この記事では、映画『トリプル9 裏切りのコード』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『トリプル9 裏切りのコード』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『トリプル9 裏切りのコード』の作品情報
上映時間:115分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:ジョン・ヒルコート
キャスト:ケイシー・アフレック、キウェテル・イジョフォー、アンソニー・マッキー、アーロン・ポール etc
映画『トリプル9 裏切りのコード』の登場人物(キャスト)
- クリス・アレン(ケイシー・アフレック)
- ギャング対策班に新たに赴任して来た警察官。真面目な性格。マーカスと相棒を組むことになるが、きちんと犯罪を取り締まらないマーカスに不満を抱く。
- マイケル・アトウッド(キウェテル・イジョフォー)
- 強盗集団のリーダー。ブラックウォーター社の元警備員。息子と恋人のエレナをとても大切にしている。
- マーカス・ベルモント(アンソニー・マッキー)
- 強盗集団の一員。警察官。ギャング対策班に所属している。クリスの相棒となる。仲間である警察官を殺すことに躊躇する。
- ゲイブ・ウェルチ(アーロン・ポール)
- 強盗集団の一員。ラッセルの弟。元警察官。薬物中毒者。娼婦の彼女がいる。口が軽く、突拍子もない行動を起こすため、マイケル達から度々注意を受ける。
- フランコ・ロドリゲス(クリフトン・コリンズ・Jr)
- 強盗集団の一員。警察官。殺人課に所属。人を殺すことに躊躇しない残忍な性格。
- ラッセル・ウェルチ(ノーマン・リーダス)
- 強盗集団の一員。ブラックウォーター社の元警備員。マイケルとは特に仲が良い。理性的な性格。強盗を行う際は、主に指揮を執っている。
- エレナ・ヴラスロフ(ガル・ガドット)
- マイケルの恋人。イリーナの妹。マイケルとの間に子供がいる。
- ジェフリー・アレン(ウディ・ハレルソン)
- 重大犯罪課に所属する警察官。クリスの叔父。捜査中に薬物に手を出すなど、警察官として悪い一面も持っている。ファーストシティ銀行の強盗事件の捜査を指揮する。
- イリーナ・ヴラスロフ(ケイト・ウィンスレット)
- ロシアン・マフィアのボス。夫は現在刑務所に収監されている。マイケルがエレナと付き合っていることに不満を抱いている。マイケルとエレナの間にできた子供のことは、とても大切にしている。
映画『トリプル9 裏切りのコード』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『トリプル9 裏切りのコード』のあらすじ【起】
ジョージア州、アトランタ。男達はファーストシティ銀行で強盗を行っていた。4人の男(マイケル・マーカス・ゲイブ・フランコ)が銀行に押し入り、1人の男(ラッセル)が外で警察の無線を傍受しながら指示を出していた。マイケル達は無事に強盗を成功させ、ラッセルとは別の用意していた車に乗って逃走した。しかし、途中で盗んだ金についていた防犯用の煙が爆発してしまう。それは、ゲイブが欲を出して盗んだ物だった。マイケル達は自分達が乗っていた車に爆弾を設置すると、男から車を奪って逃走した。
マイケル達はゲイブを激しく非難した。だが、ゲイブはもし盗みが成功していれば自分を称えたはずだと、堪えた様子はなかった。ラッセルはそんな弟を心配するが、ゲイブは煩わしそうにするだけだった。その後、マイケルはラッセルを連れ、マフィアの男に銀行から盗んだ物を渡しに行った。
アレン刑事はファーストシティ銀行の現場を確認し、捜査を行っていた。強盗犯が盗んだ金庫は、ロシア人の富豪であるディミトリ・ペトコフのものだった。しかし、ディミトリの家族は金庫の中身については何も知らなかった。
アレンの甥のクリス刑事が、ギャング対策班に新たに赴任してきた。マーカスはクリスと相棒を組むことになった。
マイケルはボスのイリーナの元に金を受け取りに行くが、もう一仕事しないと払えないと断られる。しかも、妹のエレナがマイケルと交際をしていることも快く思っていないらしく、嫌味を言われる。マイケルが反論しようとしていると、別室にFBI捜査官が来ているのが見えた。FBI捜査官が何の用で来ているのか尋ねるが、イリーナは答えようとはしなかった。

映画『トリプル9 裏切りのコード』のあらすじ【承】
イリーナは刑務所に収監されている夫のヴァシリに、マイケルが次の仕事を嫌がっていることを話した。ヴァシリはファイルを盗み出さないと刑務所から出られないため、何としてでも仕事をさせるように伝えた。マイケルは仲間を招集したが、ラッセルの姿がなかった。先に、マーカス達に金が支払われないことと、次の仕事を頼まれたことを話した。マーカス達が仕事を手伝うのを嫌がっていると、ラッセルの車が来たが、壁にぶつかりクラクションが鳴り響いた。異変を感じて見に行くと、ラッセルは手を縛られ、瀕死の状態で運転席に座っていた。マイケルはラッセルを楽にするため、断腸の思いで射殺した。
マイケルはマーカス達に、次の仕事の話をした。国土安全保障省の中から目的の物を盗み出すことなのだが、イリーナは何を狙っているのかは話さなかった。警備員の数は不明だが、SWATのような戦術部隊がいることは間違いなかった。最低でも盗み出すのに10分は必要だが、3分で警察はやって来てしまう。フランコは“コール999”を使う案を提案した。
マーカスはクリスと共にギャングの遺体の身元を確認するため、現場へと向かった。そこで、身元についてマーガスがフランコに話をしていると、聞き込みをしていたクリスが問題を起こしてしまう。マラというギャングの幹部を捜査妨害で逮捕したのだ。マーカスは誰も話さなくなると叱るが、クリスは仕事をしただけだと取り合わなかった。
マイケル達は仕事についての段取りを話し合った。“コール999”は警察官が襲撃されたことを意味し、その連絡が入ると警察官達は皆襲撃現場へと向かうことになっていた。そして、犯人を捜すのに警察官達は躍起になるため、他の現場に手が回らなくなるのだ。マイケル達は“コール999”を使う方向で話を纏めるが、マーカスは仲間の警察官を殺すことに戸惑いを感じていた。
映画『トリプル9 裏切りのコード』のあらすじ【転】
マイケル達は話し合い、クリスを標的にすることを決める。しかし、ゲイブは兄ならもっといい作戦を立てたのではないかと、今回の作戦に尻込みをしていた。マイケルはやる気のないゲイブを怒鳴り、家へと帰した。その頃、アレンは情報屋から、銀行強盗をした男(ゲイブ)と話した娼婦の話を得ていた。
マイケルはイリーナに、息子とエレナを人質に取られる。息子達はただリゾートに遊びに行っているだけだと思っているが、帰国できるかどうかの決定権はイリーナが握っているのだ。
アレンは部下と共にゲイブの家を監視した。身元も判明し、3年前に辞めた警察官だと発覚する。何度も問題を起こし、不審な発砲を行って免職したのだ。アレンは薬物容疑でゲイブの恋人の娼婦を逮捕し、釈放する代わりに、ゲイブの情報を求めた。娼婦はマイケルが仲間にいることと、ラッセルが先日亡くなったことを話した。アレンはゲイブがとある家の前にいるとの情報を受け、急いで現場へと急行した。そこは、クリスの家だった。アレンがクリスの無事を確認して安堵していると、マイケルについて部下から連絡が入った。マイケルとラッセルはブラックウォーター社の元警備員で、マイケル達は武装強盗を行い起訴されていた。しかもそれには、ロシアン・マフィアのヴァシリが絡んでいた。しかし、証人4人が消えて、起訴は取り消されていた。上司からの指示で、アレンはイリーナを見張ることになった。
映画『トリプル9 裏切りのコード』の結末・ラスト(ネタバレ)
マイケルはフランコから連絡をもらい、ゲイブが警察に見張られていることを知る。娼婦の泣く声を聞かせながら、ゲイブに街から消えるよう脅した。アレンはゲイブを見失ってしまい、途方に暮れた。マイケルも家には現れず、イリーナも判事から令状が下りず捜査ができなかった。
マーカスは情報提供者に会うと偽り、クリスを廃墟へと連れて行った。クリスが廃墟の中を彷徨い歩いていると、男(ゲイブ)に出会った。ゲイブから命を狙われていると警告された瞬間、後ろから突然発砲される。クリスは無事だったが、ゲイブは流れ弾に当たって重傷だった。ゲイブは最後の力を振り絞ってマーカスの頭を撃った。ゲイブもマーカスに撃たれて亡くなってしまう。クリスはマーカスが撃たれたため、“コール999”を無線で伝えた。
マイケル達はマーカスが撃たれたことは知らないまま、“コール999”を無線で聞き、国土安全保障省に侵入した。その頃、アレンは同僚からクリスが襲撃されたと聞き、現場へと急いでいた。途中で国土安全保障省が襲撃されたと無線連絡が入るが、そちらは他の者に任せてクリスの元へと急いだ。
マイケル達は目当ての物を盗み出すが、外のスナイパーが既に待機しており、発砲される。何とかその場から逃げ出すが、マイケルは手を撃たれていた。その後、フランコは何食わぬ顔で“コール999”の現場に行き捜査を行うが、スナイパーに撃たれた傷が癒えておらず不恰好な歩き方になってしまう。アレンはその様子に違和感を覚える。
マイケルは盗んだ物をイリーナに渡した。しかし、そこに息子とエレナの姿はなかった。イリーナはお金を持って消えるようマイケルを脅し、マイケルが持っていた息子へのプレゼントを持って、その場を去っていった。マイケルは起爆装置を作動させた。息子へのプレゼントの中身は、爆弾だったのだ。
マーカスは一命を取り留めるが、脳が腫れて弾が摘出できない状態だった。フランコはマイケルの元に行くとそのことを告げ、油断している隙に射殺して金を奪った。クリスはマーカスの所持品から事件を洗い直し、自分を狙っていたことを知る。マーカスとゲイブはかつて同じ管区の配属で顔見知りだったのだ。そのことをアレンに教えた。
アレン達は娼婦が殺されていたことを知り、もう1人警察官の仲間がいることを知る。遺体発見時に指揮を執っていたのはフランコだった。アレンがそのことをクリスに伝えるが、クリスはちょうどフランコと一緒にいるところだった。クリスは警戒しながらフランコと別れ、自分の車に乗り込んだ。フランコも自分の車に乗り込むが、後ろ座席にはいつの間にかアレンが座っていた。フランコの車の中で銃声が鳴り響いた。フランコはハンドルに体を預けるように倒れ、アレンも腹を撃たれて血を流した。クリスは無線で“コール999”を連絡した。
映画『トリプル9 裏切りのコード』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
よくある銀行強盗を題材にした映画だがアクションと登場人物に華があり面白い。序盤こそ登場人物が次々と現れストーリーを見失いそうになるが、キャラクターがそれぞれしっかりしているために混乱はすぐにおさまる。このあたり全体に目が届いており監督の力量は高いと感じた。観て損はない映画だと思うが、似たような映画が多くある中では優等生ではあるが突出した印象は残せないかなという感想。(男性 30代)
最初の強盗シーンから一気に引き込まれた。汚職警官たちの緊張感あふれる関係性がリアルで、息が詰まる展開。特に「トリプル9(警官撃たれる)」のコードを利用して仲間を囮にするというアイディアが衝撃的だった。最後、アンソニー・マッキー演じるマーカスが裏切りと良心の間で揺れ動く姿には共感。アクションと人間ドラマが見事に融合した傑作。(20代 男性)
ヒーロー不在、悪人ばかり。でもだからこそ現代社会の歪みを描いていると思った。正義のためではなく、生き残るための選択をする登場人物たちに、胸が痛くなった。警察もFBIもマフィアも腐敗している中で、唯一「何も知らない新人警官」が光る存在だったのが皮肉的で印象的。ラストの銃撃戦は手に汗握った。(30代 女性)
ストーリーの展開が早くて少し置いてかれる感じはあったが、キャストの豪華さと演技力がそれを補っていた。ウディ・ハレルソン演じる刑事が一風変わった存在感で、物語に深みを与えていた。裏切りが裏切りを呼び、誰が生き残るのか最後まで予想できなかった。まさに混沌のクライムスリラー。(40代 男性)
最初は単なるクライム映画かと思ったが、見ていくうちに登場人物の複雑な背景と関係性に引き込まれた。特にケイシー・アフレックのキャラクターが、良心を失わずに警察として立ち向かう姿勢が救いだった。誰もが何かを守るために罪を犯している世界で、彼の存在は希望だった。重いけど観る価値あり。(20代 女性)
昔からクライム・サスペンス好きだが、この作品は群像劇としての完成度が高い。誰が主人公とも言えず、全員が悪に染まっているようで、それでもそれぞれに事情がある。マフィアのボスが実は家族を守るために警察を操っていたという展開も、人間の業を感じさせた。リアルでハードボイルドな映画。(50代 男性)
暴力的な描写が多くて観るのが辛い部分もあったけど、それでも目を背けられない映画だった。どこまでが正義で、どこからが裏切りなのか。善と悪が曖昧な世界にいる登場人物たちの心理描写が見事。とくにトリプル9という警察用語を使って自らの仲間を犠牲にしようとする計画は衝撃的すぎた。(30代 女性)
この映画、正直もっと話題になっても良いと思う。全体的に渋い雰囲気とスタイリッシュな映像で、終始緊張感が続いていた。テーマはシンプルなのに、キャラクターの選択がそれぞれ重くて、どの判断も簡単にはできない状況ばかり。最後の銃撃戦、そしてマーカスの死の描写にはやりきれなさが残った。(40代 男性)
息子が勧めてきたので観てみたが、予想以上に深い作品だった。警官が悪に手を染める展開は昔からあるが、本作では“家族”や“生きるための葛藤”が濃く描かれていて、心に残った。マフィアの冷徹さと、それに利用される警官たちの末路にリアリティがあった。救いのない世界観がむしろ印象的。(60代 女性)
警官同士の信頼関係が崩壊していく過程がリアルすぎて怖かった。仲間を犠牲にして金を得ようとする計画は狂気そのものだが、それを選ばなければ生きていけないという状況に追い込まれているのも事実。登場人物たちが「悪人」ではなく、「選択肢のない人間」なのが哀しい。音楽も渋くてかっこよかった。(30代 男性)
映画『トリプル9 裏切りのコード』を見た人におすすめの映画5選
ザ・タウン(原題:The Town)
この映画を一言で表すと?
犯罪と恋愛、裏切りと贖罪が交錯する、哀しき強盗団の物語!
どんな話?
銀行強盗を繰り返すチームのリーダーが、ある事件で出会った女性に心惹かれ、自らの過去と決別しようとする。しかし、仲間やFBI、そして犯罪の世界が彼を逃がしてはくれない。愛と暴力の狭間で揺れる男の姿を描いたサスペンス。
ここがおすすめ!
ベン・アフレックが監督・主演を務め、迫力ある強盗シーンと人間ドラマを融合。『トリプル9』と同じく「仲間」「裏切り」「逃れられない業」というテーマが響く。スタイリッシュな映像と切ないラストが印象的な作品。
ヒート(原題:Heat)
この映画を一言で表すと?
プロの犯罪者と刑事、二人の孤高の男の心理戦と壮絶な銃撃戦!
どんな話?
冷静沈着な銀行強盗のプロと、彼を執念深く追う刑事。二人はそれぞれの人生に苦悩を抱えながら、次第に運命的な関係へと惹かれていく。クライマックスの銃撃戦は映画史に残る名シーン。
ここがおすすめ!
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロが対峙するというだけで観る価値あり。犯罪者側と警察側、双方に人間味を持たせて描くバランスが絶妙で、『トリプル9』のような道徳のグレーゾーンを楽しめる。
エンド・オブ・ウォッチ(原題:End of Watch)
この映画を一言で表すと?
日常に潜む死と隣り合わせの絆を描いた、リアル警察ドラマ!
どんな話?
ロサンゼルスの危険地域で日々職務に当たる若き警官2人。ボディカメラ視点を交えたドキュメンタリースタイルで、彼らの友情と現場の緊張感がリアルに描かれる。やがて麻薬カルテルとの対立に巻き込まれていく。
ここがおすすめ!
ジェイク・ギレンホールとマイケル・ペーニャの演技が光る。『トリプル9』と同様、警察という組織の中での信頼と裏切り、危険との隣り合わせな日常がリアルに描かれていて胸を打つ。
スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい(原題:Smokin’ Aces)
この映画を一言で表すと?
誰が敵で誰が味方か?予測不能な群像バイオレンス・アクション!
どんな話?
FBIの証人となったマジシャンが、命を狙われてホテルに籠城。彼の首に賞金がかけられ、殺し屋、傭兵、ギャングらが殺到する。次々と交錯する視点と暴力、裏切りがスピーディに描かれる。
ここがおすすめ!
入り乱れる人間模様と、スタイリッシュなアクション、そして予想外のラスト。『トリプル9』のような多人数の視点から進む構成が好きな人には刺さる。混沌とした展開を楽しみたい人におすすめ。
ナイトクローラー(原題:Nightcrawler)
この映画を一言で表すと?
報道の狂気と成功への執念を描いた、背筋が凍る現代スリラー!
どんな話?
職を失った青年が、事故や犯罪現場を撮影してテレビ局に売る“ナイトクローラー”という仕事に手を出す。よりショッキングな映像を求めるあまり、彼の倫理観は崩壊していく——。
ここがおすすめ!
ジェイク・ギレンホールの怪演が光る社会派スリラー。『トリプル9』と同様、表向きの正義と裏社会のつながり、人間の道徳の崩壊をリアルに描く。心理的にゾクッとする映画を観たい人にピッタリ。
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