映画『トロン』の概要:1982年、世界で初めてコンピューター・グラフィックスを全面的に取り入れた革命的作品。プログラムを擬人化し、コンピューターの内部世界を光と暗闇のコントラストで幻想的に表現している。
映画『トロン』の作品情報
上映時間:98分
ジャンル:SF、アドベンチャー
監督:スティーヴン・リズバーガー
キャスト:ジェフ・ブリッジス、ブルース・ボックスライトナー、デヴィッド・ワーナー、シンディ・モーガン etc
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映画『トロン』の登場人物(キャスト)
- ケヴィン・フリン / クルー・プログラム(ジェフ・ブリッジス)
- ソフトウェア会社エンコムの元社員。3年前にゲームソフト「スペース・パラノイア」を開発したが、デリンジャーに盗まれて退職。盗作された証拠を掴むため、エンコム社のコンピューターに度々ハッキングしている。現在はゲームセンターを経営。
- アラン・ブラッドリー / トロン・プログラム(ブルース・ボックスライトナー)
- 警備プログラム「トロン」を開発しているエンコム社のエンジニア。コンピューターの世界ではトロンとなり、遮断された外部とのアクセスを試みる。
- エド・デリンジャー / レッドサーク(デビッド・ワーナー)
- エンコム社の筆頭重役。3年前にフリンのソフトを盗作して出世した。会社のコンピューターにMCP(マスター・コントロール・プログラム)を導入して徹底管理している。
- ローラ / ヨーリ(シンディ・モーガン)
- エンコム社の社員。アランの恋人で、フリンの元カノ。ギブス博士と共に物質転換装置を開発している。
- ウォルター・ギブス博士 / デュモント(バーナード・ヒューズ)
- エンコム社の社員。物質をデジタル化して移送する物質転換装置を研究している。
映画『トロン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『トロン』のあらすじ【起】
場末のゲームセンターを経営しているフリンは、コンピューター大手エンコム社のメインコンピューターを度々ハッキングしていた。あるファイルを見つけることが目的だが、マスター・コントロール・プログラム(MCP)によって侵入を阻止される。
エンコム社重役のデリンジャーは、まるで人間と話すようにMCPと対話し、コンピューターへのアクセスを2日間閉鎖することを決定した。エンジニアのアランは警備プログラム「トロン」を開発中であったため、デリンジャーにアクセスを再開させるよう求めるが却下される。MCP自身がトロンで警備されることを拒否しているのだ。
アランは物質転換装置を研究している恋人のローラに連れられて、フリンを訪問する。彼女はフリンの元カノだった。フリンはハッキングの事実を認めた。その理由は3年前に自分が開発したゲーム「スペース・パラノイア」が完成間近にデリンジャーに盗まれたため、証拠を探すためにハッキングをしているのだと言う。
映画『トロン』のあらすじ【承】
アランとローラはフリンを伴い、夜間のエンコム社に入った。フリンは物質転換装置の近くにあるコンピューターでMCPへのアクセスを試みる。すると、MCPが自らの意志で物質転換装置を起動し、フリンにビームを照射。フリンの体はデジタル化し、コンピューターの中に吸い込まれて行った。
コンピューター内部はMCPに支配され、サークというデリンジャーそっくりの男が命令を出していた。フリンはプログラム戦士の一員として記録ディスクという武器を与えられ、戦闘訓練をさせられる。プログラム戦士は互いに対決させられ、負けた者は消滅するという過酷な運命だった。
フリンは保険経理プログラムのラムや、アランの姿をした警備プログラムのトロンと出会う。彼らは高速バイクでコンピューター回路から抜け出し、監視機に追われながらも辺境部まで逃げ切ることに成功する。外にいるユーザーアクセスするため、入出力タワーを目指すことに。谷間の池で水を飲むとエネルギーが充填され、彼らの体は輝きを増すのだった。
映画『トロン』のあらすじ【転】
監視システムの激しい攻撃を受けて、ラムが重傷を負う。トロンは単独でタワーを目指し、フリンはラムを助けた後、周辺の瓦礫を集めて監視機そっくりの機体を構築する。それはユーザーにしかできない業だったため、ラムはフリンがユーザーだと気付いた。ラムはトロンを助けてやれと言い残すと、力尽きて消滅する。フリンはひとり、偽の監視機でタワーを目指した。慣れない操縦で苦戦しながらも、タワーの手前まで行き、警備員に成りすまして奥へ侵入する。
一方トロンは、タワーで働く恋人のヨーリを誘い、タワーの中心部を目指していた。監視員のデュモンドに阻止されるが、プログラムがMCPの監視から解放されて自由になるためだと彼を説得。デュモンドは納得してトロンをタワーに入れさせた。トロンはタワーの中心部でユーザーのアランにアクセスし、記録ディスクをパワーアップさせる。その後、ヨーリと2人で船に乗り、移動ビームを使ってある場所を目指した。途中でフリンとも合流。フリンはヨーリがローラと瓜二つで驚くのだった。
映画『トロン』の結末・ラスト(ネタバレ)
船はサーク率いる空母の攻撃を受け、船体が真っ二つに割れる。トロンは瓦礫の中に消えてしまった。フリンとヨーリは反逆者として、サークに逮捕される。ヨーリはトロンが死んだと思い込み、嘆き悲しんだ。
実はトロンは生きており、MCPの前でサークと対決していた。サークはMCPによって新たなエネルギーが注がれ巨大サークとなり、トロンは苦戦を強いられる。
ヨーリと共に牢獄から抜け出したフリンは、MCPの中心部に突入して中からダメージを与えようとした。心配するヨーリにキスをして別れ、中心部へジャンプするフリン。するとMCPは、ショートして停止する。MCPが停止した隙に、トロンは記録ディスクを中心部に投入した。するとMCPは完全に機能を停止。プログラムたちは自由の身となり、世界は輝きを取り戻した。
フリンは現実の世界へ戻った。スペース・パラノイアの著作権はフリンであることが証明され、デリンジャーは失脚する。エンコム社のボスとなったフリンは、忙しく世界を飛び回るのだった。
映画『トロン』の感想・評価・レビュー
正直今見ると、CGは野暮ったくてしょぼいのだが、これがCG映画の原点かと思うと実に感慨深い。プログラムを擬人化する発想は斬新だし、体が光るコスチュームは今でも十分美しいと思える。コンピューターの巨大な顔面には思わず笑った。当時真剣だったなら尚更面白い。光と闇だけの無機質なデジタルの中で、人間味が溢れるジェフ・ブリッジスの演技に好感を持てた。2010年の続編「トロン:レガシー」と合わせて、ぜひ一緒に見て欲しい作品だ。(MIHOシネマ編集部)
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