この記事では、映画『シマウマ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『シマウマ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『シマウマ』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:サスペンス、アクション
監督:橋本一
キャスト:竜星涼、須賀健太、日南響子、高橋メアリージュン etc
映画『シマウマ』の登場人物(キャスト)
- 竜夫 / ドラ(竜星涼)
- チンピラで小さめの悪事を働いている。威勢が良く、意思も強い。
- アカ(須藤健太)
- 顔にジョーカーのようなメイクをした男。手口は極めて残虐的で、何をされてもあまり感じない。
映画『シマウマ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『シマウマ』のあらすじ【起】
竜夫は根っからのチンピラだった。
彼女を使い結婚相談所で登録した男をターゲットに美人局で稼いでいた竜夫と仲間は、ある日普通のサラリーマンだと思い脅すとヤクザだった。
しかし河原で執拗に痛めつける竜夫は、仲間に制止されるのも無視し金を盗む。
その後、一緒に美人局をしていた仲間が何者かに狙われ殺された写真が載っているメールが竜夫の元に届く。
彼女に電話をし、急いで避難させようとする竜夫。
彼女のマンションに向かうと一台の車が止まり、その中に女性が連れ込まれているのを目撃する。
咄嗟に彼女だと思った竜夫は男達に殴りかかった。
するとその女性だと思っていたのは実は男。
アカと言う不気味な化粧の男だった。
竜夫はアカに拉致されてしまう。
目が覚めた時、竜夫は身動きとれなくなっていた。
そこでアカと呼ばれる男と対面。
アカは顔を白く塗り、気味の悪い化粧をしていて死や血を見ても何も思わない不気味な男だった。
アカは助かる方法があると竜夫に言うと、もう1人の男を竜夫に会わせる。
それは竜夫が騙してボコボコにしたあのヤクザだった。
実はアカは回収屋という仕事をしていて、今回の仕事が竜夫の一件だったのだ。
回収屋とは、どんな形であれ依頼人から頼まれた復讐代行をする仕事人のことである。
アカは竜夫に「素質」があると見込み、ヤクザを武器無しで殺したら回収屋にしてやると言った。
竜夫が助かる道はそれしか無かった。

映画『シマウマ』のあらすじ【承】
竜夫は素手でヤクザを滅多打ちにする。
アカによる怪我を負っていた竜夫が目覚めたとき、病院にいた。
そこは闇医者による闇の病院。
竜夫はアカに促されるまま、あるマンションの一室に入る。
そこで初めて竜夫に任された仕事があった。
こうして竜夫は名前をドラと改め、回収屋としての道を歩むこととなった。
アカは竜夫を知っている。
2人は高校の時の同級生であった。
虐められ泣いているアカを学校一の不良グループのリーダー竜夫が助けてやったことで自殺することを止める。
その後虐めも無くなり竜夫を慕うようになるが、アカはある日、竜夫がアカを貢ぎ人として大事にしているという話を仲間に冗談めかして話しているのを盗み聞きしてしまう。
竜夫は根っからの悪だったのだ。
それ以来アカは自分の中の自分が崩壊し、回収屋として闇で生きることになった。
アカは竜夫に因縁を持っているのと同時に、なんとも言えない不思議な感情も持ち合わせてしまっている。
回収屋のボスはシマウマと呼ばれていた。
一件を無事に回収したことで試用期間が終わったドラは、無事に回収屋として働くことになっていく。
映画『シマウマ』のあらすじ【転】
次に任されたのがキャバクラ嬢とヤクザの持ち逃げ。
大金を持ち逃げしたキャバ嬢はドラの彼女だった。
躊躇するドラに容赦ないシマウマは、回収するように言う。
そして彼女を拉致したドラは、倉庫で彼女を回収しようとするが出来なかった。
しかしその後別の回収屋に回収されたことを知ったドラは、彼女を探しに行く。
歯を抜かれ、顔面は変わり果て精神状態もおかしくなった彼女を見て、闇医者に交換条件付きで彼女を殺してくれないかと頼んだドラ。
最後の優しさだった。
交換条件とは闇医者がストーカーしている美人妻のことである。
元麻薬捜査官の男の妻として暮らしていた女を、闇医者のものにしてやるというもの。
ドラの次の回収屋がこの元麻薬捜査官の男だった。
この夫婦には息子がいたが、妻がおこした事故により息子は植物状態に陥り病院でまだ目を覚まさずにいる。
しかし相手も手強く、ドラのことを知られ逆に調べられてしまった。
そんな矢先、ドラは医者を連れてこの男の自宅に押し入り妻を男の前でレイプさせる。
完全に精神が崩壊した女。
男は刑事にもう1度やり直せと薦められ、刑事に戻り妻とやり直そうと決めたその時。マンションの上から妻が飛び降りる現場を目撃。
悲劇だった。
映画『シマウマ』の結末・ラスト(ネタバレ)
元麻薬捜査官の男は復讐を開始する。
まずは闇医者のところに行き、ドラの行方を追った。
そして事務所を探し当てた男は、ドラが入って来ると同時に襲いかかる。
男の執念はすさまじかった。
絶対にドラを逃さないという気持ちだけで、彼を執拗に追い大けがをさせる。
もうダメだと思われた時、アカがやってきてドラを背負い事務所に連れて行く。
仲間では無いと言っていたアカだったのに、ドラにはやはり思い入れがあるのだろう。
別のある日、息子の見舞いに来た男は病院でドラの姿を見つける。
急いで息子の病室に向かった男。
病室に入ると息子の足下にドラが座っていて、じっと男を見つめる。
男は崩れ落ち、むせび泣いた。
ドラは男の息子のチューブを抜き、機械を止めてしまっていたのだ。
息子は死んだ。
「回収させてもらったぞ」と呟いて去って行くドラ。
夜の街の雑踏を歩くドラの姿があった。
足を止め、街を眺める。
その脳裏には今まで回収した人たちからの声がこだまする。
そして決意した。
「食い尽くしてやるよ。てめえの意思でな」と。
ドラは回収屋として生き抜くことを決めた。
映画『シマウマ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
漫画では、暴力や性行為などが入り混じった、かなりヴァイオレンスな描写が目立つ作品である。ドラを演じるのは、スーパー戦隊シリーズで主役を演じていた事もある竜星涼である。かなり暴力的で冷酷な役柄となっているので、見る人が見ればちょっとショックかもしれない。シマウマ自体はまだ連載中の作品である為、ドラが一人前の回収屋となるまでを描いた内容となっている。漫画の描写を再現するのは無理があるだろうが、それでもなかなかに踏み込んだ描写が楽しめる。(男性 30代)
竜星涼は戦隊モノのヒーロー、須賀健太は朝の連続ドラマの子役のイメージだったのでバイオレンスな世界観に見事にマッチした2人の演技は良い意味でショッキングでした。
漫画を映像化したということで、非現実的なストーリーですが、ただのヤンキーやヤクザの物語では無く、復讐代行をする「回収屋」という設定が新しくて面白かったと思います。
過激な描写が多いので苦手な方にはおすすめ出来ませんが、こういうジャンルが好きな方にはたまらないと思います。とても面白く見られました。(女性 30代)
暴力描写の容赦なさに最初は引いてしまいましたが、物語が進むにつれて、ただのバイオレンス映画ではないことが分かってきました。主人公ドラがどんどん冷酷な世界に染まっていく様子は衝撃的で、善と悪の境界があいまいになっていく感覚が怖かったです。特にラストの展開は、どこか救いのない結末でありながら、ある種の因果応報のような余韻が残りました。暴力の裏にある人間の弱さを描いた作品だと思います。(20代 男性)
女性の視点から観ると、かなり暴力的でグロテスクなシーンが多く、観るのに勇気が必要でした。でも、その裏にあるキャラクターの心理や、人間関係の歪みが丁寧に描かれていて、思ったより深みのある映画でした。アカとキイヌという個性的なキャラが印象的で、ただの暴力ではなく、彼らなりのルールや価値観があるところが面白かったです。ラストまで観て、考えさせられる作品でした。(30代 女性)
原作漫画の世界観が忠実に再現されていて、ファンとしては大満足です。映像はスタイリッシュで、狂気的なシーンにも美しさがあって、バイオレンス映画としての完成度は高いと思います。ドラが復讐の連鎖に飲み込まれていく様子は痛々しくもあり、哀れでもあります。社会の底辺に落ちた人間たちが見せる生き様は、不思議なリアリティを感じました。続編も観てみたいと思いました。(40代 男性)
序盤の展開から一気に引き込まれました。特に、ドラが借金取りの世界に足を踏み入れ、次第に人が変わっていく様子が怖かった。アカの狂気に満ちたキャラクターや、キイヌの独特の存在感も、どれも忘れがたいです。決して万人にオススメできる映画ではないけれど、暴力や闇に魅了される人には響くと思います。倫理観を問われるような作品でした。(30代 男性)
強烈な世界観に、観終わった後もしばらく気分が落ち込むような衝撃作でした。特に女性としては、キイヌの過去や彼女の生き様があまりにも悲しくて、心に残りました。登場人物たちの多くが救われない結末を迎える中で、暴力がどれほど人間を壊すかを描いていたと思います。ラストの虚無感も含めて、こういう映画が存在する意味を考えさせられました。(20代 女性)
観終わった瞬間、「これはエンタメではない」と感じました。暴力、拷問、冷酷なやりとり――そのすべてが現実離れしているのに、どこか真実味があるのが不思議です。ドラの変貌ぶりがすさまじく、観ていて痛々しい。アカとキイヌの存在が“人間とは何か”を逆説的に問いかけてくるようでした。バイオレンスという手法で人間の本性を炙り出す、挑戦的な映画です。(50代 男性)
刺激的なものが観たいと軽い気持ちで再生したら、思った以上に重たくて驚きました。暴力描写がとにかくリアルで、痛みが画面越しに伝わってくるレベル。アカというキャラクターが怖すぎるのに魅力的で、目が離せませんでした。ドラがあの世界に順応していく様子は見ていてゾッとしますが、それが人間の持つ闇だと思わされます。エグいけど、引き込まれる作品です。(20代 女性)
ヤクザ映画やバイオレンス系が好きなのでかなり楽しめました。アンダーグラウンドな世界の描き方が丁寧で、実際にこういう世界があるのかも…と思わせるリアリティがありました。主人公が成り上がっていくというより、“堕ちていく”感じがたまらない。救いがない映画ではありますが、それがこの作品の持つ魅力でもあると思います。キイヌの存在も不思議な余韻を残しました。(30代 男性)
映画『シマウマ』を見た人におすすめの映画5選
冷たい熱帯魚
この映画を一言で表すと?
平凡な日常が一瞬で狂気に転落する、実話ベースの衝撃スリラー。
どんな話?
熱帯魚店を営む大人しい男が、カリスマ的な魚屋に出会ったことをきっかけに、殺人と暴力の世界に引き込まれていく。やがて彼は、自分の倫理や価値観が崩壊していくのを止められなくなる…。
ここがおすすめ!
『シマウマ』と同様、表の顔と裏の顔が交錯する世界観が魅力。人間の本性や狂気に深く切り込んだ園子温監督の代表作で、グロテスクながらも目が離せません。暴力描写に耐性がある人には絶対オススメ!
アウトレイジ
この映画を一言で表すと?
裏社会の権力争いを描く、全編“暴力”と“裏切り”の饗宴。
どんな話?
ヤクザ社会の中で、組同士の微妙なバランスが崩れたことから激しい抗争が始まる。誰が味方で誰が敵か分からない中、血で血を洗う戦いが繰り広げられる。
ここがおすすめ!
バイオレンスを徹底的にリアルに描いた北野武監督の傑作。『シマウマ』のように道徳の通じない世界を舞台に、静かで冷たい暴力が炸裂します。セリフも演技もすべてが鋭利なナイフのよう。
凶悪
この映画を一言で表すと?
本当に恐ろしいのは“笑顔の中の悪意”―実話に基づく背筋凍る犯罪ドラマ。
どんな話?
死刑囚の手紙をもとに、雑誌記者が調査を進めていくうちに、世にもおぞましい事件の真相が明らかになっていく。次第に記者自身も“正義”の意味を問われることに…。
ここがおすすめ!
綾野剛、山田孝之らの怪演が光る本作は、実際に起きた凶悪事件を基にしており、そのリアリティが『シマウマ』同様に観る者の神経を削ります。暴力の裏にある人間性の空洞が描かれ、深く刺さる。
ICHI THE KILLER(殺し屋1)
この映画を一言で表すと?
快楽と暴力が交錯する、極限のバイオレンス・カルトムービー。
どんな話?
謎の失踪を遂げたヤクザのボスを探す部下と、異常な嗜虐性を持つ殺し屋“イチ”との戦いが、狂気と血まみれの世界で繰り広げられる。常識は完全に通用しない世界の物語。
ここがおすすめ!
三池崇史監督による衝撃作で、グロテスクな描写と独自の美学が共存する唯一無二の作品。『シマウマ』のような過激な世界観をさらに突き詰めた狂気の映画で、カルトファンにはたまらない1本。
怒り
この映画を一言で表すと?
「人間を信じるとは何か」を問う、暴力の裏にある“感情”を描いたヒューマンサスペンス。
どんな話?
ある殺人事件をめぐって、異なる地域で暮らす3組の人々に疑念と不信が広がっていく。殺人犯は果たして誰なのか、そして人はどこまで他人を信じられるのか…。
ここがおすすめ!
『シマウマ』のような直接的な暴力描写は少ないが、その裏にある“人間の闇”を丁寧に描いている名作。重厚なテーマ、複数の視点、感情を揺さぶる展開が心に刺さる作品です。
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