12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『NOPE/ノープ』のネタバレ・あらすじ・考察・解説

この記事では、映画『NOPE/ノープ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説し、この映画の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。

映画『NOPE/ノープ』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2022年
上映時間 131分
ジャンル ホラー
パニック
スリラー
ミステリー
監督 ジョーダン・ピール
キャスト ダニエル・カルーヤ
キキ・パーマー
スティーヴン・ユァン
マイケル・ウィンコット
製作国 アメリカ

映画『NOPE/ノープ』の登場人物(キャスト)

OJ(マイケル・カルーヤ)
牧場を営んでいる青年。父親を亡くして塞ぎこんでいる。
エム(キキ・パーマー)
OJの妹。
エンジェル(ブランドン・ペレア)
家電量販店の店員。

映画『NOPE/ノープ』のネタバレ・あらすじ(起承転結)

映画『NOPE/ノープ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『NOPE/ノープ』のあらすじ【起】

OJの父が営む牧場では映画撮影に使う馬を飼いならしていた。仕事が減り気味だったが父親は前向きでOJはそんな父を慕っていた。OJが家に戻ろうとしていた時に空から何かが降ってくる。降ってきたコインが当たり、父親が亡くなってしまう。

半年後。父親の仕事を継いだOJは撮影現場に馬を連れてくる。OJは現場に馴染めず、馬も暴れてしまった。彼は今回の仕事を失ってしまう。

妹のエムと帰宅途中、OJは牧場の隣にある西部劇の遊園地に立ち寄る。馬を買い取ってもらうためだ。エムはそのオーナーがかつて活躍していた子役だと気づく。気をよくしたオーナーはドラマの思い出を展示した部屋を見せる。そのドラマは、出演していたチンパンジーが撮影中に暴走し出演者にケガを負わせたせいで打ち切りになったドラマだった。

OJは逃げてしまった馬を探して遊園地までやって来る。彼の耳にイベントの様子が聞こえてくる。怪しげなアナウンスのあと、砂嵐のような突風が吹く。OJは空飛ぶ円盤のようなものを目撃する。家の監視カメラで確認しようとするがその時間は何故か動いていなかった。

映画『NOPE/ノープ』のあらすじ【承】

翌日。監視カメラを増設しようと家電店へと向かう。UFOを撮影し高値で売り込もうとしていた。店員であるエンジェルはその狙いに気づく。

OJの牧場にやってきた彼は2台のカメラを取り付ける。エムは遊園地から馬の像を盗んできて牧場に設置する。エンジェルはエムに追い返された。

その夜。不審な明かりを見たOJが外に様子を見に行くと子供の悪戯であることが分かる。エンジェルからカメラが止まっていると連絡が来る。彼は監視カメラの映像を無断で見ていた。OJは馬の像が空に吸い上げられるのを目撃する。エムの叫びでOJは建物に逃げ込む。外にいた馬は吸い込まれてしまった。エムは逃げるべきだと主張するがOJは馬の世話のために動かないと言う。

エムはカメラマンのホルストに電話をかける。助けを求めると共に撮影を打診するが乗ってくれなかった。

エンジェルがやって来る。非難されるのは分かっていながらも彼は牧場の上に動かない雲があることを報告したのだった。UFO発見への手掛かりを得たエムは興奮するが、OJは冷静にその様子を見ていた。

映画『NOPE/ノープ』のあらすじ【転】

回想。ドラマの撮影現場に子役時代のオーナーはいた。風船が割れる音をきっかけにチンパンジーが暴れ始める。チンパンジーは射殺されてしまう。オーナーはその日のことを思い出していた。イベントに向けてリハーサルを開始する。

イベントでオーナーは特別な体験ができると盛り上げていた。ガラスケースには馬が入っていた。突然、UFOが飛来してくる。オーナーは馬をケースから出そうとするが動かなかった。もの凄い砂嵐とともにオーナーや観客全員が吸い上げられてしまう。そこにOJが到着する。隠れながら馬を助けようとする。

OJからの電話で事件を知ったエムはUFOが家の真上にいることを察する。コインや鍵、人々の血を撒き散らしていた。馬を保護したOJは車で戻って来る。途中で突然停車してしまったOJはドアを開けて様子を伺う。UFOはOJの真上にいた。ドアを閉めてロックすると、OJは朝まで車で過ごした。

夜が明けて車が動くようになったOJは家に到着する。空から馬の像の首が落ちてくる。家に居たエンジェルの車に乗り換え、エムとエンジェルを連れて家から離れる。

映画『NOPE/ノープ』の結末・ラスト(ネタバレ)

遊園地の人々が姿を消したニュースが報じられる。エムの元にはホルストから撮影に協力したいと連絡が来る。

カメラを持ってきたホルスト。4人は作戦を立てる。OJは馬に乗って走っていた。そこにバイクが近づいてくる。それはゴシップ系の記者だった。しかし、バイクが動かなくなり彼は吹き飛ばされてしまう。助けに向かうOJだが、UFOを撮影しようと躍起になっている彼は食われてしまう。

OJはUFOを挑発する。大量の旗を浮き上がらせてUFOを詰まらせようとしていた。その様子を撮影していたホルストはさらなる映像を求め飛び出していく。UFOに吸い込まれながらも撮影を続けていた。

エムを助けるため、OJは馬に乗りUFOの注意を引きつける。UFOはOJに襲いかかり、OJの姿は見えなくなってしまった。

エムはバイクに乗るとUFOを遊園地へと誘い込む。そこにあった巨大バルーンを捕食させようとしていた。大きなバルーンを飲み込んだUFOはガス爆発を引き起こし自爆した。その模様は撮影に成功していた。エムは喜びと共にOJを失った悲しみに暮れていた。そこに馬に乗ったOJが現れる。

映画『NOPE/ノープ』の考察・解説(ネタバレ)

映画『NOPE/ノープ』の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『NOPE/ノープ』で、OJは最後に死んだのか?

『NOPE/ノープ』の結末では、OJの生死について明確な答えは示されていません。ラストシーンで、OJは妹のエメラルドを守るために、エイリアン「ジーンジャケット」との対決に臨みます。彼は馬に乗り、ジーンジャケットの注意を引きつけることで、エメラルドが逃げ出し、エイリアンを撮影する時間を稼ぎます。

エメラルドが無事に脱出し、撮影に成功した後、彼女は遠くのほこり舞う中にOJが馬に乗っている姿を目にします。このシーンは、彼が生存していることを示唆しているようにも見えますが、同時に彼女の想像上のイメージである可能性も示唆されています。映画は、OJが実際に生き延びたのか、それともエイリアンによって命を落としたのかを明言せず、観客の解釈に委ねています。

しかし、結末が明確でないことよりも重要なのは、OJが最後まで妹を守るために勇敢に戦ったことです。彼の行動がエメラルドに与えた影響は大きく、それこそが物語の本質的なテーマとして残されているのです。

映画『NOPE/ノープ』で、チンパンジーが起こした事件とは?

『NOPE/ノープ』の物語の中で、チンパンジーの「ゴーディ」が引き起こした悲劇的な事件が描かれています。この出来事は、「ゴーディのホーム」というコメディ番組の撮影中に発生しました。突然、ゴーディが暴走し始め、現場にいたキャストやスタッフに襲いかかったのです。その結果、複数の人が命を落とし、重傷を負うという惨事となりました。

この事件は、登場人物のジュープにとって深い心の傷となっています。彼は子役としてその撮影現場に居合わせ、奇跡的に生き残った唯一の人物でした。ゴーディは他の人々を攻撃する一方で、ジュープには手を出さず、暴走後には彼に拳を差し出すという不可解な行動を取りました。この経験がジュープの人生に大きな影響を及ぼし、後に「無理やり支配する」ことへの興味を持つようになるきっかけとなったのです。

このシーンは、映画全体のテーマとも深くつながっています。自然や未知の力を人間が思うままにコントロールできるという幻想に対する警鐘を鳴らしているのです。

映画『NOPE/ノープ』に出てくるチンパンジーの意味とは?

『NOPE/ノープ』に登場するチンパンジー「ゴーディ」は、映画のテーマを象徴する重要な存在です。ゴーディが引き起こした事件は、映画の中で起こる別の恐怖とは直接関連していませんが、作品全体のメッセージを補完する役割を果たしています。ゴーディの暴走と人々への攻撃は、自然や野生の力を無理に制御しようとする人間の愚かさを浮き彫りにしているのです。

ゴーディは、テレビのコメディ番組の中で、人間社会に無理矢理適応させられ、愛らしいキャラクターとして扱われていました。しかし、ついにその本能が抑えきれなくなり、凶暴化してしまいます。これは、映画の中心テーマである「制御不可能な力」を象徴しており、ジュープがエイリアンを見世物にしようとする行動とも呼応しています。

このチンパンジーのシーンは、自然や未知の力を支配しようとすることの危険性を観客に強く訴えかけます。ゴーディが突如として暴走したように、エイリアンもまた人間の理解を超えた存在であり、無理に支配しようとすれば同じような結末を迎えるだろうというメッセージが込められているのです。

映画『NOPE/ノープ』に出てくるGジャンの正体は?

『NOPE/ノープ』で「Gジャン」と呼ばれる存在の正体は、実は巨大なエイリアンでした。当初、観客の目にはUFOのように映るこの存在ですが、物語が進むにつれてその真の姿が明らかになります。このエイリアンは円盤型をしており、空中を漂いながら、地上の人間や物体を吸い上げる能力を持っています。吸い上げられたものは、後にエイリアンから吐き出され、地上に落とされるという恐ろしい力を持っているのです。

物語の序盤では、登場人物たちはこの円盤を単なるUFOだと思い込み、その中に宇宙人が乗っていると考えていました。しかし、実際にはこの円盤そのものが生命体であり、地球の動物のように行動することが明らかになります。エイリアンは縄張りを持ち、その領域に入り込んだ人間や動物を捕食するという習性を持っているのです。

Gジャンの正体がエイリアンであることが判明すると、登場人物たちは単にそれを回避するだけでなく、何とかしてその存在を捉え、利用しようと試みます。しかし、最終的にはこのエイリアンの脅威が強調され、人間の手に負えない存在であることが示されるのです。

映画『NOPE/ノープ』はなぜ「つまらない」と言われるのか

『NOPE/ノープ』が「つまらない」と感じられる理由はいくつかあります。まず、この映画は非常にゆったりとしたペースで進行するため、アクションや恐怖を期待していた観客には退屈に感じられる可能性があります。物語は丁寧に展開され、謎が少しずつ明らかになっていく構成になっているため、即座に答えを求める人にとっては物足りなさを感じるかもしれません。

また、映画全体が象徴的な表現に満ちており、具体的な説明が少ないことも観客を戸惑わせる要因となっています。特にチンパンジーのシーンやエイリアンの正体に関する描写は、直線的な展開を期待する人には難解に感じられるでしょう。この作品はテーマやメッセージを重視しているため、単純なエンターテインメントを求める人には理解しづらい部分が多いのです。

さらに、『NOPE/ノープ』にはジョーダン・ピール監督特有のスタイルが色濃く反映されており、ホラーやサスペンスの要素が控えめに感じられるかもしれません。これらの理由から、映画が「つまらない」と感じられることがありますが、一方でこれらの特徴を魅力と捉える観客も多く存在するのです。

映画『NOPE/ノープ』に気まずいシーンがある?

『NOPE/ノープ』には、観客が不快感や違和感を覚えるシーンがいくつか存在します。特に印象的なのは、チンパンジーの「ゴーディ」が暴走するシーンです。撮影現場でゴーディが突如として荒れ狂い、キャストやスタッフに襲いかかる様子は、グロテスクでショッキングな描写を含んでおり、観客に強い不安感を与えます。

また、ジュープが過去にこの事件を経験し、現在はそれを乗り越えたかのように振る舞っていることも気まずさを感じさせます。彼は自身の体験を一種の「見世物」として利用し、過去のトラウマをビジネスに変えているのです。この行動は、一部の観客にとって不快に映るかもしれません。

さらに、物語が進行するにつれてエイリアンの存在が明らかになるシーンでも、違和感が生じます。特に登場人物たちがエイリアンを制御しようと試みる場面では、人間の無謀さが浮き彫りになり、観客に倫理的な問いを投げかけているのです。

映画『NOPE/ノープ』は、意味不明な映画?

『NOPE/ノープ』は、ジョーダン・ピール監督の他の作品と同様に、象徴的で多層的なストーリーを持つ映画です。そのため、ストレートなエンターテインメント作品を期待していた観客にとっては、意味不明に感じられる部分が多いかもしれません。特に、映画の中で描かれる複数の物語や象徴的なシーンは、一見すると関連性が理解しにくく、全体的なテーマが明確でないように思える場合があります。

例えば、チンパンジーの「ゴーディ」の暴走事件と、エイリアンの「Gジャン」の存在には直接的な関係性がないため、これらの要素がどのように物語全体と結びついているのかが曖昧に感じられるかもしれません。しかし、よく考えてみると、これらのエピソードはすべて「制御不能な自然の力」や「人間の過信による欲望」というテーマに関連しているのです。

映画全体を象徴的に捉えると、支配や捕獲、見世物にすることに対する警告を描いていることがわかります。ただし、映画のテーマが明示的に説明されることはないため、すべてのシーンを単純に解釈することはできず、それが「意味不明」と感じられる原因の一つになっています。この作品は、観客にテーマやメッセージについて深く考えさせる映画であり、表面的なストーリーだけを追っていると、理解しづらい部分が多くなるのです。

映画『NOPE/ノープ』で、エンドロールの後に出る画像の意味とは?

『NOPE/ノープ』のエンドロール後には、大きなストーリーの続きや説明を示す映像は特に登場しませんが、映画の終盤で示された象徴的なイメージやテーマを補完するシーンが現れることがあります。このようなエピローグ的な画像や映像は、作品全体のメッセージを視覚的に強調する役割を果たしているのです。

エンドロール後に提示される画像や映像は、映画が残した謎やテーマをより印象付け、観客に深く考えさせる効果があります。特に『NOPE/ノープ』のように、象徴的で複雑なテーマを持つ作品では、エンドロール後の補足的なビジュアルは、物語全体の余韻をさらに強調するために重要な意味を持っているのです。

具体的なエンドロール後のシーンが何を意味するのかについては、観客の解釈に委ねられている部分が多く、その意味を明確に説明することは困難です。しかし、監督のジョーダン・ピールは細部にこだわった演出を行うことで知られているため、たとえ小さな映像であっても、映画のメッセージと関連していると考えられるのです。

映画『NOPE/ノープ』で、チンパンジーはなぜ狂暴になった?

『NOPE/ノープ』に登場するチンパンジー「ゴーディ」が突如として狂暴化した理由は、彼の内に潜む野生の本能が抑えきれなくなったためだと推測されます。ゴーディは「ゴーディのホーム」というコメディ番組の撮影において、愛玩動物として人間社会に無理矢理適応させられていました。しかし、ある時、何らかのきっかけでゴーディの野生の本能が目覚め、彼は凶暴な行動に出たのです。

このシーンは、動物や自然の力を人間の都合に合わせて無理に抑圧しようとすると、いつかその抑圧が限界に達し、制御不能になってしまうことを示唆しています。ゴーディは人間に従うように調教されていましたが、それでも彼の本質は野生動物であり、その野生性を完全に消し去ることは不可能だったのです。

ゴーディの暴走シーンは、映画全体のテーマとも深く関連しています。人間が未知の力や自然の本質を無視し、それらをコントロールしようとする行為には限界があるという警告が込められているのです。ゴーディの狂暴化は、エイリアンの「Gジャン」が持つ制御不能な暴力性とも呼応しており、両者ともに人間の理解や支配を超越した存在として描かれています。

映画『NOPE/ノープ』はどこで見れる?フルで無料視聴する方法は?

映画『NOPE/ノープ』を見逃した人やもう一度見たい人のために、以下の記事では映画『NOPE/ノープ』のフルを無料視聴できる動画配信サービスと方法について紹介しています。

ぜひ、以下の記事もご覧いただき、映画『NOPE/ノープ』をフル視聴してみてはいかがでしょうか。

映画『NOPE/ノープ』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『NOPE/ノープ』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

みんなの感想・レビュー