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映画『アンノウン・ボディーズ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『アンノウン・ボディーズ』の概要:ベルギーで首無しの遺体が発見される。遺体は全部で6体。どれも行方不明になっていた女性のものだ。捜査に当たったフィンケとフレディは、遺体発見現場の近くで半裸の女性リナを発見。フレディは彼女を気にかけるのだが……。

映画『アンノウン・ボディーズ』の作品情報

アンノウン・ボディーズ

製作年:2017年
上映時間:122分
ジャンル:サスペンス
監督:ヤン・フェルヘイエン
キャスト:ケーン・デ・ボーウ、ヴェルナー・デ・スメット、マルセル・ヘンセマ、ソフィー・ホーフラック etc

映画『アンノウン・ボディーズ』の登場人物(キャスト)

フレディ(ヴェルナー・デ・スメット)
ベルギー警察の刑事。無鉄砲で粗暴な性格の古株。上司のフィンケとは長い付き合いから信頼し合う仲だが、自分勝手な行動に出ることもしばしば。
フィンケ(ケーン・デ・ボウ)
フレディの上司。冷静な判断力と強い正義感を持つ。フレディは信頼しているが、悩みの種でもある。
リナ(ソフィー・ホーフラック)
遺体発見現場の近くをうろついていた半裸の女性。精神科医であり警察に対して攻撃的なコラムを執筆することもある。
パトリック(ヘンドルク・アーツ)
リナが勤めるリハビリセンターの患者。裕福だが精神的に弱いために入院して治療を行っている。
コーディ(トラビス・オリヴァー)
ケルンから引っ越してきたアメリカ大使館に勤める男。連続殺人犯の容疑者の一人。
ホイバーグ(クリス・ヴァン・デン・デューペル)
ゲームクリエイターで容疑者の一人。
ムルデル(マルセル・ヘンセマ)
プロファイリングのスペシャリストでフィンケが協力を願い出たオランダ人。率先して捜査に協力するがフレディからは煙たく思われている。

映画『アンノウン・ボディーズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『アンノウン・ボディーズ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『アンノウン・ボディーズ』のあらすじ【起】

死体が発見されたと連絡を受けたベルギー警察のフレディとボスのフィンケはすぐに現場に向かった。現場には首の無い全裸の女性死体が転がっていた。頭部もどこかにあるのではないかと周囲を捜索した結果、同じように首の無い女性の遺体が5体も発見される。

鑑識の調べでは遺体には外傷などはないという。腐乱の進み方から判断して冷凍庫のようなものに保管されていたのではと見解を述べた。被害者の女性たちは数年前から失踪届が出されている者たちで出身地も多岐に渡った。フィンケはプロファイラーのムルデルに協力をお願いするが、フレディは彼がオランダ人ということが気に入らず、顔をしかめた。

新たに死体が発見され、二人は現場に急行。その時、フレディは近くを徘徊している女を見つける。彼女はリナという名で、警察についての批評などを書く精神科医だった。フレディが見つけた時、リナは半裸で記憶も曖昧だったことから、フレディは彼女が何かしらの事件に巻き込まれたのではないかと心配する。

後日、リナの家を訪ねたフレディ。彼女の髪は染められた赤毛だったが、それは自分でやったものではないという。あの日、何者かに誘拐されたような気がするというリナだったが、まだ記憶ははっきりしない。フレディは彼女の髪の毛を採取すると鑑識に回した。

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映画『アンノウン・ボディーズ』のあらすじ【承】

ムルデルの調べで犯人はケルンからこの地へやってきた者である可能性が高いことが分かる。ケルンから引っ越してきた者を重点的に調べることにしたフィンケたち。何人かの人物がピックアップされたが、中でもゲームクリエイターのホイバーグと米国大使館に勤めるコーディが怪しいと目星をつけた。

フレディは容疑者たちの写真をリナに見せようとするが、捜査する前に見せる必要はないとフィンケに止められてしまう。しかし、フレディは自分の判断で写真のコピーをリナに渡してしまった。リナの頭髪を勝手に鑑識に回したことがフィンケに知られ、きつく注意されるフレディ。リナの髪はすぐに洗い流せる染料で染められていたが、髪からは薬物反応も出たと言われる。

コーディの屋敷を張り込んでいたが、監視されることを嫌がったコーディから圧力がかかり始める。フィンケは上司から外交問題に発展する可能性を示唆され、コーディの監視を止めるように言われてしまう。だが、事件を解決したいフィンケは大使館の上層部を説得し、密かにコーディを監視させてほしいと約束を取りつけた。

リナが発見された前夜、彼女がクラブのパーティに行っていたことを知ったフレディは、クラブの監視カメラ映像をチェックした。すると、店から出たリナを尾行していく男を発見する。そのことをリナに告げると、彼は犯人ではなく自分のクリニックに入院しているパトリックだと説明される。

翌朝、フレディはパトリックと話をするためにクリニックを訪れた。パトリックは裕福だが精神的に弱く、その治療で入院しているのだそうだ。彼はクラブにはリナの勧めで行ったと説明。人に慣れるためだという。部屋には怪しげなハンマーがあり、フレディはパトリックへの疑いを強めていく。

フィンケの所を訪ねたフレディはリナを保護してほしいと願い出た。パトリックが被害者の一人と繋がっている証拠を見つけたからだったが、フィンケはホイバーグが第一容疑者だと言ってフレディの言うことにあまり興味を示さなかった。ホイバーグは暴力的なゲームを作っており、アリバイがない時間もあったからだ。目立ちたがり屋のリナに振り回されるなと言われたフレディは憤慨する。

映画『アンノウン・ボディーズ』のあらすじ【転】

リナに呼び出されクラブに向かったフレディは、そこで彼女が薬物を摂取する姿を見て動揺する。リナを自宅に送り届けた際、フレディは物陰から飛び出してきた何者かに突き飛ばされた。傷の手当てをするリナは、その流れでフレディに口づけする。バレたら停職になるとフレディは言うが、私が黙っていれば大丈夫とリナは言い、二人は関係を持ってしまった。

ホイバーグを調べたフィンケとムルデルは、以前の彼は歩くことができず、何度も手術をしていたことを突き止める。治療による痛みを抑えるために鎮痛剤が投与されたが、時にはその痛みに負け、暴力的になることもあったという。リハビリセンターの入院記録を調べたフィンケは、一枚の写真に目を止める。そこにはリナの姿が写っていた。ホイバーグとリナの接点を得たフィンケは、彼女の元に話を聞きに向かった。

リナの家で朝を迎えたフレディはバスルームでパトリックの部屋にあったハンマーを見つける。リナに問うと、昨日、コーヒーメーカーを直しにパトリックが来たのだという。そして、ハンマーは彼に精神安定をもたらすアイテムで、それがないと彼は不安に襲われるのだと説明される。

話を聞きにリナの家にやってきたフィンケはフレディの姿を見て状況を察知する。写真を見せると、センターがオープンした時に撮ったものでホイバーグはそこの患者だったとリナは言った。フィンケは事件の参考人と寝たフレディを責め、これからはムルデルに言われたことだけをやるようにと指示した。

ケルンで行方不明になっていたヴェロニクという女性の私物が発見された。ホイバーグを疑うフィンケは彼を拘束し、取り調べを行う。だが、ホイバーグは犯人ではないと言い続けた。彼はケルンではメンケンという部下と一緒に仕事詰めだったと説明した。フィンケは裏を取るためメンケンの自宅に部下を向かわせた。メンケンの部屋に押し入ったフィンケたちだったが、彼の姿は無かった。パソコンを調べようとした際、ファイルが次々と消えるウィルスが仕込まれており、フィンケは慌ててパソコンに水をかけて強制終了させた。

フィンケはメンケンについて各署に連絡。ヴェロニクを救出するために公開捜査はしない方針だったが、メンケンのアパートの管理人がマスコミにバラしネットに公開されてしまった。

リナに呼び出されたフレディが彼女の自宅を訪ねると、錯乱したパトリックを発見。パトリックにはフレディが悪魔のように見えており、それで錯乱していた。リナはパトリックの隙を伺って、鎮静剤を注射して彼を眠らせたが、その様子を見ていたフレディはやりすぎではないかと思わず口にする。

コーディが女性と会っていると報告があり、警官たちは追跡を開始。コーディは女性を連れて森の中に消えた。二人を追いかけたフィンケたちは口論する二人を発見。だが、コーディは連続殺人犯ではなくその女性と不倫していただけだった。

フィンケに言いつけられ、フレディは署に残ってファイル整理をしていた。そこにメンケン本人が現れる。彼の話では精神安定のために定期的に二週間ほど修道院に行っており、戻ってきたらニュースに出ていたので、慌てて出頭したという。フィンケは信じなかったがフレディは彼の話を信じた。メンケンは上司のホイバーグに修道院行きを伝えていたが、ホイバーグはそのことを何も言っていなかった。フレディたちは再度、ホイバーグが怪しいと思いだす。

フレディにリナから着信があった。リハビリセンターへと向かったフレディは、そこで庭にさらし首のようにされた遺体の頭部が並んでいるのを発見する。頭部には赤い髪のかつらが付けられ、腐敗しかかっていた。パトリックの仕業ではないかとフレディは怪しんだが、彼は睡眠療法中だと説明される。リナの身に危険が迫っていると感じたフレディは、仲間が止めるのも聞かずに彼女を連れて森の中のコテージへと避難した。

翌朝、署からの連絡で現場に向かったフレディは、ホイバーグの遺体を発見する。彼は車の中で頭部を撃ち抜いて自殺しており、トランクには頭部のない女性遺体が押し込んであった。

映画『アンノウン・ボディーズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ホイバーグの死亡で事件は解決を迎えた。フレディは査問委員会に出頭しなくてはならなかったのだが、何度も遅刻していた。フィンケに事情を説明してほしいとフレディはお願いしたが、事件を放り出してリナのことばかり気にかけるフレディに愛想を尽かしたフィンケは助け舟を出さず、そのせいでフレディは拘束されることとなってしまう。

ホイバーグの衣類についた血を調べたところ、自殺を偽装した他殺の疑いが出てくる。リハビリセンターで発見された頭部の検視結果では被害者はハンマーによって殺されたという結果が出る。以前、フレディがパトリックのことをハンマー男と呼んでいたと知ったフィンケは、フレディが真犯人に近づいていたと確信する。

パトリックの部屋を調べるとハンマーによって殴り殺された女性従業員の死体が転がっていた。フィンケは収監直前のフレディの元に駆けつけて事情を説明。パトリックにリナが連れ去られた可能性があると告げた。

パトリックの通話記録を調べたフィンケ。リナとの最後の通話にカリヨンの音が入っていたのを聞き、彼は大聖堂の近くにいると推測する。フレディは収監直前に警備員を拘束して逃走。そのままリナを助けるために飛び出していった。

無線でパトリックの潜伏先を聞いたフレディは現場に急行した。怪しげな部屋を見つけたフレディは、そこで拘束されて冷凍庫に押し込められたリナを発見する。彼女の体は冷たくなっていたが、命に別状は無かった。逃亡していくパトリックを発見したフレディは彼を追いかけた。

薬の切れたパトリックは全ての人が悪魔のように見えていた。錯乱した彼は見境なく乱暴を働き始める。女性警官から銃を奪うと、辺りに向かって発砲。そこに駆けつけたフレディとフィンケによって彼は射殺された。

リナが押し込められていた冷凍庫を見てフィンケは真実に気がつた。全ての犯人はリナだということを。彼女が半裸で発見された時、彼女は遺体を埋めていたのだ。リハビリセンターのさらし首も彼女の仕業で、容疑者が絞られてきたためにかく乱するのが目的。最終的にパトリックに全ての罪を擦りつけようと画策していたのだ。

フィンケはリナを拘束しようと彼女の元に向かったが、フレディと去った後だった。フィンケは大急ぎで二人を追跡する。実は、フレディもリナが犯人であることに気がついていた。走る車の中でリナにもう逃げられないことを告げるフレディ。だが、リナはそれを否定してハンドルを強引に奪おうとしてきた。バランスを崩した車は大きく蛇行しながら、対向車の隙間を潜り抜けていったが、遂にはコンテナトラックに衝突した。その衝撃でリナは頭部を切断されて即死する。

重傷を負って道路に寝転がるフレディの元にフィンケが駆けつけた。信じなかったことを詫びるフィンケに、フレディは息も絶え絶えに査問委員会に説明してほしいと告げた。

映画『アンノウン・ボディーズ』の感想・評価・レビュー

脚本に問題が多すぎると思う。リナが犯人だということはあっという間に伝わってくるうえ、動機も分からない。辻褄が合わないことが多いというより、話がめちゃくちゃなのだ。90年代から2000年代に量産された質の悪いサイコサスペンスの一本のよう。犯人が割れないように情報過多にしてあるのだが、それがかえって面白くない。犯人候補にしたいのならば、もっと怪しさを煽る演技や演出が必要だと思うのだが、それが弱すぎる。(MIHOシネマ編集部)


『特捜部Q』シリーズが大好きな私は、「6人の首なし死体」「猟奇的殺人」というワードに惹かれ、とても期待値を上げて鑑賞しました。
感想から言うと期待値を上げすぎてしまっていたので、なんだか消化不良な終わり方になってしまいました。
クライムサスペンスと言いながらも、犯人はきっとこの人だと序盤でわかってしまいます。捜査を続け、二転三転しながらも結局動機が分からないまま犯人を捕まえる。これが「猟奇的殺人」のいいところだと思います。こういうストーリーに動機を求めてはいけません。過激な描写や少し粗めのキャラクター設定も許してあげましょう。(女性 30代)

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