映画『ザ・チェイシング』の概要:ギャンブル好きで酒好きな主人公には検事補の妹がいる。保護観察中、好き放題に生活を送っていた主人公だったが、ある日忽然と妹が姿を消したことで、血相を変え妹を探し始めるのであった。
映画『ザ・チェイシング』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:ブレイン・ウィーヴァー
キャスト:ブレイン・ウィーヴァー、リンディ・グリーンウッド、エリン・ケイヒル、パトリック・デイ etc
映画『ザ・チェイシング』の登場人物(キャスト)
- マックス・チェイス(ブレイン・ウィーヴァー)
- 口が上手くギャンブル好きで、酒に目がない。ボスに多額の借金があり現在、保護観察中であるが、保護者である妹イゾベルの言うことを聞かずにいる。たった1人の妹に迷惑をかけつつ、非常に大切にしている。
- “ボス”(ランス・ヘリクセン)
- 地域最大の犯罪組織を牛耳っている。壮年の男性で策略家。経営者としてはかなりの能力を持っており、紳士然としながら冷血な面を持っている。
- イゾベル・チェイス(エリン・ケイヒル)
- マックスの妹で地方検事補をしている。マックスの保護者。ろくでもない兄に呆れ果ててはいるものの、見限ることができず面倒を見ている。実はバイセクシャル。
- ノーラ・バーンズ(リンディ・グリーンウッド)
- ボスを起訴するための証人。麻薬密売の罪に問われており、証言することで起訴を免れている。イゾベルと証言の練習をしており、彼女と恋に落ちる。狡猾で頭の回転が速く賢い。
- トラヴィス(パトリック・デイ)
- ボスの配下で用心棒をしている。スキンヘッドの強面で体格も良く、攻撃的な性格。マックスの担当であり、因縁めいた関係。
映画『ザ・チェイシング』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ザ・チェイシング』のあらすじ【起】
保護観察中でありながらギャンブルと酒によって堕落し、多額の借金を抱えるマックス・チェイスは、借金の返済が遅れていることで町を牛耳るボスにとうとう呼び出される。だが、マックスはボスを前にしても全く動じることはなく、軽口を言っては話を上手く逸らしてばかり。そこで、ボスはギャンブル好きの彼に賭けを持ち掛けた。
2週間後、ボスとの賭けに負けたチェイスは、未だ行きつけのバーで酒を飲んでは女性に声をかける始末。バーのマスターはボスへの借金返済などできるはずがないのだから、さっさと町を出ろと言うが、マックスは事の重大さを真剣に受け止めてはいないのだった。
行きずりの女性と熱い夜を過ごした翌日、保護観察官との面会へ向かったマックスだったが、保護者でもある妹イゾベル・チェイスが来ない。イゾベルは地方検事補であるため、面会には必ず同席するはずだった。ところが、連絡を入れても電話に出ない上、自宅へ向かうと室内は荒らされ血痕が残されており妹の姿がどこにもない。
まるで生きることから逃避しているかのような行動ばかりをしていたマックスだったが、イゾベルに関してだけは真剣である。彼は妹が付き合っていた男の元へ向かい、脅しをかけてイゾベルの所在を聞いたが、妹はすでに男と別れていた様子で行き先は知らなかった。仕方ないので家へ戻り、スマホに残された留守電を聞いたマックス。留守電には妹から助けを求めるメッセージが残されていた。時間は昨夜のものである。そこへ、ボスの手下であるトラヴィスが現れる。
映画『ザ・チェイシング』のあらすじ【承】
トラヴィスに脅され返済を迫られたマックスは、妹を見つけるための時間を稼ぎ、どうにか解放される。マックス兄妹が他に頼れる人物と言えば別れた父親であるが、関係はあまり良くない。それでも、イゾベルを見つけるためには致し方なく、父親の元へ。
父親曰く、イゾベルは確かに昨夜、訪ねて来て泊めて欲しいと頼んだらしい。だが、途中で彼氏から着信が入ったため、家には泊めなかったと言う。そこで、マックスはイゾベルの新しい彼氏を見つけるため、妹の職場へ。
そこで、上司からイゾベルがボスを起訴するための大仕事に関わっていたことを聞かされる。
検事側は地域最大の犯罪組織を牛耳るボスを逮捕するため、証拠集めをしているらしく証人を確保したらしい。マックスはその証人に話を聞きたいと申し出たが、検事側には大事な証人を守る義務があるため、会わせるわけにはいかないと言う。それでも、妹を見つけるためには、どうしても証人から話を聞かなければならない。マックスは検事達を尾行し、隙を突いて保護されている証人とどうにか接触することができた。
証人ノーラ・バーンズは、ボスからの直接依頼で荷物の運び屋をしていたらしい。逮捕されたのは荷物が麻薬だったからだが、ボスの犯罪を証言するなら刑務所へ入れないと確約されているようだ。ところが、ノーラは頑として証言をしないと言い張っている様子。更に彼女はイゾベルとも面識があり、証言の練習を一緒にしていたと言う。
ノーラと共に逃走することになったマックス。彼は妹を助けるため、ボスと交渉することにした。
映画『ザ・チェイシング』のあらすじ【転】
深夜、ボスの指定により廃屋となった豪邸へ。裁判にてノーラが証言をしない代わりにイゾベルを返して欲しいと訴えたマックスだったが、ボスの関心はノーラの行方のみ。イゾベルなど知らないと言われてしまう。しかも、そこへトラヴィスも現れ逆に捕まってしまい、マックスは袋叩きにされる。
山奥へ連れ出されたマックスは、妹はすでに死んだと聞かされるも、トラヴィスからどうにか逃走。傷心のままバーへ立ち寄り、妹を殺した犯人への復讐を誓うのだった。
したたかに酔っぱらいつつ、ノーラの潜伏先へ向かったマックス。翌朝、ノーラのアドバイスに従い、イゾベルの元彼を拉致。奴にガソリンをぶちまけ殺害理由を聞き出した。
だが、元彼はイゾベルを殺していないと言う。彼女は自分の上司と良い雰囲気になっていたらしく、元彼は嫉妬からイゾベルを殴ってしまったらしい。そうして、暴力を振るったことを訴えない代わりに元彼はイゾベルと別れることになったのだった。
どうやら例の上司がイゾベルを殺したようだ。マックスは行きつけのバーのマスターを通じて銃を入手しようとしたが、そこへトラヴィスの仲間2人がやって来てしまう。奴らと争いバーのマスターと協力した結果、2人の手下を殺してしまったマックス。復讐を果たしたら町から出ようと考えるのだった。
映画『ザ・チェイシング』の結末・ラスト(ネタバレ)
同じ頃、イゾベルの上司の家へ潜入したトラヴィスは、上司とその妻を銃殺。マックスから奪った財布と銃を証拠品として残し、去って行く。
夜が明け、2体の死体を沼へ遺棄したマックスは、ノーラの元へ。彼はトラヴィスの手下を殺害後、検事の家を訪ねたが、すでに殺害されていたため、復讐を果たせなかった。ノーラは彼を慰め、更なるアドバイスをするのだった。
ボスのアジトへ堂々と入り込んだマックス。彼はまずボスを拘束しトラヴィスを呼び戻した。銃で脅して聞いた話によると、どうやら元凶はノーラらしい。したたかなノーラは色仕掛けで相手を惑わし、殺害していると言う。マックスはトラヴィスと争いあった後、奴を銃殺。加えてボスに妹を殺したか聞いたが、彼は本当に何も知らないようだった。
ノーラの潜伏先へ戻る道中、これまでの経緯を振り返ったマックスは、ノーラこそが妹を殺した犯人なのではないかと思い至る。そこで、彼女に話を聞くことにした。
すると、ノーラはイゾベルとの関係を明らかにさせる。どうやら彼女と妹は恋人関係にあったらしく、ノーラはイゾベルのために全てを捨てる覚悟だった様子。ところが、イゾベルはノーラの言うことよりも上司の話を信じてしまい、結果的にノーラを裏切る形に。そこで、彼女は自分とイゾベルの邪魔をする周囲の人間を消すことにしたと言うのだった。
油断していたマックスはノーラに刺されてしまい、重傷を負ってしまう。飽くまでも彼女はイゾベルを殺していないと言う。促されて屋敷の2階へ向かったマックスは、ようやくそこで拘束されたイゾベルと出会うことができたのだった。
ノーラはイゾベルを守るのは自分だと豪語し、マックスを殺そうとしてくる。彼は腹部に刺さっていたナイフを手にノーラを殺害。拘束から逃れた妹によって、どうにか意識を保ちつつ救急車の到着を待つのだった。
映画『ザ・チェイシング』の感想・評価・レビュー
たった2人の兄妹の強い絆を描いている。細かい説明はなく物語が進む過程で、兄妹が育った経緯と現在に至る関係を明らかにしている。主人公は兄の方でろくでもない男だが、妹に関しては強い執着を見せる。飄々としており妹に迷惑ばかりをかけ、悪びれない。なぜ、そこへ至ったかは描かれていないため、堕落した理由が分からない。ただの甘えなのかもしれず、それにしては迷惑をかけすぎではないだろうか。
それに加え妹の性関係も大分、爛れている。元彼に上司と証人の女。セクシャリティを超えた付き合いを幅広く展開し、検事補のプライベートはかなりフリーダムだ。情報が錯綜する様子が面白い反面、兄の奮闘ぶりと感情が微妙に追いつかない。個人的には非常に惜しい作品だと思う。(MIHOシネマ編集部)
よく言えば、兄と妹の絆を描いた作品でしたが兄がかなりのクズで、こんな兄を持った妹が可哀想でなりませんでした。酒に溺れ、借金まみれの兄のことを見限ることの出来ない妹。兄の方も妹のことを大事に思っているのですが、気持ちと行動が全く釣り合っていないので兄に対して応援する気持ちや共感は全くありませんでした。
結局自分たちの問題なのに、関係ない人が簡単に死んでしまう展開もあまり好きになれませんでした。(女性 30代)
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