映画『セルフィー・フロム・ヘル』の概要:既に当たり前となっている自撮りをテーマに描かれたホラー映画。従姉の女性がヒロインの自宅へ遊びに来るも、意識不明に陥る。以降、姿の見えない何かの気配を感じるようになったヒロインは、従姉が自撮りしていた動画を目にし恐怖へと巻き込まれていく。
映画『セルフィー・フロム・ヘル』の作品情報
上映時間:75分
ジャンル:ホラー
監督:エルダル・ジェイラン
キャスト:アリソン・ウォーカー、トニー・ジロー、ミーラ・アダムズ、イアン・ブッチャー etc
映画『セルフィー・フロム・ヘル』の登場人物(キャスト)
- ハンナ(アリソン・ウォーカー)
- 金髪の美人でジュリアの従妹。意思が強く聡明でジュリアのことを酷く心配している。彼女を助けたいがために恐怖食いのターゲットにされてしまう。
- トレヴァー(トニー・ジロー)
- ネットサーバーの管理をしている青年。彼が勤める会社へ面接に来たハンナに一目惚れし、偶然を装って彼女と友人関係を築く。実際に会ったことはなく、ずっとスカイプでばかりコンタクトを取っていた。
- ジュリア(ミーラ・アダムス)
- ハンナの従姉。茶髪で長髪の女性。自撮り動画をアップしているYouTuber。ダークネットの調査をし、それをレポート動画としてアップする予定であったが、恐怖食いの罠に嵌りブラックルームへ誘われる。13枚の呪われた画像を見て、悪霊に取り殺されてしまう。
- 恐怖食い(イアン・ブッチャー)
- ダークネット内にあるブラックルームにて、呪いの画像を使い悪霊に襲われた人が恐怖に慄く様を見て快楽を得ている。
映画『セルフィー・フロム・ヘル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『セルフィー・フロム・ヘル』のあらすじ【起】
従姉のジュリアが遊びに来ると言うので、空港まで迎えに行ったハンナ。久しぶりに対面したジュリアの様子はどこかおかしく、記念に2人で写真を撮ろうとすると酷く怖がっていた。彼女は聞いたことも見たこともないURLのサイトに載っている場所を検索し、その場所へ行くための地図を調べている。
自宅へ案内した後、ハンナはお茶を入れにキッチンへ。ジュリアは2階の客間へ向かった。
そこで、彼女は画面の割れた自分の携帯で自撮りをしてみる。すると、シャッターを押した瞬間、自分の背後に黒い影が映る。彼女が怯えながら再びシャッターを押すと、影は少しずつ近づいているようだった。
恐ろしくなって部屋の中へ入り、廊下に向けてシャッターを押したが、何度撮っても影は映らない。だが、自撮りの時だけ背後に影が映る。次に自撮りをした時、影がすぐ後ろまで迫っていたため、ジュリアは悲鳴を上げて気絶してしまった。
悲鳴を聞いたハンナが駆け付けると、ジュリアが倒れている。ハンナは彼女をベッドへと運び、医師を呼んだ。感染症に罹っているらしく、数日は養生した方が良いと言う。
高熱を発するジュリアは眠り続けた。
別室にいたハンナにジュリアからメッセージがくる。意識が戻ったのかと思い部屋へ向かうが、ジュリアは眠っている。そもそも彼女の携帯はどこにあるのか。電話をかけてみるとクローゼットの荷物の中にあった。
彼女の携帯は画面が割れている。ハンナは不審を抱き、ジュリアの携帯に記録されている動画と彼女が調べていたURLを見てみた。すると、動画には恐怖に慄くジュリアが映されており、URLはTorのような特殊なソフトが無ければ入れないサイトだった。Torをダウンロードして早速、検索してみるも接続はリセットされてしまうのだった。
深夜、ハンナの携帯に謎の動画が届く。酷く荒れた画像だったが、ベッドで眠り続けるジュリアが映されていた。急いで様子を見に向かうと彼女は震えている。窓が開いている上に玄関のドアまで開いていた。ハンナは包丁を手に侵入者を撃退しようとしたが、家の中にはジュリアと自分しかいないのだった。
映画『セルフィー・フロム・ヘル』のあらすじ【承】
翌日、ハンナはジュリアが自撮りした動画を調べてみる。YouTubeにアップされた動画では、ジュリアがダークネットと呼ばれる禁断のサイトを調べようとしていた。パート1ではここまでで、パート2がアップされていないか検索すると、ジュリアが謎の死を遂げたことが記事として上がっている。しかし、彼女は2階にて眠り続けている。死ぬはずがない。ジュリアのノートパソコンから彼女のことを検索すると、血塗れの彼女の画像が出てくるのだった。
ハンナはネットに詳しいトレヴァーに助けを求めた。聞くところによると、ジュリアが調べようとしていたダークネットとは、そもそもどの検索エンジンでも見つからない隠された世界のものだと言う。それでも、彼は協力すると約束し、とあるチャットルームを教えてくれた。
早速、帰宅後にチャットルームへ。一日中、ダークネットのことについて調べてみたが、答えは得られない。しかし、夜になって1人の人物からアクセスがある。男はただの冷やかしであるかのようにハンナをおちょくったが、何かを知っているような口ぶりでジュリアの恋人はすでに死んだと言うのだった。
ハンナはジュリアの元へ向かい、本当に彼女の恋人が死んだかを確認。男の情報は確かで、恋人は死んでいた。その時、白目を剥いたジュリアが起き上がり笑う。彼女は無言ですぐに眠りへ就いた。
怖くなったハンナはトレヴァーに自宅へ来るよう願い出る。
映画『セルフィー・フロム・ヘル』のあらすじ【転】
彼はすぐにハンナの元へやって来た。そして、ダークネットを見つけたと言う。ダークネットの中にはブラックルームとレッドルームと呼ばれる場所があり、レッドルームは特に犯罪的なものが集まっている。そこはどんなに残酷な願望も金を払えば実現できる場所で、主に鑑賞するのが目的の場所だ。対してブラックルームは参加が可能となる。
トレヴァーからジュリアのPCを開いてもらい、ネットにアップするはずだったレポート動画を見た。ダークネットのブラックルームに入ってしまったジュリアが“恐怖食い”という人物に捕まり、罠に貶められた上で命を狙われていることが分かる。そのせいでジュリアの恋人は死んでしまったのである。しかも、恐怖食いは13枚の画像を見るよう促してくる。画像を見て画面にヒビが入ったら、危険な何かに目を付けられるというものだった。
ハンナはジュリアの動画を見て青くなる。チャットルームでアクセスしてきた者が自分に13枚の画像を見せ、画面にヒビが入ったからだ。恐らく奴が恐怖食いだったのである。
夜も遅い時間となったため、その日はトレヴァーが泊まってくれることになった。
彼は1階のソファーで休み、ハンナはジュリアの部屋で休むことにする。
だがその後、意識の無いジュリアがなぜか宙に浮き上がる。驚いたハンナだったが、ベッドに戻ったジュリアの息が止まってしまう。異変を察したトレヴァーが駆け付け、蘇生をしつつ救急搬送した。
ジュリアは原因不明の多臓器不全に陥り、朝まではもたないだろうとのことだった。
帰宅したハンナはトレヴァーをこれ以上、巻き込まないために彼へと冷たく当たって帰してしまう。
トレヴァーの車が去った直後、ハンナの携帯に恐怖食いから着信がある。奴の目的は13枚の呪われた画像を見せ、悪霊にとり憑かれた者が恐怖に慄く姿を見て快楽を得ることだった。住所を聞かれたが、ハンナは決して口を割らない。
しかし、自宅にて座り込んだ時、玄関扉の前に人影が現れる。恐怖から地下室へ逃げ込んだが、捕まってしまった。
映画『セルフィー・フロム・ヘル』の結末・ラスト(ネタバレ)
意識を奪われたハンナが連れられて来た場所は、どうやら恐怖食いの拠点らしい。ハンナは両手を拘束され天井から吊り下げられている。そして、恐怖食いはハンナが悪霊に襲われて死ぬ姿を撮影しようとしていた。
彼はハンナと共に自撮りを行い、影が近づく。画像と同じ枚数を自撮りすると悪霊が辿り着き、命を奪うのだ。しかし、12枚目を撮ったところでトレヴァーが助けに来てくれる。
彼はハンナに思いを寄せており、彼女を助けるために呪われた13枚の画像を見てブラックルームへ入り、そこから恐怖食いの居場所を見つけ出して来たのだった。
恐怖食いを拘束した後、奴のPCから画像が撮られた場所を特定した2人。恐らく悪霊の元となる何かもそこにあるはずだと移動を開始。その場所は不使用となった倉庫だった。
中へ入り、2階で何者かが生活していた痕跡を発見。デジタルビデオカメラがあったため、録画記録を見る。意識が混迷した凶悪犯を医師が診察した記録だったが、凶悪犯がその場にいた全ての人間を、謎の力で殺害する様が録画されていた。しかも録画中、凶悪犯の顔には靄がかかったように見えない。だが、近くに落ちていたアルバムには、髭を蓄えた男と恋人らしき女が仲睦まじく映っている。恐らく凶悪犯はこの男の方である。
トレヴァーが発信元である携帯へ電話。1階の倉庫へ降りた2人は、携帯のバイブレーションを辿りその場所へ着いたが、そこには何もない。しかしその時、天井が崩落して首を吊った男が落ちて来る。すでに息絶えた男の顔を見た2人は、その人物が13枚の画像の男であると同時に、録画の凶悪犯であることを知る。この男が呪いをかけているのだ。
男の遺体は妙に生々しく、今しがた首を吊ったかのようである。男に触れたハンナは背後から悪霊に襲われ意識を奪われる。トレヴァーは倒れた彼女を救うため、自撮りを行い悪霊の行方を探った。すると、奴は自分の遺体へ縋り姿を消す。すでに13枚を超えた自撮りを行ったトレヴァー。意識が戻った彼女は悪霊の行方を探るために自撮りを行ったが、すでに影はない。次の瞬間、遺体が息を吹き返して動き出す。奴はトレヴァーを捕まえ首を絞めた。ハンナは彼を助けるために妨害し、代わりに自分が捕まってしまうも、遺体が急に力を無くし姿を消すのだった。
天気の良い森の中へピクニックに来たハンナとジュリア。そこへ笑顔のトレヴァーがやって来る。ハンナは彼と口付けを交わしたが、実はトレヴァーと思われる男は悪霊であった。
倉庫で首を絞められたトレヴァーとハンナは、あの時に死へと至っていたのである。
映画『セルフィー・フロム・ヘル』の感想・評価・レビュー
自撮りする度に悪霊が近づき取り殺されるというホラー映画。
スマホや携帯を持っていれば、誰でもできる自撮りをテーマに描いた作品だが、自撮りする度に悪霊が近づいて来る画像には分かっていてもぞっとさせられた。今作は正にホラーとも言えるべき映画なのだが、謎を解明するために奔走し悪霊を退治してほっとしたところにダメ出しとばかりのラストシーンがある。どこからが幻想でどこまでが本当だったのかが分からない自然な流れなので、ラストシーンで絶望感が襲う。緻密な計算で成り立った恐怖だと感じたし、演出や展開の組み立てがとても良かった。(女性 40代)
怖いなら見なければいいのに、危険を感じたならやめればいいのに、と思うのに自撮りをして確認してしまう彼女たち。自撮りが原因なのだから撮らなければ止まるのでは…?なんてことは考えずに、怖いもの見たさに共感しながら鑑賞して欲しい作品です。
自撮りや闇サイトなどネット社会の今ものすごく身近にあるものをテーマにしているので、自分の身にも起こり得るかもしれないという怖さがありましたが、あまりにも現実離れした展開は少し萎えてしまいました。(女性 30代)
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