代 男性)


ある程度話題になっていたので気になって観てしまいましたが、正直「人に勧められる映画ではない」としか言いようがありません。家族愛を利用した悪意の演出、倫理観を無視した脚本は、一線を越えすぎていると感じました。ただ、「ここまで人間のタブーに迫ることが可能なのか」と驚嘆もしました。この映画の存在意義を考えること自体が、制作者の狙いなのかもしれません。(30代 男性)


正直、こういった映画が存在すること自体が信じられませんでした。特に親子関係がテーマに絡んでくる点で、母親としての立場から観ていて非常に辛かったです。映像の暴力性もそうですが、それ以上に“絶望”を突きつけられる脚本が辛すぎる。観たこと自体は後悔していませんが、心に深い傷が残ったような感覚です。視聴には十分な覚悟が必要です。(40代 女性)


映画学校で学んでいた経験があるので、どんな表現でも「意味があればOK」と思っていましたが、『セルビアン・フィルム』は限界を超えていました。表現という名の暴力が全面に出すぎていて、メッセージ性がかすむほどです。特に終盤の“ファミリーポルノ”のシーンは、本当に見るに堪えません。作り物とわかっていても、精神を削られました。自分の限界を知るには良い経験だったかもしれません。(30代 女性)


こんなに感情がぐちゃぐちゃになった映画は初めてでした。怒り、嫌悪、悲しみ、虚しさ…すべてが押し寄せてきて、終わった後に放心状態でした。主人公が家族を守るために選ぶ選択肢がどんどん追い詰められていく様子に、理不尽さしか感じません。人間の狂気をここまで露骨に描いた作品は稀です。観る価値はありますが、それは「覚悟」がある人だけだと思います。(20代 男性)


生涯で観た中で最も衝撃的な映画です。社会的メッセージや映像美といった評価ポイントはあるものの、それを凌駕するレベルの不快感が常に画面に溢れています。自分の中の“人間としての感覚”が試されるような感覚。あまりにリアルで、視聴後に何度も悪夢を見ました。間違いなく問題作であり、見る人を選びますが、その“選別”自体がこの映画の意義かもしれません。(50代 女性)

映画『セルビアン・フィルム』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『セルビアン・フィルム』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

アントラム 史上最も呪われた映画

この映画を一言で表すと?

「観ることで呪われる」と噂された“映画の中の映画”。観る覚悟を試される異色ホラー!

どんな話?

70年代に制作され、その後封印された“呪われたフィルム”を発掘し上映するという形式で描かれる、異常で不穏な映像世界。兄妹が地獄に堕ちたペットを救うため、悪魔の門を開く“森”を訪れるという物語だが、途中から現実と虚構の境界が崩れていく。

ここがおすすめ!

ドキュメンタリー風の枠組みがリアリティを高め、「本当に呪われているのでは?」と感じさせる演出が巧妙。ショッキング描写だけでなく、観る者の心理をじわじわと侵食する“フィルム体験”として、セルビアン・フィルムの異様な空気感に魅了された人に刺さる一本。

グロテスク

この映画を一言で表すと?

日本発、道徳も救いも存在しない、極限のサディスティックホラー。

どんな話?

突然誘拐されたカップルが目を覚ますと、そこは監禁された部屋。狂気の拷問者による終わりなき拷問ショーが始まる。理由も背景もほとんど説明されないまま、ただ人間の苦痛と崩壊が克明に映し出されていく。

ここがおすすめ!

道徳や物語性を超え、ひたすら“痛み”と“絶望”を描くスタイルは、観る者の倫理観を強烈に揺さぶる。残酷描写が突出しているが、映像としての完成度や演技力も見逃せない。セルビアン・フィルムに通じる、「見るべきか否か」を問う問題作。

ムカデ人間

この映画を一言で表すと?

常識を覆す“人体実験ホラー”の衝撃作。見た者の脳裏に一生残る。

どんな話?

ヨーロッパを旅する若い女性2人が、道に迷い謎の屋敷に辿り着く。そこには狂気の元外科医が住んでおり、彼の異常な願望により人間を“つなぎ合わせる”という前代未聞の手術が行われる。

ここがおすすめ!

グロテスクだが“本当にやってしまいそうな”医学的リアルさが、逆に不気味さを倍増させる。映像自体は淡々としていながらも、想像力を刺激される構成が秀逸。倫理や理性を試されたい観客にとっては見逃せない異色ホラー。

マーターズ

この映画を一言で表すと?

哲学と狂気が交錯する、“美しすぎる拷問”映画。

どんな話?

虐待施設から逃げ延びた少女が、数年後、自らの過去にけりをつけるため復讐を決意。だが、事件の裏にはさらに深く恐ろしい“思想と組織”が隠されていた。物語はやがて痛々しくも美しい「受難」へと進んでいく。

ここがおすすめ!

暴力描写は苛烈ながらも、単なる残酷描写にとどまらず、極限の“悟り”を求める狂信者たちの信念に深い哲学性が潜む。セルビアン・フィルム同様、観た後に何かを“問われる”作品であり、ただのグロでは終わらない衝撃がある。

ファニーゲーム U.S.A.

この映画を一言で表すと?

暴力はエンタメか?観る側の“加担”を突きつける挑発作。

どんな話?

静かな湖畔の別荘にやってきた一家が、隣人を装った青年たちに突如襲われる。理由も脈絡もなく続く“ゲーム”と称した暴力は、観る者の無力さと共犯性を浮き彫りにしていく。

ここがおすすめ!

観客の期待を逆手に取り、あえて“救い”を否定する構成は、まさに挑戦状。暴力の描き方自体が「観客を批判する」という構造になっており、セルビアン・フィルムで倫理を揺さぶられた人にとって、より深い問いかけを感じられる一作。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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