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映画『阿弥陀堂だより』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『阿弥陀堂だより』の概要:病気の療養のため、夫の故郷へ帰郷した夫婦。雄大な自然に囲まれながら穏やかな生活を続け、深い悲しみや心の傷を癒していく姿を描いている。四季折々の大自然の映像が非常に美しく、穏やかな夫婦の生活と共に、観る者をも癒してくれる作品。

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映画『阿弥陀堂だより』の作品情報

阿弥陀堂だより

製作年:2002年
上映時間:128分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:小泉堯史
キャスト:寺尾聰、樋口可南子、田村高廣、香川京子 etc

映画『阿弥陀堂だより』の登場人物(キャスト)

上田孝夫(寺尾聰)
売れない小説家。病を患った妻と共に、実家がある信州の谷中村へ帰郷。穏やかな性格で妻美智子を労わる優しい人物。
上田美智子(樋口可南子)
東京の大学病院に勤務していたが、パニック障害を患ってしまい、療養も兼ねて夫の実家がある信州の谷中村へ引っ越して来る。優しく穏やかな女性。医師としてはかなり有能。
幸田重長(田村高廣)
孝夫の恩師。末期の胃がんを患っているが、本人は病気であることを感じさせない。無理をせず、好きな物を食べ好きなことやって生き、そうして死ぬことを信条としており、偉大な人物。
おうめ婆さん(北林谷栄)
死者を祀る阿弥陀堂を預かる96歳のお婆さん。広報に毎月コラムを載せており、可愛らしくユーモアの溢れる人物。「~であります」が口癖。高齢でありながらも、元気で謙虚。
小百合(小西真奈美)
喉の病にて言葉が話せなくなった女性。可愛らしく美人で常ににこやか。おうめ婆さんから話を聞き、広報の阿弥陀堂だよりを執筆している。文才があって、美しい文字を書く。

映画『阿弥陀堂だより』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『阿弥陀堂だより』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『阿弥陀堂だより』のあらすじ【起】

売れない小説家の上田孝夫はパニック障害を患った妻、美智子を連れて実家がある信州の谷中村へと帰郷した。村は自然が豊かで、療養にも持ってこいの場所であった。
村の高台には死者を祀る阿弥陀堂がある。そこには御年96歳になるおうめ婆さんが住んでいた。彼女はとてもユーモア溢れる人物で、可愛らしいお婆さんである。夫婦は笑顔で引っ越しの挨拶を済ませるのだった。

住民のほとんどが高齢者である村には医者がいない。医師として大学病院に勤務していたことがある美智子は、幼稚園の一室を借りて週3日、午前中だけの診療所を開設することにする。パニック障害の発作は何がきっかけで起こるか当人にも分からないため、務めるにしてもそれが限界だったのである。
それでも村長は、無医村だった村に医師が来たと喜んでくれるのだった。

美しい自然と様々な鳥の声。丘の上に立つ家からは村が一望でき、景色も素晴らしい。夫婦は穏やかに日々を過ごし徐々に村へと馴染んでいく。
ある日、村の広報が届いた。広報には阿弥陀堂だよりと称して、おうめ婆さんがコラムを書いている。それを見た美智子は、おうめ婆さんが昨年、血圧が高くなって体調を崩したという話を思い出す。高齢である彼女の体調が気になった。

夫婦は再び、阿弥陀堂を訪ねる。おうめ婆さんはお昼寝中だった。目が覚めるまで待って、血圧を測定。現在の数値は高齢にしては、かなり良い数値だった。昨年は何があったのかおうめ婆さんに尋ねると、彼女は阿弥陀堂には便所がなくて、それを掘ったからだと答える。孝夫はおうめ婆さんのため、阿弥陀堂に便所を作ることにした。

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映画『阿弥陀堂だより』のあらすじ【承】

その帰り、近所の神社に立ち寄った夫婦。そこでは子供達が集まって遊んでいたので、孝夫と美智子は子供達と一頻り遊んだ。夫婦には子供がいない。なぜだか泣けてしょうがなかった。

翌日、便所を作るために阿弥陀堂を訪ねた孝夫は可愛らしい女性、小百合と出会う。彼女は度々、おうめ婆さんを訪問して話を聞き、広報の阿弥陀堂だよりを執筆しているらしい。喉の病で声と言葉が話せないが、表情はとても豊かで美しい文字を書く女性だった。

穏やかでゆったりと時が流れる田舎住まい。夫婦は様々な人々と触れ合いながら、生活を営む。時には川釣りを楽しみ、田植えを手伝ったり子供達と遊んだり。美智子の表情も明るくなって、この頃では発作もほとんどない。
更には川釣りを楽しんだ日から、睡眠薬を飲まなくても眠れるようになった。

彼女は孝夫に満面の笑みを見せ、この村に来て良かったと言う。そんな妻を見た孝夫も嬉しくなって笑みを浮かべるのだ。
自然に囲まれた家では、夜になっても虫の泣き声や木々のさざめきしか聞こえない。夫婦は幸せな気分で、寄り添いながら眠りについた。

季節は巡り夏へ。夫婦はお盆の準備をしながら、新しい仏壇の購入を考える。美智子曰く、自分達が死ぬまでここで暮らしたら、いつか自分達もご先祖様になる。彼女の言葉に孝夫は笑って賛同するのだった。

新しい仏壇を購入してお盆を迎えた。お墓参りをして、夜には2人でささやかながら花火を楽しむ。そして、近くの川で灯篭を流した。
阿弥陀堂では近所の人々が集まり、経を唱えて死者を祀る。

映画『阿弥陀堂だより』のあらすじ【転】

村に来てから半年。美智子の医者としての評判は上々だった。診察に来た老人の話をじっくり聞くし、診断も的確だったからだ。村長は彼女に診療所を毎日、開いて欲しいと言っているらしいが、美智子は頑としてそれを了承しないのだった。

お盆過ぎ。広報に載った阿弥陀堂だよりには、幼少期のおうめ婆さんは寝込むばかりで長生きしないだろうと言われていたが、なぜか自分が一番長生きしていると書いてあった。
これを聞いて書いているのは、小百合である。彼女も診療している美智子は、表情を曇らせた。
小百合は学生の頃、喉の肉腫で声を失っている。美智子は彼女を診療し、病気の再発と肉腫が転移している可能性を見つけてしまったのである。

大学病院時代、美智子はこの症例に3度、立ち会ったことがあった。故に、小百合には総合病院で精密検査を受けるよう勧めた。総合病院の医師は、美智子にも診療に参加して欲しそうだったが、彼女はそれを断った。孝夫は不安を吐露する妻を優しく励ます。小百合を救えるのは、美智子しかいないとそう思うからだ。必要なサポートは夫である自分がするからと、妻を勇気づけた。

後日、夫婦は総合病院に入院した小百合の見舞いへ向かった。孝夫が今月の阿弥陀堂だよりも良かったと褒めると、彼女は嬉しそうな笑みを見せる。病気が完全に良くなったら出ておいでと言うと、小百合は笑みを見せて頷いた。彼女の担当医は若い医師だったが、とても勉強熱心で美智子にとっても、やりやすい相手のようだった。

やがて季節は秋へ。入院生活を送る小百合のために、孝夫はおうめ婆さんの声を録音して病院へ持って行こうと考える。おうめ婆さんは小百合のことを酷く心配しており、阿弥陀様へと一心にお祈りをしていた。

一方その頃、小百合の病状が悪化。美智子は冷静に担当医へと今後の指示を送っていた。心配していた肺炎の進行が思ったよりも早かったせいである。薬の副作用があろうとも、今は生かす方法を取る。彼女は家族にもそう説明した。

大学病院時代の美智子は周囲の期待に応えるため、無理をして自分を装っていた。そうして、仕事を続け300人余りの死を看取った時、彼女はとうとう燃え尽きてしまった。そして、それと同時に美智子の体内に宿っていた命をも失ってしまう。
そのせいで彼女は酷く悲しみ、体調を崩した。生きる気力を無くし、死ぬことばかりを考えている内にパニック障害を発症してしまったのだった。

映画『阿弥陀堂だより』の結末・ラスト(ネタバレ)

パニック障害は心の病。孝夫の故郷である谷中村へ来たのは元来、病気療養のためだったが、今は村に来たことで死への概念を考え直し受け入れることができていた。だから、若い担当医へも笑って話すことができている。

翌朝、小百合の容態が安定したため、美智子は病院から帰宅。肺炎が山を越えたため、きっと小百合は助かるだろう。美智子は心を病む前の元気を取り戻したように、自信を持ち始めるのだった。

稲刈りの時期。小百合の手術が無事に成功。夫婦は真っ先におうめ婆さんへ報告に向かう。彼女は泣きながら良かったと言い、美智子はいい女だから大事にしろと孝夫に言うのだった。

孝夫の恩師である幸田重長は、末期の胃がんを患っている。今は田舎に妻と2人暮らしで孝夫は度々、彼を見舞っていた。時には夫婦で幸田の元を訪れることもある。幸田は胃がんであることを嘆くよりも、自分がやりたいことをやって好きな物を食べて悠々自適に暮らしていた。そんな彼の姿を見る度、美智子は密かに勇気づけられている。だが、秋に入ってから体調を崩し、床に臥せることが多くなっていた。

そんな折、小百合の父親である村の助役が上田夫婦の元を訪れる。もちろん、娘の命を助けてくれた礼もあるが、本題は村に新たな医療施設を造ることになったため、所長として美智子を迎え毎日、診療して欲しいということだった。美智子は小百合を助けたことが自信となり、前向きに検討することにした。

幸田の容態が良くないという知らせが届く。孝夫と美智子は幸田の顔を見に向かい、親族と共に彼の死を看取った。幸田は最期に孝夫の顔を見て、これでもういいと言葉を残したのだった。
阿弥陀堂に真新しい名札が入る。おうめ婆さんは残された幸田の妻を労り懸命に慰めるのだった。

厳格な冬が到来。村は真っ白な雪で覆われた。小百合が無事に退院したため、上田夫婦と共におうめ婆さんの元を訪れる。おうめ婆さんはいつになく喜んでくれた。
雪が降るある日、病院に受診した美智子を迎えに来た孝夫。彼は妻から驚くべき報告を受ける。なんと、彼女が懐妊したと言うのだ。夫婦は喜びに包まれ、仲睦まじく帰宅するのだった。

阿弥陀堂だより。
冬は真っ白な雪で覆われ、あの世とこの世の境が分からなくなる季節。春夏秋冬はまるで人間の一生のようで。冬が過ぎればまた、春がやって来る。

雪解けの時期。上田夫婦は小百合と共に、おうめ婆さんと記念撮影をした。美智子の腹では赤ん坊が順調に育っているのだった。

映画『阿弥陀堂だより』の感想・評価・レビュー

陰と陽の描き方が素晴らしい作品でした。誰でも皆、信じているものがあり信念や信仰、そんなに大袈裟じゃなくても「神様お願いします」なんて思ったりしたことありますよね。
この作品で描かれるのは「阿弥陀信仰」を通して描かれる死生観。生きるということ。死ぬということ。そして、どのように生きて死んでいくか。人間誰しもに訪れる「死」というものに対して、すごく温かく描かれていました。
田舎っていいよなあと感じる作品です。(女性 30代)


壮大で美しい自然の映像と共に穏やかな生活の中、少しずつ傷ついた心を癒す夫婦の姿を描いているのだが、序盤で子供達と遊んだ後、夕暮れの中で静かに悲しみに沈む夫婦の姿がとても印象的。なぜ彼らがこんなに悲しんでいるのかが後半で明らかになるので、腑に落ちる。傷ついた妻を見守りつつ支え続ける献身的な夫の心と景色の美しさが相まって深みが増している。そんな中、鮮やかな色をつけてくれているのが、阿弥陀堂のお婆さんだ。とてもユーモラスで可愛らしく微笑ましい。ずっと話を聞いていたいと思える存在である。そして、これらがあった後の終盤の冬の映像と阿弥陀堂だよりの言葉が心にとても刺さる。非常に素晴らしく心に響く良作だと思う。(女性 40代)

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