映画『少林寺三十六房』の概要:1978年製作の香港映画(原題:少林三十六房)。少林寺を舞台にした1978年の映画で、カンフー映画の初期の名作といっても過言ではない作品。
映画『少林寺三十六房』 作品情報
- 製作年:1977年
- 上映時間:117分
- ジャンル:アクション
- 監督:リュー・チャーリァン
- キャスト:リュー・チャーフィ、ホワン・ユー、ロー・リエ、ユエン・シャオティエン etc
映画『少林寺三十六房』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
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映画『少林寺三十六房』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『少林寺三十六房』のあらすじを紹介します。
広東が舞台。
明が滅び清の圧政は酷くなるばかり。
そんな時、明をもう一度復興させようとしている漢民族の義士たちは少林寺が手を貸すことを待っていた。
学生であった劉もまた、その反清活動に参加するもその運動のせいで家族を殺され、友人も亡くす。
命からがら少林寺にたどり着き、門を叩いた。
少林寺で修行をすることを許された劉は、異例にもまた出家することが許された。
そして少林寺で三十五房の修行をしはじめる。
それぞれの房には師範がおり、彼らに認められると次に進める仕組みだ。
平衡感覚から目や頭の動きを学ぶ基礎訓練から、実践で使える技までさまざまだった。
出家し三徳という名の坊主になった彼は5年という速さで三十五房クリアする。
しかし目的が復讐であることと、彼の修行期間があまりに短いため院総長は自分と戦えと申し出る。
最初は全く勝利が見えなかった三徳も、新兵器のおかげで無事に倒す。
三徳は部外者でも修行ができるように少林寺三十六房を作らないかと打診するもこれを却下。
しかし下山を許された彼は托鉢途中で仲間を集め、復讐を心に誓ったのだった。
映画『少林寺三十六房』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『少林寺三十六房』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
これぞカンフー映画の傑作
由緒正しいカンフー映画を見たいなら絶対これ。
あの鬼才タランティーノ監督がカンフー映画のトップ3に入ると断言した名作。
ブルース・リーもジャッキー・チェンももちろんカンフー映画にはかわりないが、どちらかというと本人たちの好みが混ざったオリジナル感が強い。
しかし本作品はいかにもなカンフー映画であり、鑑賞者が期待するような昔ながらの映像が作り上げられている。
特にカンフーと言えばやはり少林寺拳法。
少林寺のことがよくわかるストーリーがカンフー映画の初心者にも見やすいのが嬉しい。
またカンフー映画にお約束の修行のシーン。
少し練習しただけで奇跡的な強さになったり、スペシャリストになるような映画は珍しくないがこの映画は違う。
これだけ練習しないと何事も習得できないことを痛感させてくれるのだ。
何となくラストのボスに向かっていくことが多い作品も多い中、最後もきっちり楽しませて終わりになるあたりもさすがである。
頭から最後まで見ごたえ有りで、見る価値ありの傑作であることは間違いないであろう。
人間味が描かれている
他のカンフー映画の原点になったのではないだろうか。
本作品は主人公の綺麗な心を描いているだけではなく、最初のシーンでは鍛錬房でズルをする人間味溢れる姿も描いている。
これで鑑賞者は一気にこのキャラクターが自分に近づく。
のちにスーパーヒーローとなっていくこの主人公が、実は紛れもない人間であるということをきちんと教えてくれているからだ。
これはかなり上手な戦法である。
これがなかったら現実味が無く、全くもって感情移入ができない。
昔リアルタイムで見た人たちはそんなこともないかもしれないが、現在見るなら絶対にこっちのほうが好まれる。
これぞカンフー映画と言うべき作品で、私がイメージしていたカンフーの世界がこの作品に詰まっていました。修行に励む彼らの容姿や、きつく厳しい訓練の風景など何もかもが想像していたそれで感動してしまいます。
とても真面目な作品なので、カンフー映画が苦手な方は飽きてしまうかもしれませんが、技を習得することは決して容易なことでは無いと感じられるのでその凄さを改めて思い知らされました。
こんな特訓が本当に技に繋がるの…?と思っていたら、しっかりと技が身についていた瞬間は思わずおぉ!と声が出てしまいました。(女性 30代)
映画『少林寺三十六房』 まとめ
カンフー映画はかなり限られている。
現在も活躍している俳優たちの映画は彼らのキャラがたつような作りが多く、ザ・カンフー映画という感じでもない。
特にジャッキー映画に関しては言うまでもなく世界的な規模になってしまったため、スケールの大きさもハリウッドである。
一大エンターテインメントを追求し始めた香港俳優が増えてきている中、この時代には素朴で純粋な昔ながらのカンフー映画もたくさんある。
その中でも本作品は群を抜いて素晴らしい。
実在した人物であるというからそれもびっくりだ。
この時代にこんなに中身にこだわり、人物像にこだわり、カンフーを見せる映画は極めて珍しいのではなかろうか。
オススメの作品である。
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