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映画『修羅の華』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『修羅の華』の概要:犯罪組織を財界のトップにまで伸し上げた秘書と彼女に長い間、思いを寄せるフィクサー。そして、秘書を支え続けた社長が犯罪から手を洗うと宣言したことで、これまでの関係が崩れ始める。組織の抗争が勃発し、激しさを極めていくノワール映画。

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映画『修羅の華』の作品情報

修羅の華

製作年:2017年
上映時間:91分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:イ・アンギュ
キャスト:キム・ヘス、イ・ソンギュン、イ・ヒジュン、チェ・ムソン etc

映画『修羅の華』の登場人物(キャスト)

ナ・ヒョンジョン(キム・ヘス)
ジェチョルの秘書。かつてはやり手の娼婦で非常に賢い。ジェチョルの復讐を代わりに行ったことで刑務所へ入り出産。息子をジェチョルの養子にする。意思が強く、愛情深い。
イム・サンフン(イ・ソンギュン)
会社のフィクサーであり、裏の仕事を一手に引き受けている。左わき腹に大きな傷跡があり、美王という刺青をしている。ヒョンジョンに長い間、思いを寄せ彼女のために悪事に手を染めている。
チェ・デシク(イ・ヒジュン)
検事。長年、ジェチョルグループの闇を調査しており、罠に嵌って失態を動画に撮られる。動画を取り戻しつつ、グループの崩壊を目指す。口八丁の悪徳検事。
キム・ジェチョル(チェ・ムソン)
ジェチョルグループ会長。20年前にある組織の画策により妻子を殺されるが、ヒョンジョンによって復讐がなされる。恩を感じ彼女の息子を養子に迎え、ヒョンジョンを秘書に迎え入れる。彼女をずっと支え続け、組織のトップとして立ち続ける。
キム・ジュファン(キム・ミンソク)
ヒョンジョンの息子でありながら、ヒョンジョンのことを秘書で父ジェチョルの愛人だと思っている。20歳の御曹司。世間知らずで子供っぽい面がある。

映画『修羅の華』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『修羅の華』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『修羅の華』のあらすじ【起】

大企業ジェチョルグループの社長、キム・ジェチョルを筆頭に秘書のナ・ヒョンジョンとフィクサーのイム・サンフンは20年の歳月をかけ会社を大きくした。表向きは大企業であるものの、会社組織は主に犯罪と麻薬を生業にして多くの収入を得ている。裏の仕事はヒョンジョンとサンフンが一手に担い、交渉役は主に社長ジェチョルの仕事だった。

ところが、ここにきてジェチョルが今後は犯罪と麻薬から手を引き、クリーンな企業を目指すと宣言。反応は様々であったが、特にサンフンの戸惑いと憤りは傍目にもすぐに分かるものだった。

ジェチョルグループの闇を調査していた検事のチェ・デシクは、ジェチョルとヒョンジョンの過去、サンフンの過去まで調べ上げている。ヒョンジョンもサンフンも彼のことは厄介だと感じており、深く踏み込まないよう脅迫もしたが、デシクは鳴りを潜めつつも調査を続行していた。

そこで、デシクはサンフンに話を持ち寄り、ヒョンジョンとジェチョルの過去を明かす。今から20年前、会社社長であったジェチョルの妻と子供が殺された。その犯人を始末したのが、当時娼婦であったヒョンジョンだと言う。ところが、彼女は犯行当時、妊娠中で子供を無事に産むため、刑務所へ入ろうと考えたと思われる。

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映画『修羅の華』のあらすじ【承】

その縁から、ジェチョルはヒョンジョンが産んだ男の子を自分の子供として引き取り、ヒョンジョンを秘書として雇ったのである。そして、刑務所から出所したサンフンをフィクサーとして雇ったのだ。サンフンはそのことを全く知らず、愕然とする。なぜなら彼は、娼婦であった頃からヒョンジョンへとひたむきに恋焦がれていたからだ。

更にジェチョルの息子ジュファンが20歳を迎えたことで、いずれは会社を息子に継がせようとしている。故に、ジェチョルは犯罪から手を洗おうとしているのだろう。10年以上の付き合いになるヒョンジョンのことを知らなかったサンフンは、腹を立てて直接、彼女の元へと赴いた。だが、ヒョンジョンは何も語らず、むしろ彼に足を洗って引退しようと促すのだった。

会社は今、犯罪から手を洗うための工程へと移っている。故に、麻薬取引からも手を洗うため、一計を案じたヒョンジョンだったが、交渉は決裂。相手組織はジェチョルの妻子を殺害し、ヒョンジョンが復讐した相手だった。互いに恨みを抱いているが、ビジネス面では争うわけにいかない。サンフンはその点に目をつけ、グループを乗っ取る作戦を立て、デシクと共に手回しを始めた。

ヒョンジョンが娼婦を働かせるラテットという会社がある。ジェチョルグループの一つであるが、そこにデシクが乗り込んで来たという知らせが入った。ヒョンジョンは留学から帰って来たジュファンにいざとなったら逃げるようルートを提示し、ジェチョルにも危険を知らせた。

映画『修羅の華』のあらすじ【転】

ところが、社長は運転手に襲われ拉致されてしまい、ヒョンジョンも捕まり拷問にかけられそうになる。そこへ、サンフンが現れ2人を捕縛。ジェチョルは遺体を始末する農場へ送られ、サンフンと対決を強要される。だが、ジェチョルは戦う意思を見せず、サンフンの方向性を間違っていると指摘。ヒョンジョンの心を得たいのであれば、大切なものを守ってやればいい。そう告げられたサンフンは、嫉妬の炎で憤ったまま銃を発砲するのであった。

その頃、サンフンの部下に拘束されていたヒョンジョンは、可愛がっていた娼婦によって拘束から逃れ、手下どもと戦っていた。しかしその乱闘中、可愛がっていた娼婦が刺され命を落としてしまう。

デシクはヒョンジョンとサンソンに嵌められ、撮影された監視カメラ映像の動画を探している。それは、麻薬と女で盛っているというもので、世間に公表されれば大失態である。更にこの機に乗じてジェチョルグループの闇を暴こうとしていた。

酷い怪我を負いながらも、隠れ家へと逃れたヒョンジョン。サンソンの裏切りと子飼いの娼婦を亡くし、恐らくはジェチョルも殺されたであろうことが予想され、茫然自失となっていた。唯一、残ったものと言えば腹を痛めて産んだ息子ジュファンである。彼だけは守らなければと心を固めるのだった。

脳出血で亡くなったとされるジェチョルの葬式が行われたが、ジュファンは父の死は脳出血ではないと感じていた。そこで、サンフンとデシクは彼にヒョンジョンが会社を乗っ取る気だと吹き込んだ。セーフハウスへ逃げろと言った彼女が本当に父を殺したのか、逡巡するジュファン。

映画『修羅の華』の結末・ラスト(ネタバレ)

深夜、人気のなくなった植物園にて息子と会ったヒョンジョンだったが、ジュファンはデシクの言葉に騙され父を殺したのが彼女だと思い込んでいる。仕方ないので彼女は息子に秘密を全て明かした。すると、そこへデシクが現れヒョンジョンを追い詰める。仮にも母親だと名乗った彼女が痛めつけられる様を目にしたジュファンは、思わずデシクを背後から襲ってしまう。

そこへ、サンフンが現れ逃げ出した息子を保護し、デシクを痛めつけヒョンジョンに1日の猶予を与え、去って行く。
夜が明け、ヒョンジョンの画策によりデシクの失態が明かされる。同じ頃、デシクを拘束したヒョンジョンは彼を殺害し、サンフンへと連絡を入れた。

ショットガンを手にサンフンの根城へと単身で乗り込んだヒョンジョン。何度も刺され銃で撃たれながらも大勢の手下を全滅させ、奴の元へ向かう。彼女の目的は息子を救う。ただそれだけである。ところが、サンフンはヒョンジョンだけが欲しいと言う。彼女は息子と自分を見逃して欲しいと願った。だが、彼は長い片思いを一息に終わらせたいと言う。

サンフンが銃を手に取ろうとしたため、ヒョンジュンは彼を撃った。倒れたサンフンはただ、愛した女と共に歩む道を望んでいた。だが、ヒョンジョンは息子と共に穏やかな生活を送りたかったのだ。サンフンは息子の居場所をヒョンジョンに知らせ、自ら銃口を頭に当て引き金を引いた。

無事に保護したジュファンと共に街を出る。息子はヒョンジョンが母だと知っても、彼女のことを母親とは呼んでくれなかったが、共に生活を送るようになれば呼び方など次第に定まるだろう。ヒョンジョンは空港へ向かう車中、ハンドル握りながら微かな笑みを浮かべるのだった。

映画『修羅の華』の感想・評価・レビュー

犯罪を生業としながらも、表向きは大企業となった会社。社長と秘書とフィクサーの関係が拗れるという内容。簡単に言えば会社の内輪もめというやつだが、犯罪を生業としているだけに、かなりバイオレンス。更にそこに10年以上も片思いをして煮詰まった恋情も絡まってくるのだから、始末に負えない。

一途に秘書を思い彼女のために手を赤く染めるフィクサーの思いが切ない。それに加え、社長に自分の息子を養子に出し、母親と名乗ることもできず息子のために会社を大きくしようとする秘書も切ない。すれ違い寄り添いながらも、決して結ばれないという悲惨な結果と、母強しという印象が残った。(MIHOシネマ編集部)


かなりドロドロした展開で、これぞ韓国映画と興奮して鑑賞してしまいました。会社内での内輪揉めと言ってしまえばそれまでですが、社長・秘書・フィクサー・息子それぞれが複雑に関わり合い、内に秘めた想いも交錯してくるので見ていてかなり疲れます。それぞれが誰かを想って犯罪に手を染めたり、裏での仕事をしたりするのでとにかく切ないです。
結局最後まで結ばれることは無く、ヒョンジョンだけが思い描いた生活を手に入れように見えましたが、今までしてきたことを考えると幸せとは程遠いような気がしました。(女性 30代)

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