この記事では、映画『Vフォー・ヴェンデッタ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『Vフォー・ヴェンデッタ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『Vフォー・ヴェンデッタ』の作品情報
上映時間:132分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:ジェームズ・マクティーグ
キャスト:ナタリー・ポートマン、ヒューゴ・ウィーヴィング、スティーヴン・レイ、スティーヴン・フライ etc
映画『Vフォー・ヴェンデッタ』の登場人物(キャスト)
- イヴィー(ナタリー・ポートマン)
- 国営放送で働く美しい女性。ある夜偶然Vと出会ったことで、彼女の運命が大きく変わっていく。
- V(ヒューゴ・ウィーヴィング)
- とある経験から政府に対して強い恨みを抱くテロリスト。常に不気味な仮面で顔を隠している。
- ゴードン・ディートリッヒ(スティーヴン・フライ)
- イヴィーの元上司。イヴィーに対し少なからず好意を抱いている。
- アダム・サトラー議長(ジョン・ハート)
- 独裁国家の統治者。Vの最大の敵。
映画『Vフォー・ヴェンデッタ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『Vフォー・ヴェンデッタ』のあらすじ【起】
舞台は少し未来のイギリス。人類は、今までの歴史の教訓を生かすことが出来ず、とうとう第三次世界大戦が起こってしまう。多くの命を奪った戦争は、やがて終わりを迎えた。そして、その後のイギリスはかつてのドイツのように、アダム・サトラーという独裁者によって統治されることとなる。サトラーは暴挙の限りを尽くし、人々は満足に意見を言うことさえ許されない。
そんなイギリスに、イヴィーという美しい女性が暮らしていた。夜間外出禁止令が発令されているにも関わらず、イヴィーは夜の街へと出かけて行く。しかし、そこを秘密警察に見つかってしまう。警察といってもすっかり落ちぶれてしまっている為、彼らはそのままイヴィーを襲おうとするのである。
そんなピンチの彼女を救ったのは、不気味な仮面と黒いマントを纏った謎の男だった。その男、Vは華麗にイヴィーを秘密警察の手から助け出してみせる。しかし実はその男はテロリストだったのだ。彼は、イヴィーに何の役目も果たしていない裁判所を爆破する瞬間を見せるのだった。

映画『Vフォー・ヴェンデッタ』のあらすじ【承】
まるで夢であったかのような出来事を経験したイヴィーでしたが、翌日からは彼女の普段の生活に戻りました。彼女は国営放送であるBTNに勤務していました。しかし、突如としてそこにVが現れたのです。Vは次々と職員達を倒していくと、放送を乗っ取りました。
そしてVは、国民に向けてメッセージを発するのです。それは、11月5日に国会議事堂の前へと集結することでした。11月5日は、以前火薬陰謀事件が生じた日でもありました。そのメッセージを発すると、Vはその場から足早に立ち去ります。
しかしVは、自分と話している姿を監視カメラに捉えられたイヴィーも捕まってしまうだろう、と彼女も自分のアジトへと連れていくのでした。それから、Vとイヴィーの不思議な共同生活が始まりました。ともに生活をしているうちに、今まで復讐のためだけに生きてきたVは、少しずつイヴィーに心惹かれるようになっていきました。しかし、イヴィーに恋をしたとしても彼の野望が消え去るわけではありません。彼は、ターゲットを確実に殺していくのでした。
映画『Vフォー・ヴェンデッタ』のあらすじ【転】
そして、彼のターゲットにはある共通性があった。実は戦時中、大規模な人体実験が行われていたのである。Vはその被験体の1人だったのだ。その実験によって、Vは普通の人間とは違う超人的な能力を身につけることとなる。しかし、彼と彼の仲間に苦痛を強いたその研究者達を、Vが許すことはなかった。今回のVの目的は、この実験に関与していた全ての人間を殺害することだったのだ。
イヴィーはVの紳士的な面に惹かれていくが、どうしても彼の殺人行為を容認することが出来なかった。そしてとうとう、イヴィーはVの家を抜け出しかつての上司、ディートリッヒの元へと向かう。ディートリッヒはイヴィーを温かく迎え入れるが、彼の作っている風刺番組がサトラーの怒りに触れてしまうのだった。サトラーの部下がディートリッヒの家に立ち入り、ディートリッヒは殺害されてしまう。
その場にいたイヴィーもまた、彼らに捉えられてしまった。彼女は長い間牢獄に入れられることとなる。そんな彼女を支えたのは、牢獄の中に潜ませてあったヴァレリーという以前この牢屋の中にいた女性が残した日記だった。
映画『Vフォー・ヴェンデッタ』の結末・ラスト(ネタバレ)
永遠に続くかと思われた牢屋での生活だが、ある日突然イヴィーは外へと出される。そこには、イヴィーの見慣れた光景、Vと共に暮らしていた家の風景が広がっていた。実は、イヴィーを拉致し拷問をしていたのはVだったのだ。Vはイヴィーが自分の果たさんとすることを理解できるように、精神を鍛えていたのだった。イヴィーはVに対して怒りをあらわにするが、この牢屋での生活の中で彼の気持ちにも理解を示すことが出来るようになっていた。
そしてとうとう決戦の日、11月5日がやってくる。Vはこの腐った国の象徴であるサトラーに襲撃をかける。そして、サトラーを見事下したVであったが、彼もまた致命傷を負ってしまう。Vはイヴィーに頼み、爆弾を積んだ列車に乗せてもらうのだった。
そしてその列車は国会議事堂へと走り出し、やがて国会議事堂は大きな爆発により倒壊したのだった。彼が以前呼びかけた通り、国会議事堂の前には多くの人が集まっていた。国民達は、Vと同じくガイ・フォークスのお面をつけていた。
映画『Vフォー・ヴェンデッタ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
独裁国家と戦うヒーローにしてテロリストを描いた作品。アクションシーンは少ないがキレがよい。主人公Ⅴ(ヴィー)のイメージビジュアルが非常に印象的でそんなに売れた映画でもないのにファンが多い。近未来を描いたアクション映画の割にはストーリーは観念的な部分が多くて消化不良気味。もう少し爽快感のある設定だと魅力あるキャラクターも手伝ってヒットしたのではないかと思う。(男性 30代)
この映画は20代後半になった今観るべき映画だったと感じた。数年前に一度鑑賞した時は何が面白いのか、何を言いたかったのか全く分からず中盤でかなり飽きながら何とか観終わった印象だったが、再び鑑賞したところVという存在が持つ信念や、何を伝えようとしたのかが少しずつ理解できるようになりとても楽しく観ることが出来た。
ただ、ラストがはっきりとしない終わり方になっているため、そこが少し残念に思った。(女性 20代)
全体主義への痛烈な批判が込められた社会派エンタメ作品。Vの仮面に隠された痛みと正義、そしてイヴィーの変化は、単なる復讐劇にとどまらず「思想の解放」を描いているのだと感じた。あの名言「人は死ぬが、思想は生き続ける」は強烈なメッセージ。終盤で仮面をかぶった市民が街を埋め尽くすシーンには鳥肌が立った。(20代 男性)
暴力と権力に支配された社会において「真の自由とは何か」を問いかける本作は、ただのアクション映画ではありません。イヴィーがVに捕らえられ、自分の恐怖を乗り越えて自由を得たあの瞬間は、まさに魂が解放される描写でした。抑圧された女性としての彼女の再生は、深い感動を呼びました。(30代 女性)
劇場で観た当時の衝撃が忘れられません。ディストピア描写がリアルで、現代社会にも通じる警鐘を感じました。ナタリー・ポートマンの剃髪シーンは役者魂を感じる名場面。Vが死に、民衆が立ち上がるラストには涙が出ました。「人々が政府を恐れるのではなく、政府が人々を恐れるべきだ」という思想が、今も心に残っています。(40代 男性)
「顔のない革命家」というVの存在は恐ろしくも美しい。イヴィーが段階を経て“Vの思想を継ぐ者”となる構造も見事。恋愛ではなく「思想と精神」の継承でつながる二人の関係性に強く惹かれました。女性として、イヴィーが自らの殻を破っていく姿に深く共感し、強さとは何かを考えさせられました。(20代 女性)
映像的にもスタイリッシュで、特にドミノが倒れていくシーンと、ラストの仮面の群衆が印象的。ヒーロー映画とは一線を画す知的な脚本と、シンボルとしての「V」が抜群に魅力的。終始仮面のまま感情を伝える演技も素晴らしい。今の社会の風刺としても観る価値がある、時代を超えた一作だと思います。(30代 男性)
ナチス的な監視社会、メディア操作、少数者弾圧というディストピア描写は、歴史を知っているほど恐ろしく感じる。Vの行動が単なるテロと取られかねないバランスも見事。感情的ではなく、思想的に共鳴できる作品で、観終わったあともしばらく考え込んだ。今こそ再評価されるべき映画だと思う。(60代 男性)
最初はアクション目的で観たけど、途中から完全にストーリーと思想に引き込まれた。イヴィーの変化が本当に良い。「死んでも構わないと思えたとき、本当の自由を知った」というセリフには、重みと覚悟を感じる。Vの死後に革命が始まる流れも感動的だったし、最後に市民が仮面をかぶって集結するシーンは一生モノ。(10代 女性)
政治的背景が色濃い作品でありながら、Vとイヴィーの繊細な心のつながりにグッときた。特にイヴィーが地下室で恐怖を乗り越える過程は、自分の人生における「殻を破る瞬間」と重なり涙が出た。思想と感情が融合した非常に深い作品。ナタリー・ポートマンの繊細で力強い演技も素晴らしかった。(50代 女性)
映画『Vフォー・ヴェンデッタ』を見た人におすすめの映画5選
1984
この映画を一言で表すと?
“監視社会の恐怖を突きつける、ディストピア文学の金字塔の映像化!”
どんな話?
全体主義によって徹底的に管理された未来社会で、自由な思考や感情さえも禁止される世界を描く。主人公ウィンストンは、思考警察の目を逃れながら真実を探求し、愛を知ろうとするが…。
ここがおすすめ!
『Vフォー・ヴェンデッタ』のルーツとも言える作品。自由と抑圧の概念を深く掘り下げ、権力に支配される社会の恐怖をリアルに描いています。思想が監視される世界の息苦しさを味わいたいなら必見。
マトリックス(The Matrix)
この映画を一言で表すと?
“世界の真実を暴く戦いが始まる、現実と幻想を超えた革命SF!”
どんな話?
プログラマーのネオは、現実と思っていた世界が実は人工知能によって作られた仮想現実だと知らされる。人類を目覚めさせる戦いに巻き込まれ、覚醒していく姿を描くサイバーパンクアクション。
ここがおすすめ!
『Vフォー・ヴェンデッタ』の脚本家であるウォシャウスキー姉妹による作品。自由とは何か、自分の意志で世界を変えられるかというテーマが共通しており、アクションと哲学が融合した刺激的な一作。
チルドレン・オブ・メン(Children of Men)
この映画を一言で表すと?
“不安定な世界の中で、小さな希望を守る命がけの旅!”
どんな話?
近未来、人類が子どもを産めなくなった絶望の世界。秩序崩壊寸前のイギリスで、奇跡的に妊娠した女性を守り抜こうとする男の姿を描く、緊迫感あふれるディストピア映画。
ここがおすすめ!
圧倒的な臨場感とリアルな社会崩壊の描写に引き込まれる一本。『Vフォー・ヴェンデッタ』同様、政府の抑圧と個人の勇気が描かれ、絶望の中にある小さな希望が心を震わせます。
ジョーカー(JOKER)
この映画を一言で表すと?
“社会の闇が生んだ男が、笑いと狂気で革命を起こす!”
どんな話?
心に傷を抱えた孤独な男アーサーが、社会から疎外されながらやがてジョーカーとして覚醒し、混沌の中で新たな秩序を築いていく様子を描く、心理ドラマかつ社会風刺映画。
ここがおすすめ!
Vと同様、個人が「象徴」となっていく過程が描かれる物語。格差や抑圧された社会への反発、そして暴力と思想の関係を問う重厚な内容が、『Vフォー・ヴェンデッタ』に感銘を受けた人に強く刺さります。
イコライザー(The Equalizer)
この映画を一言で表すと?
“正義を信じ、影で戦う孤高の男のリベンジアクション!”
どんな話?
元CIAの男が、平穏な生活を送っていたが、ある少女を救うため再び戦いの世界に足を踏み入れる。彼は静かに、しかし確実に腐敗した悪を葬っていく。
ここがおすすめ!
静かに燃えるような正義感と行動力を持つ主人公は、どこかVと重なる存在。圧倒的な存在感と緊張感に満ちた展開は、思想と行動が融合するヒーロー像を求める人におすすめです。
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