映画『栄光のランナー 1936ベルリン』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は？

映画『栄光のランナー 1936ベルリン』の概要：1936年、ナチス政権下でベルリン・オリンピックが開催された。アメリカ代表の黒人陸上選手ジェシー・オーエンスは人種差別を受けながらも、4つの金メダルを獲得する偉業を成し遂げる。

映画『栄光のランナー 1936ベルリン』の作品情報

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映画『栄光のランナー 1936ベルリン』の登場人物（キャスト）

ジェシー・オーエンス（ステファン・ジェームス）

アメリカ合衆国の黒人陸上競技選手。貧困家庭で生まれる。高校で陸上の才能を見い出され、オハイオ州立大に進学。ラリーコーチの下、ベルリン・オリンピック出場を目指す。

ラリー・スナイダー（ジェイソン・サダイキス）

オハイオ州大の陸上部コーチでオーエンスを指導する。オリンピックの代表コーチに選ばれなかったため自腹でベルリンに行き、オーエンスをサポートする。

アベリー・ブランデージ（ジェレミー・アイアンズ）

米国オリンピック委員会（AOC）の会長。アメリカがベルリン大会をボイコットせず、参加することを目指している。度々ドイツに渡り交渉を行う。

レニ・リーフェンシュタール（カリス・ファン・ハウテン）

ドイツ人女性映画監督。ベルリン大会でオリンピック公式記録映画「オリンピア」の監督をする。

カール・”ルッツ”・ロング（デヴィッド・クロス）

ドイツの男子陸上競技選手。走り幅跳びの予選でオーエンスにアドバイスした出来事は、スポーツマンシップに則った行動として有名。ナチズムを批判したため、第二次世界大戦で前線に送られ戦死する。

映画『栄光のランナー 1936ベルリン』のネタバレあらすじ（ストーリー解説）

映画『栄光のランナー 1936ベルリン』のあらすじ【起】

1930年代のアメリカ。公共施設、ホテル、バスなどが肌の色によって隔離されていた時代。貧しい黒人家庭で生まれたジェシー・オーエンスは陸上の才能を発揮し、オハイオ州立大に進学する。陸上部コーチのラリー・スナイダーの指導の下、ベルリン・オリンピックの出場を目指す猛特訓が始まった。学内での理不尽な人種差別に耐えながら、オーエンスは練習に励んだ。

一方、ニューヨークの米国オリンピック委員会（AOC）では、ベルリン大会のボイコットが議論されていた。ヒトラーの宣伝に利用されるという懸念と、ユダヤ人迫害を問題視しているため。ブランデージ委員は金メダルで国民を勇気付けられると主張した。彼はベルリンに渡り、建設中のオリンピック施設を見学する。街中に掲げられたナチスの旗と、迫害を受けているユダヤ人を目撃すると、人種差別を排除しなければアメリカは参加しない旨をナチスの宣伝相に伝えた。

オーエンスは練習の合間に給油所で働いていた。朝練に遅刻した彼をラリーは叱責するが、彼に妻同然の恋人と子供がいて仕送りが必要だと知ると、高月給の仕事を紹介する。

映画『栄光のランナー 1936ベルリン』のあらすじ【承】

1935年の陸上選手権大会。オーエンスは腰を故障しながらも、100ヤード走に出場して断トツの1位となる。走り幅跳びでも、世界記録を目指すという宣言通りに達成。200ヤード走やハードルでも新記録を打ち立てた。

その快挙は全米に知れ渡り、オーエンスは一躍人気者になる。ロサンゼルスの競技会に招待され、大会後の打ち上げで知り合った美女と親しくなった。その交際は新聞に掲載され、故郷の恋人ルースから訴えられてしまう。

すると、オーエンスはネブラスカ選手権で実力発揮できず、優勝はピーコック選手に奪われる。オーエンスは愛人に別れを告げた。故郷に戻ってルースに何度も謝罪。プロポーズをしてすぐに結婚式を挙げた。

12月のベルリン大会のアメリカ参加の是非を問う投票日。ブランデージの熱意が実り、58対56の僅差で参加が決まった。オーエンスは参加決定が喜ぶが、全米黒人地位向上協会（NAAPO）の議員から、人種差別をするナチスの大会に出ないでくれと言われ、心が揺れ動く。

映画『栄光のランナー 1936ベルリン』のあらすじ【転】

ベルリン大会の少し前、ボクシングの国際試合でアメリカ代表のジョー・ルイスがドイツ代表のマックス・シュメリングに敗退した。オリンピックで借りを返すぞと息巻くラリーに、オーエンスは不参加の意向を伝える。ラリーの説得で選考会に出て出場権を獲得するが、参加は迷ったままだ。

そこへ、ライバルのピーコックが訪れ、怪我で選手生命を絶たれた自分の代わりに、ヒトラーの鼻を明かしてくれと託される。オーエンスは出場の意志を固めた。ドイツ行きの大型客船で、公式コーチに選ばれなかったラリーと会う。彼は自腹で乗船しており、オーエンスは心強く感じるのだった。

ベルリン入りした選手たちは大歓迎を受けた。ユダヤ人も次々と選手村へ入る。ここでは黒人用のトイレや隔離部屋などはなく、街中にあったナチスの旗も取り除かれていた。

ラリーは競技場の出入りを許可され、オーエンスのサポートをする。新しいシューズを受け取りに靴屋に行き、ユダヤ人が荷台に詰め込まれる異様な光景を目撃した。

そして100メートル走決勝。オーエンスは10.3秒で1つ目の金メダルを獲得するが、ヒトラーは黒人との記念撮影を拒み帰ってしまった。

映画『栄光のランナー 1936ベルリン』の結末・ラスト（ネタバレ）

走り幅跳びの予選。ドイツ代表のルッツ・ロングは2度もファウルを取られたオーエンスにアドバイスをした。決勝は互いに新記録を更新する白熱した戦いとなり、最後はロングのファウルによってオーエンスの2つ目の金メダルが決定。2人は並んで競技場を一周した。

その夜、2人は選手村で語り合った。ロングは民族の優位性を謳うナチズムを猛烈に批判。オーエンスに200メートルでも絶対勝ってくれと願いを託した。そして、200メートル決勝。大会公式記録カメラマンのリーフェンシュタールは撮影禁止命令を破って撮影し、オーエンスはカメラの前で、見事3つ目のメダルを獲得する。

ナチスの大臣はブランデージを呼びつけ、400メートルリレーにユダヤ人を走らせるなと言われる。ユダヤ人選手の代わりにオーエンスが走った結果、アメリカチームは世界新記録で金メダルを獲得。こうしてオーエンスは、ベルリン大会で4つの金メダルを獲得した。

ベルリン大会から3年後の1939年、第二次世界停戦が勃発する。ロングは前線に送られ戦死した。一方、アメリカに帰ったオーエンスは妻と共に祝賀会場のホテルへ。主役にも関わらず正面玄関から入ることを拒まれるが、紳士的な振る舞いで通用口から入るのだった。

映画『栄光のランナー 1936ベルリン』の感想・評価・レビュー

「ヒトラーのオリンピック」といわれる1936年のベルリン大会で、4つの金メダルを獲得したアメリカ代表の黒人陸上選手、ジェシー・オーエンスを描いた伝記映画。黒人差別だけでなく、ナチスによるユダヤ人迫害や、ナチスに反対してボイコットが起きていた事実など、当時の時代背景を分かりやすく描いている。その中でも、フェアプレー精神を貫いたロングとオーエンスの友情シーンは素晴らしかった。帰国後のオーエンスが英雄にも関わらず人種差別を受けるシーンで終わるのも心に残った。（MIHOシネマ編集部）