映画『ザ・マミー』の概要:麻薬戦争で荒廃したブラジルを舞台に、行方不明となった母親を捜して孤児になった少女。同じく孤児の少年と出会い生活を共にするようになるが、彼女を呼ぶ声や引きずり込もうとする存在を感じるようになる。
映画『ザ・マミー』の作品情報
上映時間:83分
ジャンル:ホラー
監督:イッサ・ロペス
キャスト:パオラ・ララ、フアン・ラモン・ロペス、イアニス・ゲレロ、ロドリゴ・コルテス etc
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映画『ザ・マミー』の登場人物(キャスト)
- エストレヤ(パオラ・ララ)
- 母子家庭だが、愛情たっぷりに育てられた少女。母親を捜しに家を出て、ジャイネを追って孤児になる。感受性に優れ霊的な存在を見ることができる。ジャイネと信頼関係を築く。
- ジャイネ(フアン・ラモン・ロペス)
- 孤児。数人の孤児達と生活しており、リーダー的存在。身長は低いが、とても賢くカコから拳銃とスマホを盗み出す。女は不幸を呼ぶと言ってエストレヤを突き放すものの、見捨てられない。右頬に火傷の痕がある。
- カコ(イアニス・ゲレロ)
- 麻薬犯罪組織フアスカスに属する青年。酒に酔っている際、ジャイネから銃とスマホを盗まれる。ボスであるチノの殺人動画を撮影し、チノ本人によって殺害される。
- チノ / セルバンド・エスパルザ(テノッチ・ウエルタ)
- 麻薬犯罪組織フアスカスのボス。実はエストレヤの母親を殺害した人物。非常に冷酷で部下でさえも容赦なく殺す。
映画『ザ・マミー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ザ・マミー』のあらすじ【起】
メキシコにて2006年に勃発した麻薬戦争以来、16万人が死亡し5万3000人が行方不明になっている。一部の地域ではゴーストタウン化してしまった都市もあり、死者や行方不明者が残した子供達の数も明らかになっていなかった。
抗争のせいで小学校が封鎖されてしまい、学校から戻ったエストレヤ。彼女は母親と二人暮らしだったがその日、母親は帰宅せず忽然と姿を消してしまう。ところが、失踪して2日目から自分を呼ぶ母の声が聞こえ始める。少女は部屋で母親の帰宅を待ち続けていたが、そこへ孤児のジャイネが泥棒に入る。少年は数人の孤児達と暮らしており、エストレヤの母親が組織に攫われたと言って去った。
そこで、エストレヤはジャイネの後を尾行し、彼らの住処を突き止める。けれども、ジャイネは、女は不幸を呼ぶと言って仲間に入れてくれなかった。彼らの住処から少し離れた場所で寝泊まりを始めたエストレヤ。ジャイネの仲間の少年が気を遣って毛布をくれた。
深夜、食べ物がないか漁っていたエストレヤだったが、粗大ごみの影から女の手が現れ、彼女を捕まえた。母親のような気もしたが、違うようだ。少女は怖くなって悲鳴を上げる。すると、ジャイネが心配して駆け付けてくれるのだった。
翌日、ジャイネ達の住処に麻薬犯罪組織フアスカスの一員であるカコが現れる。噂では、女は捕まると殺され、子供はどこかへ連れ去られると言う。子供達は一斉に建物の屋根を伝って逃走。エストレヤも後を追ったが、建物と建物の間を飛び越えることができず、怖気づいてしまう。ジャイネを呼ぶと彼が戻って来て、銃を発砲し彼女を助けてくれるのだった。
映画『ザ・マミー』のあらすじ【承】
安全な場所へ逃れた子供達。エストレヤは仲間に入りたいあまり、カコを殺してやると息巻いた。すると、ジャイネは彼女へと銃を手渡し、アジトに案内するから殺して来いと言う。子供達はアジトの場所までやって来るも、エストレヤは寸前でまたも怖気づいてしまう。だが、やらなければやられる。エストレヤは決意を固め、アジトへと侵入した。
カーテンが閉め切られた室内は薄暗く、テレビだけが煌々とついている。エストレヤはソファーに腰かけるカコの背後に立ち、引き金を引こうと思ったが、カコはすでに頭部を撃ち抜かれて死亡していた。だが、蛇のような生き物が少女の銃に纏わりつき、引き金を引いてしまう。エストレヤは慌てて逃げ出そうとしたが、籠に入れられた仲間を3人発見し、彼らを助けた。
このことにより、ジャイネのグループに入ることを認められたエストレヤ。その日の夜、寝ている彼女を起こす存在がいる。少女が起き上がると手元にあった紙コップから女性の声が、フアスカスが捜索を開始したこと、カコを殺した者がエストレヤを捜し当てると教えてくれるのだった。
翌朝、エストレヤはジャイネに理由を話し、住処を引き払って引っ越すことに。ジャイネは年上の少年達の元へ向かい、カコを殺したことを報告。その日はそこで過ごし、翌日にちょうどよい住処を見つけた。ところが、彼女を追って霊的なものも追いかけて来る。相手はしきりに自分のところに来いと言うが、エストレヤはその手から逃れた。
ジャイネの母親はカコに攫われたらしい。その時に撮ったものなのか、カコのスマホにジャイネの母親の画像が1枚だけ残されていた。故に彼はカコから盗んだスマホを手放すことができなかった。
映画『ザ・マミー』のあらすじ【転】
ジャイネとエストレヤは共に過ごすことで、次第に心を開き合うようになる。エストレヤが母親の写真を1枚も持っていないと言うので、ジャイネは彼女の家へ向かって写真を入手することにした。ところが、その帰りにカコの手下に捕まってしまう。
エストレヤはジャイネを捜しに住処を出たが、そこでカコの手下を発見。彼女はすぐさま踵を返し開いている部屋へ入った。だが、そこで闇からチノを連れて来いと女が言う。エストレヤは恐怖を覚え部屋から逃げたが、そこで手下に捕まってしまう。彼女の窮地にジャイネが駆け付けてくれたが、他の仲間達もやって来る。しかも、激情した手下に一番幼い少年が銃で撃たれてしまうのだった。
手下の足にナイフを突き刺し、隙を突いて逃げ出した子供達。幼い少年は程なくして息を引き取る。相談した結果、チノに直接連絡を入れることにした。すると、チノはカコのスマホを返せと言う。エストレヤがフアスカスを潰したら返すと言うと、チノは翌日の朝7時に指定の場所へ来いと言った。更に彼はカコを殺したのは自分だとも言い、エストレヤではないことを明かすのである。このことでジャイネが激怒。お前のせいで幼い少年が死ぬ羽目になったのだと言って、仲間と共に去って行くのだった。
その日の夜、エストレヤの元へチノによって殺された女の亡霊達が全員やって来る。それは凄まじい数で、建物に溢れかえっていた。亡霊達は少女にチノを連れて来いと言い募る。そして、彼女を脅しつけるのだ。
同じ頃、ジャイネ達はカコのスマホに保存されていた、チノの決定的な殺人動画を警察に届けようとしていた。しかし、警官は関わりたくないと言わんばかりに、動画を見て逃げ出してしまう。
映画『ザ・マミー』の結末・ラスト(ネタバレ)
そこで、動画を見直したジャイネ。捕縛され吊るされていた人物がエストレヤの母親である証拠を見つけてしまう。そこで彼らはエストレヤを捜し、協力することにした。少女には亡くなった幼い少年の姿が見えている。彼はどこにも行けず、ずっとエストレヤについて来た。ジャイネと仲直りした少女は、チノと対峙する決意を固め亡霊達と共に約束の場所へ向かった。
翌早朝、チノと対峙したジャイネとエストレヤ。スマホを渡したが、奴は早々に2人の手下を始末してしまう。彼は証拠さえ手に入ればいいようで、ジャイネ達を見逃してくれる。帰る途中、エストレヤが母親のことをしきりに知りたいと訴えると、ジャイネは本物のスマホを彼女に手渡し、動画を再生。実はチノには別のスマホを渡していたのだった。中を確かめようとした矢先、別のスマホだと気付いたチノが銃を発砲しながら追いかけて来る。そのせいでジャイネは右頬を撃たれ命を落としてしまうのだった。
慌てて逃げ出したエストレヤ。亡霊が導くままに歩を進め、子供にしか入れない天井の隙間を四つん這いで進んだ。すると、彼女の前にトラのぬいぐるみが現れる。トラは少女にジッポライターを渡し、ダストシュートへと導いた。
底に辿り着き、ジッポをつけたエストレヤだったが、そこには無数の女達の亡骸が積み重なっている。中には少女の母親もいた。エストレヤはようやく母親と再会し、別れを惜しんでからチノをその場所へ誘導した。
奴を閉じ込めたエストレヤはその後、ジャイネと出会う。彼にジッポを返し、別れを告げた。ジャイネはジッポを点しながら閉じ込められたチノの元へ。無数の遺体と共にチノもまた炎に巻かれ息絶える。
更にエストレヤは建物から出る際、トラと遭遇。トラはメキシコでは勇者であり戦士と称えられる生物だ。彼女はトラに微笑みを残し、その場から去った。
映画『ザ・マミー』の感想・評価・レビュー
メキシコのゴーストタウンで暮らす孤児達が麻薬犯罪組織の存在に怯えつつ、逞しく生きている姿がなんとも切ない。そういった土台の上に主人公がいて、霊的な存在に導かれていく。ホラーでありながら、ホラーではなく社会的な現実問題をも描いている。
幼い子供達が孤児となり身を寄せ合いながら生きる。それも、同年代同士がグループになっている様子で、主人公が入るグループの上に10代の少年達が集まるグループがあったりする。そこまで育つと、きっとギャングたちの手先として働くようになるのだろう。終盤で母親の亡骸と再会し、少年とのやり取りもとにかく切ない。(MIHOシネマ編集部)
変に作り込みすぎていないからこそ、余計に怖い作品だった。正直ホラーは得意ではなく幽霊の存在は怖かったのだが、それ以上に生きている人間の方が怖かった。犯罪組織のボスであるチノの残忍さもそうだが、子供を助けずに捜査をしようともしなかった警察官達も残酷で恐ろしいと思う。16万人が死亡し5万3000人が行方不明になっている事実が衝撃的だった。孤児達が暮らす現状があまりにも過酷で、胸が痛くなった。(女性 30代)
メキシコに対するイメージが大きく変わった今作。陽気で暖かい気候の素敵な国だと思っていましたが、それは観光客が見るほんの一面で、ゴーストタウンと化した街では死者や行方不明者が絶えないと言う恐ろしい現実を突きつけられました。
女や子供でも容赦しない麻薬組織の人間たち。彼らのような存在は悪でしかありませんが、そんな彼らと関わろうとしない警察も悪だと感じました。警察なんて当てにならないと諦めにも似た言葉を耳にすることがありますが、ここまであからさまに拒否されてしまうのかと思うと悲しくなりました。(女性 30代)
タイトルからゾンビものかと思って観たら全く違いました。そのままの意味のタイトルなんですね。また、ホラージャンルかと思っていると社会派ファンタジー要素が強いです。社会問題をホラーと併せて描いたという感じです。タイトルやキャッチコピーだけで観ると肩透かしを食らう作品です。
子役たちはみんな目力があり演技がとてもうまいですが、ストーリーは残酷でシリアスです。むしろホラーじゃない分、日本ではありえない現実に辛くなります。(女性 30代)
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