映画『3時間/THREE HOURS』の概要:元凄腕エージェントだったリサは、産まれたばかりの娘を連れて異国へとバカンスに行く。しかし、リサが一瞬目を離した隙に娘が誘拐されてしまい、彼女は愛娘を助けるべく人身売買の犯人を追跡する。
映画『3時間/THREE HOURS』の作品情報
上映時間:93分
ジャンル:アクション
監督:ハワード・J・フォード
キャスト:アンジェラ・ディクソン、ナイジェル・ホイットミー、リサ・アイクホーン、ヴェリボール・トピッチ etc
映画『3時間/THREE HOURS』の登場人物(キャスト)
- リサ・ブレナン(アンジェラ・ディクソン)
- 特殊訓練を受けた元国土安全保障局の凄腕エージェントでシングルマザー。クラークと不倫関係にあり、娘のソフィーを出産。産後のうつ病を患い服薬している。
- クラーク・アンダーソン(ナイジェル・ホイットミー)
- 政治家でリサの不倫相手。既婚者で現在、妻も妊娠中。リサと娘を救うために、人身売買の実態調査をするが、実は黒幕。
- ジャネット(ヘザー・ピース)
- 国土安全保障局員でリサの元同僚。リサを救うためにモロッコへ飛ぼうとしてくれるが、何者かに暗殺される。
映画『3時間/THREE HOURS』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『3時間/THREE HOURS』のあらすじ【起】
ある種の特殊訓練を受けたリサは、母親の勧めで幼い娘ソフィーを連れ、モロッコへと旅行にやって来た。父親は大物政治家のクラーク・アンダーソン。彼は既婚者である。リサは不倫の末、彼の子供を出産したのだった。
無事にホテルへとチェックイン。翌日は娘をベビーカーに乗せてビーチへと向かった。くつろぐリサに物売りが話しかけてくる。彼女はそちらの対応に気を取られ、娘の誘拐に気付くのが遅れた。
ビーチから走り去る不審な男達を発見したリサ。裸足のまま男達を追う。飴色のバッグを持った男と格闘の末、男は車に轢かれて死亡。バッグに娘は入っていなかった。周囲を見回し、更に怪しい男を発見。彼女は再び追跡を開始。事故により死亡者が出たことで、地元の警察が出動し街中は大騒ぎとなる。
車に駆け込んだ男を殴るも逃げられ、彼女は警察にも追われることになる。武器として手に取った木彫りから毛髪を採取。リサはタクシー運転手を追い出して車を奪取し、誘拐犯の追跡を続けた。運転中にクラークへ電話するも出ない。仕方なく元同僚のジャネットへ電話し、車のナンバーと自分の携帯の追跡調査を依頼した。運良く停車したタイミングを見計らい、誘拐犯の1人を倒して携帯を車へ投げ入れるも結局、逃げられてしまう。
映画『3時間/THREE HOURS』のあらすじ【承】
地元警察官に囲まれてしまったリサ。必死に弁解するも、信じてもらえず。刑事は自分達が調査するから一旦、署へ来いと言うが、そんなことをしていたら誘拐犯に逃げられてしまう。誘拐は事件発生後、3時間が勝負なのだ。彼女は太陽の位置から時間と方角を計測しつつ、建物の屋上を走って行く。しかし、再び警官に囲まれてしまう。互いに説得し合うも、互いに納得せず。リサは採取していた毛髪を取り出そうとするが、ポケットに入れていた抗うつ剤が転がり出る。これにより事態は増々悪化。彼女は仕方なく警官達を打ちのめし、銃を一丁奪って逃亡を図った。
雑多で狭い路地をこまめに逃げ回るリサ。屋上から飛び降りた際に右腕を負傷。一時的な処置を施し、靴を盗む。店主に見つかり更に追われ、再び屋上へ。
その頃、地元警察はリサの言う通りにビーチから荷物を回収し、犯人として街中へ顔写真の張り紙を手配。
リサは屋上の影に潜み、幼い頃に自分のせいで父親を亡くしてしまった記憶を思い出す。そうして、自らを奮い立たせた。路地に降りると自分の張り紙を発見。大変なことになってしまったと思うも、今捕まるわけにいかない。
日が暮れ始めた頃、ようやくホテルへ戻る。部屋へ入ると娘の形跡だけが、忽然と消えていた。リサはクラークへ連絡。娘が誘拐されたことを知らせ、救助を要請する。ジャネットの連絡先ももらった。だが、クラークは政治生命に関わるとして、公には動けないと言う。リサは仕方なく、モロッコ周辺の人身売買の実態調査を頼んだ。
映画『3時間/THREE HOURS』のあらすじ【転】
地元警察の刑事は、張り紙の枚数を更に増やした。そして、リサが持っていた薬を調査。彼女は産後うつで服薬しており、こうした病はよくあることである。航空会社の記録を調べるも、リサは一人旅だったと言う。だが、女性警官は同じ母親として、リサの必死さを感じていた。本当に一人旅だったら、あのような取り乱し方はしないだろう。子を守る母親は超人と化すのだと、女性警官は上司に言った。
ネットカフェに入ったリサは、必死に店主を説得して電話だけさせてもらう。ジャネットへ連絡し、追跡の結果を聞いた。誘拐犯の車は山道を通り、2キロ地点で信号が消えたと言う。だが、その山道はとても危険な道だった。ジャネットは信号の最終発信地点の地図をメールで送ってくれていた。電話中にふと、テレビの画面を見たリサ。自分の顔写真が公開されていることに気付く。そんな彼女を店主が襲った。リサはつい反射的に店主を撃ってしまう。電話の向こうの不穏な状況を察したジャネットは、電話の逆探知を行い自分もすぐさま向かう準備をする。
リサは地図を印刷。逃亡するも、その際に飛び出た鉄の杭で腹部を負傷してしまう。
赤子の子守を頼まれ、面倒を見ていた現地の若い女性は、リサの張り紙を見て既視を感じる。日中、必死の形相で子供を探していた女性と、とても似ていたからだ。試しにその張り紙を赤子に見せると、子供はすぐに泣き止んだ。やはり、この女性の子供だと確信した彼女は、密かに赤子を連れ出そうとする。しかし、犯人グループのボスに見つかり、女性は半殺しにされてしまう。
一方、リサは若い夫婦の家へ密かに侵入。残り物を拝借し、部屋の一室へと立て籠ってクラークに連絡した。彼から人身売買の情報を聞く。金髪で青い眼の赤子は高値で売買されるらしい。主に中東の富裕層が買い手であるが、取引価格の交渉のため、数日を要すると言う。それまでに、ソフィーを見つけて取り戻せなければ、もう二度と娘とは会えない。
部屋の扉を破壊されたリサ。夫婦に攻撃する意図が無いことを証明し、針と糸を貸してもらった。それで腹部の負傷を処置する。彼女の身体は傷痕だらけだった。
夜の街を駆け抜けるリサ。道路の各地には、すでに検問が立っていた。
自宅へ戻り、モロッコへ向かう準備を始めていたジャネット。しかし、彼女は何者かに殺害される。しかも、自殺したかのように偽装までされていた。
リサはふと、向かいの壁に行方不明の赤子の張り紙を見る。一縷の望みをかけ、張り紙の連絡先へ電話してみた。
映画『3時間/THREE HOURS』の結末・ラスト(ネタバレ)
その夫婦も誘拐された自分達の子供を捜していた。旅費も食費も帰りの交通費も全てをかけ、3カ月も捜していると言う。若い夫婦だった。身代金を要求され、支払いをしたものの未だに子供は帰らない。弱り果てていた彼らも望みを抱き、身代金を取りに来た相手の特徴を話す。リサが知る犯人と同じ特徴を述べ、更にアンモニア臭がしたと言った。確か、リサが話しかけられた物売りもアンモニア溶液のことを言っていた。ぴんときたリサ。夫婦の車に乗せてもらい、検問を突破した。
途中で運転を代わるが、タレコミにより追手に発見される。リサは降車して崖を駆け下りた。徒歩にて目的の村へ向かうリサ。
同じ村へ、半殺しにされた女性も這う這うの体で戻っていた。窓の外にリサの姿を見た女性は、リサを助けるよう父親に頼んだ。
女性から衣服を借り黒装束となったリサは、いよいよ犯人のアジトへと向かう。犯人の1人を一瞬で銃殺。残った1人を人質にするが、男は自分はただの仲介役だと言う。その男に交渉相手から連絡が入る。電話を渡され不審に思いつつも、電話に出たリサ。その声を聞いて愕然とする。
なんと、相手は実の父親であるクラークだったのだ。彼は出発しようとしていたジェシカをも殺害していた。
リサは仲介役に倉庫のドアを開けさせて中へ。しかし、一瞬の隙を突かれ、ぼこぼこに殴られてしまう。男はガソリンを撒いて倉庫に火をつけようとする。そこを狙って奴をブロックレンガで殴り倒した。リサは娘を救出。倒れた男から火が落ちて、倉庫が燃え上がる。別室からは幼い少年も一緒に救出した。男の子は若い夫婦の子供だった。
クラークは政治生命を絶たれ、殺人陰謀罪で逮捕された。
映画『3時間/THREE HOURS』の感想・評価・レビュー
誘拐された娘を救出するため、奔走する母親を描いたノンストップアクション。
この母親が凄腕エージェントだっただけあって非常にタフ。誘拐は攫われてから3時間以内に見つけ出さなければ発見率が低下することから、タイムリミットが3時間しかない。展開が早く怒涛のスピードで物語が進む。母強しという言葉を体現したかのようなアクション映画だが、元凄腕エージェントだったヒロインだからこその展開だろうとも思う。普通一般的なら海外で子供を誘拐されたら、見つけることは非常に難しい。見つけ出す方法や伝手があるなら、海外での誘拐事件はもっと多く解決している。突っ込みどころはあるものの展開が早いため、飽きさせない。誘拐を指示した犯人には驚かされたが、結果的に罪を負うことになったのでそれなりに満足できる。(女性 40代)
男が主人公の元凄腕エージェントの映画は見たことがあるが、女性バージョンは初めてで新鮮な気持ちで見ていた。アクションシーンはキレッキレで、とにかくカッコ良い。こんなお母さんがいたら、ちょっとおっかないけど憧れると思う。子供を思う母の気持ちがきちんと表現されており、必死な様子のリサに感情移入しながら見ていた。
誰が何の目的で赤ちゃんを誘拐したのか分からず、緊迫感のある物語にハラハラさせられた。子供の父親であるクラークが黒幕というのは、なかなかショッキングだった。(女性 30代)
主人公が敏腕エージェントのママというのがすごく新鮮で女性目線で見ても応援したくなるような強いヒロインでした。
タイトルの意味も分かりやすいし、ストーリー展開もスピーディなので無駄がなくてとても見やすかったのですが、かなり簡単に人を殺すのでビックリしました。一般人もいるのに…とヒヤヒヤしてしまう場面もありましたが、最終的にはやっぱりそうなるよねと安心のラストなのでわかりやすくてシンプルなストーリーが好きな方にはおすすめです。母は強しをそのまま表現したような作品でした。(女性 30代)
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