この記事では、映画『TITANE/チタン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『TITANE/チタン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『TITANE/チタン』の作品情報

出典:https://video.unext.jp/title/SID0066860
| 製作年 | 2021年 |
|---|---|
| 上映時間 | 108分 |
| ジャンル | ホラー スリラー |
| 監督 | ジュリア・デュクルノー |
| キャスト | ヴァンサン・ランドン アガト・ルセル ギャランス・マリリエ ライ・サラメ |
| 製作国 | フランス |
映画『TITANE/チタン』の登場人物(キャスト)
- アレクシア(アガルト・ルセル)
- 32歳のショーダンサー。幼い頃に交通事故で重傷を負い、頭部にチタンプレートを埋め込まれる。事故以来、両親との関係はぎくしゃくしている。
- ヴァンサン(ヴァンサン・ランドン)
- 消防署の署長を務め仕事には厳しく、部下たちにも一目置かれている。7歳の時に失踪した一人息子のアドリアンが自分の元に戻ってくることを信じている。
- ジュスティーヌ(ギャランス・マリリエ)
- アレクシアと同じショーガール。モーターショーでアレクシアと出会い、声をかける。
- ライアン(ライ・サラメ)
- ヴァンサンの部下の消防隊員。ヴァンサンを尊敬している。
映画『TITANE/チタン』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『TITANE/チタン』のあらすじ【起】
南フランス。父の運転する車の後部座席に座っている少女アレクシアは、唸り声を上げながら運転中の父の邪魔をし始める。怒った父親が注意すると、アレクシアはシートベルトを外してしまう。父は思わず振り返ってアレクシアを叱りつけるが、それが災いしてハンドル操作を誤り、交通事故を引き起こしてしまう。
父は軽傷で済んだものの、アレクシアは頭蓋骨の一部が復元できないほど損傷する大怪我を負ってしまう。頭部と首を固定するチタンプレートを埋め込む手術を受け、なんとか退院したアレクシアだったが、それ以来自動車に強い興味と執着を持つようになる。
21年後。32歳になったアレクシアだったが、彼女の耳にはまだ事故の時の大きな傷跡が残っていた。アレクシアはショーダンサーで、モーターショーのステージでエロティックなダンスパフォーマンスを披露して男性客を虜にしていた。ステージを終えたアレクシアは、シャワールームで若手のショーガール・ジャスティーヌに声をかけられ、彼女に対して性的な興味を抱くようになる。
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映画『TITANE/チタン』のあらすじ【承】
ショーを終え駐車場に向かい、車に乗り込んだアレクシアの前にひとりの男性ファンが現れ強引にキスを迫ってくる。アレクシアは受け入れる素振りを見せつつ、髪をまとめていた金属製の鋭利なヘアピンで男を刺し殺し、死体を車の後部座席に隠す。
アレクシアは、血を洗い流すためショールームに戻りシャワーを浴びていると、ある異変に気付く。誰かがドアを激しく叩きつけ突き破ろうとしてくるのだ。やがて音が静まりドアを開けると、そこにはショーで使っていた車があった。車はまるで意志を持った人間のように彼女を誘ってくるのだ。アレクシアは欲情し、裸になって車と性行為に及ぶ。
翌日アレクシアはホームパーティーで知人の男と寝たあと腹痛を感じ、股から黒いオイル状の液体が漏れ出してくることに気づく。妊娠したことを察知した彼女は、自力で中絶を試みるが失敗してしまう。
その夜、アレクシアはジャスティーヌを昨晩の男と同じようにヘアピンで刺し殺し、居合わせたルームメイトたちも次々と殺害。自宅に戻ったアレクシアは両親を部屋に閉じ込め、家に火を放ち逃亡する。
映画『TITANE/チタン』のあらすじ【転】
殺人犯として指名手配されたアレクシアは、街中のテレビニュースで、10年前に失踪したアドリアンという少年に捜索願が出されていると知る。失踪当時7歳で現在は自分と同じくらいの年齢に当たることから、アレクシアは彼になりすますことを思いつく。彼女は髪を切り、胸と腹にさらしを巻き、鼻を殴って強引に変形させると、警察に行って失踪していたアドリアンだと申し出る。
知らせを受けたアドリアンの父親ヴァンサンがすぐに迎えにやってくる。ヴァンサンは警察のDNA鑑定は必要ないと断り、そのままアレクシアをアドリアンとして連れて帰る。
消防署長のヴァンサンは部下の消防士たちにアドリアン(アレクシア)を紹介して、一緒に働かせることにする。部下のライアンは終始無言のアレクシアに不審感を持つが、署長であるヴァンサンに意見できるものは誰もいなかった。
ヴァンサンは体の衰えを怖れステロイド注射を打ち続けていたが、体調は逆に悪くなっていく。アレクシアは居心地の悪さに耐えられなくなり家を逃げ出そうとするが、ステロイドを打ち過ぎて死にかけているヴァンサンを見て思いとどまる。
映画『TITANE/チタン』の結末・ラスト(ネタバレ)
ライアンはついに「アドリアンを偽物だと疑っている」とヴァンサンに打ち明ける。また、息子が発見されたことを聞いたヴァンサンの別れた元妻がやってきて、アレクシアがさらしをほどいて乳房を出し、腹が大きくなっているところを目撃する。
元妻は、妄想に取りつかれてもはや正常な判断ができなくなってしまっているヴァンサンに呆れ果ててしまう。そして、自分はもう口出しをしないが、アレクシアを引き取ってしまったのなら責任を持って面倒を見るよう忠告する。
その夜、ヴァンサンもとうとうアレクシアの本当の姿を見てしまい、疑いようのない事実を突きつけられる。しかし、それでもなおヴァンサンは、「お前が誰であろうと、お前は俺の息子だ」と固執するのだった。
アレクシアの臨月が近づき、腹からは絶え間なくオイルが染み出し、金属が露出する。ヴァンサンは苦しむアレクシアに寄り添い、懸命に出産を手伝う。そして、生まれてきたのは頭部から背中にかけてチタンでできた突起を持つ胎児だった。その直後にアレクシアは息絶える。
ヴァンサンは泣きながら赤ん坊を抱き「俺がついている」と語りかけ、子どもを育て守り抜くことを誓うのだった。
映画『TITANE/チタン』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
交通事故で頭にチタンプレートを埋め込まれた少女が、やがて車と性行為をし、妊娠するという衝撃的な展開に度肝を抜かれた。連続殺人の末に男性になりすまして消防士ヴィンセントの息子として生きる後半は、暴力的な前半とは別の温度を帯びる。血と金属にまみれた物語が、最終的に“擬似家族”の愛へと収束する構造が予想外で、ラストの出産シーンは嫌悪と感動が同時に押し寄せた。(20代 男性)
正直、前半の無差別殺人と過激な描写には目を背けたくなった。しかし、アレクシアがエイドリアンとしてヴィンセントに受け入れられていく過程を見ているうちに、物語の核が“承認”と“孤独”にあると気づく。血が流れても、身体が壊れても、誰かに必要とされたいという叫びが痛い。チタンの背骨を持つ赤ん坊が生まれるラストは異形でありながら、どこか神話的だった。(30代 女性)
ホラーやスプラッターの枠に収まらない怪作。車との交わり、金属と肉体の融合というモチーフは挑発的だが、本質は父性の物語だと思う。息子を失ったヴィンセントが、偽物と知りながらもアレクシアを抱きしめる姿に胸を打たれた。暴力の連鎖の先に、奇妙な優しさが芽生える構成が見事。観る人を選ぶが、忘れがたい体験だった。(40代 男性)
ジェンダーの境界を軽々と踏み越えていく大胆さに圧倒された。アレクシアが胸を潰し、鼻を折り、別人として生きようとする姿は痛々しい。それでもヴィンセントの前では、少しずつ感情がにじみ出る。炎に包まれた消防署のダンスシーンは異様で美しく、孤独な魂の交信のようだった。ラストの静かな抱擁に涙が出た。(20代 女性)
倫理的に受け入れがたい場面も多いが、そこにこそ監督の挑発がある。殺しを重ねる主人公が、父を求める子どものような顔を見せる瞬間が印象的だ。ヴィンセントもまた老いと衰えに抗い、薬物に頼る弱い存在。二人の欠落が重なり合い、奇妙な家族が成立する。チタンの赤ん坊は希望なのか呪いなのか、答えの出ない余韻が残る。(50代 男性)
身体の変容をここまで生々しく描いた作品は初めて観た。妊娠によって皮膚が裂け、金属が軋む描写は痛覚を刺激する。それでも、アレクシアがヴィンセントの腕の中で出産する場面は、奇妙な安堵を覚えた。血まみれの物語が、最後は親子の絆に着地する大胆さ。観終わった後もしばらく放心した。(30代 女性)
前半の殺戮シーンの連続で拒否反応が出かけたが、物語が進むにつれて印象が一変した。エイドリアンとして生きる選択は逃避であり再生でもある。ヴィンセントが真実を知りながらも受け入れる姿に、人間の愛の複雑さを見た。ジャンルを超越した問題作であり、観る覚悟が必要な一本。(40代 男性)
暴力と性の描写が強烈で賛否は分かれるだろう。しかし、孤独な者同士が寄り添う後半は不思議な温度を持つ。消防士たちの中で踊るアレクシアの姿は異物そのものだが、同時に救いを求める存在でもあった。ラストの赤ん坊の背骨に宿るチタンの輝きが、未来の象徴に見えた。(20代 女性)
映画体験としては極端だが、だからこそ忘れられない。肉体の破壊と再構築、アイデンティティの揺らぎがテーマとして貫かれている。ヴィンセントが息子を信じたい一心で現実を曲げる姿は痛切。血と汗と金属の匂いが漂う世界で、最後に差し込む親子のぬくもりが際立つ。(60代 男性)
正直、理解が追いつかない場面も多かった。それでも、アレクシアが孤独から逃れるために別人を演じ続ける姿には胸が締めつけられた。ヴィンセントとの関係は偽りから始まるが、最後は本物の愛情に変わっていく。出産と死が同時に描かれる結末は残酷で美しい。挑戦的だが、強烈な余韻を残す作品。(50代 女性)
映画『TITANE/チタン』を見た人におすすめの映画5選
RAW〜少女のめざめ〜
この映画を一言で表すと?
本能が覚醒する瞬間を生々しく描く、衝撃の成長譚。
どんな話?
厳格な菜食主義の家庭で育った少女ジュスティーヌは、獣医学部入学後の通過儀礼で生肉を口にしたことをきっかけに、抑えきれない食欲に目覚める。やがてそれは常軌を逸した衝動へと変わり、家族の秘密も浮かび上がる。身体の変化と欲望の暴走を通して、アイデンティティの揺らぎを描く異色作。
ここがおすすめ!
肉体の変容と欲望の解放を真正面から描く大胆さは、TITANE/チタンに衝撃を受けた人にこそ刺さる。単なるショッキング映像に終わらず、姉妹関係や家族の因縁まで踏み込む物語構造が秀逸。グロテスクと美しさが同居する映像体験を味わえる。
クラッシュ
この映画を一言で表すと?
欲望と機械が絡み合う、禁断のエロティック・スリラー。
どんな話?
交通事故をきっかけに出会った男女が、事故の衝撃や傷跡に性的興奮を覚える奇妙なコミュニティへと足を踏み入れる。車と身体、金属と肉が交錯する世界で、彼らは危険な快楽に溺れていく。常識を揺さぶるテーマを冷徹な視線で描いた問題作。
ここがおすすめ!
機械と身体の融合というモチーフはTITANE/チタンと強く共鳴する。刺激的な題材ながら、演出はあくまでクールで知的。人間の欲望の深層を覗き込むような不穏な空気が続き、観終わった後もざわつきが残る一本。
ホーリー・モーターズ
この映画を一言で表すと?
アイデンティティが溶け続ける、奇想天外な映画体験。
どんな話?
一人の男がリムジンでパリを巡りながら、次々と別人に“変身”していく。乞食、殺し屋、怪物、家族の父親など、役割を演じ続けるうちに、本当の自分の輪郭は曖昧になっていく。現実と虚構の境界を軽やかに越える、実験的で詩的な作品。
ここがおすすめ!
変身と演技を通して自己の不確かさを描く点は、TITANE/チタンの後半パートと通じる。ジャンルに縛られない自由奔放な構成と大胆なビジュアルは唯一無二。観る者の固定観念を揺さぶる刺激的な映画体験が待っている。
アンチヴァイラル
この映画を一言で表すと?
ウイルスと憧れが融合する、冷酷な近未来スリラー。
どんな話?
セレブの病気を商品化し、ファンに注射する企業が存在する世界。主人公はその会社で働きながら、ある人気女優のウイルスを巡る陰謀に巻き込まれていく。肉体とテクノロジー、崇拝と消費が交錯するディストピアを描く。
ここがおすすめ!
身体が商品化される世界観と、無機質な映像美が強烈。金属的な質感と冷たい色彩設計はTITANE/チタンの世界観とも響き合う。倫理観を揺さぶるテーマをスタイリッシュに描き、観る者に不安と興奮を同時に与える作品。
エクス・マキナ
この映画を一言で表すと?
人間と人工物の境界が崩れる、静かな心理戦。
どんな話?
若きプログラマーが、天才経営者の山荘で女性型AIのチューリングテストを任される。人間のように振る舞う彼女との対話を重ねるうちに、次第に疑念と感情が入り混じる。人工知能の意識と人間の欲望をめぐる緊迫のドラマ。
ここがおすすめ!
人工物に宿る“心”というテーマは、TITANE/チタンの金属と肉体の融合と通底する。密室劇ならではの緊張感と、美術や音響の洗練が見事。静かな語り口ながら、ラストの余韻は強烈で、観終わった後に深く考えさせられる。



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