映画『タロットカード殺人事件』の概要:有能な記者であるジョー・ストロンベルが亡くなった。幽霊になったジョーは、死神と共に船に乗っていた。そこで、実業家のピーターの個人秘書に出会う。秘書はピーターが連続殺人事件の犯人ではないかという疑いを持っていた。
映画『タロットカード殺人事件』の作品情報
上映時間:95分
ジャンル:コメディ、サスペンス
監督:ウディ・アレン
キャスト:スカーレット・ヨハンソン、ヒュー・ジャックマン、ウディ・アレン、イアン・マクシェーン etc
映画『タロットカード殺人事件』の登場人物(キャスト)
- サンドラ・プランスキー(スカーレット・ヨハンソン)
- ジャーナリズム専攻の学生。映画監督を取材しようとして、ロンドンを訪れる。
- ピーター・ライモン(ヒュー・ジャックマン)
- 有能な実業家で、イケメンのセレブ。政界に進出しようとしている。
- シドニー・ウォーターマン(ウディ・アレン)
- マジシャン。結婚していたが、妻に捨てられる。サンドラに無理矢理相棒にされ、タロットカード殺人事件について調査を行うことになる。
- ジョー・ストロンベル(イアン・マクシェーン)
- 血栓で死亡する。誰もが認める優れた記者。タロットカード殺人事件の犯人がピーターかも知れないという情報を受け、死神の目を掻い潜ってサンドラに調査を頼む。
映画『タロットカード殺人事件』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『タロットカード殺人事件』のあらすじ【起】
ジョー・ストロンベルが亡くなり葬儀が行われた。彼は有能な記者であり、言論界の大物であった。大企業に妨害されたり酷い脅迫を受けたりしても、ネタがある限り追いかけスクープをモノにしていた。
幽霊のジョーは、死神と共に船に乗っていた。そこで、ライモン卿の息子・ピーターの個人秘書をしていたジェーンと出会う。ジェーンはある疑惑を確かめる矢先に死んだため、誰かに毒殺された恐れがあった。その疑惑とは、ピーターがタロットカード連続殺人事件の真犯人ではないかということだった。ジェーンは現場に残された遺留品(カフスボタン)の存在を知り、ピーターに疑いを持った。そのカフスボタンはアールデコのレア物で、ピーターも同じ物を所有していた。しかも、ピーターは片方を無くしていた。
ジャーナリズム専攻の学生サンドラ・プランスキーは、映画監督を取材するためロンドンを訪れた。しかし、酒を飲んでしまい、失敗に終わる。友人のヴィヴィアンはサンドラを励まし、弟と見に行く予定だったマジックショーに誘った。
サンドラはマジックショーの協力者として、舞台に立つことになった。箱の中に入ると突然男が現れ、タロットカード連続殺人事件の真犯人がピーターだと言って消えた。その男はジョーだった。サンドラは訳が分からず困惑した。
サンドラはインターネットでタロットカード殺人事件について調べた。10人目の被害者である娼婦のスレーンについて書かれた記事があった。その記事を書いたのはジョーで、血栓によって急死していた。サンドラはマジシャンのシドニーに会い、箱の中で亡霊と会ったことを話した。シドニーは信じなかったが、突然ジョーが現れサンドラにメモを取るよう頼んできた。ジョーはピーターが有能な実業家で、イケメンのセレブであること、黒いショートヘアの娼婦を何人も殺している殺人犯であることを話した。さらに、真相を知った秘書が毒殺されたことを話し、注意を促した。その時、死神が現れ、ジョーは消えてしまう。
映画『タロットカード殺人事件』のあらすじ【承】
サンドラは嫌がるシドニーを無理矢理相棒にし、ピーターについて探ることにした。しかし、インターネットに掲載された写真が不鮮明なせいで顔が分からず、ピーターではない人を尾行してしまう。うんざりしたシドニーは、サンドラが呼び止めるのも聞かず帰っていった。
サンドラはヴィヴィアンから、ピーターが「ガバナーズ・クラブ」で毎日泳いでいるという情報を教えてもらう。ヴィヴィアンの父の力を借りて、シドニーと共に「ガバナーズ・クラブ」に潜入する。サンドラはピーターの前で溺れ、彼に救ってもらって話すきっかけを作った。名前を尋ねられ、サンドラはジェイドという偽名を使った。そして、シドニーのことを父親だと紹介した。
サンドラはピーターに誘われ、シドニーと共にピーターの別荘を訪れた。シドニーが客達にマジックを披露している間、サンドラはピーターと話した。ピーターはサンドラに一目惚れをしており、ダンスに誘った。サンドラは快く受け入れた。実は、サンドラは素敵なピーターが殺人犯だとは思えず、ダンスに誘われたことを密かに喜んでいた。
シドニーはピーターの鞄を探り、ピーターが書いたメモ書きを盗んでいた。メモには、「ベティG」と書かれていた。サンドラは事件には関係ないことだと思い、盗みを働いたシドニーに不快感を露わにした。
映画『タロットカード殺人事件』のあらすじ【転】
タロットカード殺人事件が再び起こった。被害者のメアリー・トンプソンは黒いショートヘアで、夜9時半頃絞殺された。その時間帯、シドニーはピーターとポーカーをする約束をしていた。しかし、ピーターは約束の時間を大幅に遅れて来ていた。ピーターが犯行を行う時間は十分にあった。サンドラは私情を挟まずにピーターのことを調査することにした。
シドニーはピーターの自宅を訪れた。そこで、ピーターからキスをされる。サンドラはピーターとベッドを共にし、隙を見て部屋の中を捜索した。アルバムを発見したとき、ピーターが部屋に戻ってきた。ピーターはサンドラの行動を不審に思わず、アルバムに写っている女性が母親で浮気性だったことを教えた。ピーターの母親は黒色のショートヘアだった。一方、シドニーはマジシャンとして舞台に立っていた。そこで、箱の中からジョーが現れ、「16-21-12」を覚えるよう言われる。客達はマジックの一環だと思って笑っていた。
シドニーとサンドラは、「16-21-12」がピーターの家の部屋の暗証番号のことだと考えた。ちょうどパーティーに招待されたため、サンドラとシドニーは部屋の中を確認した。しかし、何も発見することができなかった。その夜、サンドラはピーターに誘われ、家に泊まることになった。こっそりベッドを抜け出し、部屋の中を確認した。そして、タロットカードを発見する。
映画『タロットカード殺人事件』の結末・ラスト(ネタバレ)
サンドラはピーターに惹かれていたため、彼が犯人だとは思いたくなかった。しかし、ジョーが部屋に現れ、失望させるなと忠告される。サンドラの誕生日の夜、サンドラとシドニーが一緒に夕食を食べていると、ロンドンを数日離れると言っていたピーターが通りを歩いているのが見えた。サンドラ達はピーターを尾行するが見失ってしまう。しかし、近くで女性の遺体が発見される。現場にはタロットカードが落ちていた。
サンドラは本物の記者にピーターのことを話すことにした。しかし、決定的な証拠がなかったため、記者はサンドラの話を記事にすることを否定した。しかも、バンクスという男が犯行を自白し、警察は逮捕していた。犯人しか知り得ない情報を持っており、現場に残っていたDNAも一致していた。
サンドラはピーターに全てを告白した。ピーターはサンドラを許し、2人の付き合いはこれからも続くことになった。サンドラはすっかりピーターのことを信じ切っていたが、シドニーはまだピーターのことを疑っていた。サンドラの誕生日の日に殺された女性はエリザベス・ギブソン。「ベティG」のベティは、エリザベスの短縮形の呼び名だった。シドニーはピーターがタロットカード殺人事件に便乗し、エリザベスを殺害したと思っていた。つまり、他の犯行はバンクスで、ピーターはエリザベスだけ殺したということだった。娼婦であるエリザベスがピーターを脅迫し、殺されてしまったのだ。しかし、シドニーがいくら訴えても、サンドラはピーターを信じるのを止めなかった。
実は、ピーターがエリザベスを殺害したという考えはピーターではなく、ジョーが思いついたことだった。ジョーではサンドラが聞く耳を持たないため、シドニーが思いついたように話したのだった。ジョーはシドニーに、ピーターが所有しているタロットカードが1枚紛失していないか確認しろとアドバイスした。
シドニーは家政婦に嘘を言ってピーターの家に入り、タロットカードを確認しようとした。だが、置いてあった場所にタロットカードは無く、代わりに鍵が置いてあった。シドニーはその鍵を持って家を出た。家政婦はシドニーの挙動不審な行動に違和感を抱き、ピーターに報告した。シドニーはエリザベスの家に行き、玄関のドアにピーターの家から持ってきた鍵を差し込んだ。すると、ドアが開いた。
ピーターはシドニーが事件のことを突き止めたことを悟り、湖にサンドラを沈めようとしていた。ジョーの考え通りピーターはエリザベスから脅迫されており、タロットカード殺人事件に便乗して殺害していた。サンドラはボートの上だったため、逃げることができず湖に投げ込まれてしまう。ピーターは家に戻ると、ボートが転覆したと嘘を吐いて警察を呼んだ。そこに、湖から生還したサンドラが現れる。ピーターはサンドラが泳げないと思っていたが、実はサンドラは泳ぎが得意だった。
サンドラは今回のことをジョーと連名で記事にした。ピーターは複数の娼婦を利用しており、ある娼婦の元にカフスボタンを忘れた。その娼婦はバンクスに殺されてしまう。エリザベスが殺されたのは、ピーターを脅迫したからだった。シドニーはサンドラの元に行こうと車を飛ばし、事故を起こして亡くなっていた。
映画『タロットカード殺人事件』の感想・評価・レビュー
ゆるく笑えるコメディ・ミステリー作品です。物語が進むために暗躍する亡霊の凄腕記者のおかげで、都合よい展開が無いのが好印象です。あっぱれな設定だと思います。ただラストがいまいち分からなかった。ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか曖昧でモヤモヤします。ヒュー・ジャックマンが格好良く、ウディ・アレンも愛嬌あるお爺ちゃんで非常に可愛いです。スカーレット・ヨハンソンも地味眼鏡役なのに、美しすぎます。作品の雰囲気とキャストは満足できました。(男性 20代)
タイトルの通り殺人事件のストーリーなのに、一切怖がらせることがないのが、このウディ・アレン監督の良いところだなと怖がらせる作品が好きでない鑑賞者としての率直な感想です。しかもウディ本人がせわしないおじいさんの位置で出演していて、終いには交通事故で亡くなってあの世での悠長なシーンに、その余裕さや気楽さに笑えました。他の作品では正義感に満ちた印象の多いヒュー・ジャックマンも良い感じに悪役を演じていて違う一面を見れた気がします。(女性 20代)
殺人事件なのに全く怖くなくて、ハラハラドキドキするような展開もなく、どちらかと言えばクスッと笑えてしまうような作品でウディ・アレンらしさ全開でした。
彼の作品の中でも今作は特によく分からないストーリーかなと思います。張り詰めた空気に一瞬ピリッとし期待が高まるオープニングでしたが、だんだんとぽんこつ親子のほんわかした物語になってしまい、ラストもハッピーエンドなのかバッドエンドなのか曖昧。
はっきりした答えのある作品が好きな方にはおすすめ出来ませんが、ウディ・アレン好きなら絶対見るべき作品です。(女性 30代)
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