映画『彼女について私が知っている二、三の事柄』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「彼女について私が知っている二、三の事柄」のネタバレあらすじ結末

彼女について私が知っている二、三の事柄の概要:売春する主婦の日常をドキュメンタリータッチに描いた作品。物語の途中で、登場人物が自分の思想や心情を画面に向かって喋り出すという演出で、人間の心の闇に迫っていく。劇中で多用されるヒソヒソ声のナレーションは、ジャン・リュック・ゴダール監督自身が務めている。

彼女について私が知っている二、三の事柄の作品概要

彼女について私が知っている二、三の事柄

製作年:1966年
上映時間:90分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ジャン=リュック・ゴダール
キャスト:マリナ・ヴラディ、アニー・デュプレー、ロジェ・モンソール、ラウール・レヴィ etc

彼女について私が知っている二、三の事柄の登場人物(キャスト)

ジュリエット・ジャンソン(マリナ・ヴラディ)
パリ郊外の巨大な公団住宅で暮らす主婦。表面的には普通の主婦だが、夫に内緒で売春をしている。小学校低学年くらいの息子とまだ幼い娘がいる。
ロベール・ジャンソン(ロジェ・モンソレ)
ジュリエットの夫。ガソリンスタンド勤務。アマチュア無線が趣味。
マリアンヌ(アニー・デュプレー)
ジュリエットの友人。美容院に勤めている。彼女も売春をしている。
ジェラール氏(ジョゼフ・ジェラール)
売春宿を経営している男性。子連れの主婦に働いてもらうため、売春宿で子供を預かっている。

彼女について私が知っている二、三の事柄のネタバレあらすじ

映画『彼女について私が知っている二、三の事柄』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

彼女について私が知っている二、三の事柄のあらすじ【起】

1966年8月、首都圏拡張計画の一環として、パリ郊外には次々と公団住宅が建設されていた。その公団住宅で暮らす主婦のジュリエットは、ロシア系の美人で、アンニュイな魅力がある。夫のロベールはガソリンスタンドで働いており、月収は11万フラン。生活は楽ではなかったが、小学生の息子とまだ幼い娘がいるので、ジュリエットは家にいた。

ロベールはアマチュア無線が趣味で、休日には友人と一緒に無線の傍受を楽しむ。ジュリエットは普通に家事もするし、子供にとっても優しい母親だ。しかし、彼女には夫にも言えない秘密があった。

夫が仕事に出かける平日の昼間。ジュリエットは、街中にあるジェラール氏の売春宿へ向かう。家賃や光熱費なども高騰し、夫の収入だけでは好きな洋服も買えないため、ジュリエットは売春で小遣い稼ぎをしていた。彼女のような主婦は多く、ジェラール氏の売春宿には、託児設備がある。ジュリエットも、幼い娘をジェラール氏に預け、裏口から外へ出る。小さな娘は母親を恋しがって泣き叫んでいたが、ジュリエットは動じない。ジェラール氏も、手慣れた様子で娘をあやし始める。

彼女について私が知っている二、三の事柄のあらすじ【承】

ジュリエットは街へ出て、洋服店で気に入った服を選ぶ。その後、彼女はカフェへ移動し、客になりそうな男を探す。店内には目ぼしい男がおらず、ジュリエットは再び街へ出る。そして、地下鉄で働いているという年下の男を見つけ、2人でホテルへ入る。

ジュリエットは、売春をいいことだとは思っていないが、必要以上に自分を蔑むのは嫌だった。そんなことをポツリポツリと語りながら、ジュリエットは男と行為を済ませる。

ホテルを出たジュリエットは、友人のマリアンヌが働いている美容院へ行く。マリアンヌとたわいもないおしゃべりをしながら、染髪と爪の手入れをしてもらう。途中、マリアンヌに電話があり、彼女は店長に早退を申し出る。電話の相手は、彼女の知り合いのアメリカ人男性だった。マリアンヌは、ジュリエットも誘って、アメリカ人男性のところへ向かう。

ジュリエットは、ロベールが働くガソリンスタンドへ寄り、車を洗車する。その後、ロベールと待ち合わせの約束をして、アメリカ人男性が宿泊しているホテルへ入る。

彼女について私が知っている二、三の事柄のあらすじ【転】

アメリカ人男性は新聞社の駐在特派員で、サイゴンでベトナム戦争の取材をしていた。血なまぐさい現場に嫌気がさして、パリへ休暇に来たらしい。マリアンヌは、慣れた様子で服を脱ぎ、リラックスする。アメリカ人男性は、裸になった2人の顔をバッグで隠し、ウロウロと歩かせる。

ロベールは、ジュリエットと待ち合わせをしたカフェで、隣の席の女性とおしゃべりをする。ロベールは初対面の彼女と、性行為について話したがる。しかし、ロベールの質問があまりに馬鹿げていたため、女性は不愉快そうな顔をする。

向かいの席では、著名な作家と彼のファンだという女学生が、真面目な話をしている。「自己に誠実であるべきでしょうか?」という彼女の質問に、作家は作家らしく小粋な答えを返す。その後、彼女は「詩は教訓的か、装飾的かどちらでしょう?」と、難しい質問をする。作家は「人生を飾るものは全て教訓です」と答える。彼女はあれこれ聞きたいことがあるようだが、話がうまくまとまらない。女学生は、若者らしい混沌とした悩みを抱えていた。作家は、なぜ彼女が自分に相談したいのかがよくわからない。それでも、一応誠実に対応する。

彼女について私が知っている二、三の事柄のあらすじ【結】

アメリカ人男性と別れ、ホテルを出たジュリエットは、カメラに向かって自分の心境を語り始める。若い男とホテルに行った時、ジュリエットは様々なことを感じていた。それを脚本や小説にしたら、何巻も続く物語になりそうだった。彼女は彼女なりに、暗澹たる気持ちを抱えつつ、売春という仕事を続けていた。

その後、ロベールと合流して帰宅したジュリエットは、優しい母親の顔に戻る。小学生の息子は、玄関の前で、両親の帰りを待っていた。

ロベールは仕事で疲れており、あまり機嫌が良くない。ジュリエットは、暴れる息子をベッドに寝かせる。幼い娘はずっとぐずっており、ロベールは娘をジュリエットに託す。そして、無線機の前に座り、自分の時間を楽しむ。

長い1日が終わり、夫婦はベッドに入る。ジュリエットは、本を音読しながら、その内容に意見する。ロベールはそれがうるさいらしく、本を取り上げる。ジュリエットは、本当の愛情と嘘の愛情の違いについて考えていた。ロベールには、「私が何も変わらない時、愛は偽物、私が変わり、愛する人が変わる時が本物」という妻の言葉が理解できない。ジュリエットは、「私は変わった、と同時に元の私のまま」と再び意味深なことを言う。ロベールはそれについて特に反応もせず、本を読み始める。ジュリエットは気だるげな顔で、タバコに火をつける。

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