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映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の概要:ジム・ジャームッシュの長編映画第二作目。身近に溢れている不条理と偶然性を描いたモノクロ映画。インディーズ作品ながらも高い評価を受け、ジャームッシュは今作でカンヌ映画祭新人賞を受賞した。

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映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の作品情報

ストレンジャー・ザン・パラダイス

製作年:1984年
上映時間:90分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:ジム・ジャームッシュ
キャスト:ジョン・ルーリー、エスター・バリント、リチャード・エドソン、セシリア・スターク etc

映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の登場人物(キャスト)

ウィリー(ジョン・ルーリー)
ニューヨークで暮らすハンガリー人の青年。賭博で生計を立てている。
エヴァ(エスター・バリント)
ウィリーの従妹のハンガリー人少女。母に会うためアメリカへやってくる。
エディ(リチャード・エドソン)
ウィリーの友人の賭博師。
ロッテ(セシリア・スターク)
ウィリーの叔母でエヴァの母親のハンガリー人。あまり英語を話せない。
ビリー(ダニー・ローセン)
エヴァのボーイフレンド。

映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のあらすじ【起】

ニューヨークで暮らすハンガリー人の賭博師ウィリーは、ギャンブルで日銭を稼いでいる。ウィリーは故郷のブダペストへ10年以上帰っていない。

ウィリーは、クリーヴランドに住んでいる叔母ロッテから、アメリカにやってくる従妹エヴァを預かるよう頼まれている。エヴァを預かるのは一晩だけの予定だったが、ロッテの緊急入院のため、エヴァはウィリーの家に10日間滞在することになる。

ニューヨークに到着したエヴェは、郊外のウィリーの家まで自力で辿り着く。ウィリーは、初めて会う従妹への接し方がよくわからない。

ある日、ウィリーの友人エディがウィリーのアパートを訪れる。ウィリーとエディはカーレースの賭けのために出かける。エディはエヴァも一緒に行くよう誘うが、仕事を邪魔されたくないウィリーはエヴァの同行を許さない。アパートに残されたエヴァは暇を持て余す。

ウィリーとエヴァは少しずつ打ち解けていく。エヴァは埃だらけの部屋を掃除し、ウィリーに食事やタバコを買ってくる。

エヴァがクリーヴランドへ出発する前夜、ウィリーはエヴァに餞別にドレスを贈る。翌日、ウィリーから贈られたドレスを着たエヴァは、ウィリーに素っ気ない挨拶をしアパートを後にする。

アパートを出たエヴァは、ドレスを脱いでゴミ箱に捨てる。偶然ウィリーを訪ねてきたエディと会い、エヴァとエディは別れの挨拶を交わす。

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映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のあらすじ【承】

1年後、ウィリーとエディはイカサマ賭博と競馬で一儲けする。二人は車を借りて、エヴァに会うためにクリーヴランドへ向かう。

道中、エディは、昨年エヴァが現れるまではウィリーがハンガリー人だと知らなかったと話す。自分がハンガリー人であることをあまり意識したくないウィリーは、エディを黙らせる。

ウィリー達はロッテの家へ到着する。ロッテは甥との10年振りの再会を喜び、家に招き入れる。二人はしばらくロッテの家への滞在することを許される。エヴァがホットドック店で働いていることをロッテから聞いたウィリー達は、エヴァを店まで迎えに行く。

ウィリー達は顔を隠してホットドック店に入り、接客に近づいてきたエヴァを驚かせる。エヴァは二人との再会を喜ぶ。

終業後、ボーイフレンドのビリーに付き添われてエヴァが出てくる。エヴァとビリーは翌日映画を見に行く約束をする。ウィリーはビリーと軽く挨拶を交わし、エヴァを車に乗せてロッテの家へ帰る。

翌日、ビリーとのデートに行こうとしているエヴァに、ロッテがハンガリー語で小言をまくし立てる。ロッテはウィリーとエディに、エヴァについていくよう言い付ける。

エヴァとビリーのデートにウィリー達が割って入る。邪魔された上に映画代まで払わされたビリーは納得がいかず、エヴァとビリーは後日電話で口論になる。

ウィリーとエディは雪だらけで何もないクリーヴランドに飽き始め、ニューヨークに戻ることにする。二人はエヴァと簡単な別れの挨拶を交わし、帰路につく。

映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のあらすじ【転】

ミューヨークへの帰り道、突如ウィリーがエヴァを連れてフロリダへ行こうと言い出す。ウィリーとエディはクリーヴランドへ引き返し、反対するロッテを押し切ってエヴァを連れ出しフロリダへ向かう。

クリーヴランドに退屈していたエヴァは、バカンスに行けると喜ぶ。三人は徹夜のドライブを楽しむ。

一昼夜車を走らせ、三人はフロリダに辿り着く。ウィリーは雑貨店でサングラスを三つ購入し、エヴァとエディにも一つずつプレゼントする。

ウィリーは一人客のフリをして、薄汚れたモーテルに一部屋だけ宿を取る。十分な金を持っていながらもしみったれた使い方をするウィリーに、エヴァは不満を持つ。疲れ切っていた三人は、すぐに眠りに落ちる。

翌朝、ウィリーとエディは、エヴァが寝てる間にドッグレースへ出かける。フロリダへ来たもののどこにも連れて行ってもらえず、一人取り残されたエヴァは不機嫌になる。

夕刻、ドッグレースで大負けしたウィリーとエディがモーテルに帰ってくる。持ち金のほとんどを失ったウィリーは、エヴァに八つ当たりする。

三人は何もするでもなく海岸を散歩する。辿り着いたフロリダは想像していたマイアミのようなビーチではなく、肌寒いくらいである。

映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の結末・ラスト(ネタバレ)

残っている金でニューヨークに帰ろうというエディを押し切り、ウィリーは競馬で儲けてみせると言い張る。ウィリーは、一緒に行きたいと言うエヴァを無視してエディと出かける。

ふてくされたエヴァは外出し、商店で帽子を購入する。エヴァが帽子を被って海岸通りを歩いていると、一人の男が声をかけてくる。男はエヴァをフリークという名の麻薬売人と人違いしており、麻薬の代金と称し大金が入った封筒をエヴァに手渡して去っていく。エヴァが立ち去ったすぐ後に、同じような帽子を被った本物のフリークが現れる。

モーテルに戻ったエヴァは、人目につかないよう窓のカーテンを下ろす。エヴァはウィリーとエディ宛に「空港へ行く」と書き置きし、受け取った金から相当額を二人に残してモーテルを後にする。

競馬で大儲けをしたウィリーとエディが、上機嫌でモーテルへ帰ってくる。二人はエヴァからの書き置きと大金を見つける。エヴァがハンガリーに帰ろうとしていると知った二人は、急いで荷物をまとめてモーテルを出て行く。

空港のカウンターで、エヴァは今から45分後に離陸するブダペスト行きの便の航空券を購入する。

空港へ着いたウィリーとエディは、航空会社の職員から先刻エヴァがブダペスト行きの便の航空券を購入したことを聞く。ウィリーは搭乗券を買い、エヴァを連れ戻すためにブダペスト行きの飛行機に乗り込む。

ウィリーを乗せたまま、ブダペスト行きの飛行機が離陸する。小さくなる飛行機を、エディが呆然と見つめている。

飛行機に乗らなかったエヴァはモーテルに戻る。空っぽの部屋の中で、エヴァは一人ベッドに腰掛けている。

映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の感想・評価・レビュー

ジム・ジャームッシュ監督の映画といえば、ザ・スタイリッシュ、この映画もどこまでもスタイリッシュです。
ワンカットで構成されており合間合間はブラックアウト、ここで想像が掻き立てられるような気持ちになります。
弾む会話もなく、淡々と流れている映画の中の時間、それもまたスタイリッシュさのエッセンスになっている。

何かを映画から得たいという感じではなく、かっこよい映画だったなーと後々に心の栄養になるような映画です。(女性 40代)


伊達男とはこういう人をいうんだろうな。という映画監督。ジム・ジャームッシュ。映画の聖地ハリウッドを震撼せしめたこの彼の2本目の作品は、既存の映画の常識にとらわれないジャズ音楽を感じさせる映画。そしてこの説明に少しでも面倒くささを感じるならば、彼の映画は退屈なものになるだろう。私はいつもいやいやながら彼の監督作品を観ており、そして毎度もう少し感性が豊かであればこの映画を楽しめるのにとため息をつく。(男性 30代)


ジム・ジャームッシュ監督の世界観は独特の雰囲気を持っています。本作も特に盛り上がる部分があるわけでも無く、ただただ静かに人間模様を描いております。
ちょっとオシャレな抽象画の様な、物語と言うよりは芸術作品といった感想を抱きました。故に、つまらないと感じる方も少なくないでしょう。
『コーヒー&シガレッツ』と同じく、時間のある休日にゆっくりとお酒やコーヒーを飲みながら観たい作品でした。(女性 20代)


本作は、ジム・ジャームッシュ監督の2作目の長編映画となる、モノクロコメディーヒューマンドラマ作品。
登場人物3人のゆるっとした空気感が作品全体の詩的な雰囲気を作り出していてかっこよかった。
また、自由で飄々とした日常を淡々と切り取った様な映像は、カット一つ一つがお洒落でかっこよく、その日常を覗いているかのような独特で不思議な感覚になった。
大きな展開はないが、その静けさが魅力的で、年を重ねてもう一度観たいと思える作品。(女性 20代)


誰かと一緒に居るような居心地の良さが常に充満している空気観と、スローなテンポが穏やかな気持ちにさせてくれる。ジム・ジャームッシュの描く日常の手持ち無沙汰や、些細な愛に共感したくなってしまう。

そしてどのようにして映画が終わるのか不安になりつつ、最後の10分は噛み締めて観る。ポップコーンとペプシが必須な映画だ。もしかしたら自分の日常の中にも、こんなエモーショナルな瞬間が隠れているかもしれないと思わせてくれた。(女性 20代)


エモいというのはこういう事だろうと体感した作品でした。型にはめられて普通に生きていたら平凡な日常になってしまうものを、自由に生きる3人の姿を通して見ることでかっこよくて憧れてしまうような、ものすごく素敵な世界観に仕上がっていたと思います。
破天荒は言い過ぎかもしれませんが、彼らの生き方はものすごく自由です。それを羨ましいと感じてしまう私は「平凡」で「普通」な生き方を知らず知らずのうちに選択しているのだろうと感じました。
もう少し自由に生きても何とかなるのかなと心を解放させてくれるような作品です。(女性 30代)

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