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映画『真実の瞬間(とき)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『真実の瞬間(とき)』の概要:1950年代のハリウッドで、多くの映画人の人生を狂わせた赤狩りの実態を暴いた社会派ドラマ。赤狩りの対象にされ、パリへ亡命したジョン・ベリーの実体験が元になっている。ロバート・デ・ニーロ、アネット・ベニングなどの豪華キャストに加え、マーティン・スコセッシも映画監督役で登場する。

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映画『真実の瞬間(とき)』の作品情報

真実の瞬間(とき)

製作年:1991年
上映時間:104分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:アーウィン・ウィンクラー
キャスト:ロバート・デ・ニーロ、アネット・ベニング、ジョージ・ウェント、パトリシア・ウェティグ etc

映画『真実の瞬間(とき)』の登場人物(キャスト)

デイビッド・メリル(ロバート・デ・ニーロ)
ハリウッドで活躍する映画監督。赤狩りの標的にされ、友人を売ることを拒んだため、ハリウッドで干されてしまう。ほとんど家にいないが、妻子のことは愛している。
ルース・メリル(アネット・ベニング)
デイビッドの妻。夫の仕事を理解し、息子のポーリーをしっかりと育てている。仕事を失った夫に代わり、教師の仕事を始める。
バニー・バクスター(ジョージ・ウェント)
デイビッドの幼馴染で親友。映画のシナリオライターをしている。
ドロシー・ノーラン(パトリシア・ウェティグ)
デイビッド夫妻の友人で女優。ポーリーと同じ学校へ通う息子がおり、ルースとは母親同士で仲がいい。友人を裏切った夫が許せず、仕事と息子を失ってしまう。
ラリー・ノーラン(クリス・クーパー)
ドロシーの夫。デイビッドの仕事仲間で友人。委員会に召喚され、仕事を失うことを恐れて、デイビッドやバニーを売る。
ダリル・F・ザナック(ベン・ピアッツァ)
ハリウッドの帝王と呼ばれる20世紀フォックス社の社長。映画の興行を邪魔されることを嫌い、証言しないデイビッドから仕事を奪う。

映画『真実の瞬間(とき)』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『真実の瞬間(とき)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『真実の瞬間(とき)』のあらすじ【起】

1947年、アメリカ下院の非アメリカ活動委員会は、映画の都ハリウッドで共産党員を暴き出す“赤狩り”を開始する。そのやり方は、委員会への協力を拒否すれば、告訴されて実刑判決を受けるという厳しいものだった。また、委員会の席に喚問され、証言を求められた者は、明確な証拠がなくとも友人や知人を共産党員にでっち上げなければ、この業界で仕事を失うという不条理な扱いを受けていた。

1951年9月。ハリウッドの映画業界で働くラリーは、非公開の委員会に喚問され、友人を売るよう強要される。最初は拒んでいたラリーも、仕事を失うことを恐れ、何人かの友人の名前をあげる。

売れっ子映画監督のデイビッドは、ハリウッドの帝王と呼ばれる20世紀フォックスの社長ザナックに呼び戻されたため、2ヶ月ぶりにフランスから帰国する。彼のオフィスには友人や知人が集まっており、サプライズパーティーを開いてくれる。

ラリーの妻で女優のドロシーは、その席でひどく酔っ払っていた。デイビッドが彼女を家まで送ると、ラリーが庭で本を燃やしていた。ドロシーは友人を売った夫が許せず、ラリーを家から追い出してしまう。

翌朝、デイビッドは妻のルースと息子のポーリーが暮らす自宅へ寄る。映画一筋のデイビッドは、家のことは全て妻に任せきりだった。ポーリーは久しぶりにパパと会って大喜びする。

デイビッドは20世紀フォックス撮影所を訪れ、ザナックと会う。ザナックは詳しいことは何も話さず、“弁護士に会え”とデイビッドに告げる。

指定された安ホテルで弁護士と会ったデイビッドは、自分に共産党員の嫌疑がかかっており、近々委員会の呼び出しを受けることを知る。どうやらラリーが、委員会でデイビッドの名前を出したようだ。弁護士は、友好的証人となって友人の名前を出せば問題ないと簡単に言うが、その言い草にデイビッドは腹を立てる。共産党員でもない友人を売ることは、デイビッドの良心に反することだった。

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映画『真実の瞬間(とき)』のあらすじ【承】

弁護士と決裂したデイビッドは、すぐザナックに会いに行く。ザナックは腹を立てており、デイビッドの映画の配給を中止する。政治家ともめると映画の興行を邪魔されるので、ザナックはデイビッドの証言を望んでいた。

製作会社のプロデューサーは、ザナックを怒らせたデイビッドを責め、今までにかかった費用の5万ドルを返済するよう迫る。

撮影所では、ドロシーが楽屋に閉じこもって出てこないという騒ぎを起こしていた。ラリーがFBIと一緒に自宅へ来て、ドロシーを共産党員だと決めつけ、息子を連れ去ってしまったらしい。彼女の話を聞いたデイビッドは、撮影所にいたラリーに殴りかかる。

新作を作れなくなったデイビッドに、友人の映画監督のジョーが自分の映画を任せてくれる。20年前から共産党員をしているジョーは、ロンドンへ渡る決意をしていた。デイビッドは、映画を必ず完成させると彼に約束する。

デイビッドが借金を背負うことになり、ルースは豪華な自宅を売ることにする。ルースはデイビッドの負担を減らすため、教師をして自活するつもりでいた。

脚本家のバニーとデイビッドは、子供の頃からの親友だ。デイビッドは彼を売るよう弁護士に言われたため、証言を断っていた。しかしバニーも召喚されることになり、デイビッドが自分を売ったのではないかと疑う。怒ったデイビッドは、バニーと喧嘩別れをする。

ジョーの映画を編集するため撮影所を訪れたデイビッドは、入り口で門前払いされる。デイビッドは、今まで自分を慕っていた友人や知人に電話をかけて助けを求めるが、誰も話を聞いてくれない。デイビッドは、ハリウッドで完全に干されていた。

映画『真実の瞬間(とき)』のあらすじ【転】

オフィスも自宅も売り払い、デイビッドは単身ニューヨークへ向かう。デイビッドはハリウッドを諦め、ブロードウェイで仕事を探すつもりだった。この頃から、デイビッドはFBIに尾行され始める。

最初はデイビッドを歓迎してくれた友人夫婦も、彼がFBIに尾行されていると知ると、態度を一変させる。アメリカの芸能関係者は、みんな赤狩りに巻き込まれることを恐れていた。

デイビッドは撮影用カメラの修理店に雇ってもらうが、この店にもFBIがやってくる。デイビッドは捜査官に怒りを爆発させ、その店もやめてしまう。ニューヨークにも、デイビッドの仕事はなかった。デイビッドは仕方なく、妻子の暮らすロスへ戻る。

ルースはしっかり自立し、忙しい日々を送っていた。デイビッドの唯一の救いは、ポーリーがパパと暮らせることを喜んでくれることだった。

ある晩、デイビッド夫婦は海沿いのレストランでドロシーと会う。ドロシーは、仕事も息子も失い、情緒不安定になっていた。ドロシーがパニック状態になったので、3人は食事もせずに店を出る。駐車場で運転席に座ったドロシーは、ギアをバックに入れて車を急発進させる。車は崖下に転落し、ドロシーは命を落とす。彼女は人生に絶望し、自殺を図ったのだ。

三流プロデューサーから監督の仕事をもらったデイビッドは、彼の無茶な注文も聞き入れ、生き生きと仕事を始める。しかしここにも圧力がかかり、デイビッドはクビにされる。

映画『真実の瞬間(とき)』の結末・ラスト(ネタバレ)

完全に追い詰められたデイビッドは、弁護士を訪ねる。弁護士は正しい決断だと評価してくれるが、デイビッドはまだ証言をするかどうか決めかねていた。

弁護士も雇わずに委員会の召喚に応じたバニーは、10年以上前にソ連の恵まれない人に物資を送った話を持ち出され、委員会への協力を強いられる。仕事を失うことを恐れたバニーは、“君の名前を出してもいいか”とデイビッドに了解を求めてくる。デイビッドは諦め顔で“使えよ”と言ってやるが、ルースは怒り狂ってバニーを追い返す。

デイビッドが証言すると聞いたザナックは、すぐに態度を急変させ、デイビッドに監督の仕事を依頼してくる。ただし、召喚に応じて面倒を片付けてしまうことが条件だった。

デイビッドは、彼らの言いなりになって仕事を続けるべきか、それとも自分の信念を貫いて仕事を捨てるべきか悩む。デイビッドは心から映画を愛しており、この仕事を捨てたら一生後悔するだろうと自覚していた。

1952年2月。ワシントンでの公開召喚で、デイビッドは弁護士を伴い証言台に座る。委員会はあれこれと話をこじつけ、デイビッドに友人の名前を出すよう迫る。黙り込むデイビッドに、弁護士は“逆らっても八つ裂きにされるだけだ”と忠告する。しかしデイビッドはそれに逆らい、弁護士は退任を告げて帰ってしまう。

委員会は数名でデイビッドを責め立て、最後にはルースまで共産党員の疑いがあると言い出す。デイビッドは、“ドロシーを殺したのもあんたたちだ”と反発し、委員長と激しい言い合いになる。共産党員だと決めつけられたデイビッドは、“それでも人間か、恥を知れ”と捨て台詞を残して席を立つ。

デイビッドの次に、バニーが証言台に座る。デイビッドとルースは、固唾を飲んで彼の発言を見守る。バニーは、“処罰を覚悟で質問に答えることを拒否します”と証言を拒む。それを聞いて、デイビッドとルースは安堵の笑みを浮かべる。

多くの映画人の人生を破滅させたハリウッドの赤狩りはその後も続き、デイビッドのように信念を貫いた人たちが社会復帰できたのは、1970年代になってからのことだった。

映画『真実の瞬間(とき)』の感想・評価・レビュー

悪名高いレッド・パージを描いた作品。現代の倫理観など、つい最近できたものだということを教えてくれる映画。過去の悪行をこうして見直して反省するのは大切なことではあるが、真に大切なのはその時、困っている人間を助けてやらないと何の意味もないという事。彼らの名誉は回復されたが、本来得られた実績や成果は永遠に失われたままなのである。後からあれは悪かったでは済まない。人間として大切なものを失わなければならないような環境はけして許してはならない。(男性 30代)


日本の政治や情勢、歴史に対して全く知識や興味が持てない私にとってこの作品は少し難しすぎました。作中で描かれる「赤狩り」について理解するのにまず知識が必要なので、とりあえず見るというのはあまりおすすめ出来ません。
今作で何よりも印象深かったのは、平等であるはずの人間をただ「共産主義思想」だと言うだけで排除しようするアメリカ政府でした。政府が主導してこんなことをしていたなんて理解できませんが、自由の国と呼ばれた時代はとっくの昔に終わっていたのかもしれません。(女性 30代)

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