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映画『シェイプ・オブ・ウォーター』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『シェイプ・オブ・ウォーター』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『シェイプ・オブ・ウォーター』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『シェイプ・オブ・ウォーター』の結末までのストーリー
  • 『シェイプ・オブ・ウォーター』を見た感想・レビュー
  • 『シェイプ・オブ・ウォーター』を見た人におすすめの映画5選

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』の作品情報


出典:Amazonプライムビデオ

製作年 2017年
上映時間 124分
ジャンル ファンタジー
ロマンス
サスペンス
監督 ギレルモ・デル・トロ
キャスト サリー・ホーキンス
マイケル・シャノン
リチャード・ジェンキンス
ダグ・ジョーンズ
製作国 アメリカ

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』の登場人物(キャスト)

イライザ・エスポジート(サリー・ホーキンス)
航空宇宙研究センターにて深夜、清掃員として働いている女性。赤子の頃に声帯を切られ、話すことができない。優しくて控えめで真面目。好奇心旺盛で不思議な生きものに心を奪われる。会話方法は主に手話を使い、首の両脇に3本の傷痕がある。
リチャード・ストリックランド(マイケル・シャノン)
軍人で主に警備する立場にあり、横柄な態度で攻撃的。不思議な生きものに左指を2本噛み千切られたことで、生きものを恨み嫌悪するようになる。
ジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)
イライザの隣室に住む絵描きで同性愛者。イライザとは親友で気の良い老人。パイ店の若者に恋心を抱いていたが、差別的な態度に失恋。イライザに協力してくれる。
不思議な生きもの(ダグ・ジョーンズ)
人型の水棲生物。イライザと意思の疎通を図ることで、様々な感情を覚えていく。アマゾン部族によって神のように崇められていた。非常に知能が高く、一度で物事を覚える。性別はオスと思われ、イライザと恋に落ちる。
ロバート・ホフステトラー(マイケル・スタールバーグ)
新任の博士。不思議な生きものを研究しており、ロシアのスパイをしているが、研究者として生きものの解剖や殺害に反抗を示す。イライザの行動を黙認した上で協力してくれる。本名はディミトリでロシア人。
ゼルダ・フラー(オクタヴィア・スペンサー)
イライザの仕事仲間で10年来の友人。2人1組で掃除をする相棒。おしゃべりが大好きで親友思い。イライザを止めようとして巻き込まれ、水棲生物を助けることになる。

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』のあらすじ【起】

1962年、アメリカ。航空宇宙研究センターの深夜帯清掃員として働くイライザ・エスポジートは独身で一人暮らし。
仕事は深夜0時からで、清掃員は2人1組で行動する。イライザの相棒は10年来の親友ゼルダ。おしゃべりが大好きな人妻だった。
ある日、空いた研究室に新たな研究対象が運び込まれる。イライザとゼルダが清掃を担当する研究室で、対象生物は今までに見たこともない人型の美しい水棲生物だった。

その研究対象の研究室を警備するのはリチャード・ストリックランドという軍人で、酷く横柄な態度と攻撃的な人物。研究は新たに異動して来たロバート・ホフステトラー博士が行うことになっていた。

イライザの一日は大体が決まっている。時間通りに寝て起きて、ゼルダの愚痴を聞きながら仕事を終える。毎日がそんな調子で何の刺激もない。その日もいつも通りに仕事をしている時だった。新しい研究対象が入った研究室から3発の銃声と、警備のストリックランドが血塗れで出て来る。非常事態の警報が鳴り、イライザ達は即座にその場から去った。

だが、夜食休憩中に上司から呼び出され、例の研究室の掃除を20分で終わらせろと命令される。研究室の中は大量の血で汚れており、イライザが水を撒くと指が2本出て来る。彼女は持っていた紙袋にそれを納めた。その時、水槽に水棲生物の姿を発見。彼女は一目で美しい不思議な生きものに心を奪われるのだった。

翌日、休憩中に例の研究室へこっそりやって来たイライザ。彼女はおやつのゆで卵で彼を呼び出した。室内には大きな池が作られていて水槽と繋がっているらしく、生きものは鎖で繋がれている。興味深げにイライザの元へやって来た彼は、威嚇しつつも卵を持って姿を消すのだった。

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』のあらすじ【承】

ストリックランドの指を拾ったことで、イライザとゼルダが呼び出される。例の生きものはアマゾンの奥地で捕獲され、ここへやって来たらしい。だが、軍人は指を噛み千切られたことで生きものに恨みを抱き、敵意を剥き出しにしていた。

研究室の清掃時間。彼女は密かに生きものと逢瀬を続けた。すると、イライザの表情は見違えるように生き生きと輝く。そんな彼女と生きものの逢瀬を偶然、ホフステトラー博士が発見。しかし、彼は密かに2人を見守るのだった。

彼は研究者としてアメリカでの永住権を持っていたが、ロシア人でありスパイでもあった。水棲生物の情報を母国に流しているが、ロシアの上層部は博士に対し、あまり良い感情を抱いていないようだ。

その日も生きものがいる研究室へ向かったイライザ。しかし、中へ入って驚愕する。彼が池から出され鎖で拘束されていたためだ。しかも、身体は傷だらけである。イライザはどうにか鎖を外そうとするも、ストリックランドの上着と武器である電撃棒を発見し、物陰に隠れる。そこで、奴が生きものに拷問している姿を目撃するのだった。
ストリックランドは軍の元帥に生きものの解剖を推している。だが、博士は研究に役立つとして、解剖には反対意見を述べていた。

イライザはジャイルズに協力を求める。このままでは、あの美しい水棲生物が解剖されてしまう。彼女は自分にとって、例の彼がどんな存在であるかを必死に訴えた。不思議な生きものはイライザが言葉を話せなくても気にしない。彼女のありのままをそのまま受け入れ、見つめているからだ。故に、イライザにとって今や大切な存在となっていた。しかし、ジャイルズは自分のことで頭が一杯で、彼女の話を一旦断ってしまう。

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』のあらすじ【転】

イライザの協力を断ったジャイルズだったがその後、仕事にも恋愛にも失敗。彼は帰宅して早々に親友を訪ね、彼女に協力することにする。
一方、ロシアスパイのホフステトラー博士は、水棲生物の解剖が翌日に決まったことで、ロシアの上層部から生きものの処分をしろと命令される。だが、博士はあくまでも研究者として、処分には反対だった。それでも上層部は訴えを聞いてくれない。

ジャイルズとイライザは入念に計画を練って水棲生物の逃亡を企てる。決行はイライザの仕事が終わる朝の5時。彼女は計画通りに準備を行い、彼を隠して連れ出そうとする。そんなイライザの行動を察していた博士は、彼女に協力して生きものの逃亡に手を貸してくれるのだった。

しかし、出口まで来てゼルダが立ちはだかる。更にジャイルズの訪れにより、不審を抱いたストリックランドが行動を開始。博士のお陰で水棲生物を無事に車へ乗せ、ぎりぎりのところで逃亡させることに成功する。

イライザは自宅のバスルームを生きものの住処に提供。彼が地上で動ける時間は限られている。長雨が降って川が増水したら海へ繋がるため、その時になるまでの約1週間。イライザは彼を匿うことに決めた。

翌日、水棲生物の逃亡犯を捕縛するため、ストリックランドによる面接が行われる。イライザもゼルダも何食わぬ顔で知らないと答えた。
イライザが側にいると、生きものはとても安心するようだ。それも、恐らくは彼女に対して愛情を持っている。イライザは逡巡した後、彼へと身を委ねることにした。そうして、2人は互いに全てを曝け出して愛を育んでいく。

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』の結末・ラスト(ネタバレ)

連日、雨が続いていた。予定の日までに増水は確実と思われた。しかし、ここにきて水棲生物が弱り始める。彼の身体から鱗が剥げ始めたのだ。イライザは彼に寄り添いながら、憂いを抱く。

未だに水棲生物の発見ができずにいるストリックランドは、軍の元帥から最後通牒を叩きつけられる。奴に噛み千切られた指は黒く変色し腐り始めている。プライドの高いストリックランドは、何としてでも水棲生物と逃亡に手を貸した一味を探し出し、始末しなければならなかった。

海へ返す予定日の前日。イライザは別れを惜しみ、生きものへ声にならない声で愛の歌を唄った。その後、仕事をして帰宅すると、水棲生物が吐血している。彼は今にも死にそうだ。イライザはゼルダに助けを求め、博士へ連絡することにしたが、博士はロシアからの異動命令により自宅を出た後だった。

任務に失敗したホフステトラー博士は、母国の上層部と待ち合わせるも撃たれてしまう。だが、そこへストリックランドが現れロシア人を射殺。まだ息がある博士を拷問して、水棲生物を連れ去った者を聞き出す。その後、ゼルダの家で逃亡を企てた張本人を聞き出すことに成功する。

イライザの家へ乗り込んだストリックランドだったが、自宅には誰もいない。逸早く、ゼルダが電話にて知らせたため、ジャイルズと共に桟橋へ向かったのである。
強い雨が降る中、桟橋へ辿り着いたジャイルズとイライザ。水棲生物との別れを惜しみつつ、逃げるよう促す。しかしその時、追って来たストリックランドがジャイルズを殴り倒し、水棲生物とイライザを銃撃。

最早、これまでかと思われたが、意識の戻った水棲生物が撃たれたイライザを目にして激怒。彼は立ち上がり自らの銃痕をたちまちの内に不思議な力で回復させ、ストリックランドを鋭い爪で切り裂いた。そして、恋人の元へ戻り、彼女を抱いて増水した川へ逃亡。
ジャイルズは茫然として2人が消えた川面を眺めていた。

水中へ逃げることに成功した水棲生物とイライザ。彼は彼女に口付けをして、息を吹き込む。すると、不思議なことにイライザの首の両脇にあった3本の傷が開き、水中でも呼吸を可能にする。彼女は恐らく水棲生物としての血を引いていたのだ。両脇の傷は、実はエラの痕だったのである。そうして、2人は広い海に逃れ愛を成就させたのだった。

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

水の中にしか存在し得なかった愛が、あまりにも純粋で切なくて美しい。言葉を持たない2人の交流が、逆に言葉以上の愛情を感じさせました。最後、イライザが撃たれて息絶える直前、彼女が実は水の中で生きられる存在だったという示唆には感動しました。これはラブストーリーであり、寓話であり、芸術作品だと思います。(20代 男性)


ギレルモ・デル・トロ監督らしいダークファンタジーの世界観にどっぷり浸かれました。冷戦下の緊張感ある時代背景の中で、施設の掃除婦と“異形の生物”との恋が描かれるとは思ってもいなかったです。特にラスト、水中でイライザと生物が再び結ばれるシーンは本当に美しく、涙が溢れました。(30代 女性)


最初は奇妙な恋愛物語かと思いましたが、物語が進むにつれてどんどん感情移入してしまいました。イライザが手話で感情を伝えるシーンの一つ一つがとても繊細で、彼女の純粋な想いが伝わってきました。差別や偏見に満ちた世界の中で、誰かを本気で愛することの力強さを感じた作品です。(40代 男性)


言葉では伝えられない思いを、音楽や映像、演技で見事に表現していた映画でした。サリー・ホーキンスの演技が圧巻で、特に“あなたがいなくなって私の世界は変わった”という手話のシーンには胸が締め付けられました。水の中でこそ呼吸できるような愛を描いた、まさにタイトル通りの作品でした。(20代 女性)


ラブストーリーでありながら、社会批判も含まれていてとても深い作品でした。施設の黒人女性やゲイの画家など、マイノリティが協力して政府の“異物”に立ち向かう構図が印象的でした。人間よりも“怪物”の方がよほど優しく、人間らしかったという皮肉も含めて、とても考えさせられる映画でした。(50代 男性)


音楽と映像の使い方が本当に美しくて、まるで一編の詩のような作品でした。異種間の恋という難しいテーマを、ここまで純粋に、美しく描いたギレルモ・デル・トロ監督の感性に感動しました。特に最後の水中シーンは、映画史に残る名シーンだと思います。ファンタジーの中にリアルな愛がありました。(30代 女性)


この映画は“愛すること”そのものを描いた傑作だと思います。相手が人間でなくても、言葉が通じなくても、通じ合えるという強いメッセージに心を動かされました。また、静かに生きていたイライザが愛を通じて変化し、行動を起こしていく姿にも勇気をもらいました。ファンタジーだけど、すごくリアルです。(40代 女性)


怪物とのラブストーリーという奇抜な設定ですが、そこに違和感はなく、むしろ純粋な愛として描かれている点が見事でした。イライザと生物の交流シーンは、感情の機微が丁寧に描かれていて、心に残るものばかり。差別や孤独というテーマが根底にありながら、それを超える愛に救われる作品でした。(20代 男性)


非常にアート性の高い作品で、セットデザインや色彩、衣装まで完璧に美しく作り込まれていた印象です。ラブストーリーとしても素晴らしかったですが、むしろ人間の“恐怖”や“支配欲”といった醜さも描かれていて、その対比が物語をより深いものにしていました。ラストの救済に心から感動しました。(50代 女性)


映画館で観て本当によかったと感じた作品です。音の少ない静かな描写の中に、すべての感情が詰まっていて、まるで夢を見ているような時間でした。イライザと生物の“音楽に合わせたダンス”のシーンでは涙が止まりませんでした。美しくて哀しくて、でも優しい愛の映画でした。(30代 男性)

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『シェイプ・オブ・ウォーター』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

パンズ・ラビリンス

この映画を一言で表すと?

現実と幻想の境界で少女が出会う、戦争と幻想のダークファンタジー。

どんな話?

スペイン内戦下、少女オフェリアは現実の残酷さから逃れるように、不思議な迷宮と妖精の世界に入り込む。現実の戦争と幻想の世界が交錯する中で、彼女が下す選択とは…。

ここがおすすめ!

『シェイプ・オブ・ウォーター』と同じギレルモ・デル・トロ監督作で、ファンタジーと社会的背景が融合した圧倒的世界観が魅力。幻想の美しさと現実の苦しみが重なる演出は必見です。

アメリ

この映画を一言で表すと?

日常のなかの小さな奇跡を描いた、心あたたまるフレンチファンタジー。

どんな話?

パリのモンマルトルに住む内気な女性アメリが、人々の幸せのためにこっそり仕掛ける“おせっかい”の連鎖。やがて自分の恋にも向き合っていく、優しくて不思議な物語。

ここがおすすめ!

イライザのように“静かな主人公”が心を開いていく姿に共感できます。映像美、音楽、細かな演出すべてが愛おしく、『シェイプ・オブ・ウォーター』の温もりある世界観に惹かれた人にぴったりです。

ビースト(Beast)

この映画を一言で表すと?

孤独な魂が出会い、社会の“枠”から逸脱していくスリラー・ラブストーリー。

どんな話?

抑圧された家庭で生きる女性モールは、自由奔放な青年パスカルと恋に落ちる。しかし彼には殺人容疑が…。愛と疑念の間で揺れながら、モールは真実と向き合っていく。

ここがおすすめ!

“理解されない者同士の恋”というテーマが『シェイプ・オブ・ウォーター』と共鳴します。美しくも狂気をはらんだ演出と、主人公の孤独と解放の物語が深い余韻を残します。

エドワード・シザー・ハンズ

この映画を一言で表すと?

人とは違う手を持った青年が教えてくれる、“異質な存在”の優しさと切なさ。

どんな話?

科学者によって作られたが未完成で、ハサミの手を持つ青年エドワード。彼がある町に受け入れられ、少女キムと心を通わせていくが、やがて偏見と誤解によって追い詰められていく。

ここがおすすめ!

異形の存在と人間の恋を描く点で『シェイプ・オブ・ウォーター』と強く通じる作品。ティム・バートンのファンタジックな世界観と、切ないラブストーリーに涙が止まりません。

スプラッシュ

この映画を一言で表すと?

人魚と人間の恋を軽快に描いた、ロマンティック・ファンタジーの名作。

どんな話?

幼い頃に海で出会った人魚と再会した青年アレン。人間に姿を変えた彼女との恋が再び始まるが、人魚の秘密が次第に周囲に明らかになり、2人は試練に立たされる。

ここがおすすめ!

人魚=異種とのロマンスというモチーフが共通。『シェイプ・オブ・ウォーター』より明るくコメディ色もありますが、愛は種族も言葉も超えるという普遍的テーマが心を打ちます。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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