映画『ワールド・トレード・センター』の概要:アメリカ国民だけでなく世界中の人々にとって忘れられない日となった2001年9月11日。崩壊した世界貿易センタービルの瓦礫の下から奇跡的に救出された2名の警察官の話に基づいて、現場の惨状や勇気ある人々の行動と家族愛を描く。2006年公開のアメリカ映画。
映画『ワールド・トレード・センター』の作品情報
上映時間:129分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:オリヴァー・ストーン
キャスト:ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャ、マギー・ギレンホール、マリア・ベロ etc
映画『ワールド・トレード・センター』の登場人物(キャスト)
- ジョン・マクローリン(ニコラス・ケイジ)
- ニューヨークにある港湾警察局の巡査部長。勤続21年のベテラン警察官。無愛想で出世はできなかったが部下からの信頼は厚い。日曜大工が得意。
- ウィル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)
- ジョンの部下。苦労して警察官になった新人。
- アリソン・ヒメノ(マギー・ギレンホール)
- ウィルの妻。ウィルとの間に4歳になる娘がおり、現在2人目を妊娠中。妊娠5ヶ月。
- ドナ・マクローレン(マリア・ベロ)
- ジョンの妻。ジョンとの間に15歳と12歳の息子と10歳と4歳になる娘がいる。
- デイブ・カーンズ(マイケル・シャノン)
- 元海兵隊の軍曹。自ら現場へ駆けつけ、ボランティアで救助活動を手伝う。
映画『ワールド・トレード・センター』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ワールド・トレード・センター』のあらすじ【起】
2001年9月11日火曜日。ニューヨークは穏やかに晴れた朝を迎えており、港湾警察局でもいつも通りの朝礼が行われていた。班長のジョン・マクローリンの指示で、警察官たちはそれぞれの持ち場へ移動して、バスターミナルのパトロールを始める。その時、大きな爆発音が聞こえ、ターミナルにいる警察官全員に本部へ戻るよう緊急命令が出る。
本部へ戻った警察官たちはテレビのニュースで信じられない光景を目にする。世界貿易センタービルのタワー1に旅客機が激突し、噴煙を上げていた。情報が錯綜する中、警察官たちは現場へと急行する。その間にタワー2にも旅客機が突っ込んでいた。
現場周辺は逃げ惑う人々や救助に来た消防隊員などでごった返しており、みんなは想像を絶する惨状に言葉を失う。このビルに詳しいジョンがリーダーとなり、自ら志願したウィルとアントニオとドミニクを連れてビル内へと入る。
ジョンは第5ビルの詰め所で装備を整え、地下の機材室で酸素ボンベを確保する。そこで先に来ていた警察官のクリスも4人に合流し、5人はタワー1へ向かう。その時、ものすごい爆音とともにビルが崩壊し、5人は瓦礫の渦の中へと飲み込まれていく。
映画『ワールド・トレード・センター』のあらすじ【承】
暗闇の中で意識を取り戻したジョンは瓦礫に挟まれて身動きが取れず“誰かいるか!”と大声で呼びかけてみる。その声を聞き、足が瓦礫の下敷きとなって動けないウィルと唯一動けるドミニクが返事をする。ジョンは無線で救助を要請するが、何の返答もない。自分だけではどうしようもないと思ったドミニクは助けを呼びに行こうとするが、“置いて行くな”というウィルの訴えを聞き入れ、必死で瓦礫と格闘する。しかし再び瓦礫が崩れ落ち、直撃を受けたドミニクは命を落とす。
このニュースは世界中に配信され、多くの人々に衝撃を与えていた。ウィルの妻のアリソンやジョンの妻のドナもニュースを見ながら、連絡がつかない夫の心配をしていた。アリソンの家にもドナの家にも親戚や友人たちが集まり、情報が入らないもどかしさに苛立っていた。
生き埋めとなったジョンとウィルは怪我の痛みで何度も気を失いかける。2人はそれぞれの家族の話をして、何とか生き延びなければならないと互いを励まし合っていた。しかし周辺では火事が続いており、再び大きな爆発音がする。2人は死を覚悟して、意識を失う。
映画『ワールド・トレード・センター』のあらすじ【転】
元アメリカ海兵隊の軍曹だったカーンズは、ニュースを見て自ら現場へ駆けつける。現場では二次災害の危険が続いており、救助隊員たちはなかなか崩壊したビルへ近づけなかった。しかしカーンズは命令を無視して夜を迎えた危険な現場へと踏み込んで行く。途中で出会ったトーマスとともに大声で呼びかけて生存者を探す。
ウィルは意識を取り戻し、ジョンに声をかける。衰弱はしていたがジョンもまだ生きていた。ウィルは何とか手の届く金属パイプを鳴らして、自分たちの存在に気づいてもらおうとしていた。その音に気づいたカーンズはわずかな穴から真っ暗な地下へ呼びかけてみる。ウィルは必死で声をあげ、ついに2人が生き埋めになっていることが地上へと伝わる。
この朗報は極限状態を迎えていた家族にも知らせれ、アリソンとドナは2人が収容される予定の病院で夫の帰りを待つ。瓦礫の下へと潜って行く救助活動は常に危険と隣り合わせで困難を極めたが、勇敢な救助隊員たちによってまずはウィルが地上へと救出される。アリソンは病院へ運ばれてきた夫の顔を見て、安堵の涙を流す。
映画『ワールド・トレード・センター』の結末・ラスト(ネタバレ)
残されたジョンの体力は限界に達しており、その意識は混濁していた。ジョンは生死の境をさまよいながらドナの幻を見ていた。ドナや子供たちが待つ家へ帰りたいという一心で、ジョンは意識を取り戻す。そしてついに地上へと救出される。外はすでに明るくなっていた。病院へ運ばれたジョンはドナと再会し、“君が生きる力をくれた”とドナに感謝する。ドナはそんな夫に優しくキスをする。
何千人という人が消えてしまった現場には各州から多くの警察官や救助隊員たちが集まっていた。病院の壁は行方不明の家族を捜すビラで埋め尽くされていた。
それから2年後、元気になったジョンとウィルは感謝の集いを開く。ジョンは6週間昏睡状態にあり27回の手術を受け、ウィルは13日間で8回の手術をしていた。その後2人は現役を退いて、家族と平和に暮らしている。
世界貿易センタービルでの犠牲者は2749名で、その国籍は87カ国に及ぶ。そのうち343名は消防士で、港湾局職員の犠牲者は84名だった。その中の37名が警察官で、ニューヨーク市警察の警察官も23名が犠牲となった。ビルの倒壊現場から救出された人は全部で20名でありウィルとジョンは18、19番目の生存者だった。
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