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映画『SHINOBI』あらすじネタバレ結末と感想

映画『SHINOBI』の概要:2005年公開の日本映画。徳川の後継者を決めるために利用された忍達を描いている。愛し合いながら敵対しなければならない朧と弦之介の悲恋を、アクションを用いてエンターテインメント映画に仕上げた。

映画『SHINOBI』 作品情報

SHINOBI

  • 製作年:2005年
  • 上映時間:101分
  • ジャンル:アクション
  • 監督:下山天
  • キャスト:仲間由紀恵、オダギリジョー、黒谷友香、椎名桔平 etc

映画『SHINOBI』 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★☆☆☆

[miho21]

映画『SHINOBI』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『SHINOBI』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『SHINOBI』 あらすじ【起・承】

時は徳川の太平の世。
長きに渡り陰の仕事人として活躍してきた忍達がいた。
甲賀卍谷の忍と伊賀鍔隠れの忍である。
甲賀の頭領の孫・弦之介(オダギリジョー)と伊賀の頭領の孫・朧(仲間由紀恵)は恋に落ちていた。
時代は変わり、2人も堂々と一緒に暮らそうと誓い合う。

しかしある日、徳川から頭領同士が呼ばれた。
その理由は徳川の後継者を決めるため、伊賀と甲賀の忍達が戦い合えという命令だった。
というのは建前、実際には太平の世に必要なくなった忍達を戦わせ滅ぼしてしまおうという策略である。
戦いの仕方は簡単。
各5人ずつ選び、生き残った方が多い方が勝ちと言うものであった。
この話を来た弦之介は急いで徳川の元へ仲間を連れて向かった。
今更忍同士戦い合うことは無駄であるということを訴えるためである。
そして朧を筆頭にした伊賀勢に自分たちを追ってくるように手紙をよこした。

この弦之介の決断には納得のいかない甲賀勢。
忍は産まれたときから人殺しとして育てられる。
そのようにしか生きられないのだ。
戦って自分たちの存在意義を見いだしたいという思いでいっぱいであるのだ。

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映画『SHINOBI』 結末・ラスト(ネタバレ)

しかし決戦は始まってしまう。
甲賀の頭領と伊賀の頭領が殺し合い、相打ちになった。
甲賀の5人はこれをうけて急いで徳川の元へ走る。
メンバーは弦之介をはじめとする手慣れの忍達。
小さい時から毒を飲まされ、毒の息を吐き男性を殺す陽炎(黒谷友香)。
盲目だが心眼が長けている豹馬。
素顔を見られないよう仮面を被る高い身体能力の持ち主、左衛門。
戦闘武術能力が高い小四郎である。

一方でそれを追う伊賀勢は怒りの感情を持つとその眼で人を殺せる朧を筆頭に毒蛾を操り、朧を姉と慕う蛍火(沢尻エリカ)。
黒い糸を自在に操る美男子、夜叉丸。
獣の皮を被った野生児、蓑念鬼。
そして不死身の忍、薬師寺天膳(椎名桔平)。

頭領同士の意向は関係無く、徐々に戦いあっていく忍同士。
仲間が次第に減っていく。
そんな中、朧が可愛がっている蛍火までが死んでしまった。
このことで怒りの感情が抑えられなくなってしまった朧は、弦之介と戦うことを決意する。

いよいよ向き合い、最終決戦の時。
同時に斬りかかったと思われたが、弦之介は殺そうとは思っていなかった。
自ら朧に殺されようとした。
悲しい戦いは幕を閉じる。

その後、徳川に呼ばれた朧は自分の術を封印するかのように皆の前で眼を潰し、里に帰るのであった。

映画『SHINOBI』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『SHINOBI』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

忍達に感情移入がしづらい現実

本作品のように忍に焦点を当てて製作した映画は数多い。
しかし現代の人気キャストが集結して、最新技術を駆使したアクションシーンが見物の作品はそうないであろう。
特にこのキャストで一番興味深いのが、ヒロイン朧を演じた仲間由紀恵である。
おっとりした演技が多い彼女が、俊敏な動きがメインの忍を演じるということが想像するだけで面白い。

しかし残念なことに、本作品はキャストが豪華な割に役柄の設定が下手だった。
その忍の過去や思想を全く描いていないため、観ていても誰が誰なのかさっぱり理解できない。
沢尻エリカ演じる蛍火が朧を姉のように慕っていて、かばって死ぬというシーンも感情移入が出来ないため感動も悔しさも無いのである。
むしろ敵の仲間なのではないかと疑いさえ持ちながら見ている有様。

薬師寺に関してはなぜ不死身なのか、死にたがっているのか全く分からず陽炎に殺されたいという台詞にも大してぐっとこない。
他の忍に関しては全く興味も持たなかった。
というよりも、興味を持つ前に突然戦い、意味もわからず死んでいったというような感じだ。

この辺りの設定をしっかりしていればもっとドラマも生まれ、感動も生まれ、最高のキャスティングと物語が比例していったのではないだろうかと思う。
やはりこの手の人物群像劇は過去設定がディープだからこそ面白いというものである。

そして最初に死んだ頭領同士。
この2人に関しては全く何故死んだのか、戦ったのが全く謎だ。
無駄死にとしか言いようが無く、いきなりのことに戸惑いを隠せなかった。


忍びの時代には似つかわしくない忍たちの特殊能力に全く感情移入出来ず、2人の悲しい恋愛もそこまで入ってきませんでした。
伊賀と甲賀、対立した関係であったことは分かりますが幼い頃から忍として鍛えられ、それしか知らずに生きてきたはずなのに敵と恋に落ちてしまうなんて有り得るのでしょうか。その根本的な部分からあまり納得できなかったせいで悲恋の印象が薄くなってしまった気がします。
仲間由紀恵にオダギリジョー、椎名桔平、沢尻エリカなど豪華なキャストが揃っているのでビジュアル的には見応えがありますが、ストーリーはイマイチでした。(女性 30代)

映画『SHINOBI』 まとめ

やりたいことは良かった。
キャスティングも良かっただろう。
しかし内容がいまいちしっかりしていなくて、細部に渡り描けていなかったことが最大の問題であるといっても良い。

特に絶対的に忍の過去にこだわり丁寧に描いて欲しかったところだ。
このような人物が多い映画は、誰に肩入れするのかを楽しむようなところがある。
それをさせてもらえないということは、参加出来ないということ。
つまり映画自体を楽しませてもらえないのである。
非常に残念感が募る作品になってしまった。

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