映画『塔の上のラプンツェル』の概要:グリム童話の『ラプンツェル』を題材にした、2010年公開のディズニー長編アニメーション。長い髪に傷を癒す魔力を秘め、塔の上に閉じ込められたプリンセス・ラプンツェルの冒険を描く。
映画『塔の上のラプンツェル』の作品情報
上映時間:101分
ジャンル:ファンタジー、ミュージカル、アニメ
監督:ネイサン・グレノ、バイロン・ハワード
キャスト:マンディ・ムーア、ザカリー・リーヴァイ、ドナ・マーフィ、ブラッド・ギャレット etc
映画『塔の上のラプンツェル』の登場人物(キャスト)
- ラプンツェル(18歳:マンディ・ムーア / 幼少時:デラニー・ローズ・ステイン)
- 森の高い塔から出たことのない18歳の少女。金色のとても長い髪には、歌うと傷や病気を癒すという魔法の力が秘められているが、その力は髪を切ると失われてしまう。王国の姫だったが、生まれてすぐに魔女ゴーテルによってさらわれた。自分の誕生日に飛ばされる灯りを外で見るのが夢。
- フリン・ライダー / ユージーン・フィッツハーバート(ザッカリー・リーヴァイ)
- 王宮から冠を盗んだ大泥棒。通り名はフリン・ライダーだが本名はユージーン・フィッツハーバート。親がおらず貧しかった過去から、金持ちになることを夢見て泥棒となった。ナルシストで宝のためなら仲間を裏切ることも厭わない性格だったが、ラプンツェルの脱走を手助けするうちに彼女に恋をし、自分の人生を考え直すようになる。
- ゴーテル(ドナ・マーフィー)
- ラプンツェルを誘拐した魔女。怪我や病気を治す金色の花で何百年も若さを保ってきたが花を奪われ、その力を宿したラプンツェルを花の代わりとしている。ラプンツェルには自分が母親だと思わせており、王に見つからぬよう高い塔に閉じ込めている。
- マキシマス
- 王国の警護隊長の乗馬。仕事熱心で頭が良く、冠を盗んだフリンを執拗に追い続ける。ラプンツェルに手懐けられてフリンとの停戦協定を結んでからは、フリンを牢獄から助け出す活躍を見せる。
- スタビントン兄弟(ロン・パールマン)
- フリンと共に冠を盗んだ兄弟。逃げる途中で自分たちを裏切ったフリンを恨んでいる。冠奪還とフリンへの復讐のためゴーテルと手を組むが、ゴーテルに騙され捕まってしまう。
- パスカル
- 小さなカメレオン。塔の中にいるラプンツェルの唯一の友達。
映画『塔の上のラプンツェル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『塔の上のラプンツェル』のあらすじ【起】
昔々、太陽の雫が地面に落ち、そこから一輪の黄金の花が咲いた。花は歌に反応して傷や病気を治す魔力を持っていた。数世紀後、その土地には王国が誕生した。王国の妃が懐妊したが、重い病気にかかってしまう。妃の病気を治すため、国中が伝説の黄金の花を探した。魔女ゴーテルは、その黄金の花を人目から隠し、花の力で何百年も若さを保ってきていた。しかし国の衛兵が花を見つけ、持ち去ってしまった。花の力で妃の病気は癒され、黄金に輝く髪を持った姫・ラプンツェルが生まれた。しかしすぐに、ゴーテルが城に忍び込んだ。ゴーテルはラプンツェルの髪が花と同じ魔力を持っていることに気付くが、髪は切ると魔力を失ってしまった。ゴーテルはラプンツェルをさらって高い塔に閉じ込め、自分の子として育てた。王と妃はひどく悲しみ、毎年姫の誕生日になると、国中が姫の帰還を願って灯りを飛ばすのだった。塔から出られないラプンツェルは、窓からその灯りを見て憧れの念を抱くのだった。
時が経ち、ラプンツェルは成長し、明日が18歳の誕生日だ。友達はカメレオンのパスカルだけで、ずっと塔の中で過ごしながら、外の世界への憧れを強めていた。彼女は毎年自分の誕生日に現れる灯りの群れの正体を知りたがっていた。ゴーテルはラプンツェルのとても長い髪を梯子代わりにして、毎日塔を訪れていた。ラプンツェルは灯りを見に外へ行きたいとゴーテルに頼むが、まだ子供でか弱い子を恐ろしい外の世界から守らねばならないとはぐらかされてしまう。
同じ頃城では、泥棒のフリン・ライダーとスタビントン兄弟が、姫のための冠を盗み出していた。衛兵に追われたフリンはスタビントン兄弟を裏切り、冠を持って1人森の奥へ逃げた。しかし衛兵の乗馬マキシマスの執拗な追跡に遭い、谷の下へ落ちてしまう。そこで見つけたのは、ラプンツェルの暮らす塔だった。
映画『塔の上のラプンツェル』のあらすじ【承】
フリンをフライパンで倒したラプンツェルは、自分がもう子供ではないことを証明できると喜ぶ。しかし塔を訪れたゴーテルは外の話を蒸し返そうとする彼女に怒り、一生外に出す気が無いことを知られてしまった。ラプンツェルはショックを隠し、誕生日プレゼントとして遠い土地の貝を使った絵具を頼む。ゴーテルは3日で絵具を持って戻ってくると言い残し、塔を出発した。
ラプンツェルはフリンを戸棚から引っ張り出し、誕生日の灯りを見に連れて行ってくれたら冠を返すと要求した。フリンは仕方なくその要求を呑み、ガイドを務めることとなった。ラプンツェルは、初めて触れる外の世界への興奮と、同時に母親を裏切ってしまう事への罪悪感に苛まれていた。王国から追われる身であるフリンは、ラプンツェルの計画を諦めさせようと悪党の集まる食堂へ連れて行く。
まだフリンを追っていたマキシマスは、ゴーテルと鉢合わせした。マキシマスが王宮の馬だと気付いたゴーテルは、ラプンツェルが見つかったのではと心配し急ぎ塔へ戻る。しかし塔はもぬけの殻。ゴーテルは階段の床板から冠とフリンの手配書が入った鞄を見つけ出し、短剣を手に後を追う。
フリンは食堂の悪党達を使ってラプンツェルを怖がらせようとするが、自分が賞金首だとばれて捕まえられてしまう ラプンツェルはフリンを助けるため悪党達を説得し、本当の夢を思い出させる。そこへ知らせを受け、食堂に衛兵と捕えられたスタビントン兄弟がやってきた。フリンとラプンツェルは悪党達に隠し通路から逃がしてもらうが、マキシマスが匂いで隠し通路を見つけてしまった。衛兵達は2人を追い、手枷から抜け出したスタビントン兄弟も後を追ってきた。
ラプンツェルとフリンは辛くも追手を逃れたが、ダムの水が決壊しすべてが水に呑まれてしまった。2人は竪穴に逃げ込むが、そこもだんだんと水量が増えてくる。ラプンツェルは歌で自分の髪を光らせ、竪穴から脱出した。
隠し通路の出口で待ち伏せるゴーテルの前に、スタビントン兄弟が現れた。彼女は兄弟に冠を渡し、フリンへの復讐をさせるという条件で協力させることにする。
映画『塔の上のラプンツェル』のあらすじ【転】
ラプンツェルは自分の髪に傷を癒す力があることを打ち明ける。フリンも自分の過去を打ち明けた。2人は惹かれあい始めていた。フリンが席を外した隙にゴーテルが現れる。フリンとのロマンスを信じるラプンツェルに対しゴーテルは、彼が求めているのはラプンツェルの愛ではなく冠、これを手に入れたら彼は消えるだろうと言い放った。ゴーテルはラプンツェルの心に一筋の疑いを残し、冠を渡して立ち去った。
翌朝、マキシマスがラプンツェルとフリンを見つけ出した。ラプンツェルはマキシマスを手なずけ、今日1日だけフリンと停戦協定を結んでくれるよう頼んだ。2人はパスカルとマキシマスを連れ、城下町に辿り着く。引きずるほどの長い髪を編んでもらい、2人は夜までの間城下町を散策する。そこでラプンツェルは、王国のお姫様が行方不明だと知った。
夜になり、フリンはラプンツェルをボートに乗せ、灯りのよく見える海へ漕ぎ出した。その頃城には、娘と再会できずに18度目の誕生日を迎えた王と妃がいた。国中が姫の帰りを願って灯りを空へ飛ばす。ラプンツェルはその幻想的な光景に目を奪われた。ラプンツェルは冠を返そうと差し出したが、フリンは冠よりもラプンツェルを大切に思っている自分に気が付く。2人は手を取り合うが、フリンの視線の先に、スタビントン兄弟が映りこむ。フリンは冠を渡して片を付けるため、ラプンツェルを残しスタビントン兄弟の元へ向かう。
フリンは冠を渡そうとするが、スタビントン兄弟はラプンツェルを狙っていた。1人松ラプンツェルの元にスタビントン兄弟が現れ、フリンは冠を持って船で逃げたと言い放つ。兄弟に捕まえられそうになった彼女を救ったのは、ゴーテルだった。ラプンツェルはフリンを信じたことを後悔し、塔へと戻る。しかしフリンは彼女を裏切ったのではなかった。気を失い船にくくりつけられていたのだ。フリンは衛兵に捕まり、死刑を宣告される。
映画『塔の上のラプンツェル』の結末・ラスト(ネタバレ)
落ち込むラプンツェルの手には、王家の紋章が描かれた旗1枚。ふとラプンツェルは、自分が塔に描いた絵の中に王家の紋章がいくつも隠れている事に気が付いた。自分こそが王国の失われた姫だったのだ。母だと思っていたゴーテルが、自分をさらって利用していたのだと気付いたラプンツェルは、ゴーテルに反旗を翻す。
死刑台へと向かうフリンの元には、食堂で出会った悪党達が駆けつけた。マキシマスが彼らを呼んできてくれたのだ。フリンは彼らに助けられ、マキシマスと共にラプンツェルの元へ走る。フリンの呼びかけに、塔からラプンツェルの髪が降ろされた。しかし塔に上ったフリンが見たのは、鎖に縛られたラプンツェルの姿だった。隠れていたゴーテルが、フリンを短剣で突き刺す。瀕死の重傷を負った彼を見て、ラプンツェルは一生ゴーテルに従う代わりに傷の手当てをさせてくれるよう頼んだ。
ラプンツェルはフリンの傷を癒そうと彼の上にかがみこんだ。しかしフリンは、ラプンツェルを救おうと、自分の命を犠牲にしてラプンツェルの髪を切り取った。彼女の髪は色が変わり魔力を失った。魔法が解け若さを失った魔女ゴーテルは、ラプンツェルの切られた髪に足を取られ、塔から落ちて消滅した。髪の魔力を失ったラプンツェルに、フリンの傷をいやすことはできない。死にゆくフリンを前に、ラプンツェルは涙を流す。その涙がフリンの頬に落ちた途端、彼女の涙が傷を癒した。魔力は彼女の中にも宿っていたのだ。フリンは息を吹き返し、2人は口づけを交わした。
王と妃の元にラプンツェルが戻り、王国は歓喜に包まれた。フリンは盗みをやめ、2人は結婚し幸せに暮らしたのだった。
映画『塔の上のラプンツェル』の感想・評価・レビュー
ただ映像が美しいだけ、キャラクターが魅力的なだけではなく、はっきりとしたテーマが作品全体を通して一貫している映画だった。ディズニー映画ならではの世界観も楽しめて、個人的には納得の作品だった。
この映画のテーマは自立である。自分の道は自分で切り開かねばならない、待っているだけでは何も生まれず行動を起こさなければならない、という自立である。意外と大人になってから観ると、親から離れて自立しているのが当たり前になっているため、このメッセージがあまり響かないこともある。しかしこの映画はもう一度自分を見つめ直すきっかけを与えてくれる映画だと思う。(男性 20代)
塔を抜け出したラプンツェルが「自由」と「私は悪い子」と葛藤しているところが、面白かったのですが、相反する気持ちがわかるような気もしました。
荒くれ者たちの食堂のシーンでは、心底悪人はいないと思いましたが、最後で「犯罪者が王になれるの?」と思った自分の中の矛盾。
18年間育ててくれた親が実は自分を誘拐して利用していたと知って、反感を抱いても完全に決別できるものだろうか?という疑問も残りましたが、好きな作品です。(女性 40代)
幼い頃に両親から離され、魔女を親と信じ込んでいたラプンツェルが再び、両親の元へ帰る物語。
ラプンツェルは塔の中で生活していた為、まったく世の中を知らずに育っていた。
そんなラプンツェルが塔の外へ出て、自らの意志で偽とはいえ母親でもあるゴーテルに反旗を翻す所は、娘の一人立ちを見ているようで不思議な気持ちとなる。
ゴーテルもラプンツェルにとっては母親であり、自らの為とはいえ、共に暮らしてきたラプンツェルに対し、多少なりとも愛情は持っていたのではないだろうかとも考えてしまう。
最終的には、両親の元に戻り、幸せに暮らすというこれぞディズニー映画たるべき、終わり方となっている。(男性 30代)
ラプンツェルの偽母親・ゴーテルは、映画内で冷酷な魔女として描かれています。ラプンツェルは18歳まで彼女に育てられました。18歳まで子供を育てることは大変なことで、愛情がないと無理なのでは?と考えてしまいます。ここで、ゴーテルが実はラプンツェルを愛していた説が挙がります。個人的な意見ですが、ゴーテルがラプンツェルに対して、愛情をこれっぽっちも抱いていなかったことはないと思います。つまり、ゴーテルなりの愛情で娘を愛していたのではないでしょうか?あくまで、個人的な視点ですが、ゴーテルとラプンツェルの別れには少し切なさを覚えます。(女性 20代)
一人の女の子が、外の世界を知り、自由を知る物語。親が子供に与える先入観、その影響力の恐ろしさを教えられる。殻を破るきっかけをくれたのが王子様ではなく、泥棒だったのも、現代の風潮にあっていて良い設定だったと思う。
また、本作は映像美も素晴らしい。ボートに乗る二人の頭上に数多の灯りが飛んでいる風景は、本作を代表するシーンだと思うが、映画ながら絶景だ。とてもロマンチックで、女の子なら誰でも憧れるシーンだと思う。(女性 20代)
塔の上に幽閉されていたラプンツェルが自立していく姿を描いた作品。ディズニー映画らしい勧善懲悪のストーリーは清々しさがあった。それと同時に、老いて塔の上から落ちるゴーテルに哀れみを感じもした。
親離れ、自立が大きなテーマのようで、ゴーテルに囲われていた狭い世界から飛び出したときのラプンツェルは生き生きとしていて観ていてこちらまで楽しくなる。有名なランタンが空へ飛んでいくシーンは非常に美しく、圧倒される。
作品の関連で「ラプンツェル ザ・シリーズ」もあるが、そちらのストーリーもおもしろいので是非合わせて観てほしいと思う。(女性 20代)
ラプンツェルが悪党に捕らえられたフリンを助けようと、悪党たちを説得するシーンが大好きだ。
ラプンツェルにより、悪党たちは心の底で眠っている自分の本当の夢を思い出すことができ、それぞれが純粋な気持ちになる。髪の毛で癒す力を持つラプンツェルだが、彼女自身に人の心を動かせる力があるのだと思った。
フリンが夜にラプンツェルをボートに乗せ漕ぐシーンは幻想的な映像がとても美しく、二人が恋に落ちていく様子が微笑ましい。ディズニー映画のなかでも大人が楽しめる作品の一つだ。(女性 40代)
ディズニー史上最強の頭皮を持つヒロイン。長い髪をロープ代わりに、建物を降りたり登ったりする。すごくどうでもいいのだが、普段頭皮を大切にしている層としてはあそこまで乱雑に扱われると胸が痛む。
物語は、毒親の元で育てられたヒロインが解放されるのが本筋で、逃げ出したものの葛藤する場面は「楽しい場面で素直に楽しめない」毒親被害者にとっての、あるあるだ。毒親も「世間は恐ろしいところ、お前なんか生きていけない」という洗脳を繰り返すところはリアリティあふれる。そんな束縛を経験した、今は大人になった人たちが強烈に共感できる練りこまれた脚本に脱帽する。(男性 30代)
常に明るく元気なラプンツェルがとても可愛い。本来なら、あれだけ長い髪だと鬱陶しくてしょうがないと思う。でも、ラプンツェルが紐のように自由に髪の毛を操る姿はとても軽やかで、見ていて羨ましさすら感じた。ラプンツェルとフリンが結ばれたことは純粋に良かったと思うが、大人だからなのかゴーテルの最期は切ないなと思った。ゴーテルはラプンツェルのことを本当はどのように思っていたのか、彼女視点の物語も見てみたくなった。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
とても素敵な作品でした。ラプンツェルを利用していた母親(魔女)から離れ外の世界に出て、自分の運命を切り開こうとするラプンツェルの成長の物語です。初めて外に出た時、嬉しい気持ちと母親への後ろめたさで葛藤しているシーンは印象的で面白かったです。現実世界に置き換えると、毒親から自立しようとする娘の図に見えました。作品を通してのメッセージや教訓が分かり易く描かれ、子供だけではなく大人まで楽しめる作品となっていました。そしてランタンが空に浮かぶ船のシーンは美しくて、本当にロマンティックで大好きなシーンです。ラストはもちろんハッピーエンドで大満足でした。
夢を持ち続けることは自分だけでなく周りの人をも変えていくし、夢を叶えるには周りの支えが必要なんだと思った。表情のコロコロ変わるラプンツェルがまさにディズニープリンセスという雰囲気でとても可愛かったし、ちょっと悪っぽさのあるフリンはそのルックス含め女性から見てとても惹かれる部分があり、他の登場人物もみんな魅力的なのもディズニーらしくてよかった。映像も綺麗で、特にたくさんのランタンが空に広がっていくシーンは圧巻なので、ぜひ大きな画面で見てほしい。
主人公のラプンツェルには女の子が憧れる要素がたくさんあり、すごく好きな作品です。ラプンツェルが持っていた能力はすごく羨ましかったです。ユージーンが見せてくれた世界の素晴らしさは、ラプンツェルにとって輝かしく、忘れられない瞬間だっただろうなというすごく感動しただろうに、それはこちら側にも伝わってきます。最終的に伝えられる、「自分の人生を変えるのは自分の手だけだ」といったようなメッセージ性がまたグッと作品を好きにさせてくれました。
自分が誰なのかも知らず、塔の上で一人育てられていたラプンツェル。勇気を出して外に出ると、知らないことだらけでワクワクと不安がいっぱいの彼女のコロコロ変わる表情を見ているのはとてもおもしろく、目が離せなくなる。
育ての親が実は誘拐犯だったと知り、様々な冒険をくぐり抜けながら、本当の家族の元にたどり着く。ロマンスももちろん見逃せない。見ていて飽きることのない、笑いが絶えないとても楽しい作品であることは間違いないだろう。
誰にも見つからず、塔で魔女を母親と信じて暮らしてきたラプンツェル。外に一度も出たことがなく、窓から見える外の世界にずっと憧れてきました。毎年自分の誕生日にだけ夜空に浮かぶ無数の光の謎を知るため、18歳の誕生日に外の世界へ冒険に出ます。
誕生日にユージーンと共に湖に浮かぶ光を見るシーンがあるのですが、湖に光が反射して幻想的ですごく綺麗です。同時に2人が歌う『輝く未来』が映像にマッチしています。素直で夢に向かってまっすぐ進むラプンツェルな姿が周りの人を動かしていき、観ている私たちの心も動かすような素敵な作品でした。
この作品は、子の親離れがテーマの作品です。ラプンツェルはゴーモンに党の外へ出ることを許されず、迷い込んできた男と共に外の世界へ踏み出します。あからさまな親離れのモチーフですね。冒険の中で他人との付き合い、世界の素晴らしさを学び、ゴーモンから逃れ元の地位である王女として城で暮らすようになる。彼女に世界のすばらしさを教えたユージーンは婿として迎えられる……。これが今のディズニーが理想とする女の子像ですね。塔にやってくるのは王子様ではなく大泥棒。彼女は自ら外の世界へ足を踏み入れる。受け身ではダメだ、強くなくてはいけない。人生は自らの手で切り分けなければいけないんだというメッセージが高く評価され、世界中で大ヒットしました。