
結論から言うと、『ランニング・マン』は「最後まで走り切れなかった映画」です。
前半の緊張感と社会風刺の鋭さには確かな引力がある一方、後半に進むにつれて物語の推進力が弱まり、観終わったあとに“惜しさ”が残ります。
私はMIHOシネマ編集部の映画専門ライターとして、2026年1月5日にBlu-rayで本作を鑑賞しました。
鑑賞後、まず頭に浮かんだのは「なぜここまで評価が割れているのか?」という疑問です。
この記事では、ネタバレありでその理由を丁寧に解きほぐしていきます。
「ランニング・マン」はどんな映画?まず結論を整理する
本作は、スティーヴン・キング原作のディストピア小説を再映画化した作品です。
主人公ベン・リチャーズは、賞金を得るために“30日間逃げ切れば勝利”という過酷なテレビ番組に参加し、殺し屋=ハンターたちから追われ続けます。
設定自体はシンプルですが、現代社会への皮肉が色濃く反映された内容で、
「娯楽としての暴力」「視聴率至上主義」「群衆による監視社会」といったテーマが前面に出ています。
次は、物語をネタバレありで詳しく見ていきましょう。
【ネタバレ】物語の流れと結末を解説
前半:逃走劇としての完成度は非常に高い
序盤は、主人公が番組に参加するまでの導入がテンポ良く描かれます。
ハンターが投入され、逃げ場のない状況で生き延びようとする緊迫感は強烈です。
特に印象的なのは、市民全員が“視聴者であり監視者”になる構造。
通報すれば報酬が得られる仕組みが、人間の倫理を簡単に壊していく様子がリアルに描かれています。
次第に、物語はより大きな陰謀へと踏み込んでいきます。
中盤〜後半:テーマは深いが、物語の勢いが失速
中盤以降、番組の裏側やプロデューサーの思惑が明かされていきます。
社会批評としては興味深いものの、逃走劇としてのスピード感は徐々に落ちていきます。
特に終盤は、展開がやや冗長になり、緊張感が薄れてしまうのが否めません。
ハンターとの対決も、序盤ほどの切迫感はなく、物語が“説明モード”に入った印象を受けます。
そして迎えるラストは、観る人によって評価が大きく分かれる結末でした。
なぜ「ランニング・マン」は賛否が割れるのか?
鑑賞後に感じた最大の理由は、「テーマ重視と娯楽性のバランス」です。
- 前半:エンタメとして非常に優秀
- 後半:社会風刺が前に出すぎる
結果として、「考えさせられるがスカッとしない」「面白いのに盛り上がり切らない」という感想が生まれやすくなっています。
次は、実際に良かった点を整理します。
ここが良かった!映画として評価できるポイント
① 主演俳優の存在感
主人公ベンを演じた俳優は、絶望と希望の間を揺れ動く表情を丁寧に表現していました。
彼が画面に映っている間は、物語への没入感が途切れません。
② 現代社会への鋭い皮肉
視聴率のために人命が消費される構図は、現代のSNS社会とも強くリンクします。
この点は、原作のテーマを現代向けにアップデートできている部分です。
続いて、正直に「惜しい」と感じた点も見ていきます。
正直ここは惜しい…と感じたポイント
最大の弱点は、後半の冗長さです。
上映時間に対して、クライマックスの密度が追いついていない印象を受けました。
また、エンディングも分かりやすさを優先したためか、
余韻や解釈の幅がやや狭くなってしまったように感じます。
「ランニング・マン」はどんな人におすすめ?
- 社会派SFが好きな人
- ディストピア作品に惹かれる人
- 考察しながら映画を観たい人
逆におすすめできない人は?
- 純粋な爽快アクションを求める人
- テンポ重視で観たい人
- スカッとする結末を期待する人
「ランニング・マン」が好きな人におすすめの映画3選
バトル・ロワイアル
この映画を一言で表すと?
極限状態で人間性がむき出しになる衝撃作。
どんな話?
国家によって選ばれた学生たちが、最後の一人になるまで殺し合いを強いられる物語。
ここがおすすめ!
管理社会と個人の尊厳というテーマが、『ランニング・マン』と強く共鳴します。
ハンガー・ゲーム
この映画を一言で表すと?
見世物化された命への反抗を描くシリーズ。
どんな話?
独裁国家で行われる命がけのゲームに、少女が巻き込まれていく。
ここがおすすめ!
娯楽と支配構造の関係性を、より分かりやすく描いています。
トゥモロー・ワールド
この映画を一言で表すと?
希望が失われた世界で描かれる人類最後の希望。
どんな話?
子どもが生まれなくなった世界で、奇跡の存在を守る逃走劇。
ここがおすすめ!
重苦しい世界観と社会批評が好きな人には刺さる一作です。
まとめ|それでも「ランニング・マン」は観る価値がある
『ランニング・マン』は完璧な映画ではありません。
しかし、「今この時代に作られた意味のある一本」であることは確かです。
あなたはこの結末をどう感じましたか?
ぜひコメント欄で、感想や考察を教えてください。






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