この記事では、映画『茶の味』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『茶の味』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『茶の味』の作品情報

上映時間:143分
ジャンル:ファンタジー、コメディ、ヒューマンドラマ
監督:石井克人
キャスト:佐藤貴広、坂野真弥、浅野忠信、手塚理美 etc
映画『茶の味』の登場人物(キャスト)
- 春野幸子(坂野真弥)
- 一の妹。小学校低学年。巨大化した自分の姿が見えるのが悩み。誰にも相談できず、どうやったら巨大化した自分の姿が消えるのか常に考えている。
- 春野一(佐藤貴広)
- 話すことができないまま、片思いの相手が引っ越してしまい失恋する。内気な性格で、女の子と話すのが苦手。
- 春野アヤノ(浅野忠信)
- 幸子の叔父。幼い頃に幽霊を見たことがある。ミキサー(音楽)の仕事を行っている。
- 春野美子(手塚理美)
- 子育てがひと段落したため、アニメーターの仕事に復職する。祖父の轟木アキラが絵の師匠。
- 鈴石アオイ(土屋アンナ)
- 一のクラスにやって来た転校生。囲碁が好きで、囲碁部に入部する。前の学校でも囲碁部に入っていた。
- 春野ノブオ(三浦友和)
- 睡眠治療士。一の父親。妻の美子が復職することを応援しながらも、少しだけ寂しさを感じている。
映画『茶の味』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『茶の味』のあらすじ【起】
片思いの相手が転校してしまい、春野一は声すら掛けなかったことを後悔していた。どのみち一には告白する勇気はなかった。だが、自分でそんなことを思っていることも、一を落ち込ませる要因の一つだった。
一の妹の幸子は、ときどき巨大化した自分の姿が見えるのが悩みだった。一体いつになったら消えてくれるのか、幸子はそう考える度にアヤノ叔父さんの話を思い出していた。春野家の近くにある池は元々森で、呪いの森と呼ばれていた。そこには野生の鶏がおり、アヤノはよく卵を取りに行っていた。小学校5年生の頃、アヤノはトイレが我慢できなくなり、どこでしようか悩みながら森を彷徨い歩いていた。そんな時、土に隠された巨大な卵を発見する。アヤノは思わずその卵の上に、野グソをしてしまう。しばらくして、アヤノはなぜ卵を持って帰らなかったのか、自分で疑問に思い情けない気持ちが込み上げてきた。後日、その卵を探し歩いているとき、入れ墨だらけで血を流している男を発見する。それは、幽霊か何かのような感じだった。アヤノが学校で掃除していたり、家で勉強していたりすると、その男がじーっと見張ってくるようになった。しかも、その男の頭にはウンコが乗っていた。だがある日、逆上がりができるようになったときに、急に男が見えなくなった。
アヤノの小さい頃の話には、アヤノ自身が知らない話の続きがあった。アヤノが逆上がりをしていた頃、森の中で土に埋まった頭蓋骨が発見される。その頭蓋骨の上には、野グソがしてあった。刑事がその頭蓋骨のウンコを撤去したのと同じときに、アヤノが逆上がりに成功したのだ。そうして、アヤノを睨みつけていたヤクザの幽霊は成仏した。成仏するかどうか迷っていた幽霊を怒らせて、地上から離れる決意を持たせた点から見ると、アヤノの行いは評価されるべきものかもしれなかった。
映画『茶の味』のあらすじ【承】
片思いの相手が去ってから1か月後、一はとある2つの事件のせいで女性不審に陥りそうになっていた。1つ目「そば屋事件」。とあるカップルと相席になったのだが、彼氏が豊胸を勧め、彼女が渋っていた。彼女も乗り気になるが、手術を受ける前に母親を説得して欲しいと彼氏に頼んでいた。彼氏が嫌がると、彼女は鋭い目で睨みつけていた。2つ目「コンビニ事件」。彼女に殴られた男性客が、コンビニに現れる。一がその男性の顔を見ると、腫れ上がって酷い有り様だったのだ。だがその後、一はクラスに来た転校生(鈴石アオイ)に一目惚れしてしまう。
一はアオイが囲碁部に入る予定だと知り、喜びを爆発させた。一も家族と囲碁で遊んでいたのだ。だが、あまりにも嬉しすぎて、いつもは電車で帰る道を自転車で帰ってしまう。そのまま置いておくと明日の朝学校に行くとき大変なため、再び駅まで戻しに行った。すると、帰りが遅くなってしまい、電車の中で父とばったり会う。電車の中にはロボットの着ぐるみを着た2人組の男性が乗っていた。一がその男性達を見ていると、父に見るなと肩を押される。電車を降りると、ロボットの着ぐるみを着た2人組の男性は、別の男性に絡まれていた。だが、その絡んでいた男性(安田)は男達に捕まり、車に押し込められてどこかに連れ去られた。
アヤノは昔自分を振った、寺子アキラに会いに行った。アキラは突然のことに驚きを隠せなかった。アヤノは昔のことなど気にしてないだろうと自虐的に笑うが、アキラは振ったことをずっと気にしていた。何度もアヤノに連絡を取っていたが、繋がらなかったのだ。アヤノは何とか笑うと、唐突にアキラの結婚を祝福し握手を交わした。
映画『茶の味』のあらすじ【転】
ノブオの弟の轟木一騎がCDを出したいので、アヤノに頼んで欲しいと春野家に電話を掛けてきた。ノブオは漫画家である弟がなぜCDを出そうとしているのか意味が分からないのと、アヤノに迷惑をかけるのが嫌で、一騎に電話を掛けて叱り飛ばした。すると、一騎はふてくされ、兄貴には関係ないと反論した。一騎は自分の誕生日記念にCDを作ろうとしていた。一騎は兄と言い合いをしていても埒が明かないため、直接アヤノに電話を掛けて頼むことにした。しかし、アヤノに断られてしまう。一騎が拗ねていると、アシスタントからデモテープぐらいなら作れるので、それをアヤノに聞いてもらってミックスをしてもらうのはどうかと提案される。一騎は嬉しそうな声を上げた。
一は図書館で囲碁の本を借りることにした。すると、突然囲碁部に入らないかと誘われる。ちょうど今日担当の図書委員が、囲碁部の副部長だったのだ。一は戸惑うが、副部長から熱心に誘われる。その日の放課後、一は囲碁部に顔を出した。そこには、アオイの姿もあった。
幸子が1人で逆上がりの練習をしていると、土に埋まった人を発見する。幸子は急いでその場を離れた。2人組の男性が幸子の異変を察知し、土に埋まった人を確認しに行った。すると、安田が埋まっていた。安田は泣きながら助けてくれたお礼を言い、そのまま走ってどこかに行ってしまった。
アヤノは知り合いのディレクターと共にスタジオに入り、一騎から受け取ったデモテープをアレンジした。そして、歌詞とダンスをつけ、一騎とアシスタントと一の祖父のアキラの3人で歌いながら踊ってもらった。ディレクターはその曲をものすごく気に入り、自分に預けて欲しいと頼んだ。アヤノは思わず鼻で笑ってしまう。
映画『茶の味』の結末・ラスト(ネタバレ)
一が部室に行くとアオイしかおらず、一局打とうと誘われる。一は緊張しながらアオイと対戦を行った。その時、アオイと打ちたかったことを話すと、アオイは嬉しそうに微笑んだ。その日の帰り、一はアオイを自分の傘に入れ、バス停まで送り届けた。そして、咄嗟にドアから傘を投げ入れ、アオイに渡した。一は雨に打たれてしまうが、アオイと話せたことが嬉しくて気にならなかった。幸せな気持ちで電車に乗っていると、父に声を掛けられる。一は浮かれすぎて、父がいつからいたのか全く分からなかった。
一の母の春野美子は、久しぶりにアニメーターとしての仕事を行った。監督の春日部達に見てもらうと好評で、次の仕事の依頼ももらう。美子はそのことを電話でノブオに報告した。ノブオは祝福するが、その表情は強張っていた。
アキラが亡くなってしまい、春野家は皆悲しみに暮れた。一達はアキラの部屋に入り、それぞれ物思いに耽った。すると、幸子が「美子」と書かれたスケッチブックを発見する。ページを捲ると、美子が自分に向かってくるときの様子を、パラパラ漫画にして描いてあった。他にも「ノブオ」と書かれたスケッチブックを発見する。ノブオが子供の頃かけっこをして転けている様子が、美子の物と同じようにパラパラ漫画で描いてあった。一の物は自転車で走っている様子で、幸子の物は逆上がりが成功しているところだった。一達は自分のパラパラ漫画を、何度も捲って眺めた。
幸子が逆上がりに成功すると、巨大な幸子は天に昇って消え、巨大なひまわりが咲き誇った。幸子はそのひまわりに飲み込まれてしまう。ひまわりは地球よりも大きく育つが、突然消滅し、幸子は無事に地上に着地した。
映画『茶の味』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
巨大化した人間の姿が見えたり幽霊(?)が登場したり、不思議なものがたくさん登場していて、文字でなかなかおもしろさが伝えられない作品だと思う。どんな物語だったのか聞かれても不思議な物語だったとしか答えられないが、最後までつまらなかったとは感じなかった。
とある家族の本当に何気ない日常が描かれており、何も考えたくないときに1人でぼーっと見るのがお勧めの作品である。草彅剛や庵野秀明監督など、凄い有名人が何気なく登場しているため、誰が出演しているのか探しながら見るのも楽しいと思う。(女性 20代)
一画面ずつを切り取ってみれば面白い映画なのは確かだけど、そうした映画と割り切ってみないと何が何だかわからずに困惑するだろう。悪い夢というほどの悪夢でもなく、シュールと言えばシュールなのだろうか。言葉の概念はともかくヘンテコな映像を軸にした少年期を描いた作品。こうした映画に出会ってしまった際には、あまり考えないで好きか嫌いかで判断した方がいいだろう。意味なんか分からなくてもいいし、分かる人間の方がちょっと怖いくらいに思っておこう。で、個人的には好きな方かな。(男性 30代)
本作は、クラスの転校生に恋焦がれる少年春野一を描いたコメディーヒューマンドラマ作品。
額から機関車が出てきたり、大きな顔が背景にあったりと、異世界観のある映像が恋する少年の心情をコミカルに表現していてシュールで楽しかった。
台詞が最小限で淡々としているが、歌って踊るシーンやリトルテンポの音楽が非常に頭に残る。
何とも説明のつかない独特の世界観に浸れて不思議な気持ちになった。
この分からなさがまた良いのだと思う。(女性 20代)
舞台は東京の外れにある田舎で、美しい田園風景といった映像には懐かしさや美しさが感じられます。そんな田舎に住む人々の個々の内面世界を描いた物語です。人物の心情の理由とか原因はフワフワしているので、感情移入は非常に厳しいです。鉄棒の女の子の下り何かは特にそうで、巨大な自分を消したいなんて理解のしようがありません。でも漠然とした不安は自分にもあったのではないかと、幼少期の自分のことを思い出したりして…。作品に自分を擦り合わせる用にして観ると楽しめる作品だと思いました。役者の芝居の癖が強すぎるのが難点です。(男性 20代)
かなりシュールで普通の映画では無いのは見始めてすぐに察しましたが、それが不快なものではなく心を落ち着かせるような、物凄く心地の良いものだったのでこういう作風が好きな方にはかなりハマる作品だと思います。
メインのキャスト以外にも豪華なキャストが何気なく登場していて、あえて派手にしない演出も素敵だなと感じました。ストーリーはあまり深く考えずに感じて欲しいかなと思います。考えてしまうと全く意味がわからずにモヤモヤしそうです。(女性 30代)
独特すぎる世界観に最初は戸惑ったが、観ているうちにこの家族の日常が心地よく感じられてくる不思議な作品だった。特に幸子が巨大な自分に見つめられるイメージはシュールでありながら、思春期の不安を象徴しているようで印象的。最終的にその幻影を乗り越えるシーンは、小さな成長の瞬間として心に残った。ゆるやかながら確かな変化が描かれている。(20代 男性)
ストーリーらしいストーリーがあるわけではないのに、気づけば最後まで引き込まれていた。家族それぞれのエピソードがゆるく繋がりながら、どこか温かさを感じさせる構成が魅力的。幸子の「ジャンプで消す」という発想と実行の場面は微笑ましく、観ていてほっとした。日常の中の小さな奇跡を描いたような作品だった。(30代 女性)
この作品は一見すると散漫に見えるが、実は家族の絆や個々の成長が丁寧に描かれていると感じた。父のアニメ制作や祖父の過去の話など、どれも独立しているようでいて、どこかで繋がっている。幸子の抱える不安が視覚化されている点も面白く、ラストの解放感が心地よい。独特だが深みのある作品。(40代 男性)
シュールな演出と日常のリアルさが絶妙に混ざり合っていて、とても印象的だった。特に巨大な自分の存在は不安やコンプレックスの象徴のように感じられ、思春期の心情をうまく表現していると思う。最後にそれを乗り越えるシーンはささやかだけど感動的。全体的にゆったりとした空気が流れていて癒された。(20代 女性)
昔ながらの日本の風景と、少し不思議な演出が融合した独特の作品。家族それぞれの物語がゆるやかに進み、劇的な展開はないが、その分リアルな生活感がある。幸子の成長が象徴的に描かれており、最後のジャンプのシーンはシンプルながら強い印象を残す。観終わった後にじんわりと温かさが残る作品。(50代 男性)
映画『茶の味』を見た人におすすめの映画5選
アカルイミライ
この映画を一言で表すと?
不安定な若さと奇妙な希望が漂う、静かで不思議な青春映画。
どんな話?
工場で働く無気力な青年が、年上の同僚との交流をきっかけに、どこか現実から少しずれた世界へ足を踏み入れていく。日常の風景の中に不穏さと優しさが同居し、クラゲのモチーフが物語に独特の浮遊感を与える。若者の孤独や未来への不安を、淡々としながらも印象深く描いた作品。
ここがおすすめ!
茶の味が持つ、日常の中にふと現れる不思議さや、説明しきれない感情の揺らぎが好きな人にぴったりの一本。派手な展開ではなく、空気や間、人物の佇まいで魅せる作風が心地よい。何気ない場面があとからじわじわ効いてくるタイプの映画で、観終わった後に静かな余韻が残る。
ナイスの森〜The First Contact〜
この映画を一言で表すと?
笑いと脱力と異世界感が渦巻く、予測不能なシュール映画体験。
どんな話?
森を舞台に、さまざまな人物や出来事が連鎖していくオムニバス的な構成の作品。明確な筋書きに沿うというより、突飛な会話や奇妙なシチュエーションが次々に現れ、観客を独自のリズムへ引き込んでいく。日常の論理から少し外れた場所で、人間のおかしみや不思議さを描く映画。
ここがおすすめ!
茶の味のシュールさや、普通の物語にはない自由な発想に惹かれた人なら楽しめる可能性が高い。意味をすべて理解するというより、その場の感覚やテンポを味わうタイプの作品で、唯一無二の映像体験ができる。肩の力を抜いて観るほど、この映画ならではの面白さが見えてくる。
歩いても 歩いても
この映画を一言で表すと?
家族の何気ない一日から人生の深みがにじみ出る、珠玉の人間ドラマ。
どんな話?
ある夏の日、亡くなった長男の命日に家族が実家へ集まり、食卓を囲みながらそれぞれの思いや距離感が浮かび上がっていく。大きな事件は起こらないが、会話の端々や沈黙に長年の感情がにじむ。家族の温かさと息苦しさの両方を、繊細な視点で描いた作品。
ここがおすすめ!
茶の味のように、劇的な事件ではなく家族の日常の積み重ねから豊かな物語を立ち上げる映画が好きな人におすすめ。さりげない仕草や会話だけで人物像が伝わってくる脚本と演出が見事で、観る人自身の家族の記憶にも触れてくる。静かなのに深く心を動かされる名作。
天然コケッコー
この映画を一言で表すと?
田舎のやわらかな時間の中で揺れる、みずみずしい青春のきらめき。
どんな話?
山あいの小さな学校で暮らす少女が、都会から転校してきた少年との出会いを通して、少しずつ自分の感情や世界の広がりを知っていく。四季の移ろいや土地の空気を丁寧に映しながら、初恋や戸惑い、成長のきらめきを自然体で描く青春映画。
ここがおすすめ!
茶の味が持つ、地方の風景と人々の暮らしのやさしい手触りが好きなら、きっと相性のいい一本。何気ない日常の中にある小さな感情の変化をすくい取るのがとても上手く、観ているだけで心がほどけていく。大きな出来事がなくても、青春はこんなにも豊かだと感じさせてくれる。
ふたり
この映画を一言で表すと?
喪失の悲しみを優しく包み込みながら成長を描く、透明感あふれる青春映画。
どんな話?
姉を亡くした少女が、深い悲しみを抱えながら日常を過ごす中で、不思議な形で姉の存在を感じ続ける。家族や学校生活の中で揺れながらも、少しずつ前を向いていく姿が描かれる。現実と幻想の境目がやわらかく溶け合う、繊細であたたかな物語。
ここがおすすめ!
茶の味にある、日常の中へ自然に入り込む幻想性や、家族をめぐるやさしい眼差しに惹かれた人におすすめしたい作品。派手な演出ではなく、感情の細やかな揺れを丁寧に追うことで、深い余韻を残してくれる。静かな涙とともに、心が少し軽くなるような映画体験が味わえる。



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