映画『ウルトラヴァイオレット』の概要:カート・ウィマー監督、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演のSFアクション映画。近未来を舞台に、未知のウィルスによって驚異的な身体能力を得た“ファージ”の殺し屋、ヴァイオレットの活躍を描いた。
映画『ウルトラヴァイオレット』 作品情報
- 製作年:2006年
- 上映時間:87分
- ジャンル:SF、アクション
- 監督:カート・ウィマー
- キャスト:ミラ・ジョヴォヴィッチ、キャメロン・ブライト、ニック・チンランド、ウィリアム・フィクトナー etc
映画『ウルトラヴァイオレット』 評価
- 点数:55点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『ウルトラヴァイオレット』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ウルトラヴァイオレット』のあらすじを紹介します。
新種のウィルス開発に失敗し、“ヘモ・ファージ・ウィルス”という感染症が恐れられるようになった世界。
驚異的な身体能力と引き換えに差別されるようになった、通称“ファージ”と呼ばれる感染者たちは、ダクサス枢機卿を中心とした人間に対して反逆を起こそうとしていた。
妊娠中にヘモ・ファージ・ウィルスに感染し、夫とお腹の中の子供を亡くしたヴァイオレットは人間を憎み、ファージ側の殺し屋になった。
ファージのナーヴァからの依頼で、枢機卿が持つファージ殲滅のための秘密兵器を奪ったヴァイオレットだったが、秘密兵器の中身は人間の子供だった。
その子供がファージに対する抗体を持っているため、少年の命を奪うと知らされたヴァイオレットは、子供を連れてファージの元から逃げ出す。
枢機卿は知能を持たない自分の息子だと言うが、彼はシックスという名の賢い少年だった。
ヴァイオレットは信頼できるファージの友人ガースを訪ね、研究者でもある彼に協力を求める。
検査の結果、シックスはあと半日も生きられない体だとわかる。
そしてシックスが厳重に保護されていた理由や、ナーヴァがシックスを欲しがった理由である抗体が存在しないとわかる。
一度は別れを決意したヴァイオレットとシックスだったが、シックスを見捨てられないヴァイオレットは、少年のために戦う決意をする。
映画『ウルトラヴァイオレット』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ウルトラヴァイオレット』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
説明不足で面白味のないストーリー
“ファージ”に関する説明が曖昧すぎて、ついていくのが困難な作品。
ウィルスに感染すると驚異的な身体能力を得られる“ファージ”は、どのように変化して区別のつけ方はどうやっているのか、そこから「血液戦争」に至るまでが作中でまったく描かれていない。
「血液戦争」という言葉も一度出たきりで、戦争をしているようなシーンも存在せず、設定の曖昧さが目に付く。
牙が生えたり日光に弱いといったドラキュラに近い設定がされていて、ファージに向かって「ドラキュラ」と発言するシーンがあるにも関わらず、わざわざ未知のウィルスを原因にしたのは謎だ。
シックスの正体がダクサス枢機卿のクローンで、6体目だから「シックス」という部分まで明かされているのに、彼が重要とされる理由もほとんど明らかになっていない。
序盤でファージの反政府組織から逃げるシーンで、政府に属さずファージでもない中国マフィアのような第三の存在が登場するが、その後のストーリーに係わってくるわけでもないので話をややこしくしただけになっている。
全体的にストーリーが穴だらけで、細かい設定があってもわかりにくい。
凝った武器やアクションシーンが素晴らしい
「リベリオン」の監督作品ということで、“ガン=カタ”をさらに派手にしたアクションシーンの数々には息をのむ。
主演ミラ・ジョヴォヴィッチが演じたヴァイオレットが黒髪をなびかせながら、悪役の男性キャスト陣を相手に行う銃撃戦も見事。
VFXを多用した未来の武器もかっこよく、重力を無効にして天井を走り回ったり、体内から武器を取り出すのには驚かされる。
ミラ・ジョヴォヴィッチの髪の色が黒髪からヴァイオレット色に変化したり、服の色が一瞬で変わるシーンの数々は、とてもよくできている。
紙のようなものを折りたたんで使う未来のプリペイド電話の発想や、3D映像として相手を映し出せるのには驚き。
ミラ・ジョヴォヴィッチがひたすらかっこいい今作。彼女を紹介するための作品と言っても過言ではないほど世界観とミラ・ジョヴォヴィッチ演じるヴァイオレットのキャラクターがマッチしていて迫力がありました。
ストーリー的には設定がかなり微妙でついていけない部分もありましたが、CGっぽさ全開の無機質な感じがクセになりとても面白く見られました。酷評されている今作ですが個人的にはとても好きな作品です。(女性 30代)
映画『ウルトラヴァイオレット』 まとめ
序盤に出てくるアメコミ風の絵や内容から、原作はアメコミなのではないかと思えるような作品になっているが、原作は存在しない。
クリスチャン・ベール主演の「リベリオン」で、カート・ウィマー監督が独自に生み出したアクション「ガン=カタ」が再び用いられ、ミラ・ジョヴォヴィッチのスタイルの良さを強調するスーツや長い黒髪が、女性ヒロインのたくましさを表現している。
「バイオハザード」シリーズでも華麗なアクションを見せるミラ・ジョヴォヴィッチだが、本作のアクションにも相当のこだわりがうかがえる。
なお、2008年から日本では本作を原案とした連続アニメ「ウルトラヴァイオレット:コード044」という作品が制作、放送された。
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