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映画『バンテージ・ポイント』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『バンテージ・ポイント』の概要:スペインを訪問中の米大統領が、演説中に狙撃された。数分間の事件を立場の異なる8人の視点で繰り返しながら、真相に迫るサスペンス・アクション。スピーディーな展開と随所にちりばめられた伏線に、一瞬も目が離せない。

映画『バンテージ・ポイント』の作品情報

バンテージ・ポイント

製作年:2008年
上映時間:90分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:ピート・トラヴィス
キャスト:デニス・クエイド、マシュー・フォックス、フォレスト・ウィテカー、サイード・タグマウイ etc

映画『バンテージ・ポイント』の登場人物(キャスト)

トーマス・バーンズ(デニス・クエイド)
米大統領のシークレットサービス。大統領をかばって撃たれたことがあり、その後遺症でしばらく職を離れていた。今回の大統領演説が復帰後初の仕事となる。狙撃犯がいるのではとどこか落ち着かない様子で、周囲からは復帰が早すぎるとの声もある。
ケント・テイラー(マシュー・フォックス)
米大統領のシークレットサービスでバーンズの同僚。シークレットサービスに入ってまだ日が浅い。バーンズの復帰を後押ししたのは他ならぬこのテイラーである。
ハワード(フォレスト・ウィテカー)
スペイン観光中に、たまたま演説会場を訪れたアメリカ人。ビデオカメラを片手に周囲を撮影している。なかなか会えない妻と息子がいるため、子どもにやさしい。
アシュトン大統領(ウィリアム・ハート)
米大統領。自分の身よりも民衆を大事にしたいと常々思っている人格者。演説中に狙撃されるが…。
エンリケ(エデゥアルト・ノリエガ)
地元の警察官で市長警護のため会場入りした。恋人ベロニカの浮気を疑っている。
ベロニカ(アイエレット・ゾラー)
エンリケの恋人。演説会場でエンリケと会う約束をしていた。会場で他の男性と親密そうにしている様子を、エンリケに目撃される。
ハビエル(エドガー・ラミレス)
ベロニカと親しそうに話す男。弟がいる。
レックス(シガーニー・ウィーヴァー)
米ニュース番組のプロデューサー。

映画『バンテージ・ポイント』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『バンテージ・ポイント』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『バンテージ・ポイント』のあらすじ【起】

TVプロデューサー・レックスの視点

スペインのサラマンカ。米大統領アシュトンは、テロ撲滅を目的とした国際サミットのためこの地を訪れていた。今日は広場で、聴衆を前に演説を予定している。ニュース番組のプロデューサー・レックスは、現地の中継車からキャスターに指示を送っている。アシュトン大統領が広場に到着した。レックスは大統領のシークレットサービスの中に、トーマス・バーンズの姿を発見し興味を持つ。彼が大統領をかばって銃で撃たれたニュースを取り上げたことがあったのだ。大統領の演説が始まってまもなくのこと。どこからか銃声が響き、アシュトン大統領が狙撃されてしまう。混乱に陥った広場からキャスターが様子を伝えようとしたその時、会場で爆弾が爆発。中継カメラには犠牲になったキャスターの姿が映っていた…。

シークレットサービス・バーンズの視点

アシュトン大統領を警護するシークレットサービス、トーマス・バーンズは緊張していた。大統領の代わりに銃弾を受け、今回の警護はバーンズにとって復帰後初仕事なのだ。そんな時、目の前で大統領が狙撃されてしまう。真っ先に駆け寄ったバーンズは、銃を持って向かってくる男(エンリケ)を取り押さえる。男は「自分は警護の者だ」とわめくが信じがたい。バーンズは狙撃犯を探すため、会場を撮影していた観光客・ハワードからビデオを借りる。向かいのビルのカーテンが動いたのを映像で確認し同僚のテイラーを向かわせるが、ビデオには怪しい荷物が映っていた。「爆弾だ!」バーンズの警告の声も空しく、広場は爆破されてしまう。中継車で画面を確認するバーンズ。テイラーからは「犯人を西へ追跡中」と報告が入る。そのときバーンズは、中継画面に信じがたい物を目にするのだった…。

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映画『バンテージ・ポイント』のあらすじ【承】

観光客・ハワードの視点

観光中、偶然広場を訪れたハワード。いろんな様子をビデオで撮影してまわるハワードに、スペイン人の少女、アナがぶつかる。アイスを落とし悲しむアナに、ハワードはアイスをおごろうとするも、母親に断られてしまう。狙撃事件に巻き込まれたハワードは、妻と息子に無事を知らせるため、電話をかけるも留守電だった。そんなとき、アナが母親とはぐれてパニックになっているのを見つける。一緒に母親を探そうとするハワードだが、アナが道路に飛び出してしまう。叫ぶ彼女の眼の前に救急車が迫ってくる…。

現地警察・エンリケの視点

エンリケは市長警護のため、銃を携帯して広場に入る。手には広場で会う予定の恋人ベロニカに頼まれたかばんを持っている。しかし彼女は見知らぬ男性(ハビエル)と親密そうな様子で話していた。浮気を疑うエンリケをベロニカははぐらかし、かばんを受け取る。狙撃事件が起き、エンリケは市長を守るため壇上に飛び出すが、バーンズたちに取り押さえられてしまう。「警護の者だ」と主張する最中、エンリケは自分がさっき渡したかばんをベロニカが演台に投げ入れるのを目撃する。何かがおかしい…そう思った瞬間、爆発が起きる。混乱に乗じてエンリケは逃げ出し、ベロニカを探すが、救急車の助手席に乗る彼女を見つけてしまう。だまされたと知ったエンリケは、広場近くの高架下で、ある人物に銃を向ける…。

映画『バンテージ・ポイント』のあらすじ【転】

アシュトン米大統領の視点

とあるホテルの1室。アシュトン大統領はいら立っていた。何者かから脅迫状が届いたため、予定していた演説には替え玉が代わりに参加することになったのだ。そんな時、広場で大統領が狙撃されたとの報道が流れる。司令部への情報では、大統領の替え玉は死亡したという。すぐさま主犯とおぼしきテロ組織へ報復攻撃を、と言う防衛大臣を、大統領はいさめる。だがホテルの下でも爆発が起き、部屋が襲われてしまう。犯人たちは替え玉の事もお見通しだったようだ。犯人の魔の手が大統領に伸びる…。

スワレスは広場近くのカフェで部下たちに指示を出していた。仲間のホテル従業員が、大統領の滞在するホテルで自爆テロを行う手筈になっている。ベロニカもスワレスの部下の一人だ。ハビエルと親密そうに話していたが、その内容は「弟を殺されたくなければ自分たちに協力しろ」というものだった。スワレスはあらかじめ仕掛けておいた銃を遠隔操作し、大統領の替え玉を狙撃して会場を後にする。一方自爆テロの起こった大統領のホテルには、ベロニカとハビエルが向かっていた。彼女たちは大統領を襲い、気を失わせる。そして救急隊員の格好をし、大統領を担架で運びだす。ベロニカはスワレスと合流し、救急車で大統領を誘拐。ハビエルは弟が広場近くの高架下にいると聞かされ、そちらへ向かう。

再びバーンズの視点

中継車でバーンズは、信じられないものを目にする。それは同僚テイラーの姿だった。彼は犯人を追って西へ向かっているはずなのに、広場の近くで地元警察の制服を着ていたのだ。テイラーも狙撃犯の一味で自分はだまされていた。そう気付いたバーンズは、急いでテイラーを追う…。

映画『バンテージ・ポイント』の結末・ラスト(ネタバレ)

パトカーでハビエルと合流したテイラーを追いかけるバーンズ。すさまじいカーチェイスの末、バーンズの車はトラックに激突してしまう。追手を逃れ、気を抜くテイラーと、早く弟の無事を確かめたいハビエル。高架下、2人を乗せたパトカーの前にエンリケが立ちはだかる。テイラーはエンリケが弟をさらったのだと勘違いし、エンリケに発砲。「弟はどこだ」ととりみだすハビエルに、エンリケは「2人ともだまされていたんだ」と言い残して息を引き取る。

そこへバーンズが走って追いつく。テイラーはパトカーで逃走しようとするが、銃で撃たれ壁に激突してしまう。大統領の居場所をテイラーに問いただすバーンズだったが、テイラーは口を割らないまま息を引き取った。

一方スワレス達と大統領を載せた救急車は、広場の方向に向かって猛スピードで走っていた。意識を取り戻した大統領は、ベロニカの頭を殴って気を失わせる。運転していたスワレスの注意が後ろにそれる。広場近くでは、アナが道路に飛び出して立ち往生していた。ハビエルが前を向いた瞬間、目の前にアナが立っているのに気づく。とっさにハンドルを切って、横転する救急車。走り出て、アナを救い出すハワード。道路は玉突き事故で騒然となる。

バーンズが救急車へ駆け寄ると、助手席には銃。怪しんで後部席を空けると、そこには大統領が。バーンズは大統領を無事保護し、スワレスら主犯は死亡した。一方ハワードは母親にアナを引き渡す。そのとき携帯に電話がかかってきた。留守電とニュースを聞いて心配になった妻と息子が電話をかけてくれたのだ。久々に話す息子との会話に、ハワードは顔をほころばせる。ニュースは大統領の無事を伝えていた。

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