この記事では、映画『水曜日が消えた』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『水曜日が消えた』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『水曜日が消えた』の作品情報
出典:U-NEXT
製作年 | 2020年 |
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上映時間 | 103分 |
ジャンル | サスペンス ドラマ |
監督 | 吉野耕平 |
キャスト | 中村倫也 石橋菜津美 中島歩 深川麻衣 |
製作国 | 日本 |
映画『水曜日が消えた』の登場人物(キャスト)
- 7人の僕(中村倫也)
- 小さい頃の事故で人格が7人になった青年。曜日ごとに違う人格に入れ替わる。
- 一ノ瀬(石橋菜津美)
- 僕の友達。火曜日の僕の様子をよく見にきてくれる。
- 瑞野(深川麻衣)
- 図書館の司書。水曜日の僕に出会う。
- 医師(きたろう)
- 16年間僕を診ている主治医。
- 荒木(中島歩)
- 医師のもとで研修をしている。
映画『水曜日が消えた』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『水曜日が消えた』のあらすじ【起】
目が覚めてからずっと僕は「火曜日」。いつも猫の番組。流れているのはいつもバッハの曲。いつもゴミ捨てはカンとびん。いつも閉まっている図書館。病院に通い、冷蔵庫の中身を片付けて、「水曜日」のためにゴミをまとめる。「土曜日」にチェスの一手をうち、ほかの曜日のために記録を書く。短い一日を終えて1週間分の眠りにつく。
そんなある朝、僕が目覚めたのは火曜日ではなく、水曜日だった。病院に電話をしようとした僕だったが、図書館に行きたくなり電話をしなかった。図書館に初めて入った僕、図書館にいた司書の瑞野に惹かれてしまう。初めて別の曜日を過ごした火曜日の僕。一日を終えた後の記録は、水曜日の前の記録を模写して何事もなかったかのように終わらせた。
その次の水曜日も僕は目覚めた。「水曜日」は消えていた。
映画『水曜日が消えた』のあらすじ【承】
ずっとそばにいてくれる友達の一ノ瀬は、少しの癖や仕草で何曜日の僕かを区別できる。いつも火曜日の僕に会いに来ている。火曜日の僕が水曜日に目覚めていることに気づいた一ノ瀬は医師に電話しようとする。しかし、僕にもう少しだけと言われ、異変があったらすぐに知らせることを条件に協力する。度々意識が飛ぶことがある僕だったが、他に異常はなく、僕は火曜日と水曜日の2日を過ごす日々を繰り返した。
一ノ瀬に促され、僕は瑞野をデートに誘う。瑞野とのデートの日、二人は映画を観た後少し話をしていた。瑞野は水曜日に流れる「朝」という曲が嫌いだったと話し出す。今は「朝」の曲が好きで、それは僕に出会ったからだと告げる。だが、僕の目の前は一瞬真っ暗になり、瑞野の声が途切れ途切れになっていた。僕は思わず「帰らなきゃ。」と言い残してその場を去ってしまう。急いで家に向かう僕。意識が途切れ途切れになりながら家に着く。
火曜日、病院に行くと医師はいなかった。新木から、医師が数年間にわたりデータの改ざんをしていたことを告げられる。新木は検査や治療を再度行いたいと話し、僕に同意を求めてくる。
映画『水曜日が消えた』のあらすじ【転】
次に目が覚めると、また水曜日だった。
家を見渡す僕。他の曜日の部屋はいなくなったかのように動いた様子がなかった。だが、月曜日が弾く楽器のそばにだけ、タバコの吸い殻が残っていた。それを見つけた僕だったが、そこで意識を失ってしまう。
次に目が覚めると、木曜日だった。
新木から手術をするよう促されるが、人格が一人になってしまう可能性があることを告げられ、戸惑ってしまう。そんな時、「水曜日」にも大切な人がいたことに気づき治療をしてもらおうと、新木に電話をする。しかし、その時意識が遠のき、月曜日の僕と入れ替わり始める。意識が戻った時、携帯画面にはビデオが残されていた。録画を通して月曜日の僕が話しかける。「月曜日」は、もうすでに「金曜日」から「日曜日」の僕はいなくなっていて、代わりに日々を過ごしていた。「月曜日」は医者たちを信用しておらず、このままの状態でいいと言う。そんな時、二人は記憶の一部を見る。やっとの思いで家に帰り着いた僕は意識を失ってしまった。
全てを思い出した僕。
目覚めた時、「火曜日」はいなかった。
映画『水曜日が消えた』の結末・ラスト(ネタバレ)
病院に行き、僕は医師に会った。医師から「今の君に会えてよかった。今の君が正しいと思うことをしなさい。」と言われる。
家に戻ると、一ノ瀬がやってきた。一ノ瀬は「友達がいたから。」と話し始める。引っ越した日に事故にあって亡くなったと聞かされていたが、偶然僕の記事を見つけて医師に話を聞きに行ったのだ。僕の友達になるという条件で、僕に会った。他の曜日の僕は、一ノ瀬が知っている僕ではなく、最後に会った「火曜日」だけが、一ノ瀬が知っている僕だった。僕は一ノ瀬が僕の監視役だと思っていたが、一ノ瀬は「火曜日」が好きで、本当の友達になりたかっただけだった。
それぞれの曜日の僕には大事な人がいることを知った「月曜日」は、新木に会いにいった。7人を残すことを条件に、治療に同意する。
そして治療後、朝目覚めたのは、
水曜日の僕、木曜日の僕、金曜日の僕、土曜日の僕、日曜日の僕、月曜日の僕、
そして、火曜日の僕だった。
映画『水曜日が消えた』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
“曜日ごとに人格が入れ替わる”という設定にまず惹かれましたが、単なるファンタジーではなく、自分という存在の曖昧さや孤独に踏み込んでいて深かったです。主人公“火曜日”が、自分以外の曜日に振り回されながらも、“自分らしさ”を探す姿が切なくて共感しました。水曜日の消失が彼に与えた影響と、その後の成長に心を打たれました。(20代 男性)
中村倫也さんの演技力が光る作品でした。曜日ごとに全く違う人格を演じ分けながらも、それぞれに魅力や弱さがあって、誰か一人だけを悪者にできない構成が見事。火曜日の視点で描かれる“自分以外の6人”の存在の重さと、水曜日がいなくなったことで感じる喪失感が、どこか現代社会の孤独とも重なりました。後半の展開も切なく、余韻のある作品でした。(30代 女性)
ファンタジー設定ながら、テーマはとても現実的。多重人格ではなく、曜日で人格が入れ替わるというユニークさが興味を引きました。最初は淡々としていて静かな映画だと思っていたけれど、水曜日の不在に気づき始めた火曜日の焦りや、他の曜日との関係性が描かれるにつれ、物語にぐっと引き込まれました。静かなトーンの中に深い問いがある映画。(40代 男性)
一見すると軽やかでおしゃれな設定の映画ですが、内容はとても奥深く、観終わった後にじわじわと効いてくるタイプでした。曜日によって性格も生き方も違う“彼ら”が、同じ体を共有して生きるということの不思議さ、難しさが印象的でした。火曜日がようやく自分の人生を歩み始めたラストには小さな希望を感じて、とても好きな終わり方でした。(50代 女性)
設定に惹かれて観たけれど、良い意味で裏切られた映画でした。水曜日がいなくなったことで、初めて火曜日が“自分の時間”と向き合うようになるのが切なくて、でもどこか前向きで良かったです。他の曜日たちとの関係や、記憶の共有の仕方なども細かく描かれていて、世界観にしっかり没入できました。日常の裏に潜む孤独を描いた秀作だと思います。(10代 男性)
“自分って何だろう?”と考えさせられる映画でした。曜日ごとに違う人格が生活している設定なのに、不思議と現実感がありました。火曜日の葛藤や、他の曜日への劣等感などがリアルで、自分の中にも複数の側面があるような気がして共感できました。中村倫也さんの多彩な演技も素晴らしく、一本の映画でこれだけ表情が変わるのは圧巻です。(60代 男性)
優しい世界観と、静かに進む物語のバランスが心地よい作品でした。中村倫也さんが演じる“火曜日”の視点から、自分ではない6人と暮らす苦悩や不安、そしてほんの少しの希望が丁寧に描かれています。水曜日がいなくなった理由に明確な答えがないところも、観る側に想像させる余白があって良かった。心に染みる静かな作品です。(30代 男性)
タイトルに惹かれて観たのですが、想像以上に深い作品でした。“火曜日”が毎週同じ日を生きるという閉塞感と、それでも自分なりに生きようとする姿が胸を打ちます。水曜日という“存在”がいかにバランスを保っていたかを失って初めて気づく構成も秀逸。音楽や映像も柔らかくて美しく、心にじんわりと残る映画でした。(40代 女性)
多重人格のようで、そうではない。曜日ごとに人格が交代するという発想がユニークで、しかもそれを丁寧に描いているのが印象的でした。中村倫也の一人多役が自然すぎて驚いたし、火曜日が自身のアイデンティティに悩む姿には感情移入できました。水曜日の“不在”が与える影響が少しずつ広がっていく描き方が巧みで、じわじわ来る映画です。(50代 男性)
物語としての派手さはないけれど、観る人の心にそっと寄り添うような作品。火曜日という控えめな人格が、水曜日がいなくなったことで徐々に主体性を持っていく過程が、まるで自分の成長物語を見ているようでした。曜日によって生活や性格が違うことが、人間の“多面性”を象徴していて、深く考えさせられました。余韻のある良作でした。(20代 女性)
映画『水曜日が消えた』を見た人におすすめの映画5選
僕は明日、昨日のきみとデートする
この映画を一言で表すと?
時の流れがすれ違う恋人たちが紡ぐ、切なすぎるラブストーリー。
どんな話?
ある日運命的に出会った男女。しかし彼女は“ある秘密”を抱えていた。それは、ふたりの時間軸が真逆に進んでいるという運命のいたずら。限られた時間の中で、互いの存在を慈しむ愛の物語。
ここがおすすめ!
『水曜日が消えた』と同じく、“時間のずれ”がテーマ。切ないけれど温かな世界観、そして日常に潜む小さな奇跡の描写が心を打ちます。ラストにすべてが繋がる感動系ストーリーが好きな方におすすめです。
リピーテッド
この映画を一言で表すと?
記憶が毎朝リセットされる女性の、真実を求める心理サスペンス。
どんな話?
毎朝目覚めるたびに記憶を失っている主人公。夫に支えられながら生活しているが、カウンセラーと出会い、彼女は自身の記憶に隠された真相に迫っていく。やがて記憶喪失の裏にある恐ろしい真実が明かされる。
ここがおすすめ!
『水曜日が消えた』と同じく、記憶・時間・アイデンティティの喪失を扱った作品。誰が味方で、何が本当かがわからなくなるミステリー要素も強く、スリリングかつ感情に訴える展開が魅力です。
her/世界でひとつの彼女
この映画を一言で表すと?
AIと恋に落ちた男が辿る、切ない自分探しの旅。
どんな話?
近未来。孤独な男性セオドアは、会話型AI“サマンサ”と出会い、心を通わせていく。人間ではない彼女との関係に満たされていく彼だが、次第に“本当の自分”と向き合うことになる。
ここがおすすめ!
『水曜日が消えた』のように、孤独の中で“他者との繋がり”や“自己の存在”を見つめ直すテーマが共通。感情表現が繊細で、観終わった後に深い余韻が残る美しい映画です。映像と音楽のセンスも抜群です。
エターナル・サンシャイン
この映画を一言で表すと?
愛を忘れたくて記憶を消した男女の、再生と喪失の物語。
どんな話?
別れた恋人との記憶を消す手術を受けたジョエル。しかし、記憶の中で再び彼女と過ごすうちに、失いたくない感情に気づく。記憶の海をさまよう、切なくも鮮やかなラブストーリー。
ここがおすすめ!
記憶と個性、愛とアイデンティティの関係を描く点が『水曜日が消えた』とリンク。映像的にも独特で、ファンタジーと心理描写が融合した名作です。過去をどう受け止めるかという問いに深く響きます。
インサイド・リュウ
この映画を一言で表すと?
多重人格の青年が自身の“空白”に向き合う、静かな自我探索の物語。
どんな話?
事故をきっかけに多重人格となった青年が、自分の中に存在する“もう一人の自分”との関係を模索しながら、人生の再構築に挑む。日常と非日常が交錯する、不思議な感覚のヒューマンドラマ。
ここがおすすめ!
“もうひとりの自分”というテーマや、静かに進行するストーリー展開が『水曜日が消えた』とよく似ています。人格や記憶が曖昧になっていく中で、本当の自分を探す過程が繊細に描かれています。
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