映画『ウォーターシップダウンのうさぎたち』の概要:原作は、イギリスのリチャード・アダムスの児童文学。カーネギー賞とガーディアン賞を受賞しており、今なお愛読されている名作。これを、1980年にアニメ映画化し、日本で公開したのが本作。
映画『ウォーターシップダウンのうさぎたち』 作品情報
- 製作年:1979年
- 上映時間:93分
- ジャンル:アニメ、ファンタジー
- 監督:マーティン・ローゼン
- キャスト:ジョン・ハート、リチャード・ブライアーズ、マイケル・グレアム・コックス、ラルフ・リチャードソン etc
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映画『ウォーターシップダウンのうさぎたち』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★☆☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ウォーターシップダウンのうさぎたち』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ウォーターシップダウンのうさぎたち』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ウォーターシップダウンのうさぎたち』 あらすじ【起・承】
イギリスにある長閑なサンドルフォードの地で、ウサギたちは幸せに集落を作って暮らしていた。ヘイズルもまた、そこで暮らすウサギである。ある日、彼の弟であるファイバーが、自分たちに恐ろしいことが起きると騒ぐ。ファイバーには予知能力があり、それを信じていたヘイズルは大人たちに必死に避難を促すが、あまり相手にしてもらえない。仕方なくヘイズルは、弟や賛同してくれた他のウサギたちを伴って、住み慣れた地を離れることを決意。数多の危険を乗り越えながら、なんとか定住できそうな地を発見した。
遅れて自分たちを追ってきたウサギに、サンドルフォードの巣穴がつぶされて滅亡したことを聞いたヘイズル。ファイバーの予知は現実となった。オスばかりのヘイズルたちは、新しい地で発展していくためにメスを探すことにした。エフラファという繁殖地の存在を知ったヘイズルは、そこに赴きメスたちに自分たちの見つけた地、ウォーターシップダウンに移住を促す。
映画『ウォーターシップダウンのうさぎたち』 結末・ラスト(ネタバレ)
しかし調査を重ねてわかったのは、エフラファは、過激な軍国主義により支配されており、メスたちに自由はないということだった。また、メスたちはそんな自分たちの環境に辟易していた。ヘイズルたちは、メスたちを将軍ウーンドウォートの支配から解放する作戦を立てる。仲間を潜入させ、将軍に反感を持っているメスの協力を得ながら、川を使い、メスたちを逃亡させることに成功したヘイズルたち。だがしばらくして、ウーンドウォート将軍が報復にウォーターシップダウンに攻めてきていることを知る。ヘイズルは怯える仲間たちの統率を執り、難を逃れるも、将軍はあきらめておらず穴を掘り進めてウォーターシップダウンに迫ってきていた。ヘイズルは自らの危険も省みず、農場で飼われている犬を利用して将軍たちエフラファのうさぎを追い払った。
ウォーターシップダウンを繁栄に導き、長い間皆を守り続けたヘイズル。ある日、彼の前に神エル・アライラーと思われる金色のうさぎが現れた。ヘイズルは穏やかに笑って、うさぎに導かれるまま天に昇って行ったのだった。
映画『ウォーターシップダウンのうさぎたち』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ウォーターシップダウンのうさぎたち』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
世界一かっこいいうさぎ
アニメ映画だし、主人公はうさぎなので、あまり万人が手に取る作品ではないかもしれない。だが私は、大人こそ楽しめる映画だと思う。ただただシンプルに、主人王ヘイズル・ラーがかっこいいのだ。決断力に富み、仲間思いで、知識も豊富、理想のリーダーといっても過言ではないのが、ヘイズルだ。
まず弟のことを信頼しているところがかっこいい。弟の予知能力を心から信頼しており、きちんと決断を下す。生きるための決断だ。その後も様々な危機が彼らを襲うが、常にヘイズルは一生懸命で、迷いはあるものの弱々しさはない。問題が目の前に起きた時、最善は何か、どうすればうまく行くかを必死に考え仲間を導いていく。だからといって冷徹ではなく、仲間たちのことを一心に考えている姿は、誰もが尊敬できる理想のリーダー像ではないだろうか。
伝記のような物語
アニメでうさぎが主人公となると、何か敵が現れて勧善懲悪なストーリーを想像するかもしれないが、完全なる悪を打ち倒すだけの物語ではない。もちろんエフラファのうさぎたちは敵として現れるがヘイズル達の目的は彼らを倒すことではない。あくまでも「自分たちが繫栄するにはどのようにすればよいか」というのが行動指針だ。生まれ育った地を出て、旅をし、新たな地で繁栄を築く。それを成し遂げたヘイズル・ラーという勇敢なうさぎの生きざまを描くこの物語は、伝記のようなものである。なので、アンネフランクやヘレンケラー、エジソンのように学習として子供に与える物語として、このウォーターシップダウンのうさぎたちも加えてもらいたい。小説は非常に長く重苦しい文体(翻訳なので)となっているが、アニメなら気軽に観ることができるはずだ。
うさぎの世界を描いた、うさぎが主人公の物語。動物の世界を人間の世界と同じように描いた作品は沢山ありますが、今作に登場するヘイズルは非常に知能が高く、身体能力も優れていて正義感も強いので頼れるリーダーとしてとてもかっこよく見えました。
『猿の惑星』の新三部作で猿のリーダーだったシーザーと同じような強さを感じ、囚われたメスうさぎを解放しようと将軍に立ち向かっていく姿も『猿の惑星』と重なる部分があったので迫力もあり面白く見られました。
児童文学が原作ということですが、かなり大人向けのストーリーになっているので大人も子供も楽しめると思います。(女性 30代)
映画『ウォーターシップダウンのうさぎたち』 まとめ
うさぎが大冒険する話、というといささか幼稚な印象だが、それだけで片づけられないほど壮大な生きざまが描かれている物語だ。主人公のヘイズルがどのように仲間を守り、導き、戦ったかという生涯が描かれており、伝記に近いと思っていい。ヘイズルの高い知性や決断力、仲間思いの様子は理想のリーダーといえる。
このように大人も十分に楽しめる物語だが、反面幼児向けだと思って子供に見せると「?」が散るだけで終わるかもしれない。ただ、単純に冒険を楽しむ要素も多いので、家族全員で鑑賞してほしい作品である。
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