映画『スマホを落としただけなのに』の概要:主人公・麻美が、彼氏の落としたスマホを受け取りに行ったことで様々なトラブルに巻き込まれていく。サイバー犯罪に長けた殺人犯と戦う警察は、ターゲットになってしまった麻美を守り、連続殺人を止められるのだろうか。
映画『スマホを落としただけなのに』の作品情報
上映時間:116分
ジャンル:サスペンス、ホラー
監督:中田秀夫
キャスト:北川景子、千葉雄大、バカリズム、要潤 etc
映画『スマホを落としただけなのに』の登場人物(キャスト)
- 稲葉麻美(北川景子)
- 過去に秘密を抱えており、実家と疎遠な派遣社員。長いストレートの黒髪を持つ美女。
- 富田誠(田中圭)
- 商社勤めのサラリーマン。麻美の恋人。ぼーっとしているところがあり、考え事をしていたためにスマホをタクシーに忘れてしまう。
- 毒島徹(原田泰造)
- 仕事熱心な刑事。連続殺人犯の捜査にあたっている。
- 加賀谷学(千葉雄大)
- 毒島の部下の若手刑事。犯人と共通した部分があり、推理とサイバー捜査で事件の核心へ迫るキーマンとなる。
- 浦野善治(成田凌)
- 麻美と富田が知り合ったITエンジニア。トラブル解決能力が高く、二人が何度も助けを求めることになる。
- 武井雄哉(要潤)
- 麻美の大学時代の先輩。今はやり手の商社マンのイケメンだが、当時麻美が弄ばれた相手。SNSで麻美と再会。
- 山本美奈代(桜井ユキ)
- 元・麻美のルームメイト。麻美の親友だったが、とあるトラブルが原因で命を落とす。
映画『スマホを落としただけなのに』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『スマホを落としただけなのに』のあらすじ【起】
タクシーの中で恋人へのプロポーズの言葉を考えていた富田は、うっかりタクシーの中にスマホを置き忘れてしまう。渋滞に巻き込まれ、大事な会議に間に合わないと焦って降りたために、全く気付かなかったのだ。
富田から連絡を受けて、恋人の麻美は彼のスマホに電話をした。電話に出たのは知らない男で、富田の次にタクシーに乗り、彼のスマホを拾ったようだった。男は、スマホをカフェに預けておいてくれると話した。
男がスマホを預けたというカフェに向かうと、店員が預かっていたスマホを返してくれた。受け取ってすぐに立ち去る麻美。富田と合流して彼にスマホを返し、彼女はその日に彼からプロポーズを受けた。
プロポーズは嬉しかったものの、煮え切らない麻美に同僚の加奈子がSNSを再開することを勧める。自分を見つめ直して外にも目を向けてみることで、何かが変わるかも知れない。そう思った麻美は、ずっと休眠状態だった自身のSNSにログインしてみる。
映画『スマホを落としただけなのに』のあらすじ【承】
山奥で大量の女性の他殺体が発見された。刑事の毒島と加賀谷は、すべての死体が髪の毛が切り取られている状態で発見されたことから、同一犯と見ていた。被害女性は全員黒髪の長髪で腹部を執拗に刺されており、犯人にとってはそこに何かしらの意味があるのかもしれない。
被害者の一人は行方不明の風俗嬢と判明。スマホでやり取りができていたため、彼女の周りの人間は彼女の死を知らなかった。彼女を殺した人間がスマホを操作し、なりすましていた可能性が高い。
麻美が再開してすぐに、SNSのページには「いいね」や「ともだち申請」が集まった。昔の友達と繋がり交流をし始めたが、その時期から麻美はネット上でのトラブルに悩まされ始める。身に覚えのないクレジットカードの請求をはじめ、とくに困ったのは富田の同僚からのしつこいメッセージだった。
麻美と富野はITエンジニアの浦野と連絡を取った。彼の助けで富田のスマホがウイルスに感染していることが判明し、対処してもらうことができたのだった。
映画『スマホを落としただけなのに』のあらすじ【転】
麻美はSNSで繋がっていた大学時代の先輩・武井と再会。偶然出会っただけだったものの、その場でキスをされてしまう。一方の富田は後輩の女の子と出会い、甘えられる。富田が女の子と一緒にいる写真がスマホに送られてきた麻美は怒り狂って富田を責めるが、富田のスマホにも麻美と武井のキスの写真が送られてきていた。二人の仲はどんどん悪化していく。
麻美は再び浦野の元を訪れるが、飲み物に睡眠薬を入れられて意識を失う。目が覚めると知らない場所で拘束されており、白い服を着た浦野がいた。浦野は、毒島たちが追っている連続殺人犯だったのだ。
浦野は麻美の周りを嬉しげにうろうろしていたが、やがてその場を離れた。身動きの取れない麻美は、スマホの遠隔音声認識で富田に事態を知らせる。また、犯人と同じような過去を持つ加賀谷も推理を進めて事態に気付いていた。現場に駆けつけた富田だったが、浦野が麻美の過去をバラすと脅しをかけた。麻美は覚悟を決めて、自分の過去を話し出す。
映画『スマホを落としただけなのに』の結末・ラスト(ネタバレ)
麻美は、本物の麻美ではなかった。実は彼女は麻美のルームメイトだった美奈代で、本物の麻美に借金を背負わされていたのだ。人生をめちゃくちゃにされたことで麻美を責める美奈代。麻美は美奈代にかけた迷惑の責任を取るために、美奈代の身分証を持って踏切に飛び込み、自殺してしまう。美奈代は整形して麻美に成り代わり、新たに人生をスタートさせたのだった。
毒島や加賀谷が到着し、浦野は逮捕された。すべてを明かした麻美は仕事をやめて富野の元から去ってしまう。加賀谷から麻美のスマホを渡された富野は、スマホの中身を見た。麻美が撮った大量の自分の写真を見て、彼女の愛が本物だったことを知る富田。過去もすべて受け入れると決め、思い出のプラネタリウムに向かう。
プラネタリウムにひとりで座っていた麻美にプロポーズする富田。二人はこれからの人生を一緒に送ることを誓う。そのすぐそばで、若いカップルがスマホを落として去っていくのだった。
映画『スマホを落としただけなのに』の感想・評価・レビュー
今や誰もが持っているスマホだが、仮にそれを落としてしまった時にはどんな最悪の事態が待ち受けているのか、見ている者に可能性を想像させる。インターネットリテラシーを学べる優秀な教科書。
犯人・浦野による麻美の監禁シーンや、終盤の遊園地でのクライマックスシーンなど、ただ堅苦しいだけではない個性的な盛り上がりが多数用意されており、純粋にサスペンスもののエンターテインメントとしても楽しむことができる。(MIHOシネマ編集部)
今や生きていくのに必要不可欠な存在のスマホがきっかけで、恐ろしい事件に巻き込まれるかもしれない。そのテーマだけで十分キャッチーだが、意外な展開が続く本作のストーリーには驚かされた。とはいえ、主人公たちのセキュリティ管理の甘さやSNSの使われ方など、ご都合主義的なポイントも多々見受けられる。身近にある技術的な抜け穴や落とし穴というよりは、どちらかというと人間ドラマを主軸にした作品に思えた。(女性 20代)
スマホを使っている人は見ておくことをおすすめします。落としてしまったとき、どんな悪用の可能性があるか、そして紛失時はどう動けばいいか参考になります。後半は、成田凌の演技に圧倒され続けました。浦野の誠実そうな人柄から一変、狂気に満ちた犯罪者を見事に演じています。ラスト、麻美は富田に秘密を打ち明けますが、もはやスマホの話は全く関係ありません。その秘密は壮絶なものですが、多少現実味に欠けると感じました。(女性 30代)
設定もキャスティングも最高のオススメ作品である。
全ての元凶はタクシーに忘れてしまったスマホ。
そんな誰にでも起こり得ることから事件に巻き込まれてしまう、という設定が不気味で面白い。そして徐々に身の回りで起きていく異変が、大きすぎずまたリアルで気色が悪い。
さらにこの作品の良さを引き出しているのは、成田凌の演技だ。こんなにも狂った演技が上手いとは、正直驚いた。彼の演技の良さもあり、最後まで飽きずに楽しめる作品だと思う。(女性 20代)
非常に現在的な起こりえるかもしれないスマホにまつわる恐怖に関するテーマではあったが、人物たちの行動が腑に落ちないことが多々ある。脚本の為にキャラクターを敢えて馬鹿にしている感じ。
中田秀夫監督はホラーに定評があることから、この作品はサスペンスではなくホラーとして見るべきだと気づく。ホラーなら登場人物が愚かなのも、理不尽な突然の恐怖が訪れても不思議ではない。
しかし、北川景子の演技に関しては擁護のしようもない。(男性 30代)
公開当時テレビで流れていた予告CMを見て面白そうだなとは思っていましたが、これって成田凌が犯人なんじゃない?と何となくわかってしまって見ていませんでした。
実際に鑑賞してみても、登場人物がかなり低脳で行動が考え無しなのですごくイライラします。あえてそういう設定にしているのかもしれませんが、普通はもう少し危機感や疑いの目を持って行動するのではないかなと思ってしまいました。
北川景子はとにかく美しいので華はありますが、麻美というキャラクターにはあまり合っていなかったように感じました。(女性 30代)
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