レイフ・ファインズの新作がここに誕生した。舞台は孤島に佇む一軒のレストラン。そこで振る舞われる様々な美しい料理。しかし、その料理には大きなサプライズが隠されていた。
映画『ザ・メニュー』の作品情報
- タイトル
- ザ・メニュー
- 原題
- The Menu
- 製作年
- 2022年
- 日本公開日
- 2022年11月18日(金)
- 上映時間
- 107分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
- 監督
- マーク・マイロッド
- 脚本
- セス・リース
ウィル・トレイシー - 製作
- アダム・マッケイ
ベッツィー・コック
ウィル・フェレル - 製作総指揮
- マイケル・スレッド
セス・リース
ウィル・トレイシー - キャスト
- レイフ・ファインズ
アニヤ・テイラー=ジョイ
ニコラス・ボルト
ホン・チャウ
ジャネット・マクティア
ジュディス・ライト
ジョン・レグイザモ - 製作国
- アメリカ
- 配給
- ディズニー
映画『ザ・メニュー』の作品概要
レイフ・ファインズの新しい代表作が誕生した。今年59歳、デビューから37年というハリウッドを代表する俳優となった彼だが、近年本格的なアクションに挑戦するなど未だに新しい役柄に取り組み続けている。そんな彼が今作で披露するのは、美しい料理で人々を魅了するシェフという役所。しかし、あのレイフ・ファインズが演じるのだから何の特徴もない普通の役所であるはずがない。ポスター写真では、彼の作品であろう料理を前に、彼がこちらを見つめ暗闇の中で佇んでいる姿が映されている。レイフ・ファインズの元々の存在感もあり、非常に気味が悪いそのポスター。一体、実力派俳優はミステリアスな一流シェフという役をどのように描き出すのだろうか。
映画『ザ・メニュー』の予告動画
映画『ザ・メニュー』の登場人物(キャスト)
- ジュリアン・スローヴィク(レイフ・ファインズ)
- 有名レストランのシェフ。その素性は謎に包まれている。
- マーゴ(アニヤ・テイラー=ジョイ)
- レストランを訪れた客。レストランに対してとある違和感を抱く。
- タイラー(ニコラス・ホルト)
- マーゴと共にレストランを訪れた客。ジュリアンの料理に夢中になる。
映画『ザ・メニュー』のあらすじ(ネタバレなし)
その高級レストランは、孤島に存在した。ジュリアン・スローヴィクという有名シェフがその腕を奮い、中々予約が取れない有名レストラン。そのレストランに、マーゴとタイラーというカップルが足を運んだ。評判通りの味と見目麗しい料理の数々に舌鼓を打つ二人。しかし、マーゴはふとしたことからレストランに対し小さな疑問を持つ。そして、その疑問こそが全てを狂わせていくのだった。「あなたはこのレストランに相応しくない」、そう言われたマーゴ。果たして、その言葉に込められた真意とは。一体、美しいレストランに隠された秘密とは何なのか。その料理には、とんでもないサプライズが秘められていた。
映画『ザ・メニュー』の感想・評価
レイフ・ファインズの指先
名優、レイフ・ファインズ。これまで数多くの作品に出演してきた彼だが、注目すべきはその動きの繊細さ。表情の一つ一つ、動作の一つ一つに魂がこもっているのだ。特に指先の動きは圧巻。爪の先まで意識が行き届いた美しい動き。見ている者を思わず魅了するその動きを、本作では存分に堪能できる。料理というものは非常に繊細な作業である。器用な動きの末に生み出されたその料理は、芸術と言って差し支えないだろう。料理をテーマに扱う作品では、自ずと手や指先に画面がクローズアップされる。指先だけで何かを表現するということは非常に難しい。レイフ・ファインズの実力が試される。
チーズバーガーと暴れる男
本作は、トロント国際映画祭ですでに公開されている。その場で参加者に振る舞われた料理こそがチーズバーガーなのだ。高級一流ホテルとチーズバーガー。勿論、チーズバーガーを下に見るわけではないのだが、いささか似つかわしくないようにも思われる。そんなチーズバーガーが本作では一つのキーワードとなっているようだが、果たしてどのようにストーリーに絡んでくるのだろうか。そして、もう一つ気になるのが一人の男の存在。ポスター写真をよくよく見てみると、メインの登場人物の後ろで気になるシーンが見て取れる。従業員と思しきスタッフ達に、一人の男が捕らえられているのだ。謎は深まるばかりであるが、これも本作に大きく関わってくる要素であることに違いあるまい。完璧なレストランに多く散りばめられた謎達。これらの謎が解き明かされた時、作品の闇が明らかになる。
『完璧』な中の違和感
本作に登場する料理はまさに『完璧』。見た目も香りも勿論味も、全てが申し分なく、足を運んだ者を天にも昇る気持ちにさせる。作中で料理を口にしたタイラーも、事実感動のあまり涙を流している。しかし、この世に『完璧』は本当に存在するのだろうか。『完璧』な中の違和感。その違和感に気がついてしまったのがマーゴである。完璧の中にチラリと見える異物。その違和感は徐々に巨大化して、より大きな恐怖となってマーゴ、そして、観客を飲み込んでいく。本作はヒューマンドラマでも、至福の時に浸れる料理映画でもない。本作は間違いなくサスペンスホラー映画。その違和感に気がついてしまった時、全てが狂いだす。
映画『ザ・メニュー』の公開前に見ておきたい映画
ハリー・ポッターと死の秘宝
数々の名作に出演しているレイフ・ファインズ。しかし、現代においてレイフ・ファインズの名前が最も知られている作品は本作ではないだろうか。それほどまでに本シリーズは世界的大ヒット、いや、ヒットを通り越して社会現象にまでなった。本作で彼が演じているのは宿敵ヴォルデモート。史上最強の魔法使いの一人として名を轟かせた彼との戦いも、とうとう決戦の時を迎える。鼻を削がれ、全体的に人間離れした相貌になってしまったヴォルデモートだからこそ、レイフ・ファインズの純粋な演技力が際立っている。また、前述したようなレイフ・ファインズの美しい所作が本作でも堪能できる。杖を持つ手指、それを振るい魔法を繰り出す仕草、いずれも視聴者の目を思わず引くことだろう。
詳細 ハリー・ポッターと死の秘宝 Part1
詳細 ハリー・ポッターと死の秘宝 Patr2
シェフ 三ツ星フードトラック始めました
料理映画というものは、見ている者を魅了する。それは映画に限った話ではなく、美味しい料理が嫌いだという人はあまり多くはないだろう。映画では味までは分からないはずなのだが、食欲を掻き立てる音が、彩りが、盛り付けが、味までも想起させ視聴者を魅了するのだ。そのため、料理映画を好んでいる人は多い。ハリウッドにも料理をテーマとした作品が数多く存在し、最新作も本作もその一つである。特に本作は非常に高く評価されている一本。見ている者を必ず笑顔にさせる本作は、ハッピーな気持ちになりたい時に最適。『アイアンマン』シリーズで知られるジョン・ファブローが、製作・監督・脚本・主演を務めた意欲作でもある。
劇場版 怪談レストラン
誰をも幸せな気持ちにさせる場所、それがレストランです。美味しい料理に舌鼓を打ち、幸せなひと時を誰かと共有する。そんな幸せなひとときのために、客は金を払っているのだろう。そんなレストランが、恐ろしい現場になってしまうこともある。最新作も本作も、そんな作品。有名な児童書でもあるため、日本人にとっては非常に馴染み深いタイトルではないだろうか。児童書が原作というだけあって、ただただ怖いだけではなくクスッと笑える要素も満載。ホラーが苦手な人でも十分に楽しめる作品となっている。舞台はタイトルの通り怪談レストラン。その怪談レストランで、次々と人が失踪する事件が起きた。その事件を解決するために、大空アコ達はレストランへと乗り込む。
詳細 劇場版 怪談レストラン
映画『ザ・メニュー』の評判・口コミ・レビュー
『ザ・メニュー』
ありそうでなかった映画。
本作は、鋭い社会風刺と見事なアンサンブルキャストが織り成すブラックコメディ。すべての展開にハラハラしてしまう。脚本と強烈な演出、そしてレイフ・ファインズを中心とした俳優陣の演技が素晴らしい。満腹になる一本。 pic.twitter.com/XzkZiTNDFv— ムービーメン (@Stan_n_movie) November 19, 2022
『ザ・メニュー』鑑賞しました。
カリスマシェフと素晴らしい料理を題材にした映画は幾つかありますが、この映画はそれらとは全く違った切り口で展開していく所が斬新かつ想定外で、今までに無い感覚で楽しむ事が出来ました。
料理映画なのに、ずっと漂う緊張感と得体のしれない雰囲気… pic.twitter.com/nOe0qJx3v4— ヤマタノ カツミ (@GBsinsinkan) November 20, 2022
「ザ・メニュー」面白い。孤島の一流レストランに招かれた客たち。だが料理は殺人ゲームになっていく。面白く観れたが、予告で語られている以上の展開はなかった。それと、客の命を懸けたはずの料理が不味そうなので、説得力に欠ける。だからチーズバーガーが美味そうに見えるけれどそれは別の話。 pic.twitter.com/BTsxBvalGR
— よしぼう (@bafkm) November 20, 2022
世にも奇妙な物語っぽさが感じられる悪趣味な晩餐会。
常に不穏な雰囲気で進むから次はなにが起きるかと興味が惹き付けられると同時にエンジンがかかってからのバランスが一気に崩れる感じはスリリング。
食に対する考え方もハッとなるしシェフにもリスペクトを込めて食事を頂こう。 pic.twitter.com/1hTb0V6JHj
— PERCY (@ymovieac) November 20, 2022
2022年125本目#くぼちゃんの映画批評。#ザ・メニュー
序盤から好みな感じでワクワクした。が、終盤になるにつれて展開が雑…アイデアは浮かんだはイイが途中でネタ切れた的な…もう少し話が広げられそうなだけに物足りない。ホラーにしてもサスペンスにしても人間ドラマにしても中途半端。(続) pic.twitter.com/F3ELqALvTH— くぼちゃん😎@手打麺笑くぼ (@kubochan48) November 20, 2022
映画『ザ・メニュー』のまとめ
本作は、なんとも気味の悪い作品に仕上がっている。孤島という舞台設定が、不気味さにより拍車をかけているのだろう。ホラー作品にも様々なタイプがある。狂人がチェーンソーや刀などを振り回してくるものや、亡霊が画面いっぱいに飛び出でくるもの、そして、派手なシーンこそないが精神的に視聴者を追い詰めていくもの。日本のホラー作品は、比較的この3番のタイプが多いように思われる。そして、本作もこのスタイルに該当する作品。大きな展開こそないものの、孤島という閉鎖空間、『完璧』の中に混じった違和感、ミステリアスなシェフ。それら様々な要因が見ている者の不安感を煽っていく。このレストランの『真実』を知ってしまったあなたは、果たしてどうなってしまうのか。
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