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映画『ザリガニの鳴くところ』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『ザリガニの鳴くところ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ザリガニの鳴くところ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ザリガニの鳴くところ』の結末までのストーリー
  • 『ザリガニの鳴くところ』を見た感想・レビュー
  • 『ザリガニの鳴くところ』を見た人におすすめの映画5選

映画『ザリガニの鳴くところ』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2022年
上映時間 126分
ジャンル ミステリー
ヒューマンドラマ
監督 オリヴィア・ニューマン
キャスト デイジー・エドガー=ジョーンズ
テイラー・ジョン・スミス
ハリス・ディキンソン
デヴィッド・ストラザーン
製作国 アメリカ合衆国

映画『ザリガニの鳴くところ』の登場人物(キャスト)

カイア(デイジー・エドガー=ジョーンズ)
両親は出て行ってしまい、幼い頃から湿地で1人で生き抜いてきた少女。街の人々から湿地の女と呼ばれ、好奇の目にさらされている。
テイト(テイラー・ジョン・スミス)
自然を愛する青年。優しい性格であり、カイアに字の読み書きなどを教える。大学進学を控えていて、親からはカイアに関わることをあまりよく思われていない。
チェイス(ハリス・ディキンソン)
地元で裕福な家庭に育った青年。湿地で暮らすカイアに興味を持ち、声を掛けてくる。

映画『ザリガニの鳴くところ』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『ザリガニの鳴くところ』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ザリガニの鳴くところ』のあらすじ【起】

チェイスという青年の死体が湿地帯にあるやぐらの下で発見される。死因はやぐらから落ちたことが予測されるが、辺りにはチェイスの足跡も指紋も残されていなかった。

街のバーは事件の話で持ちきりだった。1人の客が湿地帯に暮らす少女の犯行ではないかという。彼女は人と猿の中間だという者もいるようだ。同じくバーに来ていた弁護士のトムはその話を興味深そうに聞いていた。

後日警察が湿地帯を訪れる。警察に追われて逃げ惑う少女カイア。やがて捕まり警察に連行される。カイアのもとを訪れたトムはカイアの弁護を担当することになったと告げる。カイアを助けたいというトムにカイアは自身の過去のことを語りだす。

かつてカイアは家族で湿地帯に暮らしていた。父は暴力的な性格であり子供達や母に日常的に暴力を振るっていた。父の暴力に耐え切れず、ついに母は家を出て行ってしまう。母に続いて兄弟たちも家を出ていくがカイアは1人父のもとへ残った。

しばらくは優しかった父であったが、母から届いた手紙の内容に激怒しそのまま家を出て行ってしまった。事情を知った商店のジャンピン夫婦は幼いカイアを手助けし、カイアは1人でなんとか生き抜いていった。

映画『ザリガニの鳴くところ』のあらすじ【承】

湿地帯で暮らすカイアのもとへテイトという青年が訪ねてくる。初めは警戒するカイアであったが、読み書きを教えてくれて、何かと親切にしてくれるテイトにだんだん心を開いていく。

2人は恋人となり幸せな日々を送るが、テイトの大学進学が決まり街を去らなければいけなくなってしまう。テイトは1ヵ月したら戻るとカイアに告げて去っていくが、約束の日にテイトが現れることはなかった。

孤独になったカイアのもとにチェイスという青年が現れる。カイアは寂しさを紛らわすためチェイスと過ごすようになる。そしてチェイスはカイアにプロポーズするのであった。

そんな時、テイトが再びカイアのもとに現れる。今更何をしにきたと怒るカイアに、テイトは学歴も仕事もカイアがいないと意味がないことに気が付き、カイアのもとを離れたことを今でも後悔していると心からの謝罪を述べる。カイアは何も言わず、涙を流しながら家へと入っていくのであった。

ある日、街に買い物に出たカイアは、チェイスを見かけて声を掛ける。チェイスは別の女を連れており、婚約者だと告げられ茫然とするカイア。しばらくして、カイアのもとへチェイスが弁解にくるが、カイアが応じることはなかった。

映画『ザリガニの鳴くところ』のあらすじ【転】

父が税金を滞納していたせいで、家の所有権が他にうつってしまうことを懸念したカイアは税金の支払いに必要な収入を得るため、自身が描いた絵を出版社に送る。カイアの絵はすぐに編集者の目に留まり、本の出版が決定する。

すると本を見たと兄のジョディが訪ねてくる。2人は再会を喜ぶ。ジョディは他の兄弟とは疎遠であり、母は病死してしまったことを教えてくれる。母は父に子供を引き取りたいと手紙を書いたが、子供に近付いたら子供たちを死ぬほど殴ると言われ諦めざるを得なかったそうだ。それでも子供たちを引き取りたいと弁護士費用を貯めていたがその最中に病死してしまったことを聞かされる。

チェイスはカイアに振られた腹いせにカイアの家をめちゃくちゃにして去っていく。そしてその数日後にチェイスは遺体となって発見された。
裁判で、トムはカイアにはチェイスが死亡した日のアリバイがあることを主張する。編集者との打合せのために、バスに乗って泊まりがけで出かけていたのだ。トムは陪審員に対し、我々は恥ずかしいことに彼女を湿地の娘とレッテルを貼り拒絶した。どうか偏見をなくし彼女を見てほしいと訴える。結果、カイアは無罪を勝ち取ったのだった。

映画『ザリガニの鳴くところ』の結末・ラスト(ネタバレ)

その後、カイアはテイトと結婚し幸せな人生を送る。ジョディ家族との関係も良好であり、カイアは幸せに満ち溢れていた。月日は流れ、年老いたカイアは1人でボートに乗り湿地を漂っていた。母の幻を見たカイアは安堵の表情を浮かべ、そのままボートで息を引き取る。自分が世を去る時は密やかにすーっと消えたい。それがカイアの願いだったのだ。

カイアの亡きがらを見つけたテイトは悲しみに暮れる。後日、テイトはカイアの残したノートを読んでいた。そこには湿地に生息する生き物や植物の絵、テイトと出会ったときのことも書かれていた。最後のページにはチェイスの似顔絵が描かれており、弱者が強者を葬ることもあると書いてあった。そして、カイアがチェイスに贈った珍しい貝でできたネックレスが一緒に収められていたのだ。それは、チェイスが亡くなる直前まで肌身離さず着けていたものであった。

テイトはチェイスを殺した犯人がカイアであることを悟り、そっとノートを閉じると、ネックレスを湿地へと投げ捨てて、カイアの秘密を永遠に葬るのであった。

映画『ザリガニの鳴くところ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

カイアの人生がとにかく過酷で、序盤から感情を揺さぶられた。自然と共に生きる少女が、社会から孤立しながらも自分の力で成長していく姿に感動。ラストで“真実”が明かされる瞬間には鳥肌が立った。サスペンスとしてもヒューマンドラマとしても完成度が高く、映像も美しく引き込まれた。(20代 女性)


ミステリーだと思って観たが、実際は“生きること”と“孤独”にまつわる強い物語だった。カイアが置かれた環境の理不尽さ、偏見の目にさらされながらも自然を愛し、知識で生きていく姿に感銘を受けた。殺人の真相についても、単なる犯罪ではなく彼女の“選択”として納得させられた。(30代 男性)


映画が終わったあとも、しばらくカイアのことを考えてしまった。彼女が殺人を犯していたというラストは衝撃的だったけれど、それまでの人生と彼女が受けてきた仕打ちを思えば、許される気もした。自然と一体になった映像表現も美しく、詩的な雰囲気の中に力強さがあった。(40代 女性)


法廷劇と少女の成長物語が同時に進行する構成が非常に巧みで、飽きることなく一気に観てしまった。孤独に耐えて育ったカイアが「沼地の少女」として差別されながらも、学び、恋をし、絵本を出版して人生を切り拓く姿に感動。彼女の選択が正しいかどうかは分からないけど、肯定したくなった。(50代 男性)


テイトとチェイス、二人の男性との関係が対照的で、カイアの成長を象徴していたように思う。優しくて知的なテイトとの関係が最終的に続いて本当に安心した。自然の中で育った彼女の目線から描かれる世界はとても新鮮で、女性として強く生きる姿勢に胸を打たれた。エンディングの静けさが心に残る。(20代 女性)


予告で想像していたよりもずっと重く、深い内容だった。貧困、家庭内暴力、差別、孤独といったテーマが丁寧に描かれており、単なる恋愛ミステリーでは終わらない。自然とのつながりが精神的な避難所として機能しているのもよかった。最後のどんでん返しには驚かされたが、妙に納得できた。(30代 男性)


女性が自らの力で人生を切り拓いていく物語として、とても力強く美しい作品だった。カイアが描く絵や植物の描写は、彼女が世界とどう関わってきたかを語っていて、言葉以上の説得力があった。殺人という行為の是非よりも、「生きるために必要だった」という視点で観るべき映画だと思う。(40代 女性)


最後の詩の引用と共に明かされる“真実”がすごく印象的だった。あの静けさと余韻の残し方は秀逸。カイアが犯人だったと分かった時、一瞬「裏切られた」と思ったけれど、それが彼女の生き方そのものだと思い直して、深く納得した。映像、音楽、脚本すべてが高水準で、本当に良作だった。(50代 男性)


自然と共にある映像がとても美しく、まるで一枚の絵画のようだった。カイアが育った環境は劣悪だったが、そこにある自然は彼女にとって家族のような存在。チェイスの暴力的な側面が明らかになった時、彼女の取った選択が“静かな反撃”に思えた。語られないことにこそ意味がある映画だった。(20代 男性)


少女が社会から排除されながらも、生き抜いていく物語として非常に見応えがあった。人間は自然とどう向き合っていくべきか、そして人は誰を信じて生きるのかを考えさせられる。ラストの秘密が明かされたとき、ぞっとしながらもカイアの強さを再認識した。静かながら力のある映画だった。(60代 女性)

映画『ザリガニの鳴くところ』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ザリガニの鳴くところ』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち

この映画を一言で表すと?

才能と孤独を抱えた若者が自分の人生を見つける、静かに胸を打つ名作。

どんな話?

天才的な数学の才能を持ちながら、心に深い傷を抱える青年ウィル。カウンセラーとの対話を通じて、過去と向き合い、未来を切り開いていく。心の再生と人との絆を描いたヒューマンドラマ。

ここがおすすめ!

『ザリガニの鳴くところ』と同様に、孤独に生きてきた主人公が自分自身の価値を見出していく物語。内に秘めた強さと、人との関わりによって変化していく様子が丁寧に描かれており、深い余韻を残す作品です。

ナイル殺人事件(2022)

この映画を一言で表すと?

美しさの裏に潜む欲望と殺意――極上のミステリー絵巻。

どんな話?

豪華客船で繰り広げられる殺人事件。名探偵ポアロが、美しいナイル川を舞台に隠された真実と人間の業に迫っていく。愛と嫉妬が交錯する古典的推理劇の現代版リメイク。

ここがおすすめ!

『ザリガニの鳴くところ』のように、美しい自然の風景と殺人事件が絡み合うサスペンスが好きな方にぴったり。人物同士の関係性や心理戦も魅力で、最後の一手まで目が離せないクラシックな雰囲気も楽しめます。

冬の小鳥

この映画を一言で表すと?

誰にも頼れない少女が、傷つきながらも希望を見出す静かな傑作。

どんな話?

父に捨てられ、孤児院で暮らすことになった9歳の少女ジニ。心を閉ざしたままの彼女が、新しい人々との出会いを通して少しずつ自分の居場所を見つけていく。言葉よりも感情で語る詩的な物語。

ここがおすすめ!

孤独な少女の目線を通して世界の残酷さと優しさを映し出す作品で、カイアの生き方に重ねて観ることができます。セリフを多用せず映像と表情で魅せる演出が、より深い共感と余韻を生み出します。

トゥ・ザ・ボーン ~とっておきのランチタイム~

この映画を一言で表すと?

心と体の限界に立たされた少女が再生への一歩を踏み出す感動ドラマ。

どんな話?

摂食障害と闘う少女エレンは、変わり者の医師の指導のもと、少しずつ自分自身と向き合っていく。生きる意味を模索する若者たちの姿がリアルに描かれる、繊細で力強いストーリー。

ここがおすすめ!

『ザリガニの鳴くところ』と同様に、主人公の内面の葛藤が中心の物語。社会の目、家族の問題、自己価値といったテーマが交錯する中で、静かに成長していく姿が観る人の心を打ちます。リアリティ重視の方にもおすすめ。

ブロークバック・マウンテン

この映画を一言で表すと?

人里離れた大自然の中で芽生えた絆が生涯を貫く、静かな愛の物語。

どんな話?

1960年代アメリカ、山で出会った二人の男が育んだ深く切ない恋愛関係。時代や社会の壁に阻まれながらも、20年以上にわたって続くその関係を描く。圧倒的な自然と共に綴られる物語。

ここがおすすめ!

孤独、偏見、自然との共生といった要素が『ザリガニの鳴くところ』と重なる。風景描写の美しさと、人の感情の繊細さをじっくりと味わえる作品で、静かで力強い映画を求める人にぴったりです。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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