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映画『死刑にいたる病』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『死刑にいたる病』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『死刑にいたる病』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『死刑にいたる病』の結末までのストーリー
  • 『死刑にいたる病』を見た感想・レビュー
  • 『死刑にいたる病』を見た人におすすめの映画5選

映画『死刑にいたる病』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2022年
上映時間 129分
ジャンル サスペンス
ミステリー
スリラー
監督 白石和彌
キャスト 阿部サダヲ
岡田健史
岩田剛典
宮崎優
製作国 日本

映画『死刑にいたる病』の登場人物(キャスト)

筧井雅也(岡田健史)
大学生。父親との関係が冷え切っている。
榛村(阿部サダヲ)
多くの少年少女を殺害した連続殺人鬼。
金山(岩田剛典)
雅也が出会った怪しげな長髪の男。

映画『死刑にいたる病』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『死刑にいたる病』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『死刑にいたる病』のあらすじ【起】

大学生の筧井雅也は、幼い頃から不自由な生活をしていた。教育に力を入れる父親のプレッシャーが強いからだった。雅也は進学校に入学したがそこはいわゆる3流大学だった。そのために父親からは認められていない。

雅也は祖母の葬儀のために実家に戻る。戻って早々に父親は文句や小言を言ってくる。そんな父親にうんざりしていた。そこで実家に届けられていた手紙を見つける。手紙の主は榛村大和という男だった。中学時代に雅也が足しげく通っていたベーカリーの店主だった。しかし彼には裏の顔があった。24人もの人間を殺害し、そのターゲットの爪を剥がしてコレクションするという連続殺人鬼だった。

雅也は刑務所に収監されている榛村の面会へ向かう。彼は昔の優しい店主のような顔で雅也に語り掛けてくる。彼は雅也にある願い事を頼むために手紙を出したのだった。

榛村はすでに死刑が決まっていた。彼は立件されたほとんどの事件の関与を認めていた。しかし、最後の事件だけは自分が関わっていないと語る。雅也にはその真犯人を見つけ出して欲しいのだと依頼してきた。

映画『死刑にいたる病』のあらすじ【承】

面会から帰る途中、雅也は髪の長い怪しい男に話しかけられる。

調査を始めた雅也は榛村の担当弁護士から事件に関する資料を見せてもらう。高校生ぐらいの少年少女をターゲットにしていた榛村の手口に対し、最後の事件の被害者だけは年齢も殺害方法もこれまでとは違ったものになっていた。この違和感から雅也はさらに調査を進めていく。

被害者の近辺を調べ始めると、彼女は極度の潔癖症であったこと、さらにストーカー被害に悩んでいたことが判明する。また、実家で祖母の遺品を整理していると母親が若い頃に榛村と繋がっていることも知る。そこで雅也は、過去の二人を知る滝内という男から話を聞くことにする。

榛村は実の親から虐待を受けたため、実の親元から離れて育ての親の元で育っていた。育ての親とやっていたボランティアで雅也の母親と出会っていた。幼い頃から人の心を掴むことに長けていた榛村に心を開いていたが、彼女は妊娠と共に姿を消していた。

映画『死刑にいたる病』のあらすじ【転】

自分の本当の父親は榛村なのではないか、そんな考えが雅也の脳裏に浮かんでくる。榛村本人もその可能性を否定しようとはしなかった。雅也はどこか複雑な感情を持つようになり、少し凶暴な一面が見え隠れするようになった。雅也の中学時代の同級生である灯里も彼を心配していた。

榛村の調書を読み進めていると金山という男が榛村の目撃証言をしていた事が分かる。その際、榛村から見られないように特例措置が取られていた。

担当弁護士から、金山が幼い頃に弟とお互いを傷つけ合うような遊びを榛村にやらされていた事が分かり、それゆえに金山にトラウマがあることが判明する。また、父親へのコンプレックスを利用されて榛村に心を掌握されている事が判明する。

そして金山の写真を見ると雅也は驚く。その男は刑務所で出会った怪しい男だった。最後の被害者の事件現場に現れた金山を雅也は追いかける。彼の口から真相を語らせる事に成功する。その真相を榛村に伝えるため雅也は面会に向かう。

映画『死刑にいたる病』の結末・ラスト(ネタバレ)

雅也から話を聞いた榛村は金山が犯人だと決めつけたように話す。雅也は引き続き話を進めていく。実は最後の被害者は過去に榛村が殺害に失敗した人物だった。その後も榛村は彼女を狙い続けてきたのだった。そして金山を利用して次の殺人のターゲットに選ばせていた。

金山はそのために共犯関係であることをずっと思い悩んでいた。榛村は金山を利用し、雅也も利用して楽しんでいたのだった。真相に辿り着いて雅也は榛村の元を去る。榛村は自室に戻ると一枚の紙を開く。それはマインドコントロールした人間の名前をリストアップしたメモだった。榛村は雅也の名前に線を引く。

雅也は灯里と交際を始めており、刑務所から出てきた雅也を灯里は迎えに来ていた。実は榛村のリストには灯里の名前もあり、彼女は榛村から手紙を貰っていた。真相を暴き、普通の生活に戻った雅也。彼と過ごす灯里が人の爪が気になると語る内側に榛村の影がかすかに見えた。

映画『死刑にいたる病』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

阿部サダヲ演じる榛村の異様な存在感がとにかく強烈でした。彼が見せる優しさと狂気のギャップが怖すぎて、最後まで目が離せませんでした。特に衝撃的だったのは、青年・雅也を精神的に追い詰め、実はすべてを操っていたというラストのどんでん返し。ラストカットの“微笑み”が頭から離れません。心理サスペンスとして非常に完成度が高く、後味の悪さも含めてクセになります。(20代 男性)


観終わった後、思わず沈黙してしまうほどの衝撃作でした。自白した9件以外の殺人を否定する死刑囚と、それを追う青年のやり取りがスリリングで、まるでパズルを解くような感覚。ラストで明かされる真実、つまり雅也自身が“罪”に手を染めていたという展開には背筋が凍りました。人間の闇の深さと、誰もが加害者になりうる危うさを描いた社会派スリラーの傑作だと思います。(30代 女性)


淡々とした描写と、阿部サダヲの狂気が対照的で、不気味な緊張感が終始続いていました。舞台設定や音の使い方も秀逸で、不安定な空気感が観る者の心を揺さぶります。特に印象的だったのは、善悪の境界があいまいに描かれていた点。最後に明かされる「犯人は一人ではなかった」という事実に、息をのまずにはいられません。人間の“信じたい欲望”が最も恐ろしいと感じた作品です。(40代 男性)


阿部サダヲさんの演技がこれまでのイメージを一変させるほど鬼気迫っていました。優しげな顔と丁寧な話し方が逆に恐ろしく、特に面会室での静かな会話の中に潜む狂気がゾッとしました。青年・雅也の心理描写もリアルで、「人を信じたい」という思いが狂気とどう交わるのかを丁寧に描いています。真相が明かされた時、すべてが繋がる脚本に鳥肌が立ちました。(30代 女性)


個人的に好きなジャンルだったので期待していましたが、想像以上に“静かな恐怖”が突き刺さる作品でした。サイコパス描写にありがちな過剰演出がなく、淡々としているからこそリアリティがありました。雅也が段々と真実に近づきながら、自らもその闇に呑み込まれていく展開は、観ていて息苦しくなるほど。結末も後を引く不気味さで、これぞ純度の高いサイコスリラーです。(20代 男性)


映画として非常によく構成されていて、サスペンス好きにはたまらない内容でした。犯人の言葉にどこまで真実があるのか?観客側も常に疑いながら観ることになるので、没入感がすごい。特に終盤、雅也の母親とのやり取りや、彼の過去が明かされていく展開には心を締め付けられました。暴力描写が控えめなのに、精神的に追い詰められる構成は見事としか言いようがありません。(50代 男性)


スリラー映画としての完成度が高く、単なる“猟奇殺人もの”ではなく、心理劇としてとてもよく練られていました。阿部サダヲ演じる死刑囚のキャラクターが絶妙で、あれほど気さくで親しみやすいのに、実は冷酷な殺人鬼というギャップが恐怖を倍増させます。ラストの「一緒に罪を犯した」ような描き方には震えました。人の中の“隙”をつく恐ろしい作品です。(40代 女性)


序盤のゆったりしたテンポから徐々に加速していく展開が非常にうまく、気づけばスクリーンに引き込まれていました。青年の内面の葛藤や、何が正義で何が嘘か分からなくなる曖昧さにリアリティがあります。ラストは阿部サダヲの笑みとともに背筋が冷たくなりました。人の弱さや承認欲求がどう悪意に利用されるのかを突きつけてくる映画です。(20代 女性)


観終わってからもしばらく頭から離れませんでした。榛村が雅也を“操っていた”という衝撃の真相と、それに気づかず信じ続けた青年の無力さが胸を締めつけます。優しさに見せかけた支配は、現実にも起こり得る恐怖であり、対岸の火事ではないと思わされました。殺人を描いているのに血がほとんど出ない、それでも怖い──そんな映画は稀有です。(50代 女性)


とにかく脚本が秀逸。序盤から伏線を丁寧に張りつつ、ラストにはすべてが繋がるカタルシスがありました。サスペンスとして、心理スリラーとして、社会派ドラマとしても一級品です。特に雅也の“信じたい心”が利用されていく過程が生々しくてリアル。善悪の境目に立たされたとき、人は何を選ぶのか──そんな重い問いを突きつけられる一作です。(30代 男性)

映画『死刑にいたる病』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『死刑にいたる病』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

冷たい熱帯魚

この映画を一言で表すと?

日常が少しずつ崩れていく、狂気のサイコスリラーの決定版。

どんな話?

熱帯魚店を営む平凡な男が、ある日現れた“親切な”男と出会ったことで、裏社会の凶悪犯罪に巻き込まれていく物語。静かな始まりから、次第にエスカレートする暴力と支配が描かれ、観る者を戦慄させる内容になっています。

ここがおすすめ!

実際の事件をベースにした衝撃的なストーリー展開が魅力。心の隙間に入り込むカリスマ的存在に支配されていく恐怖は、『死刑にいたる病』の榛村との共通点もあり、心理的な追い詰め方が非常に秀逸です。園子温監督の代表作の一つ。

悪人

この映画を一言で表すと?

“誰が悪人なのか”を問いかける、静かで重たい社会派ヒューマンドラマ。

どんな話?

殺人事件の容疑者となった男と、彼に心を許してしまった女性の逃避行。マスコミや世間の視線、過去の選択が交錯しながら、「罪」とは何か、「悪」とは誰かを問いかけてくる重厚なストーリーが展開します。

ここがおすすめ!

事件を通して、人の孤独や不器用な愛情を浮き彫りにしていく心理描写が秀逸。見終わった後にずっしりと胸に残る余韻があり、『死刑にいたる病』で感じた“人間の深い闇”をさらに掘り下げた作品といえます。

告白

この映画を一言で表すと?

復讐と正義の境界を問う、衝撃の青春サスペンスドラマ。

どんな話?

中学校の女性教師が、最愛の娘を殺した生徒たちへの復讐を始めるという衝撃の導入で始まる物語。語り形式で進行することで、登場人物の視点が次々に変わり、真実の輪郭が徐々に浮かび上がっていきます。

ここがおすすめ!

美しい映像と冷静な語り口で描かれる暴力と狂気の対比が印象的。加害者と被害者の境界を曖昧にし、観る者の倫理観を揺さぶります。『死刑にいたる病』と同様に、真実が明かされるたびにゾッとする構成が魅力です。

容疑者Xの献身

この映画を一言で表すと?

天才数学者の愛と狂気が交錯する、静かで切ないミステリードラマ。

どんな話?

物理学者・湯川が、かつての友人である天才数学者・石神の関与する殺人事件を追う中で、彼が仕掛けた完全犯罪の謎に迫る物語。淡々と進む展開の中に、濃密な感情と知的な緊張感が詰まっています。

ここがおすすめ!

静かなトーンながら、切なさと狂気がじわじわと染みてくる構成が秀逸。『死刑にいたる病』のように、犯人の心の奥底にある動機に焦点を当てており、ただの推理劇にとどまらない深さを持った作品です。

凶悪

この映画を一言で表すと?

実在事件を基にした、極限の人間の邪悪を描く衝撃のクライムサスペンス。

どんな話?

週刊誌記者が、死刑囚の証言を元に“もう一人の真犯人”を追う実録サスペンス。背筋が凍るような事件の真相が、徐々に明らかになっていく構成がリアルで恐ろしく、観る者を引きずり込みます。

ここがおすすめ!

『死刑にいたる病』同様、死刑囚との面会シーンが鍵となっており、言葉だけで人の心理を操作していく恐怖が際立ちます。山田孝之演じる“真の悪”の存在感が強烈で、後味の悪さも含めて記憶に残る作品です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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