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映画『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』の概要:生きる目的を持たない大富豪が、裏の葬儀会社に自殺の手助けを依頼。いつどこで死ぬか本人にも分からないサプライズコースを申し込むが、そこで出会った女性との出会いで自殺を考え直す。シニカルでエキセントリックだが、ハートウォーミングなコメディ。

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映画『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』の作品情報

素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店

製作年:2015年
上映時間:102分
ジャンル:コメディ
監督:マイク・ファン・ディム
キャスト:イェロン・ファン・コーニンスブルッヘ、ジョルジナ・フェルバーン、ヤン・デクレール、ヘンリー・グッドマン etc

映画『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』の登場人物(キャスト)

ヤーコブ(イェロン・ファン・コーニンスブルッヘ)
大富豪。感情の欠落がある。誠実で気難しい。慎重派な40歳。
アンネ(ジョルジナ・フェルバーン)
普通の女性だがどちらかというと男勝り。車が大好き。
Mr.ジョーンズ(ヘンリー・グッドマン)
葬儀社の支配人兼社長。息子4人と娘が1人いる。

映画『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』のあらすじ【起】

大富豪のヤーコブは生きる希望が見出せない。故に母が亡くなった後、財団へ多額の寄付をし、屋敷を売りに出して自分の命を絶とうとしていた。だが、大豪邸の中には使用人が至る所におり1人になる隙がない。人の上に立つよう教育されたのか、彼にはどこか情緒が欠けているように思われた。
崖の上から海を眺めていたところへ一台の車が通りかかり、高齢の男性が降りて来た。ヤーコブは使用人と主のような2人を、車から見るともなく見ている。2人は崖の向こうへ消え、戻って来た時は使用人だけだった。どういう事か。車が走り去った後、崖の向こうへ向かってみる。高齢の男性の姿はどこにもなく、代わりにエリュシオンという店名の入ったマッチを見つけた。場所はベルギーのブリュッセルのようだった。

彼は早速、その店へ向かった。何となくそういう店と察しはついたが、面と向かって聞くわけにもいかず、落とし物を拾ったと受付へ。受付の男性は笑顔で丁寧な対応をしてくれたが、どういう店なのか詳細までは分からず。帰ろうとしたヤーコブは支配人に、会いたいと言われる。

支配人は彼の身元を確認した後、葬儀の依頼ではなく一度きりの旅路を求めているかを確認した。俄かに嬉しそうな表情をするヤーコブ。支配人は彼を別室へと案内。その部屋では会社の概要と死に方の選択を紹介していた。紹介映像を見ているとタイヤを鳴らしつつ乱暴な運転で車を停車させる人物がいる。彼は窓から下を覗く。車からは美しい女性が降りて来た。支配人は契約書にサインしたら解約は出来ないと言う。ヤーコブはそれを了承。薦められたコースはサプライズコース。生活上、いつどこで死ぬのか本人には分からず、自然な死に方が出来ると言う。彼はそれを選択。次は自分の棺を選ぶ事になった。

エレベーターで最上階へ。棺を見ているとあの女性が棺に関しての質問をしてくる。どうやらヤーコブを店員と間違えているようだ。誤解を修正。彼が自分を旅人と話すと、彼女も自分を同じ旅人だと言う。コースも同じコースだった。彼女はアンネ。何となく運命を感じた。

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映画『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』のあらすじ【承】

ヤーコブは意気洋々と自宅へ戻り、給料を保証して使用人を全て解雇。3日後、大豪邸には主人以外誰も居なくなった。彼はいつでも来いと待ち続けているが何も起きない。ジョーンズへ抗議の電話をするが、逆に普通の生活を続けなければいけないと諭される。途方に暮れているところへ執事だけが心配して戻って来る。いつもの予定を確認したヤーコブは早速、いつも通りの生活を心がける事にした。この日はダンスの日だった。

アンネがいる店へ来たヤーコブ。彼女をランチへ誘う。アンネは渋っていたが、戻って来た店主が彼女とヤーコブを半ば強引に外へ出してしまう。アンネはヤーコブをサプライズの人かと疑っているが、考えても仕方ないと言いヤーコブの車に興味を示した。どうやら彼女は車が好きらしい。2人はランチへ。自殺心理へと至った動機を話し合い、その後は食後の散歩へ。そこでヤーコブは暴走する大型トラックが向かって来るのを発見しこれだと確信。アンネと手を繋いで交差点の真ん中で待ち受ける。しかし、トラックは彼らを避け背後の壁へ突っ込んで行った。

次の日、ニュースにてブリュッセルで謎の爆発があったと報じられていた。ヤーコブはまさか彼女かと急いで向かうが、爆発したのはアンネの隣の部屋だったらしい。ほっとした束の間、車から滑り落ちる。その声に気付いたアンネ。近寄って声をかけた。亡くなったのは葬儀店で見かけた老夫婦だった。だから、自分達はまだ先だと話す。車に興味があったアンネを連れて自宅へ戻るヤーコブ。

弁護士から豪邸売却の件で一緒に来て欲しいと言われ、ヤーコブはアンネを置いてそちらへ向かった。アンネは彼を待つ間、執事からヤーコブの話を聞く。ヤーコブの父親は海が好きで、息子を連れて船旅へ向かう計画を立てていたが、父親は船の試乗に行ったきり戻って来なかった。それまで活発で喜怒哀楽もあったヤーコブだったが、父親の死をきっかけに感情を欠落させたと言う。母親は感情欠落を治す為、ありとあらゆる事を彼にやらせてみたが、結局治らなかった。

豪邸売買の仮契約を終えたヤーコブは、アンネが気に入った車で浜辺へと向かった。もし明日が最後の日だったらどうする。その質問に彼は、またあのダンスの店へ行きたいと話す。アンネは自分も一緒に行きたいと言い、2人は砂浜でダンスの練習をした。

映画『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』のあらすじ【転】

ヤーコブは執事の家へ来た。幼い頃から見守ってくれた老執事だ。彼は執事に心境の変化を打ち明ける。すると執事は、それは失う事の恐怖だと教えてくれた。

次の日、ヤーコブはアンネとあの店へ行こうとしていた。だが、その前に葬儀社へ寄って旅の予定を延期したいと伝える。少しお待ちをと言われ待っていたが、たまたま覗いた支配人のモニターで従業員に銃を渡している映像を目にする。危機を感じたヤーコブは、こっそり非常階段で棺の間から逃げ出そうとするが、エレベーターが上がって来る。棺を動かそうとして見つかってしまい、エレベーターに乗ろうと見せかけながら逃げ出す。逃すまいと従業員が銃を発砲してくる。慌てて棺に入ったように工作して彼は後ろの棺へ隠れた。従業員は見せかけの棺へ銃を打ち込む。そこを狙って棺を倒した。棺は見事当たり意識を失う従業員。その彼から銃を奪ったヤーコブは、階段から上がって来たもう1人の従業員を思わず撃ってしまった。弾は見事命中。ヤーコブははっとして銃を手放す。急いでビルから逃げ出したヤーコブ。万事オッケー。すぐに順番が来ると言ってアンネを乗せた車を急発進させる。

追手はすぐにかかった。容赦なく銃を放ってくる後続車。アンネが怒り出し車の運転を代わる。銃殺は彼女にとって許せない行為らしい。自然な事故死で逝かないと次の生が変わってしまう。彼女は叫びながら駐車場へ。車を潰す。不穏な言葉を吐き捨てるアンネ。相手の車へ突進し言葉通り車を潰した。

2人は手を繋いで笑い合いながら別の車を盗む。ヤーコブは彼女へ旅の延期を頼んだ事を打ち明ける。昨日から変なんだ。すると彼女も昨日から変なのと話す。変になっている間、旅を延期する事を互いに決めた。

ホテルへ潜伏した2人だったが、ヤーコブの右足に怪我を見つけたアンネが氷を取って来ると部屋を出る。しかし、彼女はエレベーターから現れた葬儀社の者達に捕まってしまった。ゴミ捨て場に放り投げられたアンネにジョーンズが迫る。実は、ジョーンズはアンネの義父で4人の従業員は兄弟だった。アンネはヤーコブを殺す役割を負っていたのだった。義父は期限を明日の正午と決め、彼女を再び送り出した。

アンネが部屋へ戻るとヤーコブは眠っていた。この隙にと銃を用意しているとヤーコブが起き出して来た為、アンネは殺害を断念。彼と共にベッドへと横になる。だが、ヤーコブは自分の未来が知りたくなったと言い、彼女に手相を見て欲しいと話す。アンネは彼の手相を見るふりをしてくすぐり合いをする。ふと、我に返った2人は気まずくなってすぐに寝てしまった。

映画『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』の結末・ラスト(ネタバレ)

次の日、ヤーコブ所有の狩猟小屋へ。2人ははしゃぎ合いながら雨の中、荷物を運び出す。だが、雨で弱った段ボールの底が抜けてヤーコブの荷物が床へ散らばる。その中にはアンネのバッグが。バッグからは銃が出て来た。彼はそれを見てアンネが自分を殺す者として認識。急いで小屋へ入り鍵をかける。だが、思い直して彼女の元へ向かい、さぁ殺せと言った。しかし、彼女は銃を渡さない。アンネは謝りながら中へ入りヤーコブへ話し続ける。騙していたのは悪かったが、自分が今まで話していた事の95パーセントは本当の事。彼は怒っていた。アンネがそれを指摘するとヤーコブは怒りながら、怒っていないと怒鳴る。アンネは一旦、外へ出てすぐに戻りヤーコブへキスをした。互いに怒り任せのキスを続け、そうして2人は体を重ねた。

外では2人の兄弟がアンネ達を見張っている。彼女は窓の外を窺い正午までの期限である事を明かした。今日の正午にはヤーコブの全財産も、全てが財団へ寄付される事になっており、このままだと逃走資金もない。彼は契約を破棄する事にした。しかし、ここでは携帯の電波がない。アンネは銃を一発、発砲。彼を殺した風に見せかけシーツに包んで、車へ乗せた。見張りへ合図。ヤーコブは電波が届いた頃、弁護士へ電話。契約を破棄するように言ったが弁護士の様子がおかしい。やはりヤーコブも行った方が良さそうである。アンネは後続の弟達に死体安置所まで競争しようと持ち掛けるが、弟達はそれへ乗ろうとしない。しかし、アンネは車を飛ばして踏切を抜ける。その隙に、ヤーコブを外へ出し彼女は弟達を連れて走り去った。

契約締結パーティでは、弁護士がヤーコブの意思を無視して契約を締結させようとしていた。ヤーコブは急いで財団へ。金属探知機で警報が何度も鳴る。凄い形相で怒鳴る警備を撒こうとするが、慣れない彼はすぐに捕まってしまう。

一方、アンネは消えたヤーコブの事で義父と兄弟達に詰め寄られていた。アンネはヤーコブを愛していると言う。義父と娘は2人きりで話をした。裏の葬儀社家業はこれからの未来、恐らくは合法化されるであろう。その未来の為、彼女には兄弟達と頑張ってもらわなければならない。義父は娘を許した。

ヤーコブは弁護士を訴える事に成功した。屋敷は残せそうである。アンネは彼へ良い話と悪い話をする。良い話は死ななくても良くなった事でアンネと結婚する。そして、悪い話は1人だけ殺さなくてはならない事。ヤーコブは銃を持たされ指定の部屋へ向かう。そこには執事がいた。彼は葬儀社へ依頼をしていたのだ。

ヤーコブは執事と話をする。なぜ、死にたいのか。執事はもう長生きした、妻の傍へそろそろ逝きたいと言う。老執事はヤーコブの話を聞き、お祝いしなければと言った。キッチンに葉巻があるからそれを取って来て欲しいと。ヤーコブはキッチンへ向かい葉巻を見つけて戻った頃、老執事はすでに息を引き取っていた。茫然とする彼の元へアンネがやって来る。老執事が選んだプランは、愛する人に最後を見送ってもらいたいプランだった。ヤーコブは老執事を、長年愛し手入れをしていた庭へ葬った。

老執事はヤーコブが居なくなると寂しいと話したが、今は彼が居なくて僕が寂しい。そう話すヤーコブ。
アンネと2人、次の依頼者候補を物色した。2人は結婚し、ヤーコブは裏の葬儀社の仕事を手伝う事になった。

映画『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』の感想・評価・レビュー

本作は、生きる希望を失った大富豪が、自殺のほう助サービスの代理会社に「あの世」への旅を注文するも、旅立つ直前にある女性に恋をしてしまうというラブコメディー作品。
予測不可能な展開に加えて、サスペンスなどの様々な要素も混合していて楽しめた。
何と言っても、人との出会いが人生を変えることや生と死について考えさせられ、後悔のないように生きたいと思った。
「死」という世界をブラックユーモアを交えて描いているため重さがなくて見やすかった。(女性 20代)


監督のマイク・ファン・ディムが十数年振りメガホンをとった、並々ならぬこだわりが詰め込まれた長編映画2作目。
まず、顧客の死を手助けする店があるという設定自体が面白く、それでいて生死に関わるバイオレンスな内容であるはずが、明るい雰囲気で物語が進むという点が素晴らしい。サプライズコースを選択した時点で、何が起こるか分からないという謎の期待感も相まって死という暗い概念を覆している。加えて主人公の前に現れたたった1人の女性によって、人生が一転することで出会うことの素晴らしさを描き、老執事との別れでもって区切りとし新たな生き方を歩んでいく。ストーリーの流れもコミカルな演出も上品で面白く、バイオレンスでありながら生死感を覆す内容も素晴らしい。監督のこだわりが光る名作。(女性 40代)


ドキドキしてワクワクしてきゅんきゅんする。そんなたくさんの感情を揺さぶられるおもしろい作品だった。主人公達がいつ死ぬか、どのように殺されるか分からないため、もの凄くハラハラしながら見ていた。裏の葬儀会社が自殺の手助けをしているという、物語の設定に興味をそそられた。
ヤーコブは冷めたところがあるものの、アンネに振り回されるところが、可愛らしいなと思った。最後は執事の行いにちょっぴり切なさを感じたが、ヤーコブが執事のことを慕っていたことが伝わってきて心が温かくなった。(女性 30代)


期待せずに鑑賞したら大当たりだった今作。自殺を手伝ってくれる葬儀屋があること自体面白いのですが、死に方を選ばせてくれるというのもとても良い設定で、見ている人を惹き付ける要素になっていたと思います。
サプライズコースを選んだことにより、いつどんな風に自分が死ぬのか分からないまま生きるのですが、そのドキドキ感はむしろ「生きる意味」や「希望」にさえ思えてしまいました。
死というマイナスに取られがちな要素に恋愛やサプライズなどハッピーな要素を組み合わせることで、斬新で面白い作品になっていたと思います。(女性 30代)

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