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映画『ゼロ・ダーク・サーティ』あらすじとネタバレ感想

映画『ゼロ・ダーク・サーティ』の概要:「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー監督、マーク・ボール脚本のコンビが描いた、ビンラディン殺害ミッションに挑むCIA女性捜査官の物語。日本では2013年に公開された。

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映画『ゼロ・ダーク・サーティ』 作品情報

ゼロ・ダーク・サーティ

  • 製作年:2012年
  • 上映時間:158分
  • ジャンル:アクション
  • 監督:キャスリン・ビグロー
  • キャスト:ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク、ジョエル・エドガートン、ジェニファー・イーリー etc

映画『ゼロ・ダーク・サーティ』 評価

  • 点数:60点/100点
  • オススメ度:★★☆☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

映画『ゼロ・ダーク・サーティ』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『ゼロ・ダーク・サーティ』のあらすじを紹介します。

9.11のテロから2年後。
CIAパキスタン支局では、ビンラディンとのつながりが疑われるサウジ・グループの男性への、拷問に近い取調べが続けられていた。
なかなか情報を引き出せない支部に、若いがやり手のCIA女性分析官マヤが派遣される。
マヤの提案で、ようやくまともな情報を聞きだす事に成功する。

ビンラディンへの鍵を握るのは「アブ・アフメド」。
マヤと仲間たちは、世界中を飛び回って「アブ・アフメド」について調査するが、有力な情報は得られずにいた。
そんな中、仲間のダンが帰国する事になる。

アルカイダのバラウィという人物が、条件付きでアメリカ側に寝返ると情報が入るがそれは罠だった。
仲のよかった女性捜査官ジェシカたちが命を落として落ち込むマヤに、「アブ・アフメド」は死んでいたという情報が飛び込む。
マヤは必ずビンラディンにたどり着き、死んだ仲間たちの仇をとると誓う。

マヤがパキスタン支局に来てから6年が経ち、「アブ・アフメド」が生きている可能性が浮上する。
「アブ・アフメド」の本名がイブラヒム・サイードだとわかり、母親への通話を傍受できるようになるが、マヤの上司はアメリカで起こったテロの調査をマヤに要求する。
やがてスキャンダルが発覚した上司は、職務を離れていった。

「アブ・アフメド」に執着するマヤは、彼の要塞のような屋敷を発見し、ビンラディンに繋がる道を切り開いていく。

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映画『ゼロ・ダーク・サーティ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ゼロ・ダーク・サーティ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

拷問シーンの入った150分は見るのがつらい

150分という長い時間の作品で、内容を考えれば妥当な長さなのだが、長すぎてつまらなさを感じてしまうストーリーでもある。
再現映像などを一切使わず、黒い画面と字幕のみで構成された9.11のイメージから始まる。
取調べと称された拷問の様子は嫌な気分になるし、マヤが食事を与えると真実を語りだすという流れは真実味が全く無い。

拷問される相手を見るのが嫌になったためCIAを辞めると言ったダンは、その後ちゃっかりCIA本部に勤務しているし、取り引きを持ちかけられたCIAのジェシカが自爆テロに巻き込まれるまでにケーキを作ったり、基地の見張りを解かせるという行動は意味がわからない。
ジェシカらが命を落としてから“アブ・アフメド”に執着するマヤの姿もイマイチで、彼女が情報分析を行うシーンよりも、同僚や上司にヒステリックに当り散らす印象しか残らない。
ジェシカとマヤの交流もさほど描かれておらず、「いつの間にかそうなっていた」という流れが多い作品だ。
終盤で飛行機に一人乗り込んだマヤが「どこに向かうか?」と聞かれ、心ここにあらずといった表情で返事もせず、そのままエンドロールに進むのも唐突過ぎる終わり方。

早すぎる映画化に疑問

ビンラディン殺害実行計画の様子はとてもリアルで、特殊なゴーグル越しに見える景色、緊張感も素晴らしい。
9.11の音声もリアルに作られていて鳥肌がたつ。

実際にウサマ・ビンラディン殺害のニュースが世間を騒がせたのが2011年、アメリカで本作が公開されたのが2012年で日本公開が2013年という、あまりにも早いスピードで製作された作品でもある。
そんな短期間で事実を基にした作品を公開するのは、あまりにも不謹慎に思える。
主演のジェシカ・チャスティンの鬼気迫る演技は見ものだが、アメリカの強さを描いたプロパガンダ映画としても受け取れてしまうのは問題だろう。


さてこれはどういった気分で観たらいいのだろう。実際に起こったことは一切忘れてヒロイン物として観るとすると、ラストシーンでの主人公の表情にカタルシスがなさすぎる。実際に起こったことを考慮して、こういう人々がいました、ということであれば、そもそもなぜ9.11は起きたのかというところまで遡らなければならないだろう。もしこれら全部含めて一連の出来事はなんだったのか観客に考えさせるものだとしたら、それは案外成功しているかもしれない。結局作戦が成功して皆ハッピーで終わり、という出来事ではなかったのだから。(男性 40代)


長すぎる、盛り上がりがない、つまらないと批判的な意見も多い今作ですが、そもそもこの作品で描かれているのは思うように進まないビン・ラディンの捜索なんですよね。それをものすごく丁寧に描いているのだから、長くなるのも、盛り上がらないのも心が蝕まれていくのも当然で、これがリアルなのだろうと、感じさせられました。
いくら執念を燃やしていても仲間が死に、結果も出せず…という状況が続いたら自分の心もよく分からなくなってしまいますよね。
複雑な役どころを演じていたジェシカ・チャステインがすごく上手かったなと思います。(女性 30代)

映画『ゼロ・ダーク・サーティ』 まとめ

アメリカ軍の爆発物処理班に焦点を当てた「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー監督と、マーク・ボール脚本がふたたびタッグを組み、9.11のテロからビンラディン殺害に至るまでを一人のCIA女性分析官の目線で描いた作品。
工夫を凝らしてはいるものの、目を背けたくなるような残酷な拷問シーンや、ビンラディン殺害のために巻き添えになった女性や子供たちの姿が痛々しい作品でもある。

マヤをはじめジェシカやダンなどのモデルになった人物も存在するというが、トップシークレット事項のために、その正体が明かされるのは何十年も先になるという。
因みに、タイトルの「ゼロ・ダーク・サーティ」の意味は、軍事用語で「午前0時30分」を指す言葉になっているらしい。

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