映画『余命90分の男』の概要:シャロンは医師として働いていたが、飼い猫が窓から落ちて亡くなってしまい、精神的に不安定になる。そんな時、患者のヘンリーに診断結果を伝える途中で怒鳴られてしまい、不安定になったシャロンは余命が90分であると嘘を吐いてしまう。
映画『余命90分の男』の作品情報
上映時間:84分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:フィル・アルデン・ロビンソン
キャスト:ロビン・ウィリアムズ、ミラ・クニス、ピーター・ディンクレイジ、ジェームズ・アール・ジョーンズ etc
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映画『余命90分の男』の登場人物(キャスト)
- ヘンリー・アルトマン(ロビン・ウィリアムズ)
- 弁護士。2年前に息子のピーターを亡くしてから、怒りっぽく偏屈な性格に変わってしまう
- シャロン・ギル(ミラ・クニス)
- 内科医。仕事に追われ、不倫の恋も上手くいかず、悲惨な日々を送っていた。そんな時、飼い猫が窓から落ちて亡くなってしまい、精神的に不安定になる。
- アーロン・アルトマン(ピーター・ディンクレイジ)
- ヘンリーの弟。ヘンリーの事務所で働いている。2年前までは兄弟の仲は良く、一緒に昼食を食べながら色んなことを話し合っていた。最近は関係が悪化していた。
- ベティ・アルトマン(メリッサ・レオ)
- ヘンリーの妻。ピーターが亡くなってから、夫婦仲は最悪だった。
- トミー・アルトマン(ハミッシュ・リンクレイター)
- ヘンリーの息子。社交ダンサーとして働いている。父にダンサーとして働くことを反対され、会わなくなっていた。
映画『余命90分の男』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『余命90分の男』のあらすじ【起】
1989年9月。ヘンリーは妻と幼い息子2人と共にピクニックに出かけ、楽しい時間を過ごした。子供達がはしゃぐ様子を見て、幸せを感じていた。25年後。ヘンリーは車で病院に向かう途中、信号待ちで苛々しながら嫌いなモノを頭の中で思い浮かべた。「犬の糞」「車の警報器」「腰パン」「隣人」などなど。たくさん思い浮かべた後、やっと信号が青に変わったので車を発進させるが、横からタクシーに追突されてしまう。ヘンリーは思いつく限りの罵り言葉を運転手にぶつけた。
シャロンはバスの中で、死んだ猫のハロルドのことを思い出して涙ぐんだ。3日前、10階から飛び降りてしまったのだ。シャロンはハロルドの死を乗り越えられていなかった。医師であるにも関わらず、患者の診察にも身が入っていなかった。医学生時代は理想に燃えていたが、現実は患者1人に対し15分の診察が限界だった。要求も多く、ストレスがたまる日々だった。シャロンは病院の地下で大声を出して、ストレスを発散させた。
シャロンが診察室に入ると、患者のヘンリーが不機嫌に怒りだした。2時間も待たされ、主治医のフィルディングではない若い医師に診察されていることに腹を立てているのだ。シャロンはヘンリーの口撃に負けず、検査の結果、脳動脈瘤が見つかったことを告げた。ヘンリーは亡くなった叔父と同じ病気であることに絶句した。大きさや瘤が見つかった場所、余命や治療法などを問い掛けるが、シャロンは内科医なので答えられなかった。ヘンリーは「患者の気持ちなど分かるものか、瀕死の猫なら同情するのか」と罵倒しながら、しつこく残された時間を問い掛けた。シャロンは気分が悪くなり、偶々目に入ったターキーの焼き時間を告げてしまう。それは、90分だった。
映画『余命90分の男』のあらすじ【承】
ヘンリーが突然診察室を出て行ってしまったため、シャロンは頭を抱えた。同僚の医師にそのことを愚痴りながら相談した。同僚はシャロンがハイになっている様子を見て、薬を服用していることに気づき心配した。もしこのことが公になれば、シャロンは医師免許を失う恐れもあった。シャロンは同僚の非難に耐えられず、溜めていた鬱憤を爆発させた。不倫関係にあったフィルディングが週末を家族と過ごすために休みを取り、代わりにヘンリーを診察することになったのだ。
ヘンリーは職場に行き、同僚達に顧客の話しだと嘘を吐きながら、90分の余命宣告を受けたら何をすればいいか相談した。同僚は最後に妻と愛し合い、幸せな時間を過ごすのが一番だと勧めた。弟のアーロンはヘンリーを呼び止め、会議が嫌で欠席したいなら小芝居をするなと非難した。しかも、家族と喧嘩ばかりしていたヘンリーが、90分で妻と和解できるとは思っていなかった。ヘンリーは自分のことを心配してくれたアーロンの気持ちが嬉しくなり、抱きしめて別れを告げた後、妻の元へ急いだ。アーロンはいつもと違う兄の反応に気味が悪くなった。
シャロンがヘンリーの職場に向かっている途中で、同僚から電話が掛かってくる。ヘンリーの脳の画像を専門医に見せたのだが、既に動脈壁から出血しており危険な状態だった。その頃、ヘンリーは秘書に初恋の人や旧友など会いたい人のリストを送り、生前葬に呼んで欲しいと頼んでいた。
映画『余命90分の男』のあらすじ【転】
ヘンリーは息子のトミーを叱り飛ばしたことを思い出していた。自分の法律事務所で一緒に働いてもらおうと名刺まで作っていたのだが、トミーはダンスで食べていくと言って父の意見を突っぱねた。トミーは父が兄のピーターの身代わりに、自分を誘っているようにしか感じられなかったのだ。ヘンリーはトミーの職場のダンスアカデミーに電話を掛けるが、出てくれなかった。
シャロンはヘンリーの職場でアーロンに会い、ヘンリーが脳動脈瘤であることを告げた。そして、治療を拒んだと嘘を吐いた。アーロンは激しく動揺し、兄にひどい態度を取ってしまったことを後悔した。ヘンリーは2年前に息子のピーターを狩猟事故で亡くし、人が変わったように怒りっぽい性格になっていた。それまでは一緒に昼食を食べ、何でも話す仲の良い兄弟だった。
ヘンリーが家に帰ると、妻のベティは隣人のフランクと仲睦まじくお茶をしていた。ヘンリーはフランクを帰してセックスがしたいと、率直にベティに伝えるが拒まれてしまう。ベティはこの2年間のヘンリーの態度に腹を立てていた。そして、トミーがダンサーとして働いていることを、認めてあげないことも許せずにいた。ベティはヘンリーを激しく非難し、フランクと浮気していることを話した。怒ったヘンリーは家を出ていった。
ベティはシャロンとアーロンから事情を聞き、フランクと浮気したのは嘘だとヘンリーの携帯に伝言を残した。その頃、ヘンリーはレストランを訪れていた。生前葬に25人招待していたのだが、来てくれたのは高校の同級生1人だけだった。ヘンリーはショックを受けた。しかも、もうすぐ死ぬと告げたにも関わらず、同級生は高校生の頃の恋の恨みを話し始めた。ヘンリーは腹を立て、レストランを飛び出した。
映画『余命90分の男』の結末・ラスト(ネタバレ)
ヘンリーの捜索は難航していた。アーロンは事務所に、ベティは一度家に戻ることにした。その頃、ヘンリーはトミーにビデオレターを残そうとしていた。1人では撮れなかったため、ホームレスの青年に頼んで撮ってもらった。ヘンリーは息子達と一緒に3人で働くことが夢だったので、ダンサーとして働く夢を応援できなかったことを話し、今までの態度を謝罪した。そして、ピーターの死を受け止めきれず、怒りで心を守るしかなかったのだと叫んだ。その時、ピーターは頭を押さえて倒れてしまう。
ベティはトミーに電話を掛け、ヘンリーが病気であることを話した。トミーは父からの電話に出なかったことを後悔した。そして、父が昔作ってくれた、古い名刺を握り締めた。
ヘンリーは意識を取り戻してから気づいた。“愛している”の言葉さえも、怒らずに言えなくなっていた。その頃、シャロンは助けを求めて母親に電話を掛けていた、だが、母親は自分の話を聞いてくれなかった。落ち込んでいると、青年が持っているビデオカメラからヘンリーの声が聞こえてきた。シャロンは主治医としてヘンリーの居場所を尋ねるが、青年は知らないと言って去っていこうとした。シャロンはお金を少ししか持っていなかったため、代わりに薬を渡して情報を得ようとした。青年はシャロンが薬の常習者だと気づき、持っていた薬を全部出させた。そして、橋に行ったことを教えた。
ヘンリーは橋の上でトミーが子供だった頃、歌を歌いながら一緒にダンスを踊ったことを思い出していた。自殺しようとしていると、シャロンが現れ止められる。シャロンは90分の寿命が嘘であることを告げて、涙ながらに謝罪した。だが、ヘンリーは自殺を止めようとはせず、橋から飛び降りた。シャロンは川に飛び込み、ヘンリーを救出した。ヘンリーは川の中で、人生は不思議で、儚く、一瞬一瞬が貴重でかけがえのないものであることに気がついた。
ヘンリーは足を痛めて歩けない状態にも関わらず、トミーに会いに行こうとした。シャロンは自分がヘンリーを連れて行くことを決める。ただ、興奮すると血圧が上がって動脈壁からの出血が酷くなるため、怒らないようにヘンリーに忠告した。ヘンリーは了承して、シャロンと共にタクシーに乗り込んだ。だが、そのタクシー運転手は、ヘンリーと事故を起した相手だった。ヘンリーとタクシーの運転手が口論を始めたため、シャロンはタクシー運転手を蹴り飛ばし、車を奪った。ヘンリーはシャロンの剣幕を恐れて何も言えなくなる。
シャロンを車に残し、ヘンリーが1人でトミーに会いに行くと、トミーは橋の上でヘンリーが口遊んでいた曲を聞いていた。ヘンリーはトミーをダンスに誘い、踊りながらプロになれるほど上手いと褒めた。トミーは泣きながら父を抱きしめた。
ヘンリーはその後、8日間生きた。最後の時間、ベティと語り合い、アーロンとサンドイッチを食べ、トミーとカードゲームをした。ヘンリーは最後の8日間、一度も怒ることなく過ごした。そして、幸せな日々を思い出しながら穏やかに逝った。シャロンはヘンリーの最期を見届けた後、仕事も薬も不倫もやめた。無料クリニックで働き、患者と向き合う働き方に変えた。そして、新たな猫を飼い、新たな恋を見つけた。
映画『余命90分の男』の感想・評価・レビュー
医者のシャロンに余命90分と嘘の宣告をされたヘンリーが、残された時間で家族と向き合おうとするストーリー。家族への心残りや伝えたい言葉をタイミングが合わず、なかなかうまく伝えられないモヤモヤした展開が面白い。実際に脳の腫瘍が見つかっているので、危険な状態に変わりは無いのだが、残された時間がはっきりと告げられるような時ではないと、本心はなかなか人に伝えられないのだろうと、考えさせられてしまった。100%ハッピーエンドとは言い切れないが、亡くなる前に家族との繋がりをしっかりと確認できたヘンリーは幸せだったのだろうと思えた。(男性 30代)
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