この記事では、映画『トカレフ(2014)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『トカレフ(2014)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『トカレフ』の作品情報
上映時間:98分
ジャンル:アクション、サスペンス、ミステリー
監督:パコ・カベサス
キャスト:ニコラス・ケイジ、レイチェル・ニコルズ、マックス・ライアン、マイケル・マグレイディ etc
映画『トカレフ』の登場人物(キャスト)
- ポール・マグワイア(大人:ニコラス・ケイジ / 若い頃:ウェストン・ケイジ)
- かつてはマフィアに所属し、様々な悪事に手を染めていた。現在は普通のビジネスマンとして、家族と幸せな日常を送っている。妻のメアリーが乳がんで亡くなった後、ヴァネッサと再婚した。ナイフでの戦いが得意。
- ヴァネッサ・マグワイア(レイチェル・ニコルズ)
- ポールの妻。ポールがかつて罪を犯していたことを知りながらも、深く愛している。
- ケイン(マックス・ライアン)
- ポールの友人。バーを経営している。若い頃からポールと一緒に犯罪に手を染めていた。
- ダニー・ドハーティ(マイケル・マグレイディ)
- ポールの友人。ケインと同じく、若い頃からポールと一緒に犯罪に手を染めていた。現在もマフィアのボスであるオコネルと繋がりがある。
- フランシス・オコネル(ピーター・ストーメア)
- ポールがかつて所属していたマフィアのボス。ポールがカタギに戻るのを手助けした。現在は車椅子で生活を送っている。
- チェルノフ(パシャ・D・リチニコフ)
- ロシア・マフィアのボス。19年前に麻薬の売人だった兄をポール達が殺したことを知り、オコネルに復讐する。
- マイケル(マックス・ファウラー)
- 事件当夜、ケイトリンと共にポールの家にいた。ケイトリンのことを愛している。ケイトリンが誘拐されたことを証言するが、本当はマイケルが握っていた銃が、運悪くケイトリンの頭を撃ち抜いてしまう事故だった。
- ケイトリン・マグワイア(オーブリー・ピープルズ)
- ポールの1人娘。15歳。血は繋がっていないが、ヴァネッサと良好な関係を気づいている。事件に巻き込まれ、頭を撃ち抜かれた姿で発見される。
- エヴァン(ジャック・ファラヒー)
- マイケルとケイトリンの友人。事件当夜、ケイトリンと共にポールの家にいた。ケイトリンの遺体を隠すことを手伝う。
- ピーター・セント・ジョン(ダニー・グローヴァー)
- 刑事。ポールがマフィアに所属していた頃からの知り合い。ポールの身を案じており、再び犯罪に手を染めることを何とか阻止しようと奮闘する。
映画『トカレフ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『トカレフ』のあらすじ【起】
ポールは娘のケイトリンことが心配で、学校まで送り迎えをしていた。ケイトリンはもうすぐ16歳の誕生日を迎えようとしており、ポールの友人のケインのバーを貸し切って祝うことになっていた。
ポールは妻のヴァネッサと共に、仕事関係の人から夕食会に招かれていた。出かける前に家に遊びに来ていたケイトリンの友人のマイケルに声を掛け、娘とデートに行きたいのか尋ねた。マイケルの表情から、ケイトリンのことを思っているのは明らかだった。マイケルが突然の話に戸惑っていると、ポールは麻薬などの犯罪に手を染めていないか確認した。マイケルが何もしていないと分かると、ポールはマイケルのことを励まし、出かけていった。
ポールの夕食会にピート警部が訪ねてきて、ケイトリンの危機を知らされる。1時間前に通報があり、ケイトリンと共に家にいたマイケルは負傷し、エヴァンは強いショックを受けて病院で鎮静剤を打たれている状態だった。黒ずくめの人達が家を押し入り、ケイトリンを連れ去っていったのだ。
誘拐犯からの身代金の要求はなかった。ピート警部はポールの過去の悪行を知っており、犯人に心当たりがないか尋ねた。だが、ポールは取り乱しながら、無いときっぱりと言い切った。その後、ヴァネッサは2人きりになった時に、ポールに本当に心当たりはないのか尋ねた。ポールはある1人の人物を思い浮かべていた。ヴァネッサはどんなことをしてでも連れ戻してくれと頼んだ。

映画『トカレフ』のあらすじ【承】
ポールはマイケルに会いに行った。亡くなった妻のメアリーを守って侮辱してきた男の足を折った話をして、マイケルの恐怖を煽った。ポールは犯人の言葉に訛りはなかったのか、コロンなどの匂いはなかったのか尋ねるが、マイケルは何も覚えていなかった。マイケルはただ泣きながら、謝罪をした。
ポールは警察に見張られていて身動きが取れないため、友人のダニーとケインに助けを求めた。ダニー達は麻薬の売人を脅すなど、手荒な方法を使って誘拐犯の行方を探すが、一晩探しても何の手がかりも得られなかった。そんな時、ケイトリンが亡くなったと言う知らせが、警察からもたらされる。ポールはケイトリンの遺体の前で泣き崩れた。
ポールはかつて所属していたマフィアのボスであるオコネルから、復讐に手を染めるなと忠告を受ける。オコネルはポールがマフィアから抜けることを助けてくれた人物でもあった。ポールはただオコネルの言葉に頷いた。
ピート警部は犯人について何も手がかりを得られていなかった。ポールのやつれた様子から見ても、犯人を知っているとは思えなかった。ケイトリンの殺害に使用された銃はソ連製のトカレフで、ロシア・マフィアであるチェルノフ・ファミリーの事件に関連があることは分かった。
映画『トカレフ』のあらすじ【転】
ダニー達は秘密裏に警察から情報を得て、トカレフが殺害に使用されたことを知る。そのことをポールに伝えると、ロシア人が関わっていることに激しく動揺を示した。ポールはダニー達を連れて、ロシアのマフィアが出入りしている賭博場を襲撃した。情報を得るために、自らが標的になったのだ。
ポール達はチェルノフの部下を捕まえるため、クラブを訪れた。だが、逃げられてしまったため、ダニーが咄嗟に発砲してしまう。チェルノフの部下は撃たれてもなお走って逃げたが、途中で腹を抑えて座り込んだ。追いついたポールがチェルノフの部下に、顔を知っているか尋ねた。19年前チェルノフの金を車から奪うため、目の前の男を車中から放り投げたことがあったのだ。だが、チェルノフの部下はポールの顔を知らなかった。マスクをしていて顔が見えなかったのだ。しかも、チェルノフは部下が金を奪ったと誤解していた。ポールは娘のことを聞こうとするが、その前にチェルノフの部下は亡くなってしまう。
ピート警部はポールの元を訪ね、犯罪に手を染めるなと忠告した。だが、ポールの悲しみはとても深く、ピート警部の話に耳を傾けようとはしなかった。その後も、ポール達はチェルノフの部下を襲撃した。
映画『トカレフ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ケインの店にロシア人のグループが訪ねてきた。ケインは襲撃される前にポールに電話を掛けて助けを求めるが、ロシア人に見つかってしまい捕まってしまう。ポールはダニーに電話を掛けるが、繋がらなかった。その時、ポールはバイクに乗った不審な男を見つけ追跡するが、パトカーに阻まれてしまう。ピート警部はポールに事件に関わるなと忠告し、解放した。
ポールがダニーの元に行くと、ストリッパーと楽しんでいる最中だった。その頃、ケインはチェルノフから激しい拷問を受けていた。ポールの娘を襲ったことを尋ねるが、何も知らない様子だった。チェルノフからなぜポールの娘を襲う必要があるのか尋ねられ、ケインは19年前にヤクの売人を殺して金を奪ったことを話した。チェルノフはその話を聞き、激しく動揺した。その売人はチェルノフの兄だった。
ポールはダニーとの口論の最中、咄嗟にナイフで腹を刺してしまう。ダニーはそのまま息を引き取った。その頃、チェルノフはケインの亡骸を持って、オコネルに会っていた。そして、戦争を仕掛けてきたポールの代わりだと言って、オコネルの胸を銃で撃ち抜いた。
ポールは今までのことを全て考え直し、自分の家のクローゼットの中を確認した。そこには、1丁のトカレフが入った箱が収められていた。ポールはエヴァンにマイケルを呼び出してもらった。マイケルは銃でポールに脅され、事件の経緯を話した。ケイトリンはポールがマフィアに所属していたことを話し、証拠としてクローゼットの中の銃を見せた。マイケル達は初めての銃に興奮し、銃を持って雨の降る中遊んでいた。ケイトリンはマイケル達の遊びを止めさそうと近づくが、マイケルはそれに気づかずに発砲してしまったのだ。マイケルは謝罪しながら殺してくれと懇願するが、ポールは銃から手を放し、呆然としながらその場を立ち去った。
ポールは家に帰り、ヴァネッサに全てが終わったことを告げた。そして泣きながら、17歳の頃に初めて人を殺してから、犯罪に手を染めて生きた人生を悔いていることを話した。だが、その家にはポールの命を狙う刺客が近づいていた。そして、ポールの家から銃声が鳴り響いた。ヴァネッサは家から警察が遺体を運び出すのを、泣きながら見ていた。
映画『トカレフ(2014)』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
復讐に生きる男の狂気と、それによって崩れ落ちる家族の絆。父親ポールが娘の死をきっかけにロシア製のトカレフ拳銃を取り戻す展開は、緊張感が常に張り詰めていて息を呑みました。終盤で判明する“復讐の連鎖”に巻き込まれていく構図は衝撃的で、善悪の境界がぐらつく演出にゾッと。ラストの静かな絶望が、忘れられない余韻を残します。(20代 男性)
アクションもありつつ、緻密な心理描写が光る作品でした。ポールが犯罪の過去と向き合い、拳銃を手放そうと葛藤する姿に胸が痛みました。娘だけでなく、自分自身を取り戻そうとする彼の内面の旅が丁寧に描かれていて、単なる復讐劇とは一線を画しています。結末の選択には切なさと救いが同居し、多層的な感動を覚えました。(30代 女性)
復讐が正当化される中で、どこまでが許されるのかという問いが重く心にのしかかります。ポールが自らの手で徹底的に過去に決着をつけようとする姿は怖くもあり、どこか理解してしまう自分がいました。拳銃が暴力の象徴ではなく、“父親としての決意”になっている構図が印象的。ラストで拳銃を捨てる瞬間に、一筋の希望を感じました。(40代 男性)
中年の男が抱える後悔と、それでも失ったものを取り戻せないもどかしさが胸に刺さりました。娘の死によって自分を見失ったポールが、拳銃を手にして闇に踏み込む過程はリアルで痛々しい。終盤、拳銃の持ち主が意外な人物だったと知った時の衝撃と悲しみは忘れがたく、復讐がどれほど空しいかを思い知らされます。(20代 女性)
暴力に手を染めていく父親の孤独と、そこから脱け出せない家族の彷徨が重く響きました。ポールが拳銃を手にする瞬間の演出と、過去の記憶がフラッシュバックする演技にはゾクリとするものがありました。ラストで拳銃を海に捨てるシーンは、一見の救いに見えて底なしの喪失感。深い余韻を残す大人の復讐譚です。(30代 男性)
「誰の手にも拳銃がある」というセリフが象徴的。ロシア製トカレフをめぐる人間模様と、復讐の歯車が止まらない構造が秀逸でした。ポールが娘を失っても復讐を選ぶ姿は衝撃的で、人間の闇を痛感。拳銃を捨てる瞬間で終わるラストに、暴力の連鎖を断ち切りたいというメッセージ性を感じました。(40代 女性)
壮絶なクライムドラマでありながら、心情の変化に焦点を当てた心理描写が光ります。ポールの“復讐の道”に引きずられるように物語に引き込まれ、拳銃を構えるたびに息が詰まる緊迫感が続きました。クライマックスで復讐を思いとどまる決断をする場面は胸を打ち、父と娘への愛が暴力を超える瞬間に救いを感じました。(50代 男性)
一瞬のナイフと拳銃のやり取りに、映画の全てが凝縮されている印象。ポールが娘を失い、拳銃を取り戻す旅は、自分自身の怒りと絶望との戦い。その葛藤が表情や静かなシーンでよく描かれていて、台詞ではなく“間”で語る演出が心に残ります。ラストの選択に、「赦し」よりも「前進」が見えた気がしました。(20代 男性)
アクション映画かと思いきや、復讐劇を通して“家族の意味”を問う深いドラマでした。ポールが拳銃を求める理由が、娘への罪悪感から来ていることが明かされ、胸が締め付けられました。拳銃を持って立ち上がるシーンで彼の覚悟を見る一方、最後にその拳銃を放り投げるラストは、暴力ではない愛を選んだ瞬間だと思います。(30代 女性)
静かながらも容赦ないリベンジスリラーで、見えない緊迫感がずっと続く構成が見事。ポールがトカレフを追うたびに、誰かの人生を再び壊しているようで、観る方も道徳的に問いただされます。ラスト、拳銃を川に沈める場面には救いとともに「これで良かったのか?」という疑問も残り、余韻が深い作品でした。(40代 男性)
父親としての最大の揺らぎを描くリベンジドラマ。娘の死という極限状況に暴力で立ち向かうポールの苦しさが伝わり、拳銃を手放す最後の姿には「人としての再生」を感じます。クールで重厚な映像美と冷たい雨の中での決断が、観客の心に長く刻まれる、硬質な一作でした。(50代 女性)
映画『トカレフ』を見た人におすすめの映画5選
ジョン・ウィック
この映画を一言で表すと?
最愛の存在を奪われた男が、静かに、そして圧倒的に復讐に燃える。
どんな話?
元殺し屋のジョン・ウィックは、亡き妻の遺贈である愛犬をギャングに殺されたことで、裏社会に戻り壮絶な復讐を始める。アクション満載で、スタイリッシュな映像と孤独な男の哀しみが際立つ。
ここがおすすめ!
『トカレフ』同様、失ったものへの怒りと哀しみが引き金となる復讐劇。激しい銃撃戦と繊細な感情描写が絶妙に絡み合い、観る者を引き込む。キアヌ・リーブスの冷徹かつ切ない表情に痺れる傑作。
96時間(原題:TAKEN)
この映画を一言で表すと?
娘を救うためにはどんな手段も辞さない、父親の極限の戦い。
どんな話?
元CIA工作員の父親が、パリで人身売買組織に誘拐された娘を助け出すため、72時間以内に行動を開始。豊富なスキルで敵を追い詰めていくスリリングな展開が続くアクションサスペンス。
ここがおすすめ!
『トカレフ』の“父と娘”というテーマに強く共鳴。暴力に手を染めても娘を取り戻す覚悟が描かれ、リアルな父性愛と手に汗握る展開が魅力。リアム・ニーソンの渋さが光る。
マン・オン・ファイア
この映画を一言で表すと?
沈んだ魂を癒やした少女を奪われた男の、壮絶な怒りと再生の物語。
どんな話?
メキシコでボディーガードを務めていた元CIA工作員が、誘拐された少女を救うため、非情な報復の旅に出る。感情を押し殺した演技と、静かな怒りが胸を打つ復讐劇。
ここがおすすめ!
『トカレフ』と同じく、心の傷を抱えた男が大切な存在のために戦う物語。トニー・スコット監督の映像表現が美しく、感情の爆発を静と動で描く演出が圧巻。感動と余韻が深い一作。
イコライザー
この映画を一言で表すと?
正義のために、静かに狂気を解き放つ元CIAの無敵男。
どんな話?
平穏に暮らす元特殊工作員が、理不尽な暴力に苦しむ少女を助けるため、再び闇の世界に戻る。冷静沈着にして圧倒的な戦闘力で敵を制圧していく爽快感が魅力。
ここがおすすめ!
『トカレフ』と同様、過去を持つ男が“守るため”に暴力を使う道を選ぶ構図が共通。デンゼル・ワシントンの静かなる怒りと、計算されたアクションの美学が堪能できる。
リベンジ・リスト(原題:I AM WRATH)
この映画を一言で表すと?
愛する者を奪われた男が、腐敗した正義を自らの手で裁く。
どんな話?
妻を殺された男が、警察の無力さに絶望し、自らの手で真相を暴いて復讐に乗り出す。元特殊部隊という過去を活かし、裏のネットワークを駆使して犯人に迫るクライムアクション。
ここがおすすめ!
『トカレフ』の“奪われたものへの怒り”というテーマに共鳴する作品。ジョン・トラボルタの鬼気迫る演技と、シンプルで一直線な復讐劇が、痛快さと哀愁を同時に感じさせる一作。
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