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映画『スイートリトルライズ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『スイートリトルライズ』の概要:テディベア作家のルリコとサラリーマンのさとし。2人は結婚3年目。ルリコは若い男と。さとしは後輩と関係をもつ。仲のいい夫婦なのに何かが足りない。回り道をしながらも夫婦はまたつながっていく。ちょっとだけ切なくなる、ある夫婦のお話。

映画『スイートリトルライズ』の作品情報

スイートリトルライズ

製作年:2010年
上映時間:117分
ジャンル:ラブストーリー
監督:矢崎仁司
キャスト:中谷美紀、大森南朋、池脇千鶴、小林十市 etc

映画『スイートリトルライズ』の登場人物(キャスト)

ルリコ(中谷美紀)
テディベア作家。夫のさとしを心から愛しているがなにかが足りない。個展に来たハルオと関係を持ってしまう。不安定で儚い女性。
さとし(大森南明)
サラリーマン。部屋にこもってゲームをするのが好き。嘘がつけない素直な性格。少しだけ夫婦関係に冷めたものを感じている。OB会で知り合った後輩の三浦とうっかり浮気してしまう。
三浦(池脇千鶴)
さとしの後輩で浮気相手。
ハルオ(小林十市)
ルリコの浮気相手。ミヤコの彼氏。
ミヤコ(安藤サクラ)
ハルオの彼女。

映画『スイートリトルライズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『スイートリトルライズ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『スイートリトルライズ』のあらすじ【起】

ある夫婦がいた。妻のルリコはテディベア作家、夫のさとしはサラリーマン。夫を会社に送りだし、妻は白いテディベアを作る。

さとし(大森南明)は大学時代の同級生から電話があり、OB会に誘われる。
「じゃがいもの芽って毒があるらしいですよ。」
打ち合わせに来ていた編集者が、ふと漏らす。
「でも、理想の夫婦すぎて、毒なんか必要ないですよね。」
編集の子が帰るとルリコ(中谷美紀)はじっと、じゃがいもの芽を見つめた。

2人は恒例のデートに出かけた。さとしは早々に切り上げる。例のOB会に出席するからだった。
「先輩の奥さんってどんな人なんですか?」
久しぶりに会った後輩の三浦(池脇千鶴)が訪ねる。
「また、会えますか?」
さとしは曖昧にうなずいて、会場を後にする。

テディベアの展示会は大盛況で終わった。そこに背の高い男性が入って来た。
「このくまを譲ってくれませんか?」
DMに載っているグレーのテディベアを彼の彼女が気に入って、どうしても譲ってほしいという。彼女は快く、そのテディベアを譲った。

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映画『スイートリトルライズ』のあらすじ【承】

「そんなに借りるんですか?」
テディベアを譲った男性、ハルオ(小林十市)とレンタルDVD屋さんでばったり会う。横には彼女のミヤコ(安藤サクラ)がいた。はつらつとして、元気でかわいい彼女だった。もやもやするルリコが、さとしにつぶやいた。
「あなたといると、とても寂しくなる。」

「心中するならソラニンよ。」
今日はさとしの妹が遊びに来ていた。それを聞いて吹き出す。彼女曰く、ジャガイモの毒はお腹を壊すぐらいの毒性しかないようだ。

さとしの会社に、三浦が訪ねてくる。三浦はお弁当を持ってきていた。
「毎週水曜日、一緒にお昼食べませんか?」
ルリコはハルオとキスをしていた。
「個展で会ったときからずっとこうしたかったんです。」

さとしは腕で円をつくる。ルリコは円の中に入る。これは夫婦の儀式だ。2人はお互いの心が離れて行く気配を感じていた。

ルリコはハルオの部屋で体を重ねていた。事が終わって2人で煙草を吸う。
「もう2年もしてない。」
ルリコはもうこんなことやめましょうとつぶやく。不安だからやめたいと。でも、ハルオははっきりと言った。
「ルリコさんはやめないよ。貪欲だから。」

さとしは三浦とイタリアンレストランにいた。おいしそうに料理を食べる三浦をだんだん好ましく思うようになってきた。
「2人でダイビングに行きませんか?」
急に彼女が提案した。驚くさとしに三浦は笑った。

映画『スイートリトルライズ』のあらすじ【転】

「私って貪欲かな?」
ルリコはさとしに聞く。
「ルリコは俺に秘密ってある?」
さとしはルリコに聞く。隣で眠る夫婦なのに、心の距離は遠い。

仲居さんに「新婚旅行ですか?」そう聞かれた。仲のいい2人はそう見えるみたいだ。目が覚めて2人がベランダに出ると、海で騒ぎが起きていた。カップルが心中したらしい。

さとしは海に潜る。カップルが心中した海で。三浦と自然に手をつなぐさとし。
「信じられない!」ハルオは内緒で海に来ていた。2時間も探したという。ルリコはハルオの部屋で激しく抱き合った。そのとき、さとしは三浦にキスをしていた。

いつもの朝。ルリコは朝食を作る。でもなにかが少し違う朝。

さとしは三浦とホテルにいた。
「なんか怖い、毎回毎回良くなって行く気がする。」
ルリコはハルオの部屋にいた。ルリコは男に言う。人は守りたいものに嘘をつくのよ。私がさとしに嘘をつくように。あなたがミヤコさんに嘘をつくように。

「ルリコ?」
ルリコの姿が見えなかった。アトリエにもいない。窓を開けると彼女はベランダで煙草を吸っていた。
「腕の中入るか?」
はじめて自分から円を作るさとし。はにかみながらそこに入るルリコ。

映画『スイートリトルライズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

三浦と来たイタリアンレストランに、今日はルリコと来ていた。こんな豪華なレストランで結婚記念日を祝うのははじめてのことだった。三浦から聞いた説明そのままを、ルリコに話す。さとしはそのことに気づいてしまった。途中で黙り込むさとし。嘘のつけないさとしは不器用だ。
「手をつないでもいい?」
帰りの電車でそっと、ルリコはつぶやいた。

さとしは三浦に会いに水族館に来ていた。うれしい三浦ははしゃいで腕を組む。そんな反面さとしの表情は曇って行く。「ごめん!」三浦の腕をふりほどき、逃げるように立ち去る。

ルリコのもとに電話がかかってくる。急いでむかうと踏切の反対側にミヤコがいた。あのときのテディベアをルリコに渡す。
「私はもういらない。自分だけが寂しいと、思わないで。」
ルリコは泣きながらハルオを責めた。部屋を出たルリコ。もうここに来る事はたぶん、ない。

ルリコは非常階段で、さとしの帰りを待っていた。いつものようにさとしは円を作る。
「ただいま」とルリコ。
「帰って来たのは俺だよ、どこかへ行ってたの?」
「行ってた。さとしは?」
「おれはもうすぐ帰るよ。」

映画『スイートリトルライズ』の感想・評価・レビュー

本作は、遠回りをしながらも繋がっていく、仲良くも何かが欠けた夫婦を描いた、江國香織原作の、少し切ないラブストーリー作品。
この夫婦は、夫婦間に空いた穴を互いに不倫相手に求めながら、本当に大切なのはお互いの関係だと気付いているのだと思う。
2人でいるにもかかわらず感じる孤独、必要な嘘、絶望や希望が淡々とした日常の中のスパイスのように散りばめられていて、終始一貫した静かで透明感のある雰囲気が好みだった。(女性 20代)


夫婦ってこういうことの連続なのかなと感じる物凄く切なくて、でも暖かい作品でした。
仲が良くてお互いのことがずっと変わらず大好きな夫婦はもちろんいると思います。しかし、長く連れ添ううちに気持ちが少しずつすれ違い、変わっていく夫婦も少なくないはず。だから過ちを犯してしまうのでしょうが、結局戻ってくるのは夫のところで、妻のところなのかなと感じました。
許す許さないよりも、夫婦ってこういう事なのかなと「なんとなく」感じさせてくれる作品でした。(女性 30代)

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