映画『ザ・メキシカン』の概要:悉くついてないジェリーは、最後の仕事として伝説の銃メキシカンを運ぶことになるが、喧嘩別れした恋人サマンサを人質に取られ、組織へと対抗しようと考える。シリアスな中にコメディタッチな間が入ることで、ちょっと間抜けで笑える作品となっている。
映画『ザ・メキシカン』の作品情報
上映時間:123分
ジャンル:アクション、コメディ、ヒューマンドラマ
監督:ゴア・ヴァービンスキー
キャスト:ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、ジェームズ・ガンドルフィーニ、デヴィッド・クラムホルツ etc
映画『ザ・メキシカン』の登場人物(キャスト)
- ジェリー・ウェルバック(ブラッド・ピット)
- どこか抜けており、情けない男。組織の下っ端で、後ろ暗い仕事をしている。劇的に運が無い。
- サマンサ・バーゼル(ジュリア・ロバーツ)
- ジェリーの恋人。赤毛の美人で少々気が強い。ジェリーの仕事に不満がある。
- ウィンストン・バルドリー(ジェームス・ガンドルフィーニ)
- やり手の殺し屋リロイのふりをしている殺し屋。ゲイであることに悩んでいる。頭頂部が薄く小太りで、髭を生やした男。ネイマンに雇われ、サマンサを人質にする。気さくな性格。
- テッド・スローカム(J・K・シモンズ)
- ジェリーの面倒を見ている兄貴的存在。ローンの支払いが終わったら、組織から抜けようと考えている。
- バーニー・ネイマン(ボブ・バラバン)
- 組織の幹部。ジェリーの上司。マルゴリースを裏切って、メキシカンを売ろうとしている。
- アーノルド・マルゴリース(ジーン・ハックマン)
- 組織のボス。ジェリーのせいで刑務所に入っていたが、出所。伝説の銃メキシカンを探している。
映画『ザ・メキシカン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ザ・メキシカン』のあらすじ【起】
ジェリーは犯罪組織の下っ端で仕事をしているが、いつも失敗ばかりしている。うだつの上がらない性分のため、恋人のサマンサとは喧嘩してばかり。
そんなある日、組織の幹部ネイマンから失敗を責められたジェリー。これが最後だとチャンスを与えられる。それは、メキシコからとある拳銃を運ぶ仕事だった。
そのせいで、サマンサと喧嘩してしまい、怒った彼女は1人でラスベガスへ旅行に行ってしまう。仕事をしないと殺されてしまうので、ジェリーも仕方なくメキシコへ飛んだ。
メキシコへやって来たジェリー。指示された待ち合わせ場所へ到着。ダークな雰囲気で及び腰になりながらも、目的の人物と会う。そして、彼から約束通り、美しい拳銃を1丁受け取った。
男は聞いてもいないのに、伝説の銃メキシカンの歴史を語り始める。かつて貴族のために作られたメキシカンには、持つ者を殺すという呪いがかけられているらしい。
ジェリーはしたたかに酔っぱらった男とバーから出た。夜も更けた外では、盛んに祭りが行われており、住民達がこぞって銃を乱射している。突然、倒れた男を介抱するため、車へ乗せたジェリーだったが、男に意識はなく頭部から出血していた。よく見ると脳天に銃創がある。祭りで乱射している銃の流れ弾が直撃したのだ。
すぐさま、テッドへ助けを求めたジェリーだったが、電話をしている間に、メキシカンと男の死体を乗せた車が盗まれてしまう。
その頃、1人でラスベガスへと向かっていたサマンサ。トイレの個室から出ようとして突如、黒人男性に脅される。そこへ現れた白人男性が男を倒し、彼女を強引に連れ出す。
白人男性は彼女を助けたと言う。そして、よくよく事情を聞くと、ジェリーが手にした拳銃を手に入れるために、サマンサが人質にされたという話だった。彼はネイマンに雇われたと言う。サマンサは命惜しさに彼の言うことを聞くことにした。
映画『ザ・メキシカン』のあらすじ【承】
一方、メキシコで車を盗まれたジェリーは、片言のスペイン語でどうにか車を入手。動くかどうかも分からないようなオンボロ車の荷台には、凶暴な犬が乗っていた。犬を乗せたまま、公衆電話からサマンサへ電話するも、彼女は出ない。当然だ。彼女はラスベガスへ行っている。その時、見たことのある赤い車が、通りを猛スピードで走り去って行く。車を盗まれた時、一緒にいた車だった。必死にオンボロ車で追跡を始めるジェリー。
ジェリーとは別れたと言い張るサマンサ。殺し屋リロイと恋愛について語り、少しだけ距離が縮まる。
追跡に成功し、とうとう盗まれた車を発見したジェリー。車に隠していた銃を入手し、犬を荷台から降ろして赤い車へと追突。建物から出て来た男達から、メキシカンと車を取り返した。犬を再び荷台に乗せて逃亡開始。
その頃、リロイはサマンサから、ジェリーが組織に入るきっかけを聞いていた。サマンサの恋愛相談を真剣に聞いて、アドバイスするリロイ。サマンサは彼がゲイであることを見抜き、それへ理解を示した。そうして、恋愛観や人生観についての語り合いが止まらなくなる2人。
近くの村にある店から電話をかけていたジェリーだったが、そこへ通りかかった警察官に職務質問される。車のシートに残る血痕について問われると何も答えられず、留置所へと入れられてしまった。警察官はジェリーへ、手にしたメキシカンの本当の逸話を話して聞かせる。その話は悲恋だったが、どの道メキシカンには呪いがかけられているらしい。ジェリーは警察官にメキシカンを奪われ、解放された。
警官がメキシカンを持って質屋へと入るところまで尾行したジェリーはその後、メキシコへやって来たテッドと落ち合う。彼からマルゴリースがサマンサに見張りをつけたことを聞く。見張りは凄腕の殺し屋リロイ。全てはジェリーが、裏切りと失敗をした時のための保険だった。
映画『ザ・メキシカン』のあらすじ【転】
道中、リロイが気になったポストマンと一緒に次の街へ。そこで1夜を明かし翌朝、サマンサはリロイと朝食を摂りに出かけた。リロイとポストマンの恋の行方を聞く。2人にはいつしか、分かちがたい友情が芽生えていた。
警官が銃を持ち寄った質屋へと来たジェリーとテッド。質屋の主人から無事にメキシカンを取り戻す。だが、ジェリーはテッドへも銃を向け、事の真相を問い詰めた。今朝方、テッドとネイマンの電話を立ち聞きして、ジェリーを殺せと命令が下されたことを。
朝食からホテルへと戻って来たリロイとサマンサ。ホテルの前が騒々しい。どうやら、飛び降り自殺があったようだ。しかし、部屋へ戻るとポストマンがいない。まさか、飛び降りしたのはポストマンか。失意に暮れるリロイだったが、灰皿に見知らぬ煙草の吸殻があるのを発見。やったのは殺し屋だと悟る。現れた殺し屋を返り討ちにすることで、リロイはポストマンの仇を討った。
メキシカンを持って空港へ来たジェリーだったが、テッドのパスポートを持って来てしまい、とんぼ返りする羽目になる。
その頃、別の空港ではサマンサとリロイが、銃を持って来るジェリーを待っていたが、いつまで経ってもやって来ない。状況を確認したリロイは、別の作戦を決行することにした。
ホテルへと戻って来たジェリーに電話がかかって来る。相手はサマンサとリロイだった。恋人同士は初っ端から喧嘩腰で会話。サマンサを心配するジェリーと、別れると一方的に喚くサマンサ。リロイは2人に冷静になるよう促した。リロイとサマンサは、どうやらメキシコの空港まで来ているらしい。ジェリーは再び、空港へと車を走らせた。
リロイに諭されたサマンサの前に、ジェリーがやって来る。車に乗って走り出した3人だったが、妙な空気である。恋人同士は再び喧嘩を始める。そのせいで、ぶつかりそうになった車のタイヤがパンク。
サマンサはぶち切れて車を飛び出して行き、ジェリーは必死にタイヤ交換をしようとする。外に出たリロイとジェリーは、互いに銃を向け合いそして、撃った。
映画『ザ・メキシカン』の結末・ラスト(ネタバレ)
銃声に驚いたサマンサが戻ると、倒れていたのはリロイの方だった。すると、ジェリーがこの男はリロイではない。本物のリロイは黒人だと言うのだ。サマンサは脱力してしまい、涙ながらに帰りたいと呟くのだった。
空港から帰ろうとしたサマンサだったが、最後にジェリーへ問い掛けをする。恋人同士がもうだめと思った時にどうするかと。すると彼は一言、諦めないと言った。サマンサはジェリーを許すことにした。
メキシコのホテルへ戻り、パスポート再発行の電話を待つ2人だったが、そこで異変を察知する。サマンサが咄嗟に自分の太ももにメキシカンを隠す。外へ出たジェリーは背後から襲われて捕まってしまう。
連れて行かれた先に待っていたのは、なんと組織のボスのマルゴリース。彼は今朝方、刑務所から出所したばかり。しかも、ジェリーに対して、どうしたら銃を渡すかと聞いてくる。意味不明である。
マルゴリースはおもむろに、事情を話し始めた。彼が刑務所で出会った青年が語った、メキシカンの真実の伝説と、青年の血筋を知ったジェリーは、メキシカンを返還することに決める。
ホテルにいたサマンサの元へ電話がかかってくる。ネイマンからだった。彼はサマンサを人質にとり、車のトランクへ閉じ込めた。
ホテルへ到着したジェリーは、ネイマンと対峙。トランクを開けた途端、メキシカンを手にサマンサが今にもネイマンを撃とうする。ジェリーは彼女を止めようと言葉を尽くすも、サマンサは引き金を引いてしまった。
その時、奇跡が起こる。メキシカンからは、ちゃんと銃弾が発射。銃口からは結婚指輪が落ちた。そして、銃弾はネイマンの喉元を撃ち抜いていたのだった。
ジェリーはリングをサマンサの指に収め、結婚を誓う。
そして、メキシカンは治まるべき場所へ治まったのだった。
映画『ザ・メキシカン』の感想・評価・レビュー
ブラッド・ピットとジュリア・ロバーツが本当に美男美女で、寄り添っている姿が絵になる。ジェリーはどうしようもない男なのだが、あまりにも運がなさ過ぎて可哀そうになってくる。ジェリーに怒りを抱くサマンサの心情は理解できる。けれども、二人が丸く収まってほっとした。サマンサと殺し屋が仲良くなっていく物語には驚いた。出会いが違ったら、親友として仲を深めていたかもしれない。殺し屋なのに恋愛で悩んでいる姿が可愛かった。(女性 30代)
ブラッド・ピットと言うと、タフでかっこよくて、ツイてる男の役どころが多いイメージでしたが、今作で彼が演じたジェリーは見ていて可哀想になるほどツイてないキャラクター。失敗に失敗を繰り返すし、不幸が重なるしブラッド・ピットなのに…と哀れんでしまいました。
ストーリーは想像以上に明るく、コメディタッチな部分もあるので楽しんで見られました。ジュリア・ロバーツ演じるサマンサが本当に綺麗です。世界観や雰囲気が素敵なので何度も見たくなります。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー